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141. “それ”がいる森 《ネタバレ》 何故、近年の邦画ホラーはこうなってしまうのか?敢えて「近年の」と添えたのは、昭和の時代のホラーや怪談話はもっとジメッとしておどろおどろしくて、早い話が恐かった記憶がある訳でして、それは以来何十年も様々観て来てしまったが故の眼の曇りというのも確かにあるし、今更ちょっとやそっとじゃ驚かないって、というのもあることはあるのですが、その辺差っ引いてもやっぱ「近年の」はさっぱり恐くなくてバカバカしかったり呆れるしかないようなものが多過ぎるのです。(それはそれで好きでもあるのですが) 本作について言えば、まず第一に緊張感の欠落。冒頭の強盗カップルの部分だけはまぁまぁイイ感じがしたのですが(特に彼氏の腕が飛んできた辺りは良かったです)、それだって「犯人」が姿を見せないってだけの良さに過ぎず(流石に冒頭からヤツは出なくて安心)、結果アッサリすぐに全身丸見えだったりもするから結局興覚め一直線ってな感じに落ち着いてしまう。 この緊張感の無さは全編通じてたりして、主人公親子の言動や行動があまりに緩くて危機管理力なさ過ぎだし、教頭やら担任やら(穂香ちゃんは好きなので悪く言いたくないのですが)警察やら何やら、誰も彼もがユルユルなのには閉口。子ども向け作品?だとしてもユルユルではダメなのじゃないかと。 そして、物語的には要らんようなエピソードに必要以上にウェイトが振られてたり、そうかと思えば妙に真面目に造り込んで演出してたりして、少なからずチグハグ感が漂ってしまう。ま、そんなことより何より話がチッチャ!一体何で福島の此処?UFOスポットなんてのは他にもあるだろうに。そんで何でオレンジの病原菌でエイリアンあっさり死亡フラグ?インフルで滅んでしまった火星人みたい。てか、そのアレンジに見えてしまう。 だいたいからして、そもそもエイリアン御登場は早い段階から見えていたものの、エイリアンにして欲しくなかった。エイリアンにする必然性あったのかしらん?もっと不気味な「森に棲むアレ」みたく纏めて欲しかった。 まとまりのない文章で失礼しましたが、観終えてみれば早い話が思った通りの作品。「それ」以上でも「それ」以下でもない「それ」。もっと骨太にオリジナリティ豊かに物語を練り上げて欲しかった。正直な気持ちは、Jホラー頑張って!なので尚更に残念でした。[インターネット(邦画)] 3点(2025-01-22 15:08:33)(良:1票) 《改行有》 142. 死霊館 《ネタバレ》 実話なのです。と予め断られてしまうと、そりぁもう文句のつけようがない…と言ってしまえばハイそれまで。 いえいえ、そんなことはありませんね。日頃から思ったり時としてレビューに書き込んだりしているのですが、そもそも悪魔が出たらもう何でもあり。起きてる現象が物理的に現実の物かどうかなんてどうでもいい訳でして、万能選手の悪魔には出来ないことなんぞないのだ、と断言されてしまいかねない訳なのですね。そこへ持って来て(当然のことながら)本作はキリスト教ありきの設定。悪魔路線に関する登場人物の物分かりの良さが光ります。てか、それがあるからこそテンポの良さが一層リードされてます。 なにはともあれ、この悪魔の顔出し加減の絶妙さがあってこそ、実話であることを失念してしまう程に思いっきり見応えのある作品に仕上がってますね。ノンストップホラーアクションといった風情。流石のジェームズ・ワン監督です。全体的にスタッフも相当充実してるのでしょう。細かな演出、大きな演出、基本的にオカルト作品としての不満は皆無でした。 本作はシリーズ第1弾。このシリーズ、個人的には別段コンプリートを目指してはいませんし、本作を観ればもう十分かも。と言いつつも、シリーズ他作を覗いて観たくなる佳作でした。[インターネット(字幕)] 8点(2025-01-22 00:24:43)(良:1票) 《改行有》 143. マイ・オールド・アス~2人のワタシ~ 《ネタバレ》 タイムトラベルものでもなければ心霊ホラーものでもない。かと言って、パラレルワールドものでもなければマルチバースものでもない。既視感があるようでいて新鮮なアプローチ。妙な理屈は抜きってのが潔い。 しかも、きっかけはタイムスリップとか空間の歪みとかじゃなくて幻覚キノコによるトリップ。ここが大いに笑えますね。濃く煎じ過ぎちゃったらこうなりました、みたいな。しかも、未来の自分に出逢うのはヒロインだけで、親友たちはそれぞれ普通に?トリップしちゃってる。一方、未来のヒロインも過去の自分に逢うためにはキメなきゃならないってのもまた可笑しいです。 物語そのものは、途中である程度先読み出来てしまうのですが(ハッピーエンドの気配しか感じられないと言うラブコメの王道的予感)、それはそれで大いに楽しませてもらいました。登場人物の存在感と役割感がいいですね。 SFファンタジーラブコメヒューマンドラマ。一発勝負のアイディア、楽しかったです。 ちなみにタイトルも気に入りました。ひさびさの「アス」、「キックアス」以来かも。ネイティブ的には何かニュアンスがあるのでしょうけれど、その辺抜きにして好きなタイトルです。[インターネット(字幕)] 8点(2025-01-21 23:38:07)《改行有》 144. Mr.BOO!ミスター・ブー 《ネタバレ》 44年前に吹替え版TV放映を鑑賞して以来の再見。懐かしいとともに、字幕だとこんな雰囲気だったんだという驚愕。正直言ってある程度の忍耐力は発揮せずには鑑賞終了は困難な代物でした。 ある種のギャグやユーモアは間違いなく風化するのですね。てか、しない方が珍しいのかも知れません。何度観ても笑えるコメディは間違いなくありますが、もしかしたら少数派なのかも知れませんね。 本作はコテコテのおバカギャグ満載のコメディ。当時は可笑しかった。笑いました。でも、それは当時だったからでしょう。観ているこちらも若者だったし、少し前まではコント55号とかドリフとかよくよく考えれば結構くだらないお笑い(決して否定でも批判でもありません)が席巻していたし、初回TV放映時は所謂「漫才ブーム」の黎明期。本作を迎え入れる下地、環境は十分に整っていた訳ですから。 そこに持ってきて、TV放映は吹替え版。名人級の前川氏と新進気鋭のビートたけし氏のマシンガン的アドリブの嵐に笑えない訳はなかったって感じですね。 ところが今回は半世紀近い時を経た上に字幕版。画質や音質などの時代感はレトロ感があって良かったのですが、肝心の中身がスベルことスベルこと。何回身を引いてしまったことか。 あまりのガッカリ感故にアマプラで字幕版を観た後に、恐いもの見たさで改めてU-nextで吹替版を鑑賞。うん、今観ても、てか聴いても前川氏とたけし氏の吹替にはキレがありますね。これならば、当時ほどではないにせよ笑えます。 多くのご意見にも同様の趣旨が書かれていますが、少なくとも本邦においては本作は吹替えあってこそのヒット作品だったと言って良いのでしょう。あくまでも、今の時代になって初めて字幕版を観ての評価、という意味での4点を献上します。[インターネット(字幕)] 4点(2025-01-20 14:29:28)《改行有》 145. リバー、流れないでよ 《ネタバレ》 山口監督とヨーロッパ企画によるタイプリープもの第2弾ですが、味わいは大分異なりますね。SFドタバタコメディというジャンル感と作品全体から漂うテーマ感は共有しつつ、タイムリープやパラドクスについては扱いが大きく異なると言うか、大いに似て非なる作品でした。 結論から言えば、少々雑ですがこれはこれで面白い。ラブコメ要素があったりヒューマンストーリー要素があったりと、中身も濃いいです。ただ、なにせタイムリープのスパンが短か過ぎますから頻度高っ。2分というのは短いようでいて長くもある微妙な時間。流石に繰り返しが多過ぎかも。その間の天候(降雪)の差異については作り手の計算もあるのかも知れませんが、個人的には当事者の意識だけは変化していっても環境部分は据え置くと言うのが正しいように思えて仕方ないです。 また、どう考えてもキーパーソンの冒頭に登場する謎の女性ですが、トラブルに対しての焦りや絶望感がまるでないのはコメディだから良しとしても、やっぱしタイムパトロールなんだから過去の人物や時間にそんなに関与しちゃいかんでしょと思えてしまう。SFコメディとして最低限の理屈は持って欲しいところでした。 それとあとひとつ、この場であまり他作に踏み込むべきではないと承知しつつも、前年に公開された「THE MONNDAYS…」との類似性が少なからず気になってしまったと言うか、一番気になったと言うか、決して批判的な意味ではなく同じ邦画タイムリープコメディとして比較しつつ楽しむのも良いかな、などと思った次第です。 ちなみにタイトルは秀逸。このセンスは好きです。[インターネット(邦画)] 7点(2025-01-19 12:19:52)(良:1票) 《改行有》 146. 友達の家 《ネタバレ》 試験的に制作したのではないかと思えてしまう作品。 №1のご意見に全く同感なので自分なりに想像した部分は省略しますが、結論のみ言わせて貰うならあまりにありがち過ぎて殆ど全て予測可能。なのでストーリー的には評価しようがないかなと。 それでは演出面はどうかと言えば、やはり特に意外性やオリジナリティは見出せず、トータル的には低い点を付けざるを得ないところです。 ホラー初心者向けお試し編としての2点献上です。[インターネット(邦画)] 2点(2025-01-14 10:25:31)(良:1票) 《改行有》 147. ザ・メガロドン 大怪獣覚醒 《ネタバレ》 ついにシリーズ第3作になりました。今回はより前作との関係性・連続性が明確です。前作で戦い切ったキング号が基地に帰るところですから。それにしては何故か艦長が殉死してて後継艦長が登場しますが。何か大人の事情でしょうかね? まぁそれはともかくとして、今作では謎に強気な科学者が登場、謎の技術で海底火山のエネルギーを取り出す計画を進めています。そのせいでまたしてもメガロドンを掘り出してしまうのですが、独自に活動している民間人のようでいてやってることはかなり危険な国家的プロジェクトだったりして良く分からない設定になっています。 で、今回も少なめのサメ登場シーンですが、サメCG自体はより自然体に描かれているように思えます。例によって良く見ると妙な点もありますが。ただし、スケール感がグダグダかも。60メートル級っていくらなんでもやり過ぎでしょう。サメが戦艦嚙み砕くって、そりゃやり過ぎでは? 内容を濃くしてシリーズのレベルアップを図ったように見えなくもない作品ですが、このあたりが限界なのでしょうか?もっとコメディ路線に振ったらどう?と言いたくなる作品でした。[インターネット(字幕)] 4点(2025-01-13 23:48:01)《改行有》 148. ザ・メガロドン 怪獣大逆襲 《ネタバレ》 前作(制作当時に次作を計画していたかは不明)とは少々趣を違えた巨大ザメ作品。 前作はロシアの潜水艦が登場、本作では中国の艦船が登場。国際問題を背景に巨大ザメの脅威を描く?いえいえ、政治的な中身はありません。あわや第3次世界大戦勃発?っぽい台詞はありますが、共通の敵はサメ!ってことで結局は共闘します。かと言って反戦映画では間違ってもありません。 前作絡みで姉妹関係を交えつつ軍の規律を背景とした人間関係を描き込んでいる、ようでいて何だかよく分からない人間関係とそれに伴う感情の変化だったりします。 で、肝心のサメは多発します。が、あくまでも設定上の話であって、ビジュアル的に大量のメガロドンが一気に襲って来る恐怖は描かれません。ただし、絵的には進化したかも。あまり登場しません(サメ映画なのに)が、時折登場する拡大ver.のCGは意外にも自然ぽかったりします。細かく見てしまうと適当な造りや動きだったりもしますが。 結局、最悪のピンチを突然小型潜水艇で、しかも単独で駆け付けた上司が魚雷1発で巨大ザメをやっつけてハッピーエンドなのですが、なんだそれ? 前作からの工夫の跡は好意的に見れば見て取れますが、基本的には散りばめられたヘンテコなところを笑いながら観るのが正解かも知れない謎作品でした。[インターネット(字幕)] 3点(2025-01-13 23:26:55)《改行有》 149. ハート・ショット 《ネタバレ》 ニッキーは、姉とともに殺し屋?として母親に訓練されて来たようですね。そして、その人生と決別したくて家を飛び出した感じ。しかし、母親は彼女を許してくれなかった。追手はサムの家に居たニッキーを見つけ出し捕らえようとするが、ニッキーは激しく抵抗。しかし追って来た姉に傷めつけられ気を失っている間にサムを連れ去られてしまう。何だか連続テレビシリーズのパイロット版の如き物語。どう考えても、これからニッキーはサムを奪還すべく姉、そして母親との戦いの場へと乗り込んで行く、みたいな続きがありそうです。 ニッキーが母親のもとを飛び出してどうやって今の生活をしているのかとか、何故気を失って抵抗できないニッキーを置き去りにして関係ないサムを連れ去ったのかとか、良く分からないと言うか納得出来ない部分はあるものの、ショートフィルムならではのスピーディな展開と解り易いストーリーには好感が持てました。ちょっと続きが観たいかも。[インターネット(字幕)] 6点(2025-01-13 22:05:25)《改行有》 150. 大怪獣グラガイン 《ネタバレ》 本編を劇中劇でサンドイッチするというアイディアは目新しいですね。劇中劇部分は矢鱈芝居がかったナレーションや大袈裟で一つ間違うとコミカルな演技、そして何より怪獣をパペットにして更にデザインや色彩も変えることで本編との差別化を図っていると言うか、まぁ非常に解り易い演出です。 そして本編も劇中劇も、懐かしの特撮怪獣映画を彷彿させる出来映え。予算や制作期間は知りませんが、相当な頑張りを感じます。もし子どもの頃にこの作品を見たならば、子どもの目にはメジャー作品と同じように見えていたかも、というのは褒め過ぎかも知れませんが。 そんな特撮部分を始めとして、脚本や出演者の演技等々、ある意味作り手には失礼かも知れませんが、観終わって何となく微笑ましくなってしまう作品でした。[インターネット(邦画)] 5点(2025-01-13 21:39:24)(良:1票) 《改行有》 151. ヤツアシ 《ネタバレ》 非常に解り易いストーリー。シンプルな復讐譚ですね。童話や昔話を思わせるお話です。 見どころとしてはタコでしょうか。低予算ならではのアイディア。タコの物語を創作していて生のタコを使うことを思いついたのか、タコを使って何か作れないかと考えた末のタコ怪獣なのか。いずれにしてもこれは安上がりですね。ミニチュアセット(借り物?)を壊すこともなく(ぬめりを掃除するのは大変だったかも知れませんが)活きたタコを一匹お買い上げで殆ど特撮は出来てますから。もっとも、これを書いている昨今はタコの価格が急騰中。今だったらタコを使えなかったかも。じゃあ何を使う?などと余計な心配をしてしまいます。 まぁ、私も最後にニュース映像で並ぶ犠牲者が誰一人として可哀想に思えないというのはまんまと脚本に乗せられてしまったのか?さりとて全裸でタコにまみれる八芦君を哀れとも思えないあたりはイマイチ物語世界に入って行けず、と言うか入りたくもなく、生き残った二人に幸せになってくださいというのが観終わった後の素直な感想です。[インターネット(邦画)] 4点(2025-01-13 21:17:25)《改行有》 152. 戦慄怪奇ワールド コワすぎ! 《ネタバレ》 シリーズ未見です。アマプラの「あなたへのおすすめ」に引っかかって尺も手頃なので鑑賞。てか「あなたへのおすすめ」がこの手の作品ばっかってのも反省すべきか…。 いきなりのロケ地にビックリ。誰がどう見たって「カメ止め」じゃん。これはフィルムコミッション?と思ってググったら案の定水戸市のそれでした。そりゃ安くて(タダ?)低予算作品には最適ですね。有名観光資源を抱える自治体の提供となれば「映え」は必至ですしね。監督は「カメ止め」と同じロケ地を敢えて選んだということは否定しているようですがホントかな? で、肝心の中身はと言うと、シリーズ未見なだけに主要人物のキャラ設定には始めのうちはちょっとばかり引きましたが慣れてくれば「味」なのですね。心霊現象と見せかけてパラレルワールドとタイムリープをかき混ぜて、でもキチンと心霊現象も盛り込んで、更にはかなりマジな編集技術で纏め上げるとは。いや期待以上(正直全く期待してませんでしたが)の仕上がりじゃないですか! 正直なところこの手のジャンルは見るは見るけど途中でリタイアして本サイトでレビュー出来ないことが殆ど。でも、この作品に関しては大いに楽しませていただきました。本筋は結構悲劇だったりするので大笑いして観てはいかんかなという道徳観や倫理観が邪魔する?否、全く邪魔されることなく楽しめました。あくまでもおふざけとしての評価で6点献上します。 ちなみに、だからと言ってシリーズ過去作を観るかな?というと多分観ないかも。[インターネット(邦画)] 6点(2025-01-12 09:48:44)(良:1票) 《改行有》 153. ソーセージ・パーティー 《ネタバレ》 なんて面白いんだろう。良い子は絶対見てはいけません。私は子どもじゃないから何回観てもOK。 キャラクター設定(デザイン含む)、脚本、演出、どこをとっても文句なしです。政治的、宗教的、或いは多様性的観点から見れば、そりゃあとんでもない、全くもってけしからん、不愉快等々、いくらでも言えるのかも知れませんが、たっぷり皮肉混じりのメタファーに次ぐメタファーはある意味相当鋭いブラックユーモア。そこに有名作品へのリスペクトを散りばめるとは。 あからさまなエロとさり気ないグロ。リアルにキメるカットもあるし。ラストの乱痴気騒ぎの大乱交大会は幻覚って訳にはいかないでしょ?これもまた人間の本質に向けた思いっきりブラックなユーモア。 重ね重ねお子様には見せられない代物であることは間違いありませんが、ピンポイントで大好物なジャンルなので高評価させていただきます。 ただし、大物制作陣に大物声優陣だからこそ成立しているというところはちょっとばかり、てか相当にズルい。もしインディーズでコレ作ったら袋叩きかも。なのでそこは減点要素です。[インターネット(字幕)] 8点(2025-01-10 16:13:45)《改行有》 154. つどうものたち 《ネタバレ》 これはネタバレしちゃうと殆ど意味がないように思えるので、「ネタバレ有」としつつもほぼ「ネタバレ無」の控えめに書きます。 ジャンルはホラーだと言うのでホラーのつもりで観ていたら、最後の最後に力業。そっちでしたか、という感じで楽しめました。が、ちょっと引っ張り過ぎかな?宴席での会話はもっと短い尺でも行けたかも。 上手く纏められた作品とは思いますが、アイディア自体は斬新とも思えないこともあり評価はほどほどにさせていただきます。[インターネット(邦画)] 5点(2025-01-10 10:05:18)《改行有》 155. 雨の日は会えない、晴れた日は君を想う 《ネタバレ》 見始めは殆ど感情移入出来ず。少々社会性に難ありのお金持ちエリートが、妻の突然の死を契機に自暴自棄になり恰もおもちゃ屋の床にひっくり返って泣きじゃくる駄々っ子の如く振舞う。しかし、経済的基盤が揺るぐこともなく、周囲の優しさに甘えて落ち着いて行く。みたいに受け止めてしまいました。 でも、何が違うんじゃないか?見落としてるんじゃないか?と思い翌日二度目の鑑賞。あぁ違う。もっと深いや。短絡的に観てしまったことを恥じつつじっくり鑑賞し直しました。 観れば観る程に身につまされる物語。否、勿論自分自身の人生とは全然違いますが、周囲との関わりの中で自らが被り続けている仮面、見て見ぬふりをしてしまう他人からの思いやり、隠しがちな本音等々、少なからず当てはまってしまう。 そのものズバリではないにせよ、作品が観客に語りかける言葉の数々は相当に鋭いと思います。そのものズバリではないことが寧ろ鋭さを帯びると言うか。 優れた脚本と演出、そして主な出演者が見事に役を演じ切っていること。特にジェイクさんとナオミさんは素晴らしいの一語に尽きます。 ただ、意図が解ってもなお、否、解ったからこそ尚更に、デイヴィスの破壊行為には観ていて息が詰まるものがありました。それが自分的には減点効果。それでも高評価せざるを得ない作品でした。[インターネット(字幕)] 8点(2025-01-08 22:20:30)(良:1票) 《改行有》 156. 催眠術師の家で 《ネタバレ》 言って見れば120年以上前の実験映画、といったところでしょうか。スクリーン上の人物が動くこと自体が一般民衆にすれば驚異だった時代に、催眠術にかけられた女性が瞬時に着替えて行くなどということは、今で言えばイリュージョン、つまりは何らかのタネがあるマジック、なのでしょうけれど、当時の人々の目には魔法以外の何物でもなかったことでしょう。 もしアリス・ギイさんが現代のCGアニメや特殊効果を目にしたら…きっと驚く間もなく「これはどうやって撮っているの?」と探求し始めることでしょうね。[インターネット(字幕)] 6点(2025-01-07 15:37:55)《改行有》 157. 紅葉狩 歌舞伎には全くと言って良いほど縁のない私ですが、125年も昔の人物が生き生きと動き回る姿は感動的でした。惜しむらくは(当然のことながら)サイレント。視覚だけでなく、聴覚でも当時を感じ取ることが出来れば比較にならないほどの感銘を受けること必至ですね。 子どもじみた物言いになってしまいますが、「もしタイムマシンがあればもっと見てみたいし聞いてみたい!」そんな感想を添えたいと思います。[インターネット(邦画)] 7点(2025-01-07 15:10:38)(良:1票) 《改行有》 158. ヒュービーのハロウィーン 《ネタバレ》 アダム・サンドラーさんのコメディは、自分的にはちょっとばかり合わないのです。アメリカンなドタバタコメディとか不適切表現の連発自体は結構好きだし大笑い出来る方なんですが、彼の出演作のちょっと醒めた感じ?シニカルな感じ?がイマイチ苦手です。 本作は事前に読んだプロットに興味を惹かれて鑑賞してみたものの、半分ぐらいまではどうにも作品世界に入って行けず鑑賞断念も考えたぐらい。ただ、やっとスピード感が出て来た感じの中盤以降はまぁまぁ楽しめた感じです。 物語的には極めてオーソドックスなホラー風味のコメディ。ちりばめられたギャグの数々は、お約束的ではあるもののスベリまくる感じはなし。意外なぐらいに悲劇なしのハッピーエンド。本来ならもう少し楽しめそうなんですがね。主役のキャラ設定?否、キャラそのものじゃなくて話しぶりとか身振りとかかなぁ? 兎にも角にも心からは楽しめず、とは言え全然ダメとは言い切れる訳もなく4点に留めます。[インターネット(字幕)] 4点(2025-01-07 09:33:14)《改行有》 159. エンド・オブ・ロード(2022) 《ネタバレ》 微妙でした。テンポよく話は展開するし、そこそこスリリングでもあるのですが、何かチグハグな感じが否めません。 ひとつには登場人物に全く感情移入出来ないからかも。主人公である一家の母親はともかくとして、娘も息子も弟も言動行動が馬鹿げてばかりいて好きになれない。子どもたちはまだまだお子チャマだから仕方ないとしたところで、百歩譲ってもレジーはいかんでしょ?思考力ゼロ、危機管理能力ゼロ、そんな出来損ないの弟を見捨てられないブレンダにも可哀想より「ちゃんとして!」と言いたくなる場面も多々。 人種問題絡みのエピソードも取って付けたように思えてしまう。本題に入る前に登場するエピソード。一家の抱えているものは精神的なダメージや経済的な危機だけじゃないんだよと言いたいのかも知れないけれど、この物語の流れの中で必要なんだろうか?しかも白人チンピラ二人組はブレンダに謝らせるだけで立ち去る。ブレンダの謝り方だって如何にもいやいや。人格否定すれば気が済む?日本人の私には理解出来ないだけなのかなぁ? そして無法者グループと立ち回るブレンダが強過ぎ。一体何者?切り札に大物犯罪者の名前出すのも手慣れた感じ。なんだか違和感たっぷりでした。 で、結局は自らの手を悪に染めてハッピーエンド?これ、後味悪過ぎるでしょ。そうじゃなくても警官夫妻殺しの疑いでとりあえずは手配されるだろうし。バレない?なんだかな。 他にも伏線見え見えで伏線になってないでしょ的な演出があったりとか、納得いかないこと満載の作品でした。[インターネット(字幕)] 3点(2025-01-06 10:36:16)《改行有》 160. Inheritance(原題)(2023) 《ネタバレ》 荒々しい活火山の有様を背景に訥々と語られる移民の苦しみ。時代も移り変わり世界の情勢も変わり、そんな中で暮らす私には、引き継がれてきたその心情について心から理解する術を持ち合わせていませんが、ひしひしと伝わってくるものは感じました。 正直なところ、何故?敢えて今?と思えてしまいましたが、短い尺の中にみっしりと込められた心情或いは心象風景は、シンプルに悲劇的なもののみとしてと受け止めるべきではないですね。幼い息子の純粋な心に触れ、彼は憂いを抱えながらも夢もまた追い続けることでしょう。心温まる作品でした。[インターネット(字幕)] 7点(2025-01-06 10:02:16)《改行有》
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