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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
141. 昼顔(1967) 《ネタバレ》 製作当時は、既婚の若奥様が売春することや、汚されたいM願望を持っていることが衝撃的だったのだろう。さらに言えば、そんな事実があったとしても、、それを描写することを良しとしないのが常識であり、良識だったのだろう。現代の観客にとっては、変わった性癖の若奥様だけでは不十分で、エグい泥沼に落ちて行くような昼メロ的刺激でもなければ見るものがない。あえて言うなら、何もやらせてもらえない亭主がずっと笑顔で我慢していることが衝撃的だった。 ということで、この40年で性風俗とその表現レベルの常識が随分と変わったことを証明している映画です。私の性癖ではカトリーヌ・ドヌーブにセックスアピールを感じません。冒頭の「不感症さえ治ればお前は最高だ」というセリフには派手に笑いました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-08-23 12:31:11)《改行有》 142. 銀座の若大将 《ネタバレ》 シリーズ第二作で、メインの配役と役名は同じだけど、主人公の家族以外は設定が変化している。でも性格や人柄は変わっていない。胸を張ってご都合主義を貫くシリーズにしたようだ。前作に引き続き、あのお兄さんがモテまくって仕方ないという内容だけど、その陰で相変わらず救いようの無い三枚目のぼんぼんを続けている田中邦衛がちょっと可哀想。そのうちに逆襲があるかもね。[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-08-16 18:20:33) 143. 大学の若大将 このシリーズをちゃんと観たのは初めてでした。自分が生まれる前の映画。ものごとに「屈託」や「深刻」を感じない世界観。その象徴が主人公のあのお兄さん。誰しも、あんなふうに生きられたらと思いますよ。映画スタアですね。人気が出たのが分かります。ただの懐古趣味かも知れないけど、今よりはずっと暮らしやすそうな世の中に見えました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-08-02 23:28:02) 144. 大盗賊(1963) 《ネタバレ》 とっても馬鹿らしい無国籍アドベンチャーだけど、なんだか元気が出る映画である。田崎潤の立ち回りなんて観た記憶が無く、とても新鮮だった。三船があんまり盗賊っぽくない。強くもない。その分、周囲の出演者たちがそれぞれに個性を発揮して妙な熱気を孕ましている。特に天本英世が絶品。彼はある意味、世界に通用する役者さんだったのでは…などとこの映画を見て思いました。王国の摂政みたいな奴から女王を助け出すというプロットは某有名アニメにそっくりです。[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-07-06 11:58:48) 145. 三大怪獣地球最大の決戦 《ネタバレ》 人生で悪役をカッコいいと思ったのは、おそらくこの映画のキングキドラが最初だろう。あの引力光線には破壊のカタルシスがある。対称的に、この作品を境にゴジラは人類の味方になって行ってしまう。ザ・ピーナッツの同時通訳「ラドンもそーだ、そーだと言っています」にはずっこけた。そんな怪獣たちの会話など、突っ込みどころがいくつかあるが、キングギドラの存在感が圧倒的で自分の中では最高の怪獣映画のひとつです。[映画館(邦画)] 7点(2009-06-30 03:13:57)(良:1票) 146. 燃えよ剣(1966) テレビドラマの新撰組をチラ見したときにも思ったことだけど、栗塚旭という人は土方歳三にピッタリですね。自分の土方像は、冷静だけど喧嘩好き、神経質で非情、女にモテる繊細さ、計算高いが思想色は希薄、などなど…。ひと言で言えばひねくれたガキ大将で、その感じが良く出ている。近藤役の役者さんも、その正反対の役どころを上手く演じていて、新撰組の両輪という意味では自分のイメージに極めて近い。原作は、多摩の田舎の暴れん坊が、その理屈で新撰組を強固な集団へ仕立て上げ、函館で討ち死にするまでを描きますが、今作は池田屋まで。田舎郷士の立身篇という切り方としては、泥臭い感じが良く出ていますが、映画としては中途半端感が否めず、イメージも暗く、原作と照らし合わせて観ない限り楽しめないでしょう。[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-06-21 10:32:25) 147. 飢餓海峡 《ネタバレ》 たいへん高い評価を受けている理由が良く分かりませんでした。 まず、犬飼・八重・弓坂の誰にも共感できなかった。終戦直後の貧困=飢餓がそれぞれの人生を変えてしまったということだと思うのだが、その飢餓がリアルに響いてこなかったからだろう。八重を例にすると、貧農の出自ゆえに娼婦をやっていましたが、あんなに素直に健気に爛漫に演じられると幸せそうに見えてしまう。犬飼に関しても、八重の握り飯を見つめる表情には力があったけど、自分は一時的な空腹と思っていました。戦後を知らない人間にとって、飢餓的状況とは想像の範囲外で、映像の行間を読めませんでした。 また、八重の殺害シーンだけど、あんなふうにむしゃぶりつかれては、犬飼じゃなくても怖くなります。犬飼に殺す動機があったのは確かだけど、あのシーンは犬飼に同情します。 その犬飼も極悪人という類いの犯罪者ではないので、犯人として追い込まれて行く過程にカタルシスを覚えなかった。 海峡を渡ることは犬飼にとって、飢餓の彼岸へ渡ることと同義だったのだろう。その行程で犯した殺人が、どれほど犬飼を苛んで来たかは想像するしかないが、証拠能力の無い灰に観念するほどとは思わなかった。弓坂も、犬飼の自責の念に期待して灰を見せたのだと思うが、ちょっと出来すぎの感がありました。 現代のサスペンスを見慣れた目で見ているせいなのか、メインの3名の行動に微妙な違和感を感じてならない作品でした。[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-04-23 23:21:20)《改行有》 148. 猿の惑星 《ネタバレ》 面白さという意味では抜群のできでしょう。あの印象的な音楽はジェリー・ゴールドスミスだったんですね。初めて観た小学生の時には、ラストカットに戦慄しました。色んな映画に出てくるモニュメントだけど、この映画での使われ方が最も雄弁。そのラストシーンだけがよく取り上げられるが、展開が読めないSF的醍醐味と、多くの暗喩が込められたストーリーには、随所に見どころがあると思います。 地球から300光年離れたオリオン座のとある星を目指していたテイラーたちの宇宙船がなぜ地球に戻ってきてしまったのか、という疑問には答えていないが、相対性理論が示す光速と時間の論理をタイムマシン的に見せている映画はいまだにこれだけじゃないかな。 猿の世界で中世の宗教的暗黒時代をなぞりつつ、しっかり現代人にも鉄槌を下す。テイラーの「本当にやってしまったのか」という最後の台詞はあの時代の実感ワードだろう。映画の基盤に人類の愚かさが多面的に表現されていて、さすが名作という印象です。 聞きかじりの知識だけど、原作者が第二次大戦中に日本軍の捕虜になった経験があるらしく、それをダイレクトに映画にしたのが「戦場にかける橋」で、今作でも黄色人種に拘束された屈辱をストーリーに込めているらしい。するとあの猿たちはイエローモンキーってことで、ニッポン人としてはビミョーな心境だけど、面白かったからいいや。。[地上波(吹替)] 8点(2009-04-23 15:42:10)(良:1票) 《改行有》 149. 妖星ゴラス 《ネタバレ》 この映画、35年くらい前にテレビで観ました。子供の頃の心象だけのレビューだけど記憶違いがあってもお許しください。 ゴラスに接近した宇宙船のパイロットがなぜか心神喪失状態になっていた。煮えたぎったようなゴラスの赤茶色の表面が視覚的に催眠効果を持っていたのか、あるいは怖いけど目を逸らすことが躊躇われるくらいゴラスが美しく、魅入られて心がアッチに行ってしまったのか。子供心には分からなかった。 南極の曇天の空をバックに画面右側から「ウルトラマン」のジェットビートルが凄いスピードで進入して来て、レーザー光線を発射する。標的は「ウルトラQ」に出ていたトドラだ。このジェットビートルが「ウルトラマン」のそれより格段に機動性が良く、しかもレーザー光線が強力で、簡単にトドラをやっつけたことに驚いた。その曇天の空と力強く白色の軌跡を描くレーザーのコントラストの鮮やかだったこと! 「ウルトラQ」「ウルトラマン」が後年の作品なので、この映画がオリジナル出演ですね。良いものは何度も使う円谷プロ。 ゴラスが地球に最接近する瞬間の主役は、南極の基地の壁に掛かった時計の秒針だった。最接近の時が近づく。時計を見上げるスタッフ。地球に接近するゴラス。人事を尽くして天命を待つ。秒針が12を指す直前から、2秒、3秒と過ぎるあたりまで体を硬くして見守った。数秒という時間にあれほどの緊迫感を詰め込んだ演出は秀逸。ラストの台詞は地球の軌道を元に戻すために「さあ、これからが大変だ」って感じだったと思う。 余談だけど、これを書いていて改めて気付いたのは、忘れている部分も多いけど、覚えているシーンやカットは自分でも驚くほど鮮明に記憶している(と思い込んでいる?)こと。それってある意味、財産だと思うのです。大人の視線で見直して記憶を上書きしたくない作品ってありますよね。 もうひとつ余談。小学校の高学年だった自分は、観終わった後に3歳年上の兄に「あんなことやっても、大気圏の中で空気が対流するだけじゃないか」と言った。兄も「あっ、そうか」って言ってた。ホントのところはどうなんだろう?[地上波(邦画)] 8点(2009-04-22 06:35:05)(良:1票) 《改行有》 150. モスラ(1961) 《ネタバレ》 東宝が生んだ怪獣の中で、ピンで主役を張れるのはゴジラとモスラだけだろう。ラドンもイイ線まで行くけど、存在意義が中途半端なんだな。ゴジラが破壊の象徴ならモスラは平和の象徴。この対極の設定がお互いの存在を際立てせている。モスラ登場となる本作はさすがにかなり力が入っている。初見は随分と昔。小学校に入る前後にテレビで観て例の東京タワーのシーンが強く印象にのこっていたのだけど、今見直しても納得する出来栄えだった。特にモスラを迎え撃つ軍隊の特撮は大変頑張っていた。ワンカットの中に熱線砲やジープなどのミニチュアを何個も出して違うスピードで動かしているのには驚いた。フランキー堺のちょっとおどけた正義漢も良かったです。今回、新たな感想として浮かんだのは悪役のこと。アメリカとロシアを合わせたような架空の国のおっさんを極悪人にして、最期はモスラがその母国を蹂躙し、小美人を救出し、めでたしめでたし。でも、公開当時の観客たちは力道山がカラテチョップで外国人レスラーを蹴散らすのと同様のカタルシスを感じていたのではないだろうか。うがった見方かなぁ?[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-03-27 11:43:49)(良:1票) 151. 青い山脈(1963) 《ネタバレ》 よく聞くタイトルだけど、観たことがなかった。収穫は芦川いづみです。吉永小百合よりも、教師役の彼女の方が光っていました、というか周囲の女優たちとは違ったオーラを放っていましたね。この映画のなかでは一人だけ群を抜いてモダンな印象でした。決して役柄だけでそう見えていた訳ではないと思います。内容の方は、まぁ公開から50年近く経っているので当たり前だけど、古い。民主的だとか、プライバシーだとか、同じ言葉ではあっても使われる状況や意味合いが今とはちょっと違っていましたね。どーでも良いようなことに町ぐるみで大騒ぎしている感じで、コメディに見えました。コメディなんですよね? 原節子のオリジナルの方が評判が良いみたいで、今度観て見ます。[CS・衛星(邦画)] 4点(2009-03-13 02:28:04) 152. 愛と死をみつめて 吉永小百合がほとんど顔の半分を隠して出演。でも、半分でも充分に美しい。とかくアイドル扱いされがちだった吉永小百合が演技者として認められた作品らしい。それだけの見応えがありました。実話の映画化だが、そのモデルが逝去したのが1963年で、映画になったのが1964年というスピードに驚き。余談だが、この映画が撮られた10年後に主人公と同じ病院にひと月ほど入院した経験があって、屋上から見る大阪駅近辺の風景がとても懐かしかった。[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-12-04 21:32:36) 153. 怪獣総進撃 《ネタバレ》 たくさん怪獣が出てくることを売りにしたようだけど、つまりはネタ切れの裏返しね。顔は見えるけど参加していない怪獣がほとんどで、特にバランはミニチュアしか見えなかったような…。怪獣島というところに集められて「コントロール」されている設定はこの後も尾を引き、ゴジラは孤高の存在では無くなった。キングギドラもただのやられ役に落ちぶれて、ファンとしては心が痛んだ。そう言えば、子供の頃に買ってもらった怪獣カレンダーに怪獣たちと共にSY-3が使われていたのを思い出した。あのデザインでも東宝としては自信作だったのでしょうね。それにしても、キングギドラはずっと空中から光線で攻撃していれば楽勝のはずなのに、なんで地上に降りてくるんだろうと子供心に???でした。[映画館(邦画)] 4点(2008-11-25 23:07:30) 154. ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 《ネタバレ》 かぎっ子の主人公が妄想の中で友達になったミニラから勇気を貰い、現実世界で銀行強盗といじめっ子を撃退するお話。話がステレオタイプで何のひねりもない。って、ひねりを期待する方に無理があるか…。怪獣シーンも「南海の大決闘」と「ゴジラの息子」からの使い回しが多く、当時の東宝のやる気を疑う。[地上波(邦画)] 1点(2008-11-19 00:36:46) 155. 怪獣島の決戦 ゴジラの息子 ゴジラの顔が出目金のような造形に変わってカッコ悪い。息子の方もお世辞にもかわいいとは言えず、どちらかと言うと醜悪。人間らしい仕草で息子の面倒を見るゴジラは、またひとつキャラを崩す。昆虫系の怪獣は投げつけられるときに重量感がゼロになるのが難ですな。そんな怪獣たちの凋落とは別に、人間ドラマの方は頑張っていた。このキャストは豪華ですよ。ウルトラQの一平ちゃんも出てました。前田美張里のボンドガールのようなスタイルにプラス1点。[映画館(邦画)] 3点(2008-11-19 00:07:14) 156. ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 その昔に劇場で観たときに、嵐の海からエビラのハサミが現れるシーンが強く印象に残っていた。この映画の記憶はそれだけだったのだけど、改めて見るとさすがに良く出来ている。嵐で視界が悪い海上にぬっと現れるハサミのスケール感。この頃のゴジラ映画は、ところどころにこんな怪獣の“見せどころ”が用意されていた。円谷英二氏の手腕なのだろうが、この作品以降は着ぐるみのじゃれ合いの様相が強くなって行く。音楽が伊福部氏じゃなく、小美人もザ・ピーナッツじゃなくなると、やっぱり物足りない。[映画館(邦画)] 5点(2008-11-18 23:52:53) 157. モスラ対ゴジラ モスラが善と平和の象徴ということも手伝って、この映画のゴジラは初期のシリーズの中では最も凶悪に見える。そのスタイルも凶暴さとスマートさを併せ持っていて、自分はこの時の造形がいちばんカッコいいと思ってます。[映画館(邦画)] 6点(2008-11-18 23:06:30) 158. 吸血鬼ゴケミドロ 《ネタバレ》 初見は小学校に入る前。ストーリーなんぞは覚えていなく、おでこが縦に割れたおっさんが無表情で迫ってくるのがめちゃくちゃに怖かった。正直、何度も夢に出て来た最初のトラウマ映画。 見直してみると、核開発競争やベトナム戦争といった「内戦」で国力が落ちている「地球」に目をつけたゴケミドロが侵略して来たという話らしい。その壮大なお話が谷間に不時着した飛行機の周辺で展開する。面白かったのは、ゴケミドロより登場人物のキャラクターの方が怪物じみて、ある意味怖かったりすること。 肝心のゴケミドロだけど、大人になってから見てもかなり気持ち悪かった。首筋にかじり付くだけの攻撃パターンは完全に某有名ゲームソフト。 突っ込みどころは山ほどあるけど、シナリオを練り直してリメイクすれば凄い作品になるかも…というパワーを感じるさせる映画です。[CS・衛星(邦画)] 5点(2008-10-01 21:06:51)(良:1票) 《改行有》 159. 太陽がいっぱい 自分が子供の頃、二枚目俳優の代名詞だったアラン・ドロンの出世作。確かにその二枚目ぶりには説得力がありましたが、さすがにストーリーは古臭く感じます。最後に流れるテーマ音楽は哀愁があってやっぱり良いですね。[DVD(字幕)] 6点(2008-08-24 01:08:11)
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