みんなのシネマレビュー |
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141. レザーフェイス―悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 『悪魔のいけにえ』のつもりで見ると、『あれ?なんか違うじゃん。』ってなるかもしれません。 でもサスペンスホラーとしてみると、かなりよくできた良作だと思いますよ。 タイトルもう少しわかりやすくしたら、また違ったかも。『悪魔のいけにえビギニング~そして伝説へ…~』とかだったらわかりやすい。くそダサいうえにパクリですが。 短めの尺に見所たくさんつめこんで、ホラーファンにはサービス満点。テンポ、スピード感も丁度良い。最後まで見ると、やりきれないドラマ性まで感じられちゃう。ヒーローがダークサイドに堕ちるまでの悲しい物語? とにかく狂人しか出てきません。唯一まともそうだった保安官ですら、ソーヤーママと金で裏取引。挙句に豚のエサにされちゃって。 ジェドはジャクソンなのかバドなのかっていうのを曖昧にしているのも面白い。それくらいバドの存在感が際立っています。 この映画が面白いのは、加害者が被害者に、被害者が加害者に、コロコロ攻守交替するところでしょう。 まずはマッド・ドクター。次がアイザックとサイコパス彼女。主導権を握る人間がどんどん変わっていくわけです。 そしてその2人を殺っちゃうのがバドってのも面白い。バドが凶行に及ぶときの演出はラスボス感漂わせていて、完全にミスリードを狙っています。 終盤になるとハートマン保安官が娘を殺された復讐を果たそうとめちゃくちゃします。 もう殺人鬼たちのバトルロワイアル状態。『毒を以って毒を制す』のノリが好きな人ははまるはず。 こんななかにほうりこまれた一般人代表のナース、リジー。 最後は自分をずっと守ってくれたナイト様からのまさかの首チョンパ。合掌。 個人的には大好きなノリで、ホラーのなかではなかなかの力作で傑作です。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2024-05-02 15:05:48)《改行有》 142. 人狼ゲーム 《ネタバレ》 サスペンスフルな展開。 さまざまなタイプの駆け引きや心理戦。 実は初めから張られていた伏線。 人狼ゲームというゲームそのものも面白い。 好き嫌い分かれそうな映画ではありますが、個人的にはかなり面白かったです。 自分が処刑されるとなったとき、パニックになり、大声で泣き叫ぶのはOK。でも序盤なのに、主人公の愛梨がぎゃーぎゃー言うのは過剰でちょっとうるさかった。気になったのはそこくらいですかね。 それと整合性で言うなら、『妹を生かしたかっただけ』なら、6人になったとき姉が町村誠一郎を人狼と言うのはおかしい。 それで町村誠一郎が処刑された翌日に、自分が人狼だと名乗り出れば、もう一人の人狼から妹が殺されるリスクができてしまう。 ・・・と思ったのですが、どうでしょう? ラストなぜ多田は銃を使わなかったのか、そこだけがよくわかりません。 なんにせよ、ただスリリングな展開を楽しむだけでなく、いろいろ考えながら見られるのでそれがとても面白かった。 最後まで見た後、もう一度最初から見返してみたら、なるほど、2週目のプレイヤー2人は確かに最後に出てきていますね。 伏線の張り方も何気にうまい作品です。[DVD(邦画)] 8点(2024-04-16 02:59:13)(良:1票) 《改行有》 143. アラジン(2019) 《ネタバレ》 実写化映画としてはかなり成功しているほうではないでしょうか。 みんなはまり役ですけど、特にジーニー役のウィル・スミスがすごく良い。 実写にしたことで、アニメより人間寄りなヴィジュアル。『魔人と人間』という利害関係から始まり、いつのまにか友情が育まれていく様子が微笑ましかったです。 アラジンとジャスミンのロマンスも良かったです。 魔法の絨毯やアブーも良い仕事をしていましたが、アブーがちょっとリアルモンキーすぎたかな・・・。 とにかく出てくるキャラクターがみんな魅力的でした。 ジャファーはちょっと憎たらしさというか、毒気が足りない気はしましたが。 ミュージカルはどちらかと言えば苦手。 でも『ホール・ニュー・ワールド』はディズニーのなかでも大好きな曲。二人で絨毯で夜空を飛ぶ有名なシーンは見入ってしまいました。いや、聞き入ってしまったというほうが正しいか。アラジンの歌唱力がもうちっとな感じはしましたが。 その一方で、ジャファーに捕まったジャスミンが突然歌いだすシーンは、ストーリーの流れを断ち切るかのように唐突で、ついでに言うとちょっと長い。 自分の身分を告白するアラジン。そんなアラジンを心配して、アラジンとジャスミンの恋が上手くいくよう最後の願いの提案をするジーニー。でも微笑みながらジーニーの自由を願うアラジン。・・・もう感動しちゃいましたよ。 こーゆーわかりやすくて、ぐっとくる感動を味わえるのが映画の醍醐味。 小難しい映画ばかり作ってないで、こーゆー『王道』『直球』『正統派』な映画が世にたくさん出ることを切に願うほど、良い映画でした。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2024-03-16 03:18:28)《改行有》 144. パージ 《ネタバレ》 こーゆー狂気じみたプロット好き。 籠城してれば済む話で、実際そーする主人公ファミリー。 でも子供の行動までは読めません。子供は感情で行動しますからね~。特に男の子なんて正義感で先走っちゃうお年頃。それに娘も息子も親に反抗したくなるお年頃ですから~。年齢設定は絶妙に良かったと思いますよ。 『バリケードをこじ開ける道具が到着するまでが期限だ。』 てっきりそれはただの脅し文句かと思っていたのですが。本当に到着しちゃうなんて。そこは心理戦とか駆け引きとかで、『開けゴマ』をやってほしかったものです。力技は芸がないですよー。 襲ってくる集団が仮面をつけているのは不気味で良し。素性を知られないという点においても、意外と合理的かも。 集団の頭、そしておんぶカップルのイカれ具合が最高です。 第3勢力として、隣人たちの乱入など、最後まで楽しませてくれるのもgood。 ただ他の方も言及していますが、これで犯罪がなくなるとは到底思えませんね~。 隣人や娘の彼氏のように、やっぱ邪魔な人間や私怨のある相手がまず的にされると思うんですよね。 例えば、隣人の本性がわかったあとで、『じゃあパージも終わったことだし、明日からまた仲良くしよーねー。』とはできないと思うんです。 つまり、そういうことです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2024-02-23 03:15:00)(良:1票) 《改行有》 145. バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 こちらでの評価がそこまで高くなかったこともあり、そんなに期待していたわけではなかったのですが、正直めっちゃ面白かったです。 まず映像。そしてサウンド。その迫力が凄かった。 迫力ある映像なのに、とても見やすい。アップや早いカット割りの多用でなんか凄そうとかではなく、今、何が起こっているのかをはっきり見せてくれます。映像の好みだけで言えば、今まで見た映画のなかでもトップクラスです。ダイナミックなアクションと音響に圧倒されっぱなしでした。 敵のメカも大変良かったです。宇宙人のほうが高性能なのは間違いない。だから最初は一方的にやられまくる。でも次第に戦い方を工夫し、知恵を絞り、やっと一矢報いたときは俄然興奮しました。 これが圧倒的な実力差だったら面白くない。相手の戦艦にも兵器にも、ミサイルなどの火力が強い兵器ならば通用するというのが大事。頑張ればなんとかなる。これが良いです。 最初は仲違いしていた主人公とナガタが、強敵に立ち向かうなか、手を組み協力し合うのも良かった。昨日の敵は今日の友。ベタだからこそ良い。 自分達の船が撃沈されてから、どうするんだろうと思ったら、まさかの記念艦ミズーリをリユース。老兵たちもリユース。現役と老兵が力を合わせ、モチベーションがどんどん上がってくる展開。 錨を下ろして船を方向転換。敵艦のミサイルを回避し、敵母船を文字通り駆逐したとき、興奮は最高潮に。 序盤、本題に入るまでがちょっと長めでタルかったけど、それをふきとばすくらいラストまで突っ走ってくれて、最高に楽しいひとときでした。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2024-01-03 15:29:04)(良:2票) 《改行有》 146. バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生 《ネタバレ》 完全無欠のスーパーマンと、一般人がちょっと鍛えただけのバットマンじゃ、勝負にならんだろう、というのが見る前の感想。 なかなかどうして、バットマン善戦しているじゃないですか。 どちらかと言えばバットマン目線でのストーリー展開が良かったと思います。 前作で気になった都市の破壊。スーパーマンがゾッド将軍と戦い、破壊されていく都市。その街を車で駆け抜けていくウェイン社長。このオープニングが最高。 実は前作でのスーパーマンたちのバトルの陰で、大事な部下や社員の命が、足が、人生が奪われていた。バットマンがスーパーマンを憎むにあたり、これ以上の説得力は無いでしょう。 更には、スーパーマンの母を人質にとり、恋人をエサにスーパーマンをおびきよせ、『バットマンVSスーパーマン』を実現させたレックス・ルーサー、良い仕事をしましたね~。 その作戦が失敗したとき用の第2案として、ラスボスも完備。素晴らしい。 スーパーマンがバットマンに助けを求め、なぜかワンダーウーマンも加わり、3人でラスボスと対決。アツい展開。スーパーマンとワンダーウーマンが戦っているのを、ただ眺めることしかできないバットマンがシュールで好き。 でも一番好きなシーンは、バットマンがスーパーマンの母親を助けるシーン。こーゆー等身大のヒーローがやっぱりいいなぁ。 マーベルでいうところのキャプテン・アメリカみたいな立ち位置。 公聴会が爆破されるなど、戦闘以外でもドキッとするしーんもあり、見所満載。 個人的には大満足なんですが、なんでこんなに評価低いんでしょ?面白いけどなぁ・・・。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-11-27 21:09:06)《改行有》 147. サベージ・キラー 《ネタバレ》 まさかこーゆータイプの映画で泣きそうになるとは。 かなりぶっとんだ設定なのに、ものすごく感情移入してしまいました。これはもう人物の描き方がうまかった。B級のノリなのに、感情をゆさぶる恋愛ドラマがあるんです。いやぁ、脚本の力ってすごいんですねー。 主人公でヒロインのゾーイ。無残にも拷問されて輪姦されて殺されて。「アイ・スピット・オンなんちゃら」みたいな映画かと思ったのですが全然違いました。先住民の酋長マンガスの霊までひっぱりだして、余計なものなんじゃないかと不安に駆られたのですが、なるほど、ゾーイにそれなりの戦闘力を与えるためだったのですね。 サスペンス→バイオレンス→オカルト→ホラー→アクション→ラブストーリー めまぐるしく変化するジャンル。けれどストーリーラインがとにかくしっかりしているので全く破綻していません。 唯一気になるところと言えば、ラストで恋人がゾーイに火をつけるまでの決断がえらく早かったような・・・。尺の問題もあるかとは思いますが・・・。もっとこう最後に抱きしめるとかキスするとかさぁ・・。 まあとにかく、他の復讐ものとは一線を画す力作だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2023-11-13 03:45:42)(良:1票) 《改行有》 148. 殺人漫画 《ネタバレ》 アイデア勝負とバカにできない、とても丁寧に作られたホラー。 最近ではアメリカの幽霊ものもスプラッタに頼らず頑張ってはいますが・・・。やはり日本や韓国のホラーのほうが、怖さでは一枚上手。そもそもアジア系ののっぺりとした顔や細い目って幽霊向きなんですよねー。 この映画では登場人物1人1人にエピソードがあり、背景があり、そのどれもがシンプルながらとてもよくできています。幽霊に殺されちゃう人たちにはすべて理由があったんですね~。恐怖演出だけでなく、ミステリー仕立てのストーリーに好奇心が刺激されます。 序盤、前半の編集長と葬儀屋のエピソードは人間の業を感じられる力作。ただの陽キャラ要員かと思いきや、ヨンス刑事にも人に話せない恐ろしい過去アリ。う~ん、『まさか』の演出が巧みですね~。 とまあここまでは良かったのですが、ラストが・・・。 まずヨンス刑事の死の真相。そりゃあ驚きましたが、それはないんじゃないですか。そこはストレートに女の子の霊の仕業で決着のほうが良かった気がします。しかもそんなつまらない死に方で怨霊になっちゃうし・・・。 そして一番納得できないのはカン・ジユン。どうやらソヒョンを殺しちゃったことで、ソヒョンの能力が身についちゃったようですが・・・。自身の出世欲という一番くだらない欲で人を殺したこいつが、最後まで生き残っているというのが、なんか違う気がします。[DVD(字幕)] 8点(2023-11-05 17:36:18)《改行有》 149. PARKER/パーカー 《ネタバレ》 ジェイソン・ステイサムが裏切られ、報復し、大金をゲットする。 王道も王道。安定供給のステイサム印のサスペンスアクション。 今作のステイサムは、かなりかっこよく撮られてます。それもこの映画の魅力の1つかと。 『悪党だけど、悪人ではない』ステイサム。でもカタギの人間の足撃ちぬいちゃったり、オープニングでも強盗やってるわけですから、ま、悪党だし悪人ですよね。 ステイサムアクション絶好調なんですが、特に至近距離から有無を言わさず足を撃ち抜いて行動不能にするステイサムの銃さばきが本当にかっこいい。 そしてタイプの違う2人のヒロインも魅力的。むさ苦しい内容にうまく華を添えています。敵も個性派ぞろいでいい感じ。 強面のメランダーや凄腕の殺し屋、小者臭漂うハードウィックも雰囲気を盛り上げてくれます。 オープニングの強盗シーン、終盤の強盗シーン、どちらもよくできています。 ステイサムが病院から抜け出し、車や衣服を調達し、プチ強盗で資金をつくり、その資金で偽の身分証を手に入れる。その辺りを1つ1つ丁寧に、わかりやすく、面白く、そしてときにコミカルに描いてくれます。でも決してダラダラはせず、小気味良いテンポでさらっと見せてくれるのが良い。 B級映画のようなノリですが、ここまで完璧に仕上げてくれればもはや立派なA級作品。 ちなみに、基本ステイサムの無双状態なので『ハラハラ』とは無縁ですが、スカッとすることは間違いないでしょう。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-10-11 01:17:16)《改行有》 150. クロニクル 《ネタバレ》 POV方式にありがちな、画面の揺れなどはそこまでひどくない。むしろ、空を飛ぶシーンやラストのパニックシーンでは、POVだからこその臨場感を味わえます。わざわざテーマパークまで行かなくとも、ここまでの映像体験ができるなんて良い時代になったものです。 ストーリーは青春サクセスストーリー風ながら、終盤は一気にサスペンスへと模様替えしていきます。主人公のアンドリューが、まるで共感できない人間なので、見ていてイライラしたり、辛い気分になったりすることもしばしば。友人のマットとスティーヴが良いやつなので余計に辛い。 スティーヴがアンドリューを誘って、マジックを披露させるまでの流れがかなり好き。 虐げられ続けてきたアンドリュー。怒りをため込み続け、常に被害者意識に囚われている。そのアンドリューが、最も強いサイキックパワーを持ったことで、いつ爆発するかわからない緊張感がずっとあります。 そのストッパーになっていたのがスティーヴ。アンドリューが車を誤って転落させてしまい、そのせいでマットとアンドリューが気まずい感じになってしまった翌日、2人の前で空を飛んで明るい空気に変えてしまうスティーヴ。そのスティーヴが途中退場してしまったことで、アンドリューの暴走は歯止めが効かなくなっていきます。 こーゆー破滅への暴走を見ているのは、引きこまれますがやはり辛い。 個人的にはアンドリューの置かれた環境は、恵まれてはいないがよくある話で。その後スーパーパワーと親友二人を手に入れたのなら、むしろ普通の人より恵まれているわけで。もう少し前半に、これ以上ないってくらい理不尽な暴力や圧力を受けるアンドリューを描いてくれていたら、キャリーのような歪んだカタルシスを得ることもできたかもしれないです。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-09-25 00:25:09)《改行有》 151. 鳥(1963) 《ネタバレ》 もったいぶるなぁ。事件が起きるまでおよそ1時間。・・・もったいぶるなぁ。 まあ、そのもったいぶりかたが嫌いではないです。 もしかすると、前半はラブロマンスみたいな雰囲気をあえて出したのかな。タイトルもThe Birdsだったから、まさかホラーとは思われないかもしれない。当時予備知識無しで映画館で見たひとたちは、さぞかし度肝を抜かれたことでしょう。そう、これは後の時代にDVDやらで簡単に鑑賞できるということを想定して撮られたものではないのです。当時リアルタイムで、予備知識なしで、何の心構えもなく油断した人たちをあっと驚かせるような、そんなエンターテイメントムービーの先駆けだったのでしょう。きっと。 つまりは、あの前半の甘ったるい恋愛パートは、ただのミスリードなのです。『愛の鳥』もミスリード。ああ、これは恋愛ものなんだと、観る人を油断させるための『愛の鳥』なんです。そこからあの惨劇。何も知らずに見ていたら・・・。 そもそも鳥が人を襲うようなパニックムービー自体が当時としてはかなり斬新だったのではないでしょうか。 CGがない時代に、この映像はいったいどうやって撮ったんだという映像が盛りだくさん。 今まで撮ったことがないであろうジャンルの映画を、この完成度で仕上げるのはまさに天才です。 今のように数多くの映画があふれている時代でもなかったでしょうから、お手本になるような映画も無かったんじゃないかな。 こーゆーパニック映画のパイオニアとして、この作品を世に送り出したヒッチコックの功績は極めて大きいと言えるでしょう。 ヒッチコックの映画のなかではこれが一番好きかもしれないなぁ。パニックものが好きという、個人的嗜好もありますが。 作品の出来自体は7.5点くらいなのですが、ヒッチコックの他作品との差別化を図る意味も込めて8点で。 面白かったです。[DVD(字幕)] 8点(2023-09-05 02:19:26)(良:1票) 《改行有》 152. エンド・オブ・キングダム 《ネタバレ》 ははは、評価ひっっっく。 私はこれぞエンターテイメントって感じで、存分に楽しんじゃいました。 舞台がホワイトハウスからロンドンに移っただけで、やってることはほぼ同じっていうのも良かったです。 ロンドンに集まった各国首脳を同時多発テロで一網打尽。ここでまず観客の度肝をぬいてから、マイク・バニングの『ダイ・ハード』モード突入。今回は大統領のおまけつき。いや、もう2作目にして早くも安定の面白さです。 意外だったのはリン・ジェイコブス長官の死。『まさかあなたより先に死ぬとはね』、いや、ほんとそうです。基本『死なない側の人間』だと思っていたので、驚きました。 実は事前に次作のキャストだけちらっと見ちゃってたので、次作の大統領がモーガン・フリーマンになっているということは知っていました。・・・・つまり、もしかして大統領やられちゃうんじゃないの~、って、終始ハラハラしながら見られました。なぜならリン・ジェイコブス長官が死んじゃったことで、もう誰が死んでもおかしくないって思ったからです。 途中でⅯI6の美人工作員と合流するので、一緒に戦ってくれるのかと思ったのですが、それはナシ。残念です。 そして最後まで映画を見終わると、結局アメリカが一番怖ぇよ、っていう結論に至る次第です。 それにしても今作のレビュー拝見しますと、みなさまのこの作品に対する切れ味鋭いつっこみが本当に面白くて、お腹抱えて笑っちゃいました。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-07-29 00:49:44)(良:1票) 《改行有》 153. SAFE/セイフ 《ネタバレ》 ジャンル『ステイサムもの』っていうのがあってもいいくらい、ステイサムものです。 今作のステイサムは特に強く、もはやスティーブン・セガールがのりうつっています。 愛する妻が殺されて茫然自失とはいえ、冒頭やられっぱなしになっているのが不自然なほど驚くべき強さです。 ただ前半にフラストレーションをためるだけためさせといて、後半いっきに爆発させるっていうストーリー展開は嫌いじゃないです。 これぞ間違いなくカタルシスを感じる王道パターン。 まさかの四つ巴戦ってのもアツい。チャイニーズマフィア、ロシアンマフィア、悪徳警官ズ、ステイサム(笑)。 ステイサム以外は全員悪党。更には市長、その市長とつながっている刑事、少女に親切にした女性も全員悪党。 いや、きもちいいくらいクズばっかりです。 対するステイサムは一人。仲間、協力者、いません。しかも女の子のお守りつきのハンデマッチ。 にもかかわらず、銃で、素手で、時には皿で、どいつもこいつもかたっぱしから皆殺し。まさに鬼神のごとき活躍ぶり。こーゆー感じのスカッとするアクション映画はスティーブン・セガール以来でしたので、とにかく爽快でした。 不満点を挙げるなら、チャイニーズマフィアのボス、ロシアンマフィアのボス、汚職警官のウルフ警部、市長、この人たちが生き残っているのが気に入らない。せめて妻を殺したロシア野郎くらいはやっちゃって良かったんじゃない?セガールなら有無を言わさず秒殺なのに、ジェイソン・ステイサム演じるヒーローは、妙なところで紳士的なのが玉に瑕だ。 ちなみに市長がウルフ警部に、ルークがいかに凄い人物か説明するシーン。『切り札』みたいなこと言っちゃって。ここ、個人的に胸アツ激アツシーンです。だからてっきり市長はルークの理解者で味方になるかと思いきや、こいつはこいつで悪い奴なのね。残念。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-07-16 20:56:05)(良:1票) 《改行有》 154. スター・トレック/イントゥ・ダークネス 《ネタバレ》 とっても厳しいご意見が多いなか、旧シリーズを知らない私はおおいに楽しめました。 前作のように、カークがなし崩し的船長になっちゃうような不自然な流れはありません。 カークはもうすでにキャプテンで、仲間たちとある星を救うところから物語は始まります。このオープニングから見所満載。火山の迫力、それが一瞬で凍り付くシーン、そんなクライマックスのような見せ場を惜しげもなく導入部分で見せちゃう。最近の娯楽映画のよいところが出ているように感じました。 星を救い、仲間を救ったが、干渉するのは重大なルール違反。船長の任を解かれ、スポックとは離れ離れに。あーあと思いましたが、ここで新たな脅威襲来。だれも気付いていないなか、カーク一人だけがこの罠に気づいている展開が何気にアツい。 そう、今作はストーリーがイケています。マーカスとハリソン(カーン)という二大悪を用意。更にはその二大悪同士が敵同士という設定。マーカスもハリソンもそれぞれ陰謀があるから、ストーリーが二転三転して面白い。前作とは違い、中盤以降はとにかく目が離せません。 アクションシーンで好きなのは、ハリソンがグリンゴン相手に無双するシーン。 正直ここでのハリソンはかっちょよく、そしてなんか理性を感じ、そんなハリソンが仲間なのかと思わせるほどにマーカス提督は極悪。でもマーカス提督が極悪にならざるをえないほどハリソンは超危険人物で。 旧作のスター・トレックを知らない身としては今作単体での評価とはなりますが、非常に面白かったデス。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-07-10 01:04:03)(良:1票) 《改行有》 155. ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 《ネタバレ》 人多い~。情報多い~。相関図わからん~。今何が起こってんの~。 これが冒頭30分の感想。 正直難しすぎて、見るのやめようかと迷うレベルです。 ですが見続けて正解。あれよあれよという間に話が整理され始めて、急に見やすく、そして面白くなっていきます。 具体的にはNYT紙に機密文書が掲載されはじめたあたりから。 最初は『NYT紙 VS Wポスト紙』の構図。そして大統領側がNYT紙を告発したあたりから、『メディアVS国家権力』へと対立構図が変化していきます。 もし国が裁判に勝っちゃったらどーなるのか。まずWポスト紙と株主、投資家たちとの契約事項『緊急事態』に該当し、投資家たちはWポストから手を引いてしまう=会社経営破綻→会社の消滅。更に掲載に携わった経営陣及び現場責任者は、法廷侮辱罪に問われ投獄されてしまうらしい・・・。ひゃあー、人生終わりじゃないですか~。命がけじゃないですか~。 今まで何かと主義主張を異にしてきたベンとケイ、ここに来て初めて手を取り合います。そして、遂に決断。 いったい、ど~なっちゃうの~。 って、現在NYTもWポストも健在ですから。結果は火を見るより明らかなわけで・・・。 それでも最後までハラハラドキドキ。目が離せません。 国民の利益を第一に考えて情報を発信するって、命がけだったんですねぇ・・・。 昨今のSNSとかYahooニュースとか、ほんと良くないですよねぇ。 全部が全部とは言いませんが・・。結局見ちゃうし・・・。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-05-30 02:25:39)《改行有》 156. インクレディブル・ファミリー 《ネタバレ》 あれ?気のせいか、前回もこんな話だったような・・・?相変わらずヒーローでいることを隠さないといけないような世の中でしたっけ?前回その問題は解決しちゃったものだと記憶違いしてました・・・。 さて、大好きだった前作の続編。期待を裏切らない完成度。でも爽快感は前回に負けるか?良くも悪くもジャックジャックにふりまわされた内容となっております。まあ、そのジャックジャックとイラスティガールの大活躍にはテンションMaxになっちゃうわけですが・・・。フロゾンも脇役ながら、イラスティガールに次ぐ出番の多さで、準主役級の働きっぷり。更には他のヒーローたちも多数登場し、ヒーロー対ヒーローの大乱闘。そのなかでも時空に穴を開けちゃうヴォイドは個性爆発!ヴァイオレットとのバトルは最高でした。 割を食ったのはインクレディブルとダッシュ。ダッシュは活躍の場をがっつり削られちゃって、今作では賑やかし担当。インクレディブルは結構出番あるんですけど、力仕事なのでなにせ地味。しかも圧倒的なスーパーパワーならまだしも、今作ではどのシーンもやや苦戦気味。イラスティガールの活躍に嫉妬しちゃってるところなんて痛々しくて見ていられません。 でも、途中で気持ちを切り替えて、家族のために頑張るお父さんがすごく伝わってきて、それはちょっと良かったです。 ・・・・と同時に、すごく時代を反映してるな~って思いました。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2023-05-29 01:06:00)(良:1票) 《改行有》 157. ラストスタンド 《ネタバレ》 ひさしぶりのシュワちゃん映画。最高です。歳を取ってもこの貫禄と安定感。安心して見ていられます。 そしてなんだろう、なんか期待しちゃうんです。なんかワクワクしちゃうんです。これが『華がある』ってことなのかなぁ。 もちろん映画自体もとっても面白い。FBIでさえ手玉に取る麻薬王を、田舎の保安官たちが返り討ちにしちゃうっていうのが痛快で良いじゃないですか。え?ありきたり?あきりたりでも面白いんだからいーじゃないか。 みんなが戦う覚悟を決める動機付けとなった若き保安官ジェリーの犠牲は可哀そうでしたけどねー。 そのぶん、みんなの心がひとつになって、弔い合戦へと突入してゆく。こーゆーわかりやすくもアツい展開が最高。 映画は、これで良いんですよ。 斜に構えたり、奇をてらったりする映画が氾濫する昨今、気持ちよいくらいのド直球。1周まわって面白い。 ストーリーがストレートなぶん、アクションには随所に工夫が。武器が多彩。キャラも多彩。戦う場所も多彩。もうずっと楽しいのです。稲穂レースはちょいダルカッタケド・・・。 ご都合主義と非難されるかもしれませんが、ジェリー以外に犠牲者が出なかったのも良かったな。 でもけが人をいっぱい出すことで、それなりのリアリティもあって、すごく映画としてのバランスが良い気がします。 個性あふれるメンバー構成、良かったなぁ・・・。銃器マニアの人、最高です。 私にとっては、こーゆー映画こそが至高のアクションエンターテイメントです。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-05-20 23:00:53)《改行有》 158. 共謀者 《ネタバレ》 後味の悪い映画を撮らせたら韓国の右に出るものはいないんじゃないだろうか。 ヒロインが2人いるんですが、2人とも死んじゃうってなかなかである。 『共謀者』っていうぐらいだから、誰と誰が共謀しているんだろうと注意深く見ていたのですが、主人公のヨンギュ以外はほぼ全員共謀者だったっていうね…。一番イカれていると思われたドクターが唯一の味方だったとは。まあ、この展開は読めないです。ですから評価は若干高め。でも後味悪すぎて満点はつけられないなぁ。 せめてチェヒの夫は良い人でいてほしかった。チェヒが悲惨すぎます。 唯一の救いは主人公が心まで悪魔に売り渡していなかったところ。だから最後はずっと主人公を応援していました。どーにかチェヒを助けてあげてと・・・。でも善人にはバッドエンドを、そして悪人はのさばらせておくのが韓国映画。やだねぇ、ほんとに。 ちなみにこの映画、脚本は穴だらけ。 夫が船内でリスクを冒して妻を探すのは変な話。 そして主人公ヨンギュの行動にもおかしな点が。チェヒを助けるつもりなら、自分がドクターとサウナに残って、子分の二人を見張りだのなんだの役目を与えて外に出さないと。 ずるいのが、見ている側はこのとき真相を知らないから、何も不自然に感じることなく見ちゃってるんですよねー。ずるいやり方だけど、うまいなぁ。 ゾンビ映画なんかより、よほど精神的にグロいんで、耐性が無い人は見ないほうが良いかもです。 それにしても韓国の女優さんは、こんなきれいな人でも体はってんなぁ・・・・[DVD(吹替)] 8点(2023-05-20 01:22:03)《改行有》 159. リメンバー・ミー(2017) 《ネタバレ》 映像がすごい。本当にすごい。水のシーンは息を呑みます。 さて、TⅤで流れる有名なシーン。あのシーンがすごく泣けるという話。「ほんとかな~。誇張してるんじゃないの~。」と懐疑的。・・・だったのですが、泣けますね。ちなみに妻は号泣。 最近のディズニー作品のなかでは、方向性が一貫していて好感がもてます。主人公のミゲルも魅力的。途中若者特有の独善的な部分も垣間見えますが、許容範囲でしょう。主人公を応援できる気持ちになれるかどうかは大切な要素です。 毒気が少なめなので、カラフルな死後の世界に慣れてきたあたりで若干ダレる部分があるのは否めませんが、皮肉にもそのダレた空気を払拭してくれるのが極悪人デラクルス。盗作どころかまさか殺人まで犯していたとは。ここまでの作品のイメージを壊しかねないほどの急展開です。 ただ本当の父親でなかったことは不幸中の幸い。ヘクターのほうが本当の父親で良かった。ヘクターが家族のもとへ帰ろうしていたことがわかって本当に良かった。できればミゲルが真相を伝えた時点でイメルダにはヘクターのことを許してあげてほしかったけど・・・。 一見ハッピーエンドですが、ヘクターとココは一番会いたかったときにはお互い会えなかったわけで・・・。そう考えるとやっぱ切ないし悲しい。まあ、最後は親子三人、長い年月を経てようやく手を取り合うことができて良かったです。 「第2の死」の設定は無かったほうが良かったかな・・・。悲しくなるし、死後の世界の意味が希薄になっちゃう。 死後の世界まで貧富の差があるのもなんかヤダ。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2023-05-07 20:35:28)《改行有》 160. 殺人の告白 これはよくできたサスペンスですねー。アクションが邪魔になるくらい、サスペンスフルな脚本がよく出来ています。 結末まで見てしまうと、また最初から見直してみたくなります。時間がないのでしないけど。 例えば警察署でドゥソクがヒョングに耳打ちしたシーン。同僚が『ドゥソクはお前になんて?』と尋ねると『ジャージャー麺をぶつけろだとさ』と答えるヒョング。このときはヒョングが皮肉まじりのジョークをとばしていたのかと思ったのですが、本当にそう言っていたんでしょーねー。 それにしても恋人の末路が悲惨すぎて、素直にハッピーエンドと言えないのが辛いところ。恋人の母親がヒョングに厳しく接してしまったせいで、ヒョングはクリスマスのときに家に送らなかった。その結果、恋人がJに拉致監禁されたと考えると、やりきれないです。 それにしてもカーチェイスと最後の追いかけっこは要らなかったんじゃないかなぁ。特にカーチェイスは作風に合っていない気がするのですが。 最後の追いかけっこも蛇足感あり。せめてTⅤ局内で決着をつけるほうがドラマが際立ったように思えるんだけど。 まあ、そーゆー余計なところはありますが、警察、ドゥソク、J、遺族、四つ巴の争いがとにかくスリリング。その背景にある被害者の悲しいドラマも断片的ではありますがしっかり描かれ・・・。2度目の討論会での真相を明かすシーンではカタルシスさえ感じる…。久しぶりに見ごたえのあるドラマを見ました。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-04-20 00:57:18)(良:1票) 《改行有》
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