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プロフィール
コメント数 370
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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141.  ロブスター 《ネタバレ》 大まかに言うと「バトル・ロワイアル」のように、限定的なエリアでサバイバルゲームをやっているわけです。が、経緯やルールの説明がほとんどされず、結果としての奇妙なディーテールからにじんでくるもので、なんとなく察っするしかないところが、この手の閉鎖空間限定ルールものの通常のスタンスと決定的に異なるところだと思います。サバイバルゲームをやっているようで、同時に男女のお見合いパーティーをやっているようで、更には、限られた期限で目的を達成できないと、動物に変えられてしまうという、トンデモ設定が絡められていて、シュールななんだけど、なぜか突飛さが浮くことなく、むしろ不思議なほど調和していて、説得力があるのですよね。説明しないことによって、説明するまでもないという空気が漂っています。作者はなかなかのキレモノかも知れません。(追記)というのが第一印象だったのですが、レビューを書きながら、作品の情報を集めてると、それなりに理屈の通った世界設定のようで、少し拍子抜けしたような、安心したような。上記の私のレビューはかなり認識が混乱しているのですが、その混乱を楽しめたので良かったかなと。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-09 19:41:42)

142.  ノーカントリー 《ネタバレ》 ある男が、きな臭い事件に、フラフラと自ら巻き込まれていくというような話です。あまり説明的ではなく、丁寧で渋くて味のある映像と役者の演技で、終盤まで、飽きずに引き込まれていきます。ですが最後、どちらかというと視聴者の期待を裏切る展開を選択したため、丁寧に下ごしらえしてきたものが、不意にあっけなく宙ぶらりんになって、大きな感動が得られず、終わってしまったなという感覚が残りました。もっとベタな展開でも良いので、わかりやすく心揺さぶるものがあった方が良かったかなと。十分な下地ができていただけに受け入れられると思うのですよね。無常観、無情感もわからなくはないのですが。主人公、渋くていいです。ゴツいのにオカッパの殺し屋の彼は凄味があって良かったです。奥さんは最後の最後、急にカッコ良かったですけど。結局どうなったのだろうか。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-09 19:32:13)

143.  夜と霧 《ネタバレ》 アウシュビッツ強制収容所の当時のモノクロ映像と、10年後、緑に覆われ廃墟となった強制収容所のカラー映像を交互に切り替え、静かな導入から始まり、徐々に惨劇が詳らかになる構成です。新緑に覆われた強制収容所跡地は、空が抜けるように青い。鉄条網がややぶっきらぼうであることを除けば、至ってのどかで静かな雰囲気が漂い、この10年前に惨劇が起きたとは想像ができません。国破れて山河在り 城春にして草木深し 廃墟と緑はノスタルジーさえ感じさせます。なぜ人の尊厳がここまで蹂躙されたのか?映像は、理由を語らず、その事実を突きつけるのみです。大量の裸の死体をブルドーザーで捏ね集めるシーン。人の形をしたものが、絡み合い、物理演算モデルCGと見紛う粘土のような挙動を示す映像が衝撃的です。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-06 19:13:42)

144.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 原作小説は未読。ちょっと、ホリエモンとかがブイブイ言わせてた頃を連想しましたが、ITバブルは、それでも、多少なりとも中身が少しありましたが、こちらは、すべてが虚業ですからね。主人公のディカプリオは、それなりに名の通った証券会社に就職して、その会社の売上No.1男から、ヤクでテンション上げて売上成績も上げる方法を学びます。胸を叩きながら低い声で歌いテンションを上げることを学びます(ラグビーのハカみたいなものでしょうか?)。その後、ブラックマンデーで勤めていた会社は倒産。電話で口八丁で低位株を売りつける方法で復活。徐々に、地道に、派手に会社を大きくしていく物語です。前にNo.1男から学んだとおりにヤクは常用してるし、職場にストリップ嬢、風俗嬢を呼んで乱痴気騒ぎをしたり、とにかくメチャクチャで基地外で破滅的なのですが、でも、社員慰労会をやる日本的経営と言えなくもないなと思ったり。仕事の内容に魅力は感じませんでしたが、刺激になりました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-06 18:30:58)

145.  セデック・バレ 第二部 虹の橋 《ネタバレ》 第1部では、学校の運動会にセデック族が奇襲をかけ、首を狩りまくるところで終わりました(霧社事件)。本作、第2部では、日本の反撃が始まり、セデック族は、健闘しながらも追い詰められていくという流れです。第一部のクライマックスを超えるイベントがあるわけもなく、基本単調な展開の中では、近代兵器に対抗する変幻自在のゲリラ戦のアクションで、緊迫感を保っていると思いますが、さすがに日本軍弱過ぎだろというのが目につき始めてきて、そこでちょっと笑ってしまうと言うか、没入感が弱まりました。最初から負けると分かっていても闘わなければならない、敗れゆく者の美学のようなものは感じられ、日本の武士道的な価値観にも通ずると思っていたところ、最後にそれを言葉にして言われてしまうと何だかなと。果たしてどこまで実際に則しているのかが不明なので、他の資料等を調べたくなりました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-05 15:43:11)

146.  君よ憤怒の河を渉れ 《ネタバレ》 いきなり見知らぬ女と警察が現れて、指を指されて、アンタ私の体をムチャにしたじゃないケダモノ!とか言われて、主人公の高倉健が逮捕されてしまいます。(レイプとか強姦より、体をムチャにしたの方が断然エロいですね。昭和的なエロさです。)一旦は逮捕されたものの、検察官という自分の立場が証明され、濡れ衣を晴らすためにも、自宅の家宅捜索に同意し同行することとなります。そこで、あるはずもない盗んだ指輪などが発見されてしまいます。自分が何者かにはめられてると気付くと同時に、もはや自分の主張が通らないことにも気付き、トイレの窓から逃亡。その後、自分への容疑を晴らすために、真犯人探しをするというサスペンスです。いや~、メチャクチャ面白い。シリアスを基調としているのですが、突拍子もないトンデモ展開が巧みに混ぜ込まれていて、大笑いしてしまいました。緩急が素晴らしいです。特に馬のシーンは驚愕と爆笑でした。終盤の病院の展開は、ありがちな題材を取って付けたような感じがしてしまいましたが、他の作品では見られないような高倉健の演技が見られたのでよしです。高倉健、原田芳雄、池部亮、大滝修二、中野良子、倍賞美津子 役者がすべてすばらしいです。中野良子はまったく美人じゃないのに、大人びていて芯の強い色気があるのですよね。比べると倍賞美津子は、当時は若くてアイドルのよう。顔の巾が広めのカワイさです。中森明菜的な。音楽は、シーンに合っていないところが散見されましたが、それはそれで時代の雰囲気が感じられました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-03 20:06:20)

147.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 ミュージカルのダサさ具合は悪くないです。主役2人がミュージカルをやりそうな人でないところイイです。そのバカっぽさを隠れ蓑に、誰もが一度は思い描くような淡いif物語とほろ苦い現実をブッ込んでくるあたり、脚本が巧みだなと思いました。男の主人公は、典型的な美形ではないですが、飄々とした感じで、終盤はかなりかっこよかったです。女の主人公は、遠目に見ると小娘なのですが、近寄ると妖怪人間もしくは鳥のヒナといった感じで、マンガチックというかデフォルメが効いているというか、まあかなり好きです。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-02 19:49:13)

148.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 結構最近の事故だと思ってましたが、月日の流れるのは早いものです。機長の英断により多くの乗客の命が救われ、機長はヒーロー、めでたしめでたしで終わったものと思ってましたが、まさか、裏側でこんなことになっていたとは・・・。この知られざる事実が、どうして詳らかになったのかと思ったのですが、機長自身による原作があるようです。和訳はされていません。未読です。テーマに対して素直で、余計な表現がなくて潔いなと思ったのですが、後でクリント・イーストウッドが監督であることを知りました。なるほど、イーストウッドらしい映画です。トム・ハンクスは実際に老けたのか、老け役だったからなのか、これまでとは違う感じでした。[DVD(字幕)] 7点(2023-02-27 21:01:23)

149.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 小学生の頃、テレビ放映されていたのを見たことがあります。ディテールはほとんど覚えていない中で、666のアザの映像だけははっきりと脳裏に焼き付いています。そして、画面の端々に悪意が渦を巻いてるのをしかと感じて、トラウマとして残るような恐怖を感じた記憶があります。大人になってから見ると、やはりお芝居であるという前提が頭にあるため、幼少時のような作品世界への完全没入はできないようですね。幼少時には見えていた悪意の渦巻く景色は、ほとんど見えなくなってしまったようです。作品としては、格調高いオカルトホラーで、キリスト教的世界観を荘厳な音楽が下支えしています。殺害シーンは、ショッキングかつ芸術的で、怖さよりは美しさが優ると思いました。写真に死の前兆が現れるというアイデアが、とても効果的です。「リング」など後発のオカルトホラーでも、呪いの可視化のツールとして有効に活用されていますが、この作品が魁なのでしょうか?ちょっと気になります。[DVD(字幕)] 7点(2023-02-25 17:45:29)

150.  劇場版 呪術廻戦 0 《ネタバレ》 まず、作画は素晴らしいと思います。とは言え、テレビシリーズでも十分素晴らしかったので、そこは「期待通り」どまりですかね。主人公の乙骨憂太が思った以上に地味キャラでした。本作は、虎杖、釘崎、伏黒が呪術高専に入学する前の前日譚です。間接的に、本作に登場しないテレビシリーズにおける新一年生トリオは、キャラ設定や、相互バランスの面でかなり優秀だったんだなと、再認識させられた次第です。虎杖、釘崎が悪ノリでボケて、伏黒がツッコミを入れるというギャグパートが、ダークな世界観の中でいいアクセントになっていたのに対して、本作はギャグは少なめで、振れ幅が少ないというか。パンダ、真紀、狗巻、乙骨だと、パンダの負担が大きすぎるというか。その分、五条先生が空回りぎみというか。夏油が悪役の親玉で、その手下も登場するのですが、手下たちは、キャラ面でも、呪術的にも、それほど活躍がなかったような。敵の強さによる絶望感のようなものはほとんど感じられず、緊張感が少なめだったような。夏油の野望に至るまでの経緯や、五条との関係は謎めいたままで、里香がどうのこうのよりも、そっちの方が気になってしまいました。のちのち本編で謎は明かされていくのだと思いますが、単体作品としては、あまりすっきりしないところが多く、大きなカタルシスは得られなかったというのが感想です。里香のエピソードは、最初からとても悲しく、成仏したから救われるともあまり思えず、最後までただただ悲しい話だなと感じました。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2023-02-24 17:43:10)

151.  真夜中のカーボーイ 《ネタバレ》 主人公のカウボーイが素晴らしいですね。テキサス州出身の青年が、カウボーイの肉体的魅力で女性達から金を巻き上げようと、ニューヨークに上京して、悪戦苦闘するという話です。それだけだとバカっぽいコメディで終わってしまうところ、途中途中で、過去のトラウマがフラッシュバックして苦悩するという面白い味付けがされていて、基本明るくて爽やかな表情の中に、影がちらつき、深みが出ています。その主人公役が、テキサス男役らしく、ガタイはがっちりしているのだけど、顔があどけなくてカワイイんですよね。一方で、カウボーイから金をだまし取るものの、後にカウボーイに見つけられて、締め上げられ、共同生活をすることになる貧乏な男を、ダスティン・ホフマンが演じているのですが、これが、なんか色々とゴテゴテと役づくりし過ぎで、見ていて鬱陶しくなってしまいました。途中で、そもそも、この役自体この映画に必要か?と思ってしまうほどでした。[DVD(字幕)] 7点(2023-02-21 20:04:02)

152.  ライトスタッフ 《ネタバレ》 3時間超の大作。60年代の米ソ冷戦下で躍起になって宇宙開発競争をしていた当時の空気をとても懐かしく感じました。まだ生まれてませんが。宇宙開発に皆が夢を抱いていた時代ですね。前半は、音速の壁に挑むテストパイロットの話です。主役のエースパイロットが、メチャクチャかっこいいです。一点の曇りのない眼差しと、ストイックで乾いた表情がいいです。奥さん以外の女の尻を追わずに、いまだに奥さんの尻を追いかけてあばら折るのもストイックでいいです。後半は、前半で登場したテストパイロットの一部が、名を挙げようと宇宙飛行士枠に応募し、厳しいテストに耐えて宇宙飛行士を目指す話です。宇宙飛行士候補達の息の長さと、肺活量を競うテストを見て、昔のテレビ番組「ザ・ガマン」を思い出しました。(口の上にセットされたシリンダー経由で羊の脳みそが落ちてくるシーンが思い浮かびました。)バカバカしさにおいてドッコイドッコイなところが笑えます。蛍のシーンは思いっきりフラグかと思いましたが、してやられましたね。まだ見ぬ世界を目指して危険を顧みない男達の話として、宇宙飛行士を扱うだけでなく、航空機テストパイロットと対比させたのが、作品に特別な味わいをもたらしていると思います。あえて難を言うとすれば、後半、宇宙飛行士達が一致団結して、爽やかないい奴になりすぎていて、ちょっと面白みに欠けるのと、実話に基づいているので、フィクション作品で得られるような感情の起伏がもたらされないところでしょうか。主要人物は死にそうにはなるものの死にませんし。[DVD(字幕)] 7点(2023-02-21 19:52:51)

153.  浅草キッド テレビでのお笑いバラエティの台頭と演芸の町浅草の衰退。それを背景にした人々の営みが、ビートたけしの下積みから成り上がりまでの半生を通して、丁寧に描かれていて、特別大きな感動があるわけではないですが、じんわり、しんみりと充実感が得られました。「誰も知らない」の子役のあの柳楽優弥が、まさか後にビートたけしを演じることになろうとは・・・と感じ入るところがあるのですよね。主役の柳楽に限らず、他の配役も非常に面白いところを責めているなあと思いました。ビートきよしがナイツの土屋で、全然似せる気が無いのもいいし。大泉洋は安定しているし。今まであまり知らなかった門脇麦も魅力的でした。日本映画でコメディー的なものをやると、とかく過剰演技になりがちだけど、そうならなかったのは、人選から、町の再現から、丁寧につくり上げたところが大きいのでしょうね。お笑い芸人の自伝であって、いわゆるコメディーじゃないということもあるけれど。[インターネット(字幕)] 7点(2023-02-18 20:07:36)

154.  (500)日のサマー 男女一組の出会いから別れまでの500日を描いた作品。特別な事件が起きるわけではありません。男性から見てちょっとエキセントリックな女性との関係が、出会って、気持ちが近づいて、でもすれ違って、溝は埋まらず、別れに至るまでの何気ない日常が描かれています。ややもすると2人の間の些細なことの連続を、そのまま流しても退屈になるであろうところを、時系列をシャッフルすることで、2人の間の空気感の落差が強調され、気持ちがそれることなく見続けることができました。こういう時系列シャッフルの使い方もあるのだなと。こういう繊細な作品は、役者が作品をどう解釈するか、どう演じるかによって全く違った作品になるような気がします。なかなかつくり上げるのが難しいだろうなと。男女の関係は相性やタイミングもあるし、こんなもんだと思うので、特別イイ女ともイヤな女とも思わないけど、どうなんだろう。[DVD(字幕)] 7点(2023-02-14 19:23:16)

155.  ダークナイト(2008) 映像の精緻さ、ディーテールへのこだわり、次が読めない展開など、アクションエンターテインメントとして、緻密に計算された穴のない作品。内容としては、・ジョーカーの神出鬼没のキチガイっぷり(アクション・サスペンス的要素)/・ジョーカーに心を操られる人たち、それによるバットマンの苦悩(サイコスリラー的要素)の2つが大きな柱になるかと思いますが、後者の描写が少しもの足りないような気がしました。言い換えるとジョーカーは、頭は切れるが、それほどねちっこく無くて、与えるダメージが可視化されていてわかりやすいというか。もう少し、そこはかとなく感じられる空恐ろしさや、バットマンのより深い苦悩が描写されると、ラストもグッとくるのかなぁと。時間が限られているので難しいですが。そのラストは、同年放送の「コードギアスR2」の逆パターンという感じでしょうか。[インターネット(字幕)] 7点(2023-02-13 19:34:02)

156.  激動の昭和史 沖縄決戦 沖縄現地で米軍の上陸を阻止するために作戦を練る上級軍人、作戦を実行する下っ端軍人、大本営、現地の政治家、疎開する児童、学徒動員された学生、野戦病院に動員された婦女子、様々な人を巻き込んだ沖縄決戦を、日本側視点のみにフォーカスしつつ、俯瞰的にとらえる大群像劇として、今見ても、日本映画にしてはあまりチープさを感じさせない臨場感、切迫感で、描いています。感傷的な演出などはほとんどないまま、淡々と描写されるので、ややもするとドライな印象を持つのですが、その中にも、ところどころにユーモアがちりばめられ、作り手による人間に対する慈しみに包まれた作品だと思いました。押しつけがましさを感じさせない懐の深い作品です。視聴にあたっては、前述のとおり、淡々と事が進んでいくので、史実を知らないと、なかなか心に残らないと思われます。途中良くわからないことがあったら、躊躇なく再生を止めて、史実を調べながら見るのもありかと思いました。というか、私はそういう見方をすることで、より興味を持って作品を堪能することができました。川津祐介がイケメン。[インターネット(字幕)] 7点(2023-02-10 17:59:59)(良:1票)

157.  マイ・インターン 本作は、インターンシップ制度の本場?ともいえるアメリカにおいて、新興企業が先進的な取り組みとして導入したシニア向けインターン制度に、会社をリタイアした男が採用されて・・・というような話です。当該企業は、若い女性社長が起こした新興WEBアパレル企業と、絵にかいたような若い企業文化の会社で、社長はアン・ハサウェイ。一方、シニアインターン生に応募して採用されるのは、斜陽産業筆頭ともいえる電話帳印刷会社を定年退職になったロバート・デ・ニーロ。女社長的には、人に勧められるままに形式的に導入したインターン制度だったようで、最初は頼むべき仕事が無くて持て余し気味でしたが、デニーロが、若い会社に欠けがちな人生経験からくる知恵を発揮して、社員に適切なアドバイスをしまくり、信頼される人材になっていくというような流れです。そこそこわざとらしい設定ながら、あまりいやらしくなることがない匙加減が心地よいと思いました。ロバート・デ・ニーロが演じるジジイが、決して差し出がましくなく、でも芯がしっかりしていてぐらつくことなく、的確な判断ができるのがカッコいいのですよね。自分のやりたいことで起業する若い女性であったり、その女性を支えるために専業主夫を選んだ夫であったり、第二の人生を全く別業種の会社のインターンから始めるリタイアジジイだったり、働き方の多様性と、価値観の多様性が、ごく自然に示されていて、ふと自分の働き方を振り返るきっかけにもなりそうなところがいいと思いました。[インターネット(字幕)] 7点(2023-02-08 20:31:10)

158.  砂の器 《ネタバレ》 加藤剛の出番は後半の演奏会を除くと数える程度で台詞も少なく、主演は丹波哲郎。これは意外でした。時間を計ったわけではなくて、正確ではないのですが、感覚的に、前半の前半:警察老若コンビ、丹波哲郎と森田健作による捜査。前半の後半:丹波ひとりで捜査継続。被害者特定。犯人特定。後半:加藤剛の演奏会で「宿命」と名付けられた新曲が熱奏されるのと同時進行で、丹波哲郎による署内捜査報告により、事件の全体像が明かされるという構成。作品の中盤で犯人が確定するだけでも、おっ?残りどうする?と思いましたが、残り時間で、犯人による犯行に関する行為は一切描かないという、かなり型破りで斬新な構成だと思いました。前半の足で稼ぐしかない牧歌的な捜査が、懐かしい風景とともに、とても魅力的に映像化されていて、一気に引き込まれたのに対して、後半はかなり間延びして感じられて、個人的にはそれほど大きな感動は得られなかったかなという感想です。斬新な構成は評価したいのですが、犯人の殺人に至る動機が自分の中でなかなか埋めきれないのですよね。殺すまでかなと。犯人の残忍性のようなものはあまり描かれていないし。(恋人に中絶を強要するシーンがあるくらいで)父子の放浪の旅はなんだかんだ楽しそうやんと思ってしまったし・・・[インターネット(字幕)] 7点(2023-02-08 20:21:17)

159.  コーダ あいのうた 主人公がCODAであること。これに加えて、一家で漁師業を営んでいること。主人公が歌が上手く、熱血音楽教師に勧められて有名音楽大学への進学をめざすこと。これら主人公の葛藤につながる複雑性を構成する要素をシンプルに抜き出して、その再構成による融合から物語を紡ぎだすことで、主人公とその周辺の生活が、みずみずしく新鮮に再現されつつ、余計なシーンやノイズとなる情報がなくて心地よいのですよね。言い換えると、軸となるシンプルな構成要素が、作品内でほどよく絡まっていて、なにか断絶があったり、どこか浮いていたりする構成要素が無いという意味で、とってつけた感があまりなくて、自然なのですよね。主人公の隠れ家的な逃げ場である山奥の湖も、アクセントとして効果的です。個人的には、特に大きく感動するようなことはなかったのですが、主人公のCODAゆえのしがらみや人生の選択に重ねて、自分自身のしがらみや人生の選択などに思いを至らせたりすることで、じんわりと感じさせられるものがあるなぁ~と言ったところです。終盤に1か所、劇場ならではの臨場感が得られる演出、(あたかも自分が劇中人物になったかのような錯覚させる演出)があるので、是非、劇場での鑑賞をお勧めしたいですね。[映画館(字幕)] 7点(2023-02-07 19:24:57)

160.  牛久 作品としての評価が、なかなか難しいですね。行政の実態の暴露という意味では大きな意義があり、取材のための労力や時間がかかっているのは事実なのですが・・・。例えると、生の素材が並べられたものを、料理としてどう評価するのか、そもそも評価すべきなのかというような悩ましさがあります。本作に関して言えば、多くの人に周知することよりも、入手した生の情報を、まずは下手に手は加えず、まずはオープンにして、それにより、現状を変化させることに重きを置いた戦略なのかもしれませんね。暴かれた日本の難民対策の実態について言えば、普段、不法入国者を扱うことが多い職員たちに難民を扱わせれば、まあこうなってしまうんだろうなと思うところもあり、難民受入に対して状況に応じた特別な措置を講じなかった面で、行政が判断を間違えたという事なんだと思いますが、その判断ミスそのものより、判断ミスの結果起きてしまう状況を常にチェックして、フィードバックする機能がないことこそが問題だよなと思いました。[映画館(字幕)] 7点(2023-02-07 19:17:02)

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