みんなのシネマレビュー |
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1721. 喜劇 急行列車 渥美さんといえば寅さんだが、私はこの「急行列車」が大変好き。喜劇と言ってもそれほど馬鹿馬鹿しくなく、人情味あふれる感じがとても良かった。 この映画は、九州を始発駅とするブルートレイン「さくら」と「富士」が舞台なので、長崎在住の私には大変親しみやすかったし、おかあちゃん役の楠さんがとてもすてきだった。東けんじ・宮城けんじのWけんじの漫才コンビも登場し、映画をおもしろくさせる。 [映画館(邦画)] 7点(2011-10-10 22:49:21)《改行有》 1722. お嬢さん乾杯 《ネタバレ》 34歳の自動車修理工と26歳の学習院出のお嬢さんか、よさこい節と幻想即興曲との違いは何といっても大きすぎる。うまく行きかければだめになるし、だめになったかと思ったら・・・。追っかけていくところで終わるのが、いかにも木下恵介らしい人情劇。昔はこういうのが多かったなあ。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-10 14:19:31)《改行有》 1723. かもめの城 DVDが制作され、念願の「カモメの城」を鑑賞。「シベールの日曜日」から3年、成長したパトリシア・ゴッジを見ることができた。 かもめや人形と会話をする毎日、突如訪れた青年との淡く純粋な恋、子どもと成熟した大人のちょうど中頃の微妙な年齢の少女を演じたゴッジの演技が光った。[DVD(字幕)] 7点(2011-10-10 07:50:20)《改行有》 1724. お家をさがそう まだ妊娠6ヶ月というのに異常に大きなお腹、しかも主人公夫婦が出会う人たちは奇妙な人ばかり。なかでも乳母車を持たない主義の夫婦は傑作だ。 しかし回り回って最後は・・・、というのは結局何だったのか。[映画館(字幕)] 5点(2011-10-09 21:25:40)《改行有》 1725. 黄色い星の子供たち 《ネタバレ》 黄色い星とは、ユダヤ人を識別にするためにつけられた黄色の星のマークのワッペン、それによって彼らは公共の場から閉め出されることになる。 ナチスドイツによるユダヤ人虐殺は、ドイツ国内だけでなくフランスやポーランドも行われたことは知っていたが、ヴェル・ディヴ事件についてはよく知らなかった。ナチスの命令でもあったが、フランス政府もまたユダヤ人を一斉検挙し収容所に送り込んだのである。 この映画はヴェル・ディヴ事件のわずかな生き残りの証言を元に制作されたという。いわば第2次世界大戦の歴史の一部である。この事件は近く「サラの鍵」という映画にも登場するはずなので、それもぜひ見てみたい。 映画の中で一番印象に残ったのは、ユダヤ人に対し水を分け与え、手紙を預かった消防士たち、それを認めた人道的な責任者が登場するシーン。 くまの人形抱いたかわいらしい子どもノノ、そのノノと看護婦アネットが戦後再会するシーン。おそらく事件の時のノノと戦後のノノを演じた子役は兄弟なのだろう、驚くほど似ていた。 良い映画かどうかの前に、見るべき(見なければならない)映画だと思う。 [映画館(字幕)] 9点(2011-10-09 19:48:40)《改行有》 1726. 怒りの葡萄 《ネタバレ》 不景気になると金持ちは労働者を安く雇って不況をしのぐ。そのため小作農たちは虐げられ、生活の地を求めて各地を転々とする。そうした資本主義社会の弱点をつき、社会の矛盾を描いたスタインベックの名作「怒りの葡萄」 この映画はそうした社会批判に加え、それを生き抜く家族の絆をしっかりと描いている。ヘンリー・フォンダを主演にしたジョン・フォードの力作だが、家族を支える母親の存在が大きい。「女は男より変わり身が早い。男は不器用でいちいち立ち止まるが、女は常に川のように流れている」という母親の言葉が深く印象に残る。おっとジェーン・ダーウェルはアカデミー主演女優賞か、納得。 [DVD(字幕)] 9点(2011-10-09 06:50:41)《改行有》 1727. シベールの日曜日 《ネタバレ》 「孤独な男女の純粋無垢な魂の交わり」などと表現すると大げさだろうか。ピエールと同棲していたマドレーヌは、とまどいながらも二人を見守るうち良き理解者となった。しかし残念なことに相談する相手を間違えてしまったと私は思う。 端から見るとピエールはロリコンとか変質者としか見えないのだろう。それが世間一般の常識だ。ナイフを持ったまま女の子に近づけば、結果は当然予想ができる。しかしそれがどんなに悲しいことか。ラストのシベールの叫びは、教会音楽の「ミゼレレ」と重なって、深く心に突き刺さる。 二人が会っていた湖の景色が美しかった。[DVD(字幕)] 9点(2011-10-08 22:55:12)《改行有》 1728. 白い家の少女 すごい緊迫感だ。これを演じた13歳のジョディ・フォスターは見事というほかない。。ラストのショパンのピアノ協奏曲は、とても印象的だ。[映画館(字幕)] 7点(2011-10-08 13:50:55) 1729. ピンクの豹 昔見たときはたわいもないコメディと思っていたのだが、改めてDVDで見ると結構おもしろいし笑える。有名なテーマ曲だが、途中で歌われる「It had better be tonight」も印象的で、ヘンリー・マンシーニの音楽が冴える。 [映画館(字幕)] 6点(2011-10-08 07:12:42)《改行有》 1730. アデルの恋の物語 ここまでくると情熱的を通り越して狂信的としか思えない。ピンソン中尉は二枚目かもしれないが、どうもそれほどの人物ではなさそうなのに・・・。親(ビクトル・ユゴー)も大変だったろう。これが実話だとは恐れ入る。 これがイザベル・アジャーニでなければ、とても見られたものではない。[映画館(字幕)] 6点(2011-10-06 22:14:00)《改行有》 1731. 泥だらけの純情(1963) 私の少年時代のあこがれは何といっても吉永小百合、歌に映画に大活躍で人気はすごかった。この映画は、どうしようもないチンピラ少年に恋する良家のお嬢様役。ちょっと親切にされ、助けてもらっただけで一途に思い詰めるところが、まさにお嬢様であり、吉永小百合にはぴったりだった。 こういう二人の成り行きはおよそ見当がつく、怖いヤクザが出てきて・・・。コロンボの声の小池朝雄の演技が渋い。声優だけあって、声に迫力があり、迫力十分。[映画館(邦画)] 6点(2011-10-05 23:27:17)《改行有》 1732. マンデラの名もなき看守 恰幅の良い堂々としたマンデラだ。私としてはモーガン・フリーマンの方がイメージに近いと思うのだが・・・。だから大柄なマンデラに対して、看守のグレゴリーがいかにも小男に見え、囚人と看守の立場が逆転しているかのようだ。 グレゴリーの細君のダイアン・クルーガーは、もったいないほどの美しさ、しかしアパルトヘイトに関してはごく普通の世間と同じ考え。グレゴリーがマンデラの影響を受け少しずつ変わっていったのに対して、終盤の変わり様は唐突にも思える。 さて邦題の「名もなき看守」だが、何か卑屈すぎはしないだろうか。マンデラはグレゴリーを母国語(コーサ語)を話す友人として扱っていたはずだ。それゆえ「グッバイ、バファナ」という題になっていた。 アパルトヘイトについては、予備知識があったのですんなり見れたが、描き方は不十分ではなかろうか。しかしながら良い映画である。もっとレビューがあってほしい。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-05 17:07:24)《改行有》 1733. 深夜の告白(1944) 結論が先に出ていても、最後まで見る者をはらはらさせるよくできた映画だ。こういうのを心理サスペンスというのだろう。バーバラ・スタンウィックの金髪(かつら)が気になったが、悪女を強調するためかもしれない。 最初見たときは、嫌疑が別方向へ行って何もフィリスを殺さなくてもと思ったが、やはり飛び乗った電車は終点まで降りられないのだと思い直した。それと主人公が、いったんキースが疑いだしたら、間違いなく真実をつきとめるという凄さを感じた。[DVD(字幕)] 7点(2011-10-04 23:36:13)《改行有》 1734. おばあちゃんの家 子どもはクソガキでも何でもない、ごく普通の男の子である。おばあちゃんもまた、耳が不自由で話ができないし文字も読めないというだけで、田舎のごく普通のおばあちゃんである。 ただ年齢と生活環境が大きく違っていたので、子どもが祖母の生活に馴染めなかったことと、障害のため祖母が思いを伝えられなかったということだろう。 子どものいたずらは常だしエスカレートしても仕方がない。しかし祖母はあくまで寛容であり、暖かくひたすら見守る。表情にも出さず淡々としている感じが実によい。 いたずらはエスカレートしていったが、孫は少しずつ祖母を理解できるようになっていった。そして、母親が迎えに来る寸前、いたずらは祖母への愛情と化す。 我々大人でも、父母の愛情を素直に受け止められないまま、永遠の別れを迎えることもある。かくなる私もその一人だと思う。この子は良い子だったし幸せだった。祖母との絆をしっかりと結ぶことができたであろう。 私は自分の子どもの頃とオーバーラップして涙が止まらなかった。多くの賞を得、異例の大ヒットになったのも頷ける。[DVD(字幕)] 8点(2011-10-04 13:47:37)《改行有》 1735. 越後つついし親不知 《ネタバレ》 戦後の恵まれた日本しか知らない者にとって、おしんや留吉の不幸を理解するのが難しいと思う。戦後まもなくの生まれである私ですら、何か策はなかったのだろうかと思ってしまう。 おしんが権助に無理矢理犯されたこと、そして身ごもったことをなぜ正直に打ち明けられなかったのか疑問に思ってしまう。 しかし、戦前の貧しい家で育ち、父母の面影さえなかったおしんを責めることはできないのかもしれない。哀れでならない。[DVD(邦画)] 6点(2011-10-03 17:49:07)《改行有》 1736. はなれ瞽女おりん 美しい情景描写に対して、日本海の冷たい海、それは瞽女となった美しき盲目の娘おりんの運命を象徴するかのようだ。水上勉の小説には、このような不遇な環境に生きる人間(女性)を書いたものが多い。その中でもこの「はなれ瞽女おりん」は際だっていると思う。またそう思わせるのは、何と言って岩下志麻の美しさと演技力だと思う。 [映画館(邦画)] 9点(2011-10-03 15:03:28)(良:1票) 《改行有》 1737. 地震列島 東日本大震災が起きてから、「日本沈没」や「大地震」はすぐに思い出して再鑑賞(再々鑑賞)したが、この「地震列島」はなかなか思い出せなかった。それほど印象が薄かったというか、つまらなかったからだろう。 この映画を見たのは、先の2つの映画のほか「ポセイドン・アドベンチャー」なとの多くのパニック映画を見た後だった。そのどれらと比べても見劣りがする。 地震が30日以内に起きると予言しても、その根拠があやふやなものだし、それを信じての行動も共感を呼ぶものではない。またそれが当たったとしても決して褒められるものではない。そしてまた妻と愛人の三角関係も「大地震」と重なって新鮮さが感じられなかった。[映画館(邦画)] 4点(2011-10-03 05:57:45)《改行有》 1738. お茶漬の味 《ネタバレ》 庶民的な題材としてパチンコや競輪が出てくるが、どうも小津映画には似合わないし、上品すぎる。パチンコや競輪は、もっと騒々しく庶民的なもののはず。パチンコ屋のおやじが笠智衆というのは論外で、おやじがパチンコ台から顔を出したらお客は誰も来なくなる。 夫婦のけんかだって、もっと大声を出したり、ののしりあったり、ぶつかりあったりするものだと思うのだが、小津映画ではそういうものにならない。やはり上品なのである。 飛行機の故障で夫婦の危機脱出するがストーリーもあまり好きでない。もちろん夫婦でお茶漬けのシーンには、ほのぼのとしたものを感じるが・・・。飛行機がそのまま飛んでいったらとしたら、どうなったのだろう。 [DVD(邦画)] 4点(2011-10-02 21:30:33)《改行有》 1739. ダイヤルMを廻せ! いつ何がどのように起こるかは偶然の出来事、用意周到に練られた完全犯罪も偶然によって思わぬ展開になり、捜査の方も偶然によって思わぬ解決の糸口が見える。この映画はコロンボみたいな研ぎ澄まされた感覚はないが、偶然をうまく使った映画だ。それが見ていてスリリングであり、おもしろい。 ちなみに米国は電話ダイヤルにアルファベットが割り当てられ、MNOは数字の6に相当するのだそうだ。[DVD(字幕)] 7点(2011-10-02 08:19:59)(良:1票) 《改行有》 1740. 麦秋(1951) 「晩春」と似たところがあるが、私はこちらの方が明るくユーモアがあって好き。紀子さんの結婚話は唐突だったけど、一番身近にいる人の良さなんて気づかなかったことが突然わかるものらしい。 杉村さんというと口うるさいおばさんぽくって今まで好きでなかったのだけど、「本当に来てくれるの?」と何度も念を押したり、素直に喜ぶところがすてきだ。 淡島さんの友人役良いし、笠さんは今度はお兄さんか、本当は若いんだ・・・。[DVD(邦画)] 8点(2011-10-01 14:21:18)《改行有》
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