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プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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161.  ニューオーリンズ・トライアル 血なまぐさいシーンがほとんどないのに、こんなにもスリリングな映画ができる。暴力によるこけおどしではなく、知性と知性がぶつかる頭脳戦の迫力が素晴らしい。陪審員制度という切り口も新鮮で引き込まれた。  また役者もいい。とくに敵役が魅力的だと話が引き締まるものだが、ジーン・ハックマン演ずるフィンチの存在感は際立っている。シャーロック・ホームズもどきの登場シーンからずっと、彼が登場するたびに画面にかじりついた。悪党でありながら、その鋭い知性としたたかさには舌を巻いた。  けっしてリアリティのある展開とはいえないものの、馬鹿らしくならない程度にうまくバランスがとれていて、ラストは爽快。非常に良質のエンターテイメントとなっている。[DVD(字幕)] 8点(2005-10-12 14:00:44)

162.  オールド・ボーイ(2003) クライマックスでの主人公の懇願、あれだけでも観てよかったと思える。格闘シーンもよかった。イメージ・トレーニングだけで暴力のプロ数十人を倒せる不自然さをさしひいても。 ただ、カンヌの割には深みがないような気がした。どちらかというと娯楽映画だ。別に悪くはないが、予想と違ったのでちょっと驚いた。さすがタランティーノのチョイスだけある。 大富豪じゃなきゃできないような復讐計画であるという時点でリアリティもへったくれもない。でも、監督も俳優も上手いので、楽しめた。でたらめな脚本にもかかわらず、強引に観客を引っ張りこむ手腕には本当に感心した。[DVD(字幕)] 7点(2005-10-07 01:31:13)

163.  千と千尋の神隠し 《ネタバレ》 酷評が多いですけど、普通に面白かったです。みなさんジブリには期待してるんでしょうね。私は何の期待もせずに観たので。 確かにストーリーには「?」も多く、もう少しなんとかなったんじゃないかなとは思います。でも映像や世界観はとても楽しい。人外の連中がキモかわいくて、観てるだけで満足。 落下しながら泣いて、上に涙の粒が飛んでいくシーンもよかった。そこまでのめりこんでいたつもりはないけど、あれには少々胸を動かされました。自分のためじゃなく人のために、それも悲しみからじゃなく嬉しさから流れる涙って、見てて気持ちいい。前半の涙とは真逆です(方向が逆なのは偶然でしょうが)。助けられる側から助ける側に、自分のためじゃなく他人のために泣ける人に。あの場面でちひろの成長ぶりがわかった気がしました。[DVD(字幕)] 7点(2005-10-06 19:57:35)

164.  ベルヴィル・ランデブー あまりにデフォルメが効いて、もはや人間以外の領域に……! 自転車選手の孫のふくらはぎがあまりにもむきむきで笑った。触ってみたいな~と思っていたらおばあちゃんがいろいろな道具で揉む揉む。笑った。 でもストーリーは地味で子供向け。絵柄はともかく、脚本は退屈だった。おばあちゃんと男しか出てこず、若い女性が出てきても可愛さのかけらもないので、色気ゼロ。地味な印象。 高い塔が並んだ都市の映像も面白かったが、「美しい」映像とはちょっと違っていて、あんまり好みでもなかった。悪くはないが、いま一歩満足がいかない。[DVD(字幕)] 6点(2005-10-06 00:53:45)

165.  キャビン・フィーバー(2002) 《ネタバレ》 有名監督が絶賛する価値があるのかな? 「イーサンはホラー映画の未来だ」だそうだけど、目新しいものはなくむしろ「過去」を観ているような気がする。理解不足のためか、面白さがよくわからなかった。後半の展開はまったく予想がつかないが、むちゃくちゃ過ぎて怖くない。  別に陸の孤島というわけでもないのに、都合のいい偶然の連続で逃げられない。どれだけ不運なのか。それに、あの店の連中は一体なんなの? 平気で死体を焼く警察といい、この地方の連中みんなおかしいよ。あの伝染病は風土病かなにかで、彼らはもう慣れてるんだろうか? 主役の突然の冷徹さも意味不明。残るは疑問ばかり。 そしてこの残酷さと牧歌的な雰囲気を併せる結末、古典ホラー『2000人の狂人』からそのまんま引用している。観た人の3%ぐらいにしか伝わらない上に、笑いにもならないパロディはパクリも同然。そもそも元ネタの方が断然怖かったし、なにがしたかったんだ? ホラーにはそれなりに詳しいつもりだが、こういうマニアの内輪受けを狙った狡すからいネタは好きじゃない。[DVD(字幕)] 5点(2005-10-04 22:49:29)《改行有》

166.  呪怨2 (2003) 《ネタバレ》 伽耶子が襲ってきても、なんとか勝てそうな気がする。かくかくしてて、弱そう。  なので別に怖くはなかったのだが、ストーリー的には案外面白かった。首吊りのエピソードは都市伝説かなんかにありそうだけど、それにしてもよくできている。夢(?)と現実を行き来するエピソードは普通は観客だけは冷静になってしまうものなのに、観客も混乱してしまう。意図的なのかどうかは知らないが、登場人物の気持ちがわかっていいと思う。  インタビューで監督が今回の目的は女性を怖がらせること、裏テーマは母性、と話していた。確かにいきなり流産してしまう冒頭からして、少なくとも妊娠している女性には見せたくないと思わせる。『呪怨』シリーズってどの死も理不尽そのもので、何の罪もない人々が邪悪なものに次々と殺されていく。この点、血や内臓の量とかじゃなくて、「残酷」だ。この悪意に満ちた感じがこのシリーズの怖さだと思う。  だからラストで酒井法子が差し伸べる手は、たいして意味がないはずなのに、救われた気持ちになった。巨大な悪意のなかに射した、一条の光。ラストは恐怖が終わらないことを暗示するセオリー通りのようでいて、もしかしたら逆に希望を示しているのかもしれない。安らぐような光のなかで、伽耶子の憎しみはやわらぎ始めたようにも見えた。[DVD(字幕)] 7点(2005-09-30 12:26:02)

167.  らくだの涙 観ているだけでα波が出てしまう(笑)。らくだのとぼけた表情と、きれいな毛並み、不思議なフォルム。冒頭のおじいさんの言う通り、とても美しい動物だと思う。飾り気のない描写は人によっては味気ない印象を受けるかもしれないが、僕としてはありのままに(?)映し出されたモンゴルの吸い込まれそうな風景と、素朴でありながら逞しい遊牧民たちの姿に胸を突かれた。モンゴル人でもないのに、懐かしさの混じった切ない気持ちがふつふつと湧き上がってくる。子供たちもすごく可愛い。ときにはおじいちゃんですら可愛い。この映画の作り手が、らくだや人、モンゴルの光景のすべてをいとおしむ気持ちが伝わってくるようだ。あのらくだの首の下に伸びているもこもこした毛を撫でたような、やさしい手触りの映画。[DVD(字幕)] 8点(2005-09-24 00:38:12)

168.  ネバーランド 《ネタバレ》 好きなシーンは長男が家庭の問題についてバリに相談するところ。思慮に満ちたことを言う長男に対して、バリが「素晴らしい。たったいま君は30秒で大人になった」と褒める。バリはただただ少年の心を忘れるなというだけじゃなくて、ちゃんと現実に向き合えることの素晴らしさがわかっている。「下らないお芝居じゃないか」とピーターは言った。でも本当に価値のある劇とは観る者に現実逃避させるのではなく、現実と闘うエネルギーを与えてくれるものだ(もちろん、映画も)。『ピーター・パン』がピーターにそれを教えたのだろう。ネバーランドを求めるということは、夢に逃げ込むことではなく、常に光を追いかけることなのだと思う。  ただし、全体としてよかったかというと正直微妙。ジェイムズについていけなかったので。ラストの「お母さんが死んでも心の中でいつでも会えるよ」的な理屈には完全に冷めた。ああいう言葉ってよく映画にもドラマにもあるけど、実際どれだけ助けになるんだろうか?[DVD(字幕)] 6点(2005-09-18 22:50:19)(良:1票)

169.  サイドウェイ 《ネタバレ》 ジャックの励ましの言葉が好き。「ずっとセックスしてないから落ち込むんだぞ」「精神安定剤よりもファックだよ」「一発やるんだ」「とにかくやるんだ」――結局セックスだけ。ぜひ友達になりたい。  人生負けっぱなしの主人公がどうなるのかとちょっとはらはらした。さすがにここまでひどいことが続いたら、ハッピーエンドはありえないかも、と思ったので。  ラストは都合のいい展開ではあるんだけど、共感してしまった。そうそう、誰にも認められなくても、一人の大切な人に褒められるだけで救われることがあるんだよね。そういうときは、それまで何にも思い通りに行っていないように見えていたのが、突然上手く行っている気がしてくる。人生がわき道にそれてしまったと思ったのに、正しい道を進んでいるような気がしてくる。   ジャックも「クリスティーンがいなければ俺はおしまいだ」って言ってたけど、それは逆にいえば愛する人がいればなんでも乗り切れるってことでもある。この映画、なんだかんだ言って「愛」ですべてが救われる。リアルで地味でみじめな話だけど、案外ロマンチック映画なのかもしれない。[DVD(字幕)] 8点(2005-09-14 16:16:26)(良:1票) 《改行有》

170.  HOTEL ホテル(2001) いろいろ実験して頑張っているのはわかったけど、退屈だった。遊びが過ぎるあまり、肝心のストーリーがぼやけてしまっている。その割りに映像が綺麗なわけでもないし、音響は安っぽい。画面を四分割する手法は面白いと思ったけど、やっぱり混乱する。もっと脚本中心の素直な映画にしてほしいと思った。[DVD(字幕)] 3点(2005-09-14 02:42:55)(良:1票)

171.  スウィングガールズ 女子高生の集団は見た目は可愛い。だが内面は獰猛な獣の群れも同然――とかねがね思っていた。この映画の彼女たちはまさにそんな感じ。  青春ものということで、もっと成長や恋愛にスポットを当てているのかと思ったら、いさぎよくエンターテインメントに徹している。これはこれで悪くない。でも主人公らに次々と降りかかる困難に直接音楽に関係ないものが多く、設定を生かしきれていないと思った。たんなるドタバタの印象が強い。音楽の見せ場も主にラストだけで、中盤にもう一つくらい印象的なシーンがあってもよかったんじゃないだろうか。  DVD特典であるメンバー一人一人のプロフィールが秀逸。脱力系のユーモアに満ちたエピソードの作り方がほとんど神がかり的に上手く、この点前作を超えている。矢口監督には純粋なコメディを手がけてみて欲しいと思った。 この映画で一番好きなのは、偶然川越しに演奏していた二人が相手の出す音に気づき、うれしそうに曲を合わせるシーン。音楽で心が弾んでくるようすが観ていて伝わってきた。  音楽ってこんなに楽しいよ、人生ってこんなに楽しいよ、という明るい作品。気分が落ち込んでいるときに見ればいいかもしれない。[DVD(字幕)] 5点(2005-08-30 13:49:40)(良:1票)

172.  パッチギ! 好きになれない。 まず、主人公とヒロイン、アンソンと桃子といった物語の中心人物に厚みがなく、ラストシーンを含む肝心な場面で心を動かされなかった(少なくとも恋愛物としては最低レベル)。脇役たちもいちおう特徴的でわかりやすい個性があるものの、人間としての深みがあるとは感じない。マンガの世界にはとりあえず変な口癖と特徴的な外見、性格をつけておけばとりあえずキャラが成立すると思っている作家がたまにいるが、人間を描くということとキャラを立たせるということはまた別だろう。 物語はギャグと派手なケンカシーンのために退屈はしない。しかしあまりに予定調和が過ぎ、説教臭さが鼻につく。「出産」というイベントの凡庸さ、あざとさには呆れた。イデオロギーが消化しきれておらず、論文のようなごつごつした骨格を持つ不自然な脚本となっている。 そもそも、いまさらこのような形で問題提起をされても、教育現場やマスコミでさんざん説教されてきた者にはとくに感じ入る部分はない。むしろこういった感情的に押し付けるような社会批判が多すぎたからこそ却って現在の日本人の反発を招き、嫌韓流ブームが生まれたのだと思う。本当に問題提起したいのなら、こんなやり方は逆効果。日本人・韓国人の両方を相対的に描いた上で衝突を描くような冷静さがあればまだ好きになれたかもしれない。 にしても、この作品えらい評判がいいですよね。自分は何か取り違えたのかな? でもわざわざ観返す気にはなれないんだよな。[DVD(字幕)] 6点(2005-08-29 23:44:43)(良:1票) 《改行有》

173.  モーターサイクル・ダイアリーズ あえて淡々と描いたというのはわかるんですが……ちょっと地味すぎて、ピンと来ませんでした。前半はとくに目新しいところがなくて退屈だったし、後半ではゲバラの思想が萌芽期を迎えるわけですが、その思想にも納得が行きませんでした。南米はひとつにまとまるべき、という言葉にはきな臭さを感じてしまいます。撮影される場所は雄大ですが画としてさほど面白いとは思わなかったし、南米の人々の生活の過酷さ、政治的な事情はもっと丹念に説明して欲しかった。チェ・ゲバラという人物について前知識があれば違ったんでしょうか? 私の理解力が乏しいせいかもしれませんが、どうも掘り下げが浅いように思えました。[DVD(字幕)] 6点(2005-08-06 05:44:02)

174.  マルティナは海 自分で登録しておいて、すっかり忘れていた。そして驚くべきは、大して時間も経っていないのに内容自体ほとんど忘れているということ。超うろおぼえ。つまりはその程度の映画だったのですよ。悪役が一番いいやつだった、というのは覚えている。全体的に納得の行かない話でした。[ビデオ(字幕)] 3点(2005-08-06 05:18:23)

175.  カンフーハッスル 笑いを求めて観たのに、あんまりツボにはまらなかった。ど派手なアクションシーンも「?」。ピンと来ない。 ストーリー性は最初から求めていないが、それにしてももう少しなんとかなるだろうよ。脇役に魅力のある映画は数あれど、主人公とヒロインがいてもいなくてもよかったというくらい存在感のない映画は珍しい。唐突に主人公が強くなるのにも冷めた。 単純な起承転結を核に置くだけでだいぶ違うだろう。この映画は、物語の中心にびしっと一本通っているはずの線がない。一つ一つの部品は悪くないのに、それを適当につなぎ合わせた感じがする。 だからメリハリもないし、ハッピーエンドであるはずのラストシーンが全然気持ちよくない。正直、期待はずれ。[DVD(字幕)] 4点(2005-07-27 00:35:13)

176.  キル・ビル Vol.2 バカだなあ、と思った。賞賛と羨望をこめて、「バカ」だなあ、と。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-07-08 03:43:03)

177.  フリーダ う~ん、面白くなくはないんですが、いまいち入り込めませんでした。フリーダにあまり感情移入できなくて…。常に苦痛と隣り合わせの人生というのが想像できないせいかもしれません。自分なら痛みに耐え切れなくてすぐに自殺してしまいそうな気がするので、どんなに辛いことがあっても這いつくばるように生きたフリーダの精神力というのが、もう想像もつきません。偏見かもしれませんが、男性にはこういう人生を耐えて、しかも作品を残すなんてことはできないような気がします。[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-06-27 23:36:12)

178.  MAY -メイ- 根暗な不思議ちゃん、ものすごく不幸なアメリみたいな主人公は憎むに憎めない。前半は主人公のメイが変人ながらも可愛かっただけに、その後の展開が痛ましくて観ていられない。恐怖よりも哀れみが勝ってしまった。  雰囲気がよく、印象的なシーンがいくつかある。オープニングや挿入される短いモノクロ映画、レズビアンの友達の首を切るところ、あと縫合に失敗した犬のエピソードも気がきいている。とくに強烈だったのが、盲目の子供たちとメイが割れたガラスのなかを這いずり回って血まみれになっていく場面。なんて残酷で美しいシーンなんだろう。メイの心を面白半分に、無神経にずたずたにしていく「普通」の人々の残酷さが上手に表現されている。  おぞましいのに、どこか美しい。そんな不思議な魅力がある作品。[DVD(字幕)] 7点(2005-06-24 03:39:51)

179.  アンデッド なんというか……異色作。後半のSF展開は、ついていけないというか、どう反応したらいいのか困る。「バカだなー」ですませたいんだけど、夜空に大勢の人間が浮遊している映像が無駄にかっこいい。前半かなり楽しめたし、いっそ全編コメディチックにしてもよかったんじゃないかな。それに、登場人物の半数以上がヒステリックなのはさすがに神経に障ると思った。  ただし、なんだかんだいって低予算でここまでのものを作った努力には素直に拍手したい。メイキング映像での、有毒ガスで寿命を縮めてまでの奮闘振りにはもはや尊敬の念すら湧いてくる。少なくとも製作者の情熱は本物。スピエリッグ兄弟のこれからに期待します。[DVD(字幕)] 6点(2005-06-20 00:31:53)(良:1票)

180.  赤目四十八瀧心中未遂 勢子さんにあげるための香り袋を綾が手にとるシーンで、次に出る台詞がわかった――「これ、あたしにちょうだい」。思わず苦笑した。いかにも女性らしい言葉、いかにも女性らしい逞しさだと思う。生島の弱さを見透かして心中をやめたのにもかかわらず、他の女への贈り物を取り上げる。そこにちょっとは嫉妬というか、生島に自分を最優先させたい気持ち、支配欲のような気持ちが働いていたと推測する。もしかしたらただ単にほしかっただけなのかもしれないが、それにしても、あの台詞から感じる逞しさとずうずうしさ、そしてちょっと可愛いらしい感じが、いかにも女の強さだと思った。   最終的には兄貴に売られて博多に行くことを選んだ彼女の姿を生島は間抜け面で見送ることしかできない。綾はあんなにどうどうとしてるのに(強いよなぁ、そりゃ刺青入れられても悲鳴あげないわ)。   主人公はとんでもなくだめ人間で、綾の存在でその弱さがいっそう際立った。でも最後に少年の日に追いかけた蝶々を見つけたのは、彼が再び生きる意志を抱く象徴だったのだろうか? 綾に出会うことで極楽の鳥たる蝶々を見つけて、もう一度それを追いかける道を選んだのだろうか。それとも結局、蝶々を捕まえることはできないということだろうか。前者であってほしいと願う。とことん情けない主人公だったが、あんなに強い女性に出会ったなら、さすがに目を覚ましてもいいんじゃないかと思う。頑張って生きてみてもいいんじゃないか? 心中は未遂に終わったんだから。[DVD(字幕)] 8点(2005-06-13 11:36:01)(良:1票) 《改行有》

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