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プロフィール
コメント数 3266
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 41
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 36
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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161.  リアリズムの宿 つげ義春の世界観がよく出ていて見事。 二人の距離感を保った会話も楽しい。 そして、話のいたるところに登場するサブキャラクターが、いちいち味があって面白いのだ。 主演の二人には特別好感は持てなかったが、それでも引き込まれてしまうだけの演出的巧さがあった。[DVD(邦画)] 8点(2009-12-31 01:55:05)《改行有》

162.  乱れる 《ネタバレ》 成瀬巳喜男監督作品、51本目の鑑賞。 成瀬監督作品で、未見の作品としては最も巷の評価が高い作品だけに、観る前は俄然、期待が高まった。 成瀬監督の最高傑作は、加山雄三が本作と同じく主演した『乱れ雲』だと個人的に思っているが、メロドラマという部分で、多分に共通点が感じられ、更に期待が高まり、観る前の緊張感は、最近にはないものがあった。 さて内容だが、加山雄三と、その義姉である高峰秀子との禁断の愛を描いている。 100分にも満たない作品ながら、成瀬監督にしかできないような丁寧な描写で描かれ、濃密な内容となっている。 特にラストシーンは、情感極まる凄まじいまでの完成度である。 ただ、『乱れ雲』に劣る点は、加山雄三の演技にどうも真実味を感じないことだ。 18年間も一つ屋根の下に暮らし、その間ずっと高峰秀子に対する愛を隠していたという設定にしては、熱意が足りない気がした。 又、最後の諦めの早さにも違和感を感じた。 特に成瀬映画なら、もっとパワー漲るしつこさを期待してしまう。 『浮雲』を観た時に感じた、あの観る者のパワーを奪う様なネチっこさが欠けているのだ。 ただし、名作・佳作揃いの成瀬映画の中にあっても、なるほど評判が高いだけあって、上位にくる作品ではある。 そして又、高峰秀子の演技は、加山雄三の熱意が足りない演技を圧倒するかの様に凄まじく、殊に乱れた髪で立ち尽くすラストショットは、強く瞼の裏に焼きついた。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-12-14 01:47:55)《改行有》

163.  雨音にきみを想う 香港の街並みが実に良く出た出色のラブストーリー。 まず書きたいのは、ヒロインを演じたフィオナ・シッがかわいいこと! まずはこれに尽きる。 この女優、誰かに似ている気もするが、誰だかは分からない。 過去に知り合った、どこかの女性に似ているかもしれない。 誰に似ているか定かでないが、間違いなく言えることは、どこかのかわいい女のコに似ていることだ。 前髪をピンで留めているが、これが何とも愛らしい。 小柄で痩せ身の体型が何とも魅惑的。 どことなく寂しげな瞳も魅力的だ。 こんな女優が居たなんて! それを発見できただけでも収穫である。 ちなみに、相手方の男を演じたディラン・クォも相当なイケメンである。 話としては、それなりに見れたし、不自然や破綻している部分もない。 素直に楽しめるストーリーで、主演二人の魅力と香港の街並みの魅力を邪魔していない。 そして安易にベッドシーンが出てこないのが、これまた良い。 奥手のラブストーリーは観ていてすがすがしい気分に浸れること間違いなし! 隠れたアジアのラブストーリーの良作を発見! アジア映画ファンは必見の掘り出しモノである。[DVD(字幕)] 8点(2009-11-04 19:11:47)《改行有》

164.  サマー・ソルジャー 《ネタバレ》 ベトコン軍隊を逃げ出したアメリカ人脱走兵が、自分の居場所を探す為に日本を奔走するロード・ムービー。主人公の米軍兵は軍隊を逃げ出すが、外人目当ての好色女に言いように引っ張り回されたり、日本人の革命組織に流れで入るが日本人とソリが合わなかったり、京都の街をあてもなく放浪したりと散々な目に遭う。ベトコン軍隊が嫌で逃げ回り、同時に自分探しの旅に出たが、その行動の根底には「逃げ」がある以上、何も好転していかない。そして主人公は、軍隊に戻り、正面から自分自身と闘っていくことを決意する。これは日本の現代社会にも通ずるものがある。学校を出て働きに出ても、社会という息苦しい枠組みに順応できず、会社を辞め、色んなことに挑戦し、そして挫折し、フリーターをやり、職を転々とし、行き当たりばったりの女との愛欲に溺れ、最後には金もなくなり、途方に暮れる。この映画の主人公が辿った軌跡は、まさに現代社会に順応できない者そのものではないか。私も20代の頃そうであったように、自分がどこに居るべきかを探す道程ってのは、憂鬱で過酷で孤独なものだ。だけど、いつかは自分自身と正面から向き合うべきことに気付き、人生を再出発するのだ。これはまさに、この作品のエンディングである。自分探しに歳月を費やすのは決してムダではなく、自分が悔いなく人生をまっとうする上で必要なことだ。ただ周囲や常識に流され、ハナから社会の枠組みでこじんまり生きても、死ぬ時に後悔しないと言いきれるだろうか。若い頃に自分が何をすべきかを苦労して模索し、自らが実際に経験した過去があるからこそ、その先の長い人生を楽しめるのだと思う。本作は、誰しもが持っているであろう、自分の生きる道への迷い、そしてその葛藤の道を描いた作品なのだ。最後に出てきた、謎のはちまきアメリカ人。このはちまきが本作の最後で、熱く印象的な言葉を語る。「生きることは素晴らしいんだ。汗を流して働き、友人と酒を飲み、好きな女を抱く。それが人生だ。」と。この映画、そしてこの言葉は、必死に今を生きている迷える者達への、生きたメッセージである。人間讃歌の意味合いを持ち、ロードムービーの体裁を備えた本作は、勅使河原宏監督の他の有名作品にも劣らない魅力を持った作品である。そして又、『砂の女』や『他人の顔』といった他の勅使河原作品と、“自分の居場所”を探求するというテーマにおいて共通のものを感じた。[ビデオ(邦画)] 8点(2009-09-28 01:15:32)(良:1票)

165.  遥かなる山の呼び声 《ネタバレ》 高倉健の「奥さん~」で始まるしぶ~い語りかけ。 「奥さん、体触ってもいいですか」。 おっと、こんなセリフはなかったね。 ところで、武田鉄矢のパートは要らん! さて、本題。 これはまさしく男女それぞれの性というものを実に雄弁に語っている。 高倉健が雨しきる夜、いきなり倍賞千恵子のもとに現れる。 最初、倍賞千恵子は高倉健をあやしみ、距離を置く。 しかし、高倉健の人間性、男らしさに触れるにつれ、次第に心を開き、ついには恋心が生まれる。 しかし、そこで高倉健は去ろうとする。 男は女に近づき、そして去る。 それを必死に食い止めようとする女。 女という生き物はなんて不思議な生き物なんだろう。 あれだけ最初は煙たがっていたのに、男が意を決して去ろうとしても、そこに食らいつく。 男はちょっとした気で近づいても、女はそれに一度取り込まれると、もう離れたくなくなる。 男の気まぐれ、女の一途な想い。 そして、一度好きになった男が殺人犯と分かっても、好きな気持ちは変わらないという、女の心の強さ。 男女がそれぞれに持つ性質を、実に分かりやすく描いていて見事だ。 最後の電車の中のシーンが、最後の最大の見せ場だが、ここは少々強引さが感じられる。 しかし、そこは山田洋次マジック! 強引だなぁ、と思わされるも、まんまと高倉健の熱い男の涙にやられてしまった。 親が無惨に死んでもこらえたその涙。 その涙も、倍賞千恵子の「待っている」の一言で、あっさり頬を伝う。 ケレンミのあるラストシーンだが、実に力強く感動に導かれた。 山田洋次監督作品としては、『男はつらいよ』シリーズを別格とすれば、本作が最高傑作かもしれない。[DVD(邦画)] 8点(2009-09-02 22:54:14)《改行有》

166.  東京裁判 《ネタバレ》 これまた、物凄いドキュメンタリー、いや記録映画を観てしまった。 良質なドキュメンタリーは、やはりどんなジャンルの映画も凌駕してしまう。 東條英機といえば、A級戦犯として知っているし、親からもよく話を聞かされたし、歴史の授業にも良く出てきた。 だけど、考えてみたら、肉声を聞いたのは初めてだ!! 東條英機の映像と肉声、そして話し方、手振り身振り、それらを観られたことは予想以上に衝撃だった。 A級戦犯たちの肉声や姿を観ることができるだけでも、極めて貴重な作品である。 ところで、本作はどういう立場から撮られたのだろうか。 アメリカ政府が、本作品の制作にあたってだいぶ協力したらしいが、それにしてはアメリカ批判色が強く打ち出されている。 なぜなら、締めくくりが、アメリカのベトナム戦争参入に対する批判の文字で終わるからだ。 それに、戦勝国アメリカが一方的に日本軍を裁いたというメッセージが強く伝わってきた。 客観的にというより、どちらかと言うとA級戦犯たちを擁護しているように感じた。 それが良いか悪いかではなく、そう感じたのだ。 ところで、この記録映画は実にリアルに昭和というものを描いている。 これほどまでに生きた昭和史を目で見た記憶は他にない。 そういう意味で、類い稀かつ貴重極まりないフィルムである。[ビデオ(邦画)] 8点(2009-08-09 23:36:13)(良:1票) 《改行有》

167.  つきせぬ想い 《ネタバレ》 香港恋愛映画の傑作。 飾り気のないシンプルなストーリーに、ベタな展開。 だけど、ツボはしっかりおさえている。 イー・トンシン監督の確かな手腕を感じ取れる素晴らしいラブ・ストーリーだ。 ラストは悲劇として幕を閉じる。 が、しかし、それは決して後味の悪いものではない。 愛する者同士は、いくら愛し合っても、いつかは死によって別離せざるを得ない。 そんな二人にとって一番大事なことは、どれだけ純粋に、そして真剣に相手を愛することができたか?ではないだろうか。 その点において、本作の二人は互いを真剣に愛していた。 別れるには早過ぎたかもしれないが、一瞬一瞬がとても輝き、幸せに満ち溢れていた。 あの無邪気にはしゃぐ二人の笑顔が忘れられない。 短い時間でも二人が一緒に居られ、互いを真剣に愛することができたならば、二人の心の中にはきっと美しい思い出が残るに違いない。 それよりむしろ、この取り残された男からすれば、彼女が死ぬ前に彼女と出会えたことが幸せだったと考えることもできるのではないだろうか。 そして、この女性は、独りで死ぬことなく、死ぬ前に自分を本当に愛してくれる彼と出会えて良かったんじゃないだろうか。 そういう風に別の角度から二人の人生を考えてみると、単純に悲劇なだけのお話だとは言えないんじゃないだろうか。 男と女にとって何が本当に幸せか? それを観る者に鋭く訴えてくる含蓄のあるラブストーリー。 香港恋愛映画の奥深さを垣間見ることができた作品であった。[ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-12 17:13:50)《改行有》

168.  宮本武蔵 一乗寺の決斗 《ネタバレ》 1対73の対決がラストで炸裂! 動きのある対決シーンも勿論見事だが、何と言ってもロケーションと、その演出が飛び抜けて良い。 下り松とやらの大木が、田んぼの真ん中にそそり立っている。 それを早朝明け方の薄暗い映像で見せる。 戦いの火蓋が落とされる前の緊張感。 このモノクロめいた、明け方の映像から滲み出る緊迫感の演出がとにかく見事! 陽が昇る前の静けさと不気味さ、戦いの前の緊張感、暗がりにそびえ立つ下り松の不気味な迫力、そして武蔵の鬼気迫る眼光。 いやはや、このラストシーンは内田吐夢の並々ならぬ気合いを感じ、観ているこちらにもその気合いと緊張感がビシビシと伝わってくるシーンだった。 時代劇映画の中でも屈指の傑作であることは間違いない。 (P.S.) 高倉健の佐々木小次郎が、なかなかの魅力。 どこかコミカルだが、とてもスタイリッシュでもあり、カッコいい。 「だまらっしゃい!」 これにはシビれ笑けた。 その他、佐藤慶、河原崎長一郎、平幹二朗ら脇役陣も個性溢れる熱演を披露。 ただし、入江若葉は相変わらず気持ち悪かった。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-05 00:53:16)《改行有》

169.  ドラゴンへの道/最後のブルース・リー 《ネタバレ》 こんなにもブルース・リー作品が素晴らしかったとは! 前半のコミカルな音楽と、ブルース・リーのとぼけた演技。 とってつけたような欧米女性のオッパイ露出シーンと、楳図かずお似のオカマキャラの登場。 これで笑いを誘っておいて、後半へ突入。 後半になって、前半で溜められていたブルース・リーのアクションが解禁! アクセル全開モードへ! そしてラストでは、全米ナンバー1空手家(!)である金髪外人とのガチンコ対決。 しかも場所は、ローマの観光地、コロッセオ。 盛り上げ方も素晴らしい。 しかし、エンドロールで気付いたが、ボスキャラがあのチャック・ノリスだったとは! なんかどこかで見たことのある顔だなぁ・・・と思っていたら、『デルタ・フォース』のチャックだったんだねー いやだけどさぁ、、硬派なキャラというのは分かるんだけど、女性との別れ際、つまりラストシーンで、ホッペでいいから軽くチューくらいしてよねー、うん、モゥー、いくじなし♪[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-05 22:33:57)(良:1票) 《改行有》

170.  ふくろうの河 《ネタバレ》 DVDに収録されているオムニバス版を鑑賞した。 3話収録されている中では、3話目にあたる、「河における絞死刑の顛末」を描いた話がダントツで良かった。 これがアカデミー短編賞を勝ち取ったのもうなずける面白さ。 映像良し、音楽良し。 そして、河を逃げるあの躍動感が最高である。 逃げ切った後に、河岸の砂の上で無邪気にはしゃぐ、あの気持ちに感情移入しまくり! 観ているこちらも、生きている喜びを感じさせられる素晴らしいワンシーンだった。 ちなみに、最後の夢想オチは要らないのでは? 命からがら逃げ切って、愛しい女性に出迎えられて、はいオワリ。 それの方がスカッ!として、良かったのではないか、と。 でも、まぁ、3話を通して、戦争の持つ残酷さと哀しさが表現されている流れからすると、このオチも妥当とは思うが、、うーん。。[DVD(字幕)] 8点(2009-05-03 21:02:47)《改行有》

171.  海と毒薬 《ネタバレ》 1980年代の日本映画で最高傑作と呼び声の高い本作。わくわくしながら鑑賞を始めた。ところが、しょっぱなからグロテスクでリアルなオペシーンが登場。ここで早くも気分が悪くなる。モノクロ映像だが、カラーでも観てみたかった気もする。ただ、陰鬱な雰囲気を醸すにはモノクロ映像が功を奏していたかもしれない。さて、本作の肝は、日本国が実際に行ったとされる生体解剖実験を、世に問題提起する社会派劇としての部分だ。米国人捕虜を実験台に、生きたまま解剖し、日本の医学発展に役立てる。これが生体解剖実験の大儀名文だ。日本に原爆を投下し、大量殺戮を行った米国人ならば、生体解剖の生け贄にはうってつけだという主張。これは現代の感覚からすれば、全くの誤りだろう。しかし、殺し殺されの戦時下においては、あながち無理な理屈ではない。 結局、手段こそ違うが、戦争をしている時点で、人が人の命を奪い去っている事には変わりがないからだ。そもそも、この生体解剖実験が良いとか悪いとかいうよりも、もっと広い視点で見て、戦争そのものが及ぼす、あらゆる方面に与える悪影響というものを考えるべきであろう。戦争が巻き起こすあらゆる問題の一つに、この作品の主題である生体解剖実験というものが含まれているにすぎないのだ。そう考えると、戦争を起こさないということが全てなのだ。戦争さえなければ、生体解剖実験などというおぞましい出来事もなかったであろうに。そう色々考えさせられた本作は、反戦映画として出色の出来というべき内容に仕上がっている。なるほど、1980年代の最高傑作の呼び声とやらは、あながち間違っていないかもしれない。それにしても、岡田真澄の外人役はマイナスポイント以外の何物でもないなぁ。岡田真澄の存在が、この作品の社会派劇としての格調高さを台無しにしてしまっている。それに、医師と看護婦のロマンスのようなサブストーリーも必要なし。半端に娯楽要素を取り入れてしまっているのが残念だ。もっと徹底的に硬派な作りにしてほしかった。 それと忘れてはならないのが成田三樹夫の活躍ぶり!ヤクザ役が多い成田三樹夫だが、こういったインテリ役且つ毒気のあるキャラを演じさせても素晴らしい。成田三樹夫には、もっと沢山の個性的でドスの効いたインテリ役を演じてほしかった。実に惜しい。何しろ、成田三樹夫は実際にも破天荒なインテリであったのだから。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-04-20 00:03:36)《改行有》

172.  ヨコハマメリー 《ネタバレ》 久しぶりに号泣し、心が打ち震える程の感銘を受けたドキュメンタリー。 横浜は伊勢崎町の名物白塗りおばあちゃん“メリーさん”を追ったドキュメンタリーではあるが、実質的には、シャンソン歌手の永登元次郎氏の人生が綴られた構成になっている。 若き日の想い出、死ぬほど愛した人との想い出、それらが永登元次郎氏の歌には込められている。 DVDに特典映像として収録されている、永登元次郎ラストショーを観た時、人生というものの美しさ、儚さ、残酷さ、そして素晴らしさに心を打ちひしがれた。 私も、死ぬ間際にはこういう心境で死を迎えたい。 そう、切に思った。 本作を観た後に、このDVD特典映像を観ることをオススメする。 この特典映像を観ることによって、この作品と出会えた事の感動が、心にざわざわと湧いてくるに違いない。 本ドキュメンタリーは、紛れもない傑作。 この映画を作り上げた監督に賞賛の拍手を送りたい。[DVD(邦画)] 8点(2009-04-11 23:08:59)《改行有》

173.  愉しき哉人生 これは素晴らしい! 間違いなく名作! 小ぶりながら、そこから発せられるメッセージたるや、人生を動かすほどのものを感じる。 不幸と感じている人がこの作品を観れば、気分が軽くなるに違いない。 日々の生活に退屈さを感じている人がこの作品を観れば、日々の生活から幸せを見つけられるに違いない。 幸せな人がこの作品を観れば、その幸福を噛みしめられるに違いない。 そんな力がこの作品にはある。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-04-05 23:20:07)《改行有》

174.  おこんじょうるり うわーん。。 久しぶりに目が潤んでしまった。 ひじょ~~~に、良いおはなし!! 是非みなさんも、この奇跡の短編アニメーションを観て下さい!! 確か、キネマ旬報ベストテン第一位に輝いたはず。 そんだけ凄い。 キツネが謡う、あの「じょうるり」は素晴らしい! 絶品!![DVD(邦画)] 8点(2009-03-22 15:17:30)(良:1票) 《改行有》

175.  くちづけ(1955) 神保町シアターにて鑑賞。 筧正典、鈴木英夫、そして成瀬巳喜男という、いずれも私の好きな監督によるオムニバス作品ということで、期待は高まった。 そして、その期待通りの素晴らしい作品であった。 第一話は、一番地味ながら、男女の恋愛に固かった当時の世情を反映しており楽しむことができた。 第二話は、このオムニバスの中でも最高傑作で、最初から最後まで楽しくて仕方なかった。 そして、またもや鈴木英夫監督はやってくれた!! 何をかっていうと、司葉子の魅力を存分に引き出している点において。 『その場所に女ありて』と同様、司葉子の肉体的魅力を惜しげもなくフィルムに焼き付けている。 川で遊ぶ司葉子は、白いホットパンツを装着し、話そっちのけで、観る者をその白い太ももに釘付けにさせる。 こんなにも司葉子のスタイルが良かったとは!! 不覚にも、司葉子のファンであるはずの私が、司葉子の脚の長さに初めて気付かされたのだ。 それだけ、司葉子の魅力を知り尽くし、なお且つ、それを映画として確実に残す鈴木英夫監督の手腕が光っていたと言えよう。 あの太ももは、あまりに眩しくて、そして魅力的で正視できなかった程だ(嘘です。食いつく様に凝視してました)。 第三話は、お目当ての成瀬巳喜男作品で、これも十分楽しめた。 成瀬作品で、上原謙・高峰秀子の取り合わせとくれば、ハズレのはずがない! 題名通り、女と女の嫉妬や闘いが、静かに描かれていて見応えがあった。 日本映画の中でも、特別知名度の高い作品ではないが、一級品の魅力を持つ作品であった。[映画館(邦画)] 8点(2009-03-04 04:17:22)(良:1票) 《改行有》

176.  ダンケルク(1964) 《ネタバレ》 アンリ・ヴェルヌイユにジャン=ポール・ベルモンドの組み合わせということで、食い付いた私。 同じくヴェルヌイユ作品の『ヘッドライト』の様な作品を想像していたが、これがなんと単なる戦争映画だったので、テンションも落ち込んだが・・・ しかししかし、これがなかなか素晴らしい内容。 戦争映画っていうと、アメリカ映画や日本映画を観すぎているせいか、「撃ち合い」「仲間との死別」「残忍で生々しいレイプシーン」「上下関係」などばかりをイメージしてしまいがち。 そういった、日本人が戦争映画に対してイメージする様な内容とは全く違った渋みを持った作品だった。 主人公のベルモンドは、隊から離れて戦地をブラブラとしている。 そこで巻き起こる数奇な運命の数々。 とびっきり綺麗な女性との出会い。 粋な同盟軍兵士とのいっときの友情。 仲間との離別。 そして最後には自らの死。 そういった、まるでロード・ムービーを観ているかの面白味がつまった内容だった。 なんてことのない平坦な流れなのに、何故か心地良く見入ってしまった戦争映画だった。 戦争映画を観て、こんな気分になったことは、今まで一度もない。 それは、ドンパチや安っぽいヒューマニズムと反戦思想の渦巻いたアメリカ戦争映画や、敗戦国としての重荷を背景に背負った重苦しい日本戦争映画ばかりを観ていたからこその衝撃だった。 ベルモンドと束の間の愛を交わす少女にカトリーヌ・スパーク。 いやはや、息をのむほどに美しい。 顔がどうとかというより、全身から放たれる匂い立つような魅力。 抜群のプロポーションと美しいブロンドヘアー。 これにやられた! 運命の皮肉と戦場における美しき少女とのロマンス。 そしてロードムービー色の強い流れるようなストーリー。 個人的に、50年代、60年代のフランス・イタリア合作には良い作品が多いというイメージを持っていたが、そのイメージは本作でも見事に保たれたのである。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-02-12 21:40:27)《改行有》

177.  女であること 《ネタバレ》 何たる複雑にして重厚たる人間ドラマだろうか。 田園調布に住む大物弁護士である森雅之。 その豪邸に妻である原節子と二人暮らし。 そこにわけありの娘・香川京子をもらいうけ、養育している。 そこに、もう一人、これまたわけありの娘・久我美子がやってくる。 香川京子と久我美子の二人の娘は性格が正反対で、それまで静かだった豪邸に不穏な空気が流れ始め・・・ といった内容。 本作でとにかく見事なのが、各出演者たちのキャラがとてもよく表現されていること。 仕事に熱心だが、家庭のことに関しては適当な大物弁護士の森雅之。 二人の若い娘に嫉妬を感じつつも、愛情はもっており、夫に負けず劣らず頭がキレる妻の原節子。 お嬢さん肌でとにかく純情可憐だが、世間知らずの香川京子。 おてんばでいて意地悪、だけど森雅之と原節子を誰よりも慕う久我美子。 この4人の性格や立場が丁寧に描かれており、キャラ形成という部分の土台がしっかり表現されているので、物語への没頭度合いが一気に高まってくる。 それでいて、森雅之と久我美子のアブナイ関係や、表題通りの「女っぷり」をみせて、毒気のある痛烈な言葉を発し続ける原節子など、単なる真面目な家庭劇でもなく、ほんと楽しませてくれる。 あげくの果てには、純情可憐そのものの香川京子に淫らな行為をさせ、駆け落ちまでさせてしまう豪快さと淫靡さ。 ああいう純情そのものの女性をその気にさせる石浜朗がニクイ! 私も石浜朗のように、純情可憐な香川京子に淫らな行為をしてみたい! いい!実にいい!実に昭和的ないやらしさにあふれた作品だ。 そしてトップクレジットの森雅之が、特に素晴らしい。 優しい口調で家庭をとりしきりながらも、一方ではバリバリと弁護士業をこなし、はたまた久我美子に草むらでキスまでしてしまう。 これはこれは。 男たるものの理想ですな。 田園調布で豪邸に住み、美人妻がいるのに、若い娘二人と同居。 男たるもの、誰もが憧れる役回りを自然に演じ切り、とにかくお見事であった。 森雅之が演じた男性像の羨ましさ加減、今日でも決して色褪せず!! [映画館(邦画)] 8点(2009-02-01 20:49:55)《改行有》

178.  朧夜の女 実に身に迫るお話・・・あー、怖い。 戦前の東京の風景、戦前の江戸っ子とそのおかみさん、実にいい味が出ている。 1930年代中盤の日本映画というと、とかく真面目すぎたり、単純すぎる人情劇が多かったりもするが、本作はその点において異質。 世の中の生臭い部分を隠すことなく表現し、人間の卑怯な部分、薄情な部分を描きながらも、その一方で人間の持つ温かみや人情をも描き出している。 こうした絶妙な按配が、今も昔も変わらない「現実社会」というものを、これ以上なくリアルに演出している。 これが実に見事で、五所平之助監督の人間味すら匂わせる作品に仕上がっている。 1930年代の日本映画の中でも、隠れた傑作と言えよう。[ビデオ(邦画)] 8点(2009-01-22 22:11:03)《改行有》

179.  タイヨウのうた 《ネタバレ》 難病に冒された少女。 それを愛した青年。 たとえ時間に限りがあっても、愛した人と一緒にいたい。 限りある時間のなかで精一杯、楽しみたい。 そして、命がついえる最後まで、楽しく幸せに生きたい。 限りある命だからこそ、愛というものは輝きを持ち、価値を増す。 そんな誰にでも気付きそうで気付かない、人生におけるかけがえのないものを、じっくりと映像にやきつけた名編。 健康というものは当たり前のものでは決してなく、今健康に生きていることに対し有り難味を感じ、そして命というものは永遠でないと常に意識している人にとっては心を打たれる作品に違いない。 そして何より、愛とは、相手がどんな難題を抱えていようとも、一緒に最後まで精一杯過ごしていきたいと思う気持ちであり、それは限られた時間であるからこそ輝くものである。 そんな気持ちを持って、愛する人と日々接している人には、なお更の共感を呼ぶ作品であるに違いない。[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-12-10 23:32:08)(良:1票) 《改行有》

180.  愛妻記 大好きなフランキー堺と、大好きな司葉子が共に主演ということで、最初から最後まで心地良く観ることができた。 それにしても、司葉子のなんという可愛らしさよ! その妻を愛するフランキー堺の何たる晴れ晴れしさよ! この夫婦は私にとっての理想の夫婦像である。 金でも地位でもない、フランキー堺のふんわりとした人柄に惹かれ、司葉子は結婚した。 これだけでも幸せな気分になれるじゃないか! いいぞ!この作品! ほんわかとした幸せな気分に浸れる。 こんな作品、ありそうでなかなかないよ! 司葉子は最初から最後まで噛み付きたくなるほど可愛らしいのだが、個人的に一番可愛いなぁ~~~と思ったシーンが一つ。 それは、司葉子が布団にもぐっていて、そこにフランキー堺が「おじゃまします」と入っていくところ。 この時の司葉子の反応が「いやん。」 ふぇ~~~、え~~~ん、これにはたまらない! もーーーー、うらやましーい!! ボクもこんな夫婦生活をしたーい! ふーふーふー♪ いやん♪[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-04 21:49:42)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

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