みんなのシネマレビュー |
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161. 死の棘 不倫という辛辣な題材ではあるが、夫婦の会話が面白くて、あまり堅苦しさは感じない。 人間臭い人物描写、登場人物たちの心象を映像で表現しているシーンがとてもよかった。 終盤の展開はさすがに重苦しく、このあたりはもうひと工夫欲しかったところ。 夫役の岸部一徳はハマリ役、松坂慶子も安定感のある演技を見せてくれます。 テーマはあえてぼんやりさせているも、構成、演出と、監督さんの手腕が光る逸品。[ビデオ(邦画)] 7点(2012-09-16 04:29:45)《改行有》 162. ディスクロージャー 逆セクハラがテーマの社会派ドラマではなく、 あくまで社内の権力争いを描いたサスペンス映画。 シナリオ自体は手堅くまとめていて、ヒネリやオチもちゃんと用意されているのだが、 総体的に少々小粒かな、といった印象。 序盤は逆セクハラを中心に話が展開されるので、社内での人間関係の描写が浅く、 主人公を陰でフォローするキーポイントなる人物もあまりピンとこなかった。 サスペンス物としては佳作だが、デミー・ムーアの悪女役がよく、そこそこは楽しめる。[ビデオ(字幕)] 5点(2012-09-14 05:59:13)《改行有》 163. ジュリエットからの手紙 イタリア旅行をしているような雰囲気を味わえるロードムービー。 ロミオとジュリエットを小道具代わりにしたお話は、ラストがわかっていても心地がいい。 ただおばあちゃん側のエピソードはほんわかしていていいのだが、 ヒロイン側の設定やエピソードはかなり安直で軽く、作品の質を落としているという印象。 もっと控えめな描写にすれば、味わいのある作品になったのにもったいない。 ラストのカットを見た限りでは、ヒロインのほうがメインの作りなので仕方ないのかも。 まあ普通にいい映画だとは思うけど……。[DVD(字幕)] 5点(2012-09-12 04:34:47)《改行有》 164. 刑事コロンボ/アリバイのダイヤル<TVM> 電話のアリバイを使った完全犯罪にコロンボが挑むも、 犯人の計画には大きな落とし穴が・・・。 今回はコロンボの仕掛けらしい仕掛けはなく、 あくまで犯人側のアリバイ崩しに終始するという展開。 それでも大詰めでの発想の転換は面白かった。 たまにはこういうラストもいいかも。[DVD(吹替)] 5点(2012-09-11 01:23:38)《改行有》 165. 卒業(1967) 恋愛映画というよりは青春映画の色合いが濃い作品で、名作と称されるだけあり、 洗練された作りには素直に脱帽。 主人公の心情描写や変化が丁寧に描かれているわけではないので、共感しづらかったり、 後半の彼の行動やラストシーンに今一つリアリティーが湧かないのだが、そこは想像力で。 鑑賞者の感性に委ねるような手法は、いかにもアメリカン・ニュー・シネマらしい。 大学を卒業したばかりの青臭い青年役に、ダスティ・ホフマンはハマリ役。 ロビンソンさんのキャラと、演じた女優さんも良かった。音楽はもう言わずもがな。 意味深なラストのカットは、強烈な印象として記憶に残っている。[DVD(字幕)] 7点(2012-09-09 06:48:47)《改行有》 166. 濡れた二人 メロドラマと青春ドラマを合体させたような、とても不思議な作りの映画。 これは多分に主人公である北大路欣也の顔の濃さと、暑苦しい行動が大きな要因。 25歳という設定なのに、やってることが高校生と同じではちょっと……。 主人公が年上の女性に憧れる内容の映画はたくさんあるけど、邦画らしい泥臭さで、 シナリオや演出はそれなりに。夫役の高橋悦史がいい味を出していたので、 夫婦の機微を中心にした物語を見たかったかな。ヒロインの若尾文子は相変わらず 魅力たっぷりのセクシーさだが、ヌードシーンはまたもや吹き替えで印象が悪い。 前向きなラストだけはよかった。[ビデオ(邦画)] 3点(2012-09-08 04:22:42)《改行有》 167. 郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946) 46年度版のこちらもリメイク作品。古い映画なので、官能シーンはいっさいなし。 主役の二人は81年度版と違い、肉欲ではなく愛情で結ばれているようで、 この設定のほうがストーリーには合ってるし、ラストも丁寧に描かれてます。 お話の流れに多少のもっさり感やこじつけ感はあるけど、映画タイトルの意味も納得。 二度のリメイクがされるだけあって、内容はやはり秀逸なサスペンスだった。[DVD(字幕)] 6点(2012-09-07 06:45:34)《改行有》 168. 刑事コロンボ/黄金のバックル<TVM> 今回の犯人は美術館の女性館長。男性ばかりの犯人が多い中で女性というのは目立つし、 女には女なりの殺人動機があるので、ドラマとして見ればそれなりに楽しめる。 ただコロンボ・シリーズという観点から見ると、面白味としては今一つの内容。 コロンボの仕掛けらしい仕掛けもなく、普通の刑事ドラマに近い作りのエピソードだった。[DVD(吹替)] 4点(2012-09-03 02:02:18)《改行有》 169. ひまわり(1970) いわゆるメロドラマ系の作品だが、昼メロのように低俗で軽薄ではなく、 説得力のある状況設定がしっかりと用意されてます。ストーリーはありきたりで単純なれど、 人物のディテールもしっかりと描かれているため、ヒロイン、主人公、サブヒロインに 感情移入がしやすい。ヒロインの義母だけは、存在の意味をなしていないのが惜しいくらい。 反戦のメッセージをさりげなく織り込みつつ、風景描写で映し出される「ひまわり」で、 本作のテーマを表現したセンスのある演出。日本人好みの哀愁感たっぷりな音楽もいい。 総体的に完成度の高い作品だが、シナリオ、演出、音楽が特出している名画。[DVD(字幕)] 8点(2012-09-02 13:58:35)《改行有》 170. 狼たちの午後 実話をベースにしたドラマということで、強盗犯と人質になった行員との間で、 人間ドラマ的な要素が展開されるのかと思ったら、やはりパチーノの役者として魅力を前面に 押し出した作りの作品だった。決して凶悪ではない彼の人間臭いキャラを通し、当時の社会情勢や "アメリカ"がよく伝わってきます。実際の犯人はただのイカれた奴だったんだろうけど、 ここが本作の一番の妙味でもあるかと。映像はあまりよくない。[DVD(字幕)] 6点(2012-09-01 02:59:24)《改行有》 171. 愛という名の疑惑 ヒロイン役のキム・ベイシンガーが魅力のサスペンス映画。それまでの彼女の役どころは、 ホンワカしたものばかりだったので、本作では実体が掴めず、後半まで引っ張られた。 サスペンスとしてのストーリー自体は、特別よく出来ているという印象はないんだけど、 当時は彼女のファンだったということも多分に影響しているのかも。最後は軽いオチがついて、 主人公に感情移入できれば普通に楽しめる作品ではないかと。[ビデオ(字幕)] 5点(2012-08-31 05:27:33)《改行有》 172. コーマ 病院を舞台にしたサスペンス映画。よくよく考えたら、とても無茶な題材(事件)で、 ラストまでハッとするようなシーンやお話の展開もないけど、テレビ映画のような作りなので、 とても鑑賞しやすい。シナリオも配役もスリル感も手堅いというか、A級とまではいかないが、 悪い印象も受けない。あくまでB級サスペンスとしてみれば、そこそこ楽しめる作品かと。[DVD(字幕)] 4点(2012-08-30 02:50:38)《改行有》 173. 妻二人 序盤はやや駆け足ぎみのストーリーと人物描写で、ちょっと入りづらかったものの、 原作自体の出来がいいのか、徐々に惹き込まれていった。一つの殺人事件を物語のポイントに、 心理サスペンスに人間ドラマ的要素を組み入れたような内容で、人間の持つ欲、見栄、業と、 登場人物たちの複雑に絡み合う人間関係と、妻と元恋人のあいだで揺れ動く主人公の描写が妙味。 映像演出に見栄えはないし、主人公の鉄仮面演技がやや気になるが、十分楽しめた作品だった。[ビデオ(邦画)] 5点(2012-08-29 05:07:35)《改行有》 174. マンディンゴ 奴隷制度を題材にした作品。設定に妙味があり、奥の深い人間ドラマを期待させるも、 ドラマチックな展開はいっさいなく、かなり現実的でショッキングな内容の映画だった。 奴隷側の主人である貴族側視点ということで、とにかく辛辣でリアルな描写がひたすら続く。 人種差別というテーマを、押しつけがましくなく描いているという点では評価したいのだが・・・。 基本的に鑑賞者に問題提起を促すような作品なのかも。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-28 03:33:58)(良:1票) 《改行有》 175. 刑事コロンボ/二枚のドガの絵<TVM> シリーズの中でも屈指の出来映え、かつ一番好きな作品。 コロンボのとぼけっぷりとしつこさは、キャラの魅力を大いに感じさせてくれるし、 犯人側のイライラ感もよく伝わってくる。殺人計画は少し無茶というか、犯人がやや動きすぎ という感もなきにしもあらずだが、それが結果的にコロンボの告発をより際立たせてます。 まさに意表をつくラストで、よく出来た面白いエピソードだった。[DVD(吹替)] 7点(2012-08-27 05:25:49)《改行有》 176. 心の旅路 邦題「心の旅路」は、まさにピッタリといった内容のロマンス映画。 十年ほどのスパンで構成されるストーリーということもあり、どうしても多少の無理 (特に中盤あたりでのハショリが気になる)や都合のいい展開が見受けられるのだが、 アイデアや設定は鑑賞者を惹きつけるポイントをしっかり押さえている。同監督の「哀愁」同様、 本作でも小道具の使い方がとてもうまく、オーソドックスな手法ながらも、 これまたこちらの心の琴線を擽る憎い演出で、品のいいラブストーリーに仕上がってます。 主役二人の役者さんもいい。恋愛感動ものとしては、万人向けでお薦めのクラシック作品。[DVD(字幕)] 8点(2012-08-26 02:12:32)《改行有》 177. 女の園 ドイツ映画「制服の処女(1931)」がモチーフになっているのか、内容はほぼ同じも、 ストーリーの厚みはこちらのほうが上。著名な出演女優さんたちの各エピソードも隔たりなく、 バランスよく描写されている。構成、映像、演出ともによく、テーマも十分伝わった。 ただ高峰秀子の役柄がとても女々しくてネガティブなので、総体的に重苦しい雰囲気は漂わせる。 彼女のキャラ自体が、ストーリーのキーポイントになっているので仕方がないんだけど・・・。 鬼教師兼寮長の高峰三枝子が好演。[DVD(邦画)] 6点(2012-08-25 06:03:28)《改行有》 178. サブウェイ123 激突 パニック・サスペンスというよりは、ほぼアクション映画に近いノリの作品で、 近年のハリウッドお得意の、迫力あるスピード感たっぷりの映像と展開を楽しむ作り。 ネット社会という状況が邪魔をしているのか、地下鉄職員と犯人側の心理戦という妙味は薄く、 人質にされた乗客たちの緊迫感もあまり伝わってこない。主役二人のキャラばかりが、 変に浮きあがって見えてしまった。設定の甘さやシナリオの粗さがやたら目立つ映画だけど、 あくまで娯楽作品として鑑賞すればそこそこ楽しめる・・・と思う。[DVD(字幕)] 4点(2012-08-24 02:57:37)(良:1票) 《改行有》 179. スラムドッグ$ミリオネア 誰もが知っているクイズ番組を小道具にしたアイデアが抜群。 四択問題の答えから、フラッシュバックでストーリーを展開させていく手法も新鮮だった。 内容は波瀾万丈でドラマチック、やや作り過ぎの感は否めないけど、洗練された映像や演出、 画面から溢れ出てくるようなパワーは感じる。役者さんに関してはほとんど記憶にないが、 エンディングがやたら面白くて笑えた。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-23 03:58:34)《改行有》 180. ブーベの恋人 40年代のイタリアを舞台にした青春ロマンス映画。と言っても終戦直後という 時代背景もあるせいか、それほど甘い雰囲気は感じさせない。セリフや感情表現を極力省き、 モノクロの映像と淡々とした流れの中で、ヒロインの心の微妙な変化を描写してます。 ドラマチックな演出もないが、目力のあるヒロインの凛とした表情とテーマ曲が印象的。 色男の男性側は感情移入しづらい役回りだけど、主役はあくまでヒロインなので・・・。 作りはやや大人向けの恋愛映画。[DVD(字幕)] 6点(2012-08-22 02:01:37)《改行有》
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