みんなのシネマレビュー |
|
1781. もののけ姫 《ネタバレ》 宮崎監督の迷いとか、テーマのブレを感じる映画でした。それまでのシンプルな構造を捨て、現実的に環境と開発の問題を捉えるところまでは良かったんですけれど、答えらしい答えを出しあぐねてしまったような感じ。やはり脚本を書かずにコンテと作画を平行させて、どんどん製作を進行してゆくスタイルは大幅な軌道修正が不可能な分、弊害も大きいかと思います。結局クライマックスからラストにかけての展開はヘンに肥大化してしまった世界に無理矢理ケリをつけるような感じで、ご都合主義的に思えました。ごてごてした世界をまとめるための暴走による大災害状態に、見終わって思った事と言えば「まるで『AKIRA』みたい」。もう少し頭の中なり文章なりで整理してから描いて下さいな。あと、事態が終結して緑が広がるところで流れるピアノのメロディはなーんか陳腐な気がしちゃったなぁ。久石譲の余計な自己主張、ってカンジ。[映画館(字幕)] 5点(2004-01-15 22:23:48) 1782. もっともあぶない刑事 タカ&ユージの時代っていうのが、確かにあったんですよね。残念ながら今見ても色褪せてないか、って言うと・・・。今や刑事がノーヘルで大型バイクにまたがって銃ぶっ放すなんて、ギャグにしかならない時代。「所轄が独断で殺人犯追っかける訳ネーヨ!」と刑事ドラマの世界にトドメを刺してしまった『踊る大捜査線』の犠牲者状態。それにしても、この映画の浅野温子は、どこか壊れてしまったとしか思えません。つーか、今思えば、あんな連中が税金で暮らしてちゃイカンでしょ、とか思っちゃうあたり、やっぱり時代なんですね。あ、これを劇場で見た時は7点くらいな感じだったのですが、コレに関しては今となってはその時の素直なキモチを反映させたくないのは何故なんだろう・・・[映画館(邦画)] 5点(2004-01-15 22:05:07) 1783. ジェット・ローラー・コースター センサラウンドマニアとしては、当時、当然のようにチェックした映画なのですが、実はパニックスペクタクルよりはサスペンスとしての要素がメインの映画でした。ジェットコースター専門な爆破犯とそれを追う捜査官の物語ですが、今の映画のようにハデなアクションがあるワケではなくて、コースターが爆走するシーン、事故を起こすシーンでセンサラウンドが「ぼごごごごっ!」と激しく咆える部分のみがハデ、という感じ。なので、実はセンサラウンドがサスペンスに水を差してジャマかも、みたいな。ご丁寧に音楽トラックまでセンサラウンドで鳴らしてみました、みたいな事しちゃってましたが。映画自体は、まあ普通に楽しめるものだったんですけれど、ちょっとコースター限定狙いな部分にリアリズムや説得力が足らない気もしました(人為的な事故が起これば安全対策だって徹底されるでしょうし)。6点(2004-01-15 21:43:04) 1784. 怒れるドラゴン・不死身の四天王 すいません、この映画、私には難解過ぎました。画面で行われている事自体は理解できても、それがどう具体的に物語になって、どう繋がってゆくのかがちっとも理解できず、登場人物のドラマが映画的な運動をしていないために流れが掴めず、なのでどこをどう楽しめばいいのやら?って状態で。なんとか映画としての流れが見えてきたのはクライマックスに突入してから・・・。唯一、悪役日本人が扇子をばりん!と破くトコがやたらに可笑しくって、私にとっては、そこだけが救いな映画でした。[試写会(字幕)] 2点(2004-01-15 21:20:43) 1785. モスラ(1996) 平成ゴジラと比較しても、ちょっと・・・って感じでした。兄妹で逃げてる途中で妹コケたり、崖から落ちそうになって手を伸ばしてつかまれ~とかいうノリは一体何十年前のシロモノよ?みたいな感じですし、デスギドラがどど~って流された後、一体何処行っちゃったのよ?みたいな展開とか、カットの繋がり、演技の繋がりがプロの仕事とは思えないモノだったり、これで本当にお金取って人に見せていいの?って。意味不明なキャラクターや、デジタル合成史上最低レベルのモノも登場して、本当に大丈夫なのか?東宝さん、って思った映画でしたが、唯一、羽野晶紀のベルベラが、ちょっといい個性出してたので、私のワーストワンからは逃れた、というところです。[試写会(字幕)] 1点(2004-01-15 14:23:01) 1786. 目撃(1997) 意外と面白かったです。前半はゆっくりしたペースで、今時このテンポはツラいんじゃない?なんて思ったのですが、そのうちにどんどん映画の中に引き込まれてゆきました。やっぱり巨大な悪に立ち向かう物語って、気持ちがいいです。ただ、主役二人がミスキャスト気味なのはちょっと。イーストウッドは老体に鞭打つ、って感じですし、ハックマンは大統領って言うよりチンピラの親分。その分、脇が良かったな、って。エド・ハリスのかわいいオヤジ、ってノリが微笑ましく、大統領の側近三人衆が『タイムボカン』シリーズの悪役を思わせたりして。普段、イーストウッド演出ってあんまり好きじゃないんですけど、この映画にはイーストウッド映画の表面カラカラ中どろどろ、って感じが見られなかった分、楽しめた感じでした。[映画館(字幕)] 7点(2004-01-15 14:12:56) 1787. メン・イン・ブラック2 前作にガッカリして期待しなかった分、かえって楽しめました。とは言え、トミー・リーが復活するまでに時間かけ過ぎ、って感じがしましたし、復活後も、なんだかパッとしなくてウィル・スミス一人ではしゃいでるような感じがしちゃって。パグとララ・フリン・ボイルとゆー、私にとってのツボが存在してたのは良かったんですけどね。5点(2004-01-15 13:54:04) 1788. メン・イン・ブラック ソネンフェルド映画は馴染めない、という事を決定的に印象付けた一編でした。いつ本題に入るのかな?と思ってたら終わってしまったという感じで、私には、この映画の中に入ってゆける瞬間が全くありませんでした。題材的には面白そうだったんですけれど(予告編の、扉に立つ二人のショットなんか、音楽共々こりゃ良さげ、って思わせたんですけどねぇ)シンプルな物語と騒々しいクリエイチャーの世界には、こちらを刺激してくれるツボがなくって。もっともっとカッコつけて欲しかったなぁ。でも、先行オールナイトに並んだら、先着で前売り券の値段の8倍もするレイバンのサングラス貰えたんで「ありがとう~」という気持ちはあります。ただ、カオのデカい私にゃ全然似合わないんだ、コレが。[映画館(字幕)] 4点(2004-01-15 13:50:07) 1789. メル・ブルックスの大脱走 公開当時に一度見たっきり、その後見る機会もないのですが、今でもブルックスの大仰な「とぅび~、おあ、のっととぅび~!」を思い出すと笑えます。コテコテとした笑いの多い印象のブルックス作品にあって、これは洗練された映画で、それゆえかなり異質なのですが。クライマックスのサスペンス描写なんかは本気だなって感じですし(それでもちゃんと笑いを入れてたりしますけどね)。ただ、ブルックスが監督をしていない事が好印象に繋がったのだとしたら、ちょっと皮肉な感じかな・・・。[映画館(字幕)] 8点(2004-01-15 13:37:48) 1790. メリーに首ったけ 男3人女3人で見に行ったのですが、意外にも女性ウケが良くてびっくり。ジッパーに挟んだトコとヘアジェルのトコは、個人的にはかな~りヒいたんですけど。でもバカで楽しかったです。バカはいいやね。あんまり下品過ぎるのは苦手ですが。あの石膏犬、欲しいなぁ。舌先がぺろぺろって。吠えたり暴れたりしなきゃ、犬もキュート。[映画館(字幕)] 7点(2004-01-15 13:22:08) 1791. メトロポリス(2001) うーん、とっとも好きな題材なハズなのに、ちっとも心に響いてきませんでした。自分的に何がダメだったんだろ? ティマが中途半端な存在だった気がします。彼女とケンイチの時間をもっと大切に描くべきだったんじゃないかな、って。ロボットは人とは違うモノだからと、半端な個性をちらちら出すんじゃなく、むしろ思いっきり人間臭さを出しちゃった方が、ずっとドラマが浮き上がってきたと思いますし(よっぽど脇役、端役ロボットの方が人間臭かったりしましたしね)。あと、ロックのドラマ内に配された位置にしても、結局彼を通して描きたかった事がちっとも判らなかったですし。仏作って魂入れず、というテーマを実際の映画で具現化しちゃったような映画でした。[映画館(字幕)] 3点(2004-01-15 13:07:22) 1792. メトロポリス(1926) ジョルジオ・モロダー音楽版も、ここでいいのかな? えーと、完璧なバージョンからするとかなり映像が欠落しちゃってるようなので、正確に「見た」と言っていいのかどうなのかは、ちょっと疑問なのですが、その圧倒的な映像にはすっかり魅了されました。未来世界を描くイマジネーションの豊かさ、凄いモノを見せようという本当の意味での「視覚効果」は、むしろ今の時代の映画よりも斬新でインパクト大。でも、とどめを刺すのはブリギッテ・ヘルムの美しさでしょう。何故か、サイレント時代の女優にいちばん美を感じてしまう私。美の追求に関しては、昔の方がセンス良かったような気がして仕方ありませんのぅ。[映画館(字幕)] 8点(2004-01-15 12:57:40)(良:1票) 1793. メテオ(1979) 《ネタバレ》 宇宙に浮かんでるミサイル、なんだか凄い事になってたと記憶してるんですよね。ミサイルにシールが貼ってあるの。「US NAVY」だかの文字がシール。で、更によーく見ると、私が小学生の頃に作ったプラモみたいに、はみ出した接着剤が糸引いて蜘蛛の巣状になってるの。超大作!ってウリだったのに、エド・ウッドレベルの特撮が見られる映画として、当時個人的にウケました。さて、映画の方は「ディープ・インパクト」「アルマゲドン」と構造が同じ、元祖状態。でも、肝心の見せ場が前記のような世界で、あとは実際に橋を爆破して壊した映像を流用してたりとか、キャストのギャラだけで製作費がなくなっちゃったような感じでかなりなB級です。隕石対策に奔走してた人達の上に破片が降り注ぐ、とゆー展開は、見事なご都合主義・・・じゃなくて皮肉なメッセージとして捉えてあげましょう。[映画館(字幕)] 4点(2004-01-15 12:42:52) 1794. メジャーリーグ3 蛇足感の強い、シリーズを永遠の眠りに就かせるような映画。タイトルに偽りありで「マイナーリーグ:メジャーリーグ3」にするべきでしょう。数人のキャラクターをシリーズから引っ張ってきて、そのキャラクターで笑わせるという流れは、まるで「ポリスアカデミー」みたいな世界。しかも、石橋登場シーンの多くが別撮り丸出しで、ヤツはそんなに大スターなのかよ?みたいな(好きじゃないんです、ごめんなさい)。ただ、何にも考えず、ゆる~く緩み切った気分で楽しめない事もなく、元からあんまり期待してないレベルに合わせた程度の出来にはなってました、って誉めてないし。[映画館(字幕)] 4点(2004-01-15 12:29:50) 1795. メジャーリーグ 《ネタバレ》 クライマックスのトム・ベレンジャー、もう盛り上がりに盛り上がった状態でのあのネタには大笑い。ノーコンの原因は目が悪かったせい、とゆーチャーリー・シーンのネタもバカバカしいけれど笑えて、やっぱりダメな連中が頑張って勝利を収める、という物語は単純に楽しいです。野球映画って、観客席のエキストラ不足で悲しい状態になってるものが多いんですけれど(かつて『がんばれ!ベアーズ大旋風』の川崎球場ロケを見に行ったのですが、全然埋まってなかったですしね)、これはメジャーリーグの試合の臨場感を味わわせてくれましたし。実際に、ああいう環境で試合を見てみたい、って思いました(日本の野球って、球場行っても、なんかファンがシリアスで・・・)。[映画館(字幕)] 7点(2004-01-15 12:21:52) 1796. めぐりあう時間たち 3つの時代の3人の女性の物語が交錯する世界には、常に死の匂いが漂っていて、ちょっとした作用で壊れてゆく日常を感じさせます。辛口の、だけど静かに沁みてくる映画でした。ニコール・キッドマン、メリル・ストリープが共にいい演技をしていますけど、私は精神的にグラグラになっている主婦を演じたジュリアン・ムーアの存在感が一番印象に残りました。ただ、頭痛持ちな私は映画館で直前に頭痛薬を飲んだために頭の中がぼわわ~ん、映画は30分くらいで終わってしまった(ちゃんと最初から最後まで見たんですけど)印象で「重なりあう時間たち」状態になっちゃってたんで、再見の必要あり、と思ってます。[映画館(字幕)] 8点(2004-01-15 11:36:10) 1797. メイン・テーマ マイクが「シュワッチ!」って言いながら立つとゆー、ホントにしょーもないネタを臆面もなく描いていた映画。なんか、ダメダメって印象しかありませんでした。脇を歌手で埋めてみせた意味が全くもって不明ですし(だったら、もっとリズミカルに流れてよ)。スタイリッシュな映像と、猥雑でダサい映像とが混沌とした状態は、なんだか意味がありそうで、ちっとも意味がない感じもしましたし、80年代って今思えば中身カラッポな時代だったかもしれないけれど、だからってわざわざそれを具象化するこたぁないでしょう。『家族ゲーム』で「ん!」となった森田監督、『ときめきに死す』で「んん~?」となり、この映画で「んあ~~~」って感じになっちゃいました。『模倣犯』は「んががぁ~~」って感じですけどね。[映画館(字幕)] 3点(2004-01-12 15:51:45) 1798. ムトゥ 踊るマハラジャ 猿がね、画面を横切ったりするんです。ごくフツーに。いやー、猿が映っちゃったらNGだろー、とフツー思うワケですが、この映画では問題ナシ。もう映画を20年以上見てきていながら、この映画から受けた衝撃は凄かったですねぇ。ドラマ部分の雑な編集とか、ガタガタなカメラワークとか、そういうのが欠点じゃない、どーでもいい事なんです。大仰ゆえかハリウッドじゃ最近使わないズーミングも、ずーんずーんと使われてて、でも恥かしいとかナンとか一切ナシ。とにかくまあ、余計な理屈こねてないで楽しめ、と。エスニック風味満点の豪華絢爛なダンスシーンを、湧きまくりの劇場内で笑いながら見ているうちに、アタマの中が曼荼羅世界。ああ、これが極楽浄土とゆーヤツなのね、と生きながら成仏しちゃいそーなひとときを体験しました。映画って、深いわ・・・。[映画館(字幕)] 9点(2004-01-12 15:34:27)(笑:1票) 1799. ムーラン・ルージュ(2001) オープニングの20世紀フォックス・ファンファーレ大演奏の映像から「うわーっ!」って感じで惹き込まれてゆきました。バズ・ラーマンの猥雑で毒々しい、人工着色料みたいな風味が好きです。ナチュラルとは程遠い、こってこてに作りこまれた世界。物語こそ単純で意外性のないものですが、まるで中国のクリスマスツリーみたいな飾り立て具合(どんなシロモノだ、そりゃ)には目を奪われてしまいます。それにしても、もうベッタベタな曲を歌う出演者達、楽しそう。[映画館(字幕)] 8点(2004-01-12 15:18:39) 1800. ムーラン(1998) とっても誠実な作りに感心しました。ディズニーと言うより、昔の東映動画のアニメ映画を見ているような感じ。音の入った動くマンガと化した、多くの日本のアニメを見慣れた目に、この、アニメの根源的な「絵が動く魅力」を追求した動画は新鮮な感動を与えてくれます。もちろん、だからと言って日本のアニメがダメ、と言う訳ではなくて、その独自の進化を遂げた世界を支えてきた人々は尊敬に値するのですが、ディズニーがこうも生真面目に「アニメーション」を描いてくると、やっぱり守られるべきもの、というのはあるんだなぁ、なんて思ったりするワケで。「萌え」だけでキャラクターを語るのは虚しいですしね・・・。【2009年追記】それで最近の日本のアニメは明らかに衰退しちゃってないか? アニメって深夜に追いやられるべきものなのか? あ、ディズニーもこの後、二次元部門が衰退してしまったワケですが。でも、ちゃんと復興させようとしているみたいですしね。[映画館(字幕)] 8点(2004-01-12 14:58:02)
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS