みんなのシネマレビュー |
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1801. リメンバー・ミー(2000) 《ネタバレ》 「オーロラの彼方へ」「イルマーレ」「リメンバー・ミー」と時空を超えた愛をテーマとする映画がよくぞ2000年という同じ年に作られたものだ。どれが先でどれが後なのかは知らないが、この映画が一番切ない。21年の年月を超えた交信相手が、自分の恋人と親友の息子だと知ったときは大変ショックだったろうと思う。私も二人が同じ病院に入院したとき、もしやとは思ったが的中してしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2011-09-03 11:16:09)《改行有》 1802. 氷雨 美しい音楽をバックに映し出される壮大な雪山。登山経験のない私ですら、その大自然の懐に吸い込まれていきそうだ。山の遭難の映画は珍しくはないが、この映画は共通の一人の女性を巡ってそれぞれの思いが淡々と語られる。 過去と現在が幾度となく行き来してややとまどいも覚えるが、心に残る味わい深い映画で名作に近いと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-03 00:01:58)《改行有》 1803. レベッカ(1940) 《ネタバレ》 私が見たヒッチコック映画(20本弱)の中では、この「レベッカ」と「北北西に進路を取れに進路を取れ」の2本がベストである。スリルとサスペンスという点では後者だが、ゾクゾクとするサスペンスと映画のできとしてはこの「レベッカ」 もちろんフォンティーンの美しさに目がくらんだと言うこともある。しかし何といっても主人公レベッカが最後の最後まで姿を見せない。死んでいるのだから当然なのだが、恐怖の存在として常に物語を支配しているのはすごい。逆にフォンティーン演じる女性は実質の主人公でありながら、私とかマキシムの2番目の妻という表現で名前すら出てこない。オリヴィエが彼女を呼ぶとき何というか注目して見てみたがやはり名前はない。実に不思議な映画だ。 映画はダンヴァース夫人を演じるジュディス・アンダーソンがすばらしい。この人がいて、この映画は成り立っているとも言える。しかし、最後までわからなかったのは、あの肖像画、あれはレベッカだったのだろうかそれとも・・・。[ビデオ(字幕)] 9点(2011-09-02 17:38:07)(良:1票) 《改行有》 1804. 断崖 ジョニーは決して根っからの悪人ではない。妻を愛していたのは本当だろうし、正直な面も見え隠れする。しかし楽天家、地道に働くことを嫌い賭け事を好むダメおやじなのだ。その男にうつつをぬかすリナにも困ったもの。疑ったりあきれたりするものの、何度もだまされるのは惚れた弱みか。 最初見たときは、ケイリー・グラント演ずるジョニーが遺産や保険をねらう悪者に見せかけて、実はそうでなかったという心理サスペンスかと思っていた。しかし今見るとラストシーンのUターンは、ダメ男にどこまでもついていくダメ女になりさがったように思える。 恋は盲目ということばを思い出す。[ビデオ(字幕)] 5点(2011-09-02 06:01:21)《改行有》 1805. 知りすぎていた男 自作のオリジナル「暗殺者の家」をリメイクしただけあって、よくできた映画だ。サスペンスの緊迫したシーンと、ユーモア溢れる息抜きのシーンがほどほどにミックスされ、退屈せずしかも緊張感が途切れることなく引きつける。 またラストでは、本職の歌手ドリス・デイを起用した意味が遺憾なく発揮される。「ケ・セラ・セラ」は子どもの時からよく知っていた曲だったが、この映画のために作られたとは知らなかった。(無知)[ビデオ(字幕)] 7点(2011-09-01 21:27:53)《改行有》 1806. サマータイム・キラー オリビア見たさに見た映画であったが、結果的には記録的大失敗だった。もともと殺し屋というのが嫌いな上に、ストーリーもまったくおもしろくない。誘拐した娘と恋に落ちるという設定も安易だ。 ところでクリス・ミッチャムだが、ほんとに親父に似ている。いや親父以上に甘いマスクだ。それゆえ黒眼鏡をはずしたらまるで殺し屋に見えない。また警察側のカール・マルデンもさえないし・・・。[映画館(字幕)] 3点(2011-08-31 21:22:57)《改行有》 1807. 盲獣 触覚の世界か、凄い、凄すぎる。江戸川乱歩の原作が凄いのだろうが、それをそのまま映像化するなどとは、もっと凄すぎる。 途中母親をまじえてのバトルは愛憎劇としてもおもしろかったが、母親が死んでからはまさに狂気の世界。予想はできるものの映画として堂々と作り上げるのには恐れ入る。 ただ私個人はあまり好きでないというか、苦手な世界かもしれない。[DVD(邦画)] 6点(2011-08-31 16:16:13)《改行有》 1808. わが青春のフロレンス 《ネタバレ》 若い頃たくさん見た映画のひとつ。幼いときに両親を失った若者メテロが故郷のフロレンスに戻り、かつての父の同僚らとともに労働運動に関わっていく。その過程で巡り会う女性たち、未亡人ビオラ、妻となるエルシリア、隣の人妻イディナ。イディナに関しては誘われた浮気だったが、ビオラは彼が服役していたときエルシリアを助けてくれた。 またかつての労働運動の闘士を父に持つ妻エルシリアは、メテロの心情をよく理解し助けていく。彼女が夫の浮気を知ったときも、彼をたいしてとがめようとはせず、イディナを叩き出すというまさに良妻中の良妻。こういう女性は大事にせにゃあかん。 この映画は初めとラストが釈放された夫を妻が出迎えるシーンは同じ。しかし冒頭の母親は身も心も疲れ果て亡くなってしまうのに対し、エルシリアは強い女性である。息子がたとえ父親と同じ運命をたどったにしても、立派に支えることだろう。 待望のDVDが出て、改めて鑑賞。やはり良い映画だ。また哀愁を帯びたモリコーネの音楽も実にすばらしい。[映画館(字幕)] 7点(2011-08-31 08:03:27)《改行有》 1809. ガラスの部屋 若い頃たくさん見た映画のひとつ。大学生カップルが暴行にあった学生を助け、そこから女1人に男2人という三角関係?が生まれるのだが・・・。 この映画に出演したレイモンド・ラブロックは当時大変な人気だった。またそれに拍車をかけたのが、ペピーノ・ガリアルディが歌った主題歌。もちろん私はレコードを買いそれこそすり切れるほど聴きまくったのだが・・・。 この頃は日本でも安保闘争、学園紛争が絶えなかった時代、青春のひとこまである。ぜひDVDになってほしいと願っている。[映画館(字幕)] 6点(2011-08-30 19:55:19)《改行有》 1810. さらば夏の日 若い頃はたくさんの映画を見たが、これもその中の一つ。派手な映画ではないが、フランシス・レイの甘いメロディーに乗って、ロマンティックなムードが漂う。またある時は、そのメロディーが切なく響く。実に印象的だった。何十年もたってDVDを購入し、その頃の感傷に浸った。[映画館(字幕)] 6点(2011-08-30 18:44:36) 1811. 羅生門(1950) 《ネタバレ》 「わからん、さっぱりわからん。恐ろしいことだ」と言いながら、実は一部始終を見ている。私にしたら「何がわからんのか、何がおそろしいことなのか」と思っていたら、一緒に見ていた妻が「皆がなぜ嘘を言うのかがわからないと言ったのでしょ」と明快な答、なるほどと納得。人間のエゴがおそろしいのか。 グランプリ作品らしいが、私の好みではない。[DVD(邦画)] 5点(2011-08-29 21:02:05)《改行有》 1812. アイドルを探せ(1963) シルヴィ・ヴァルタン目当てで鑑賞。当時「アイドルをさがせ」は大ヒットしていたし、彼女はもちろんかわいかった。同名の映画ともなれば、彼女の出演がたとえ4・5分であろうと見る価値があるというもの。 映画はコメディだがそこそこおもしろい。シルヴィ以外の歌手も知っていたらもっと良かったと思うが、どうにか知っていたのはアズナブールだけだった。[映画館(字幕)] 5点(2011-08-29 07:17:50)《改行有》 1813. 愛を乞うひと どんなに殴られ蹴られ虐げられても、私のお母さんはあなただけなのと言っているような声が聞こえる。親子の絆というものはそういうものなのかもしれない。 最初見たときは、母親の虐待にいたたまれなくなって何度も見るのをやめたが、それでもあきらめず、繰り返して見た。最初のうちはどうして虐待をするのだろう、原因は何だろうかとも考えた。しかし、最近になって虐待というのは明確な理由がなくても起こるものという見方ができるようになった。 とにかく原田さんの演技が凄い。虐待をした母豊子と虐待を受けて育った娘照枝という全く異なった2人の女性を演じる。いや終盤の年老いた豊子も合わせると三役か。 その再会シーンが何とも言えない。[DVD(邦画)] 7点(2011-08-28 20:54:51)《改行有》 1814. トロイ ザ・ウォーズ〈TVM〉 映画の中心人物であるパリスとヘレンの生い立ちから始まるので、トロイ戦争の背景がより鮮明になっている。「パリスの審判」「カサンドラの予言」「テーセウスのヘレン誘拐」など「トロイの木馬」以外のエピソードにも触れているが興味深い。 ただ盛りだくさんに詰め込んだので、断片的で駆け足になっているのが惜しまれる。もう少しポイントを絞った方が良かったのでは・・・。 前半はそのエピソードで大変おもしろかったが途中からだれ気味になっている。そして「イーリアス」の物語からどんどん外れてくるのが気になる。そしてもっと問題なのがキャスティング、ヘレンについては好みもあるだろうと思われるので置いておくとしても、その他の人物がどうも地味すぎ。アキレウスに至っては、ブラッドピットとは比べものにならない。[DVD(字幕)] 6点(2011-08-28 13:00:49)《改行有》 1815. トロイ(2004) 神話の世界を通俗的なエゴの人間社会に引きずり下ろした映画。戦闘シーンが多いし長すぎる。何のために闘っているかさえわからなくなる。 ヘクトルとアキレウスを英雄にしたかったのだろうか。ヘレンも伝説の絶世の美女とも言えないし・・・。米国の娯楽映画に埋没してしまった。[DVD(字幕)] 2点(2011-08-28 05:25:47)《改行有》 1816. トロイのヘレン 子どもの頃すでに児童文学としてのギリシャ神話を読んでいたこともあり、おおよそのストーリーは事前につかんでいた。それでも圧倒的なスケール、音響などにびっくり、これがシネマスコープかと感動したみのだ。 またとかくアテネ・スパルタのギリシャ側から描かれるトロイ戦争だが、この映画はトロイの王子パリスとスパルタの王妃ヘレンの愛をメインに描かれている。だか何といっても絶世の美女ヘレンを演じるロッサナ・ポデスタの美しさには目を見張る。彼女が後に「黄金の七人」の艶めかしい悪女を演じるとはとても思えない清純さだ。 3000年前の戦いの方法や道具など興味深かかった。[映画館(字幕)] 7点(2011-08-27 23:25:00)《改行有》 1817. 紳士は金髪がお好き(1953) 《ネタバレ》 楽しくて、おもしろくて、笑えるミュージカル。いや途中船に乗っているときはミュージカルだということを完全に忘れていた。それほどコメディになりきっていたということか。 金髪のローレライと黒髪のドロシーのコンビが実によい。髪の色だけでなく性格もずいぶん違うけど、親友というのがよく分かる。ずっとローレライの方が目立っていたけど、法廷ではあっと驚くドロシーの変身。いやーびっくり、金髪にだまされた。 途中10点満点つけようかと思ったけど、最後のまるく収まったのがどうもピンとこなかったのと、厳粛な法廷を汚したのでマイナス。 [DVD(字幕)] 7点(2011-08-27 15:17:56)《改行有》 1818. 秘密(1999) 《ネタバレ》 最初見たときのラストの衝撃は大きかった。ひどい、むごい、切なすぎる。平ちゃんになりきって見ていた私には、とても耐えられなかった。1発でなく2発殴らせてくれと言った気持ちが痛いほど伝わってきた。 しかし、2度3度と映画を見直していくうちに、私のこの映画への思いは変わった。あれ(ラストシーン)は、究極の選択だったのだ。夫を愛するが故に「自分は直子であり、藻奈美として生きていくのだ」というやむにやまれぬ思いを伝えたかったのだと思うようになった。 妻でありながら身体は娘、このギャップは最初のうちはそれほどでもなかった。外では藻奈美として振る舞い、家庭では直子として夫に尽くす、その二重生活を演じればよかった。 しかし藻奈美としての直子が、大学に入った頃からどうしようもできなくなってくる。夫は電話に盗聴器を仕掛け、大学の先輩の前に割って出たりもした。妻は藻奈美の身体でありながら、夫に身体をまかせようとすらした。それでもギャップは縮まらない、ますます広がるばかりだ。 夫が「俺の直子はどこへ言ったのだ」と悲嘆にくれたとき、妻は完全に娘になりきることを決意したのだと思う。結果的には夫をだますつらい選択だったが、どうしようもなかったのだと今になって思う。 最初に見てから数年を経た今、ようやくこの映画の真価を感じる。ストーリーも描写もとてもすばらしい映画だ。[DVD(邦画)] 9点(2011-08-26 04:36:12)《改行有》 1819. ノートルダムの鐘 原作のわかりにくい暗い感じのする映画を、よくぞアニメに作り替えたと拍手をしたい。しかもミュージカル、わかりやすく楽しい。 過去の映画を見ているだけに、苦心のあとがわかる、それだけに+1点。[DVD(字幕)] 7点(2011-08-24 22:03:35)《改行有》 1820. ノートルダムの傴僂男(1939) モーリン・オハラのエスメルダは美しいが、少しもジプシー女には見えない。そこが難点か。対するチャールズ・ロートンのカジモドはメイキャップが見事、これは特筆ものだろう。 カラー版に比べ、モノクロの味わいがよく出ている。ストーリーもフランス版でわからなかったところがこの映画でよくわかった。ただ残念なのはラストを作り替えたこと。これが米国人好みなのかもしれないが・・・。[DVD(字幕)] 6点(2011-08-24 21:47:15)《改行有》
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