みんなのシネマレビュー |
|
1821. ソイレント・グリーン 《ネタバレ》 人口爆発による荒廃しきった2022年のニューヨークを舞台にした不気味な現実味を感じるSF作品。 「田園」と共に流れる曾ては確かに存在した地球の風景を見ながら安楽死するソル。 ソーン刑事はその美しさとソルとの別れに涙しました。 私はその撮影シーン数週間後に他界したというエドワード・G・ロビンソンのキャリア最後の姿に涙しました。 共生が置き去りにされた発展の末路を見せられた傑作です。[DVD(字幕)] 9点(2018-04-22 01:10:08)《改行有》 1822. スケルトン・キー 《ネタバレ》 ジョン・ハート出演作という事で鑑賞。会話が出来ないという役柄もあって物足りなさを感じながら寝転がって観ていたエンドロールにあった Gena Rowlands に「え~! 貴女でしたか!」 飛び起きて速攻で正座して最初から観直しました。独特のオーラを放つ人だなぁと魅入ってた人が私の敬愛するジーナ・ローランズと気付かなかった自分の間抜け加減に凹みつつ、夢の共演を堪能させてもらいました。 「ここから出してくれ」の意味が解る、救急車の二人が示す結末は救いが無い恐ろしさで見事な脚本に唸らされます。 名優が出演するに相応しい一級品のサスペンスでありました。[DVD(字幕)] 8点(2018-04-20 15:57:01)(良:1票) 《改行有》 1823. 沈黙 ーサイレンスー(2016) 信仰を貫いて死んだ百姓達を思うにつけ、転んで生き延びた宣教師2人に腸が煮えくり返る。ラストショットが怒りを更にかきたてる。長々と見せられた結末がこれかと思うとグッタリしてしまった。[DVD(字幕)] 4点(2018-04-18 16:52:56) 1824. 白い家の少女 サスペンス的には何という事もなく嘘寒さだけ感じた物語。堂々としたジョディ・フォスターの演技だけが印象に残る。[DVD(字幕)] 5点(2018-04-18 16:45:18) 1825. 潜入者 《ネタバレ》 メイザーとアルケイノの友情が何だか切ない。同じ状況で「お前だから許す」と名台詞を残した作品がありましたが、今作で信頼を重んじるアルケイノ一家は裏切りを一生許さないと思いました。演出上の事なのでしょうが、新郎新婦を逮捕せず潜入者とばらしてしまってはこの先命が無いんじゃないでしょうか。以降も潜入捜査官を続けたというのに何だかなぁと釈然としません。[DVD(字幕)] 7点(2018-04-16 00:31:57) 1826. わたしは、ダニエル・ブレイク フードバンクでのケイティの自分を恥じて泣く姿に号泣。 そうなるんじゃないかと薄々感じていた通りの結末がやるせない。 血の通わない行政システムを改善しようとする気はないのか、公僕という言葉は死語なのか。 危機管理が要る年齢なのに日々の暮らしに追われているだけの自分に警鐘を鳴らしてくれる作品。[DVD(字幕)] 7点(2018-04-15 20:01:24)《改行有》 1827. 1984(1984) 《ネタバレ》 色彩の無い世界に真実を捻じ曲げて伝える全体主義国家の陰鬱さが映える。 よくもこんな事考え付いたと言えるネズミ籠を使った拷問シーンは鑑賞歴中最悪のもので、痛めつけられるジョン・ハートの渾身の演技以上に痛めつけるリチャード・バートンの淡々とした面持ちに息を呑む。 2+2=5 思想統制の恐ろしさが骨身に沁みるこの先忘れる事のないであろう物凄い対決シーンであり、ジョン・ハートは本作でこそ意志を曲げず壮絶な最期を遂げて欲しかったのに屈服して抜け殻になった姿が悔しくてたまらなかった。[DVD(字幕)] 9点(2018-04-15 01:20:46)《改行有》 1828. 飾窓の女 《ネタバレ》 「10時半ですよ」と起こされたシーンに劇場の其処此処で笑いが。私は張り詰めた緊張の糸がプッツリと切れてしまいました。監督は何を思ってこんな結末にしたのか問い詰めたい。トボトボと帰路につきました。件のシーンまでは10点、以降は0点、エドワード・G・ロビンソンの惚れ惚れする重厚さに+2点[映画館(字幕)] 7点(2018-04-15 00:39:48) 1829. 炎上 《ネタバレ》 初見、原作未読。国の宝を焼失させるまでに至った青年の心模様が描かれています。溝口の劣等感と清くあって欲しいと願うものの濁った姿への思いを代弁している戸苅を演ずる仲代達也が圧巻。爽やかな部分が皆無の市川雷蔵は観るのが辛い重苦しさで救いの無い結末に胃が痛くなりました。多様な人物を演じ分ける役者魂で会社の猛反対をはねのけた市川雷蔵の早逝は、後年の仲代達也のような重厚さが観られたに違いないと思うと実に残念です。[DVD(邦画)] 7点(2018-04-12 13:51:39) 1830. 桑港(サンフランシスコ) 《ネタバレ》 メリーが愛したのはバーリーは勿論ブラッキーでもなくオペラ歌手であり、その打算的な振舞に吐き気が。息子の死を知ったバーリーの母親が「仕方ない、それが神の御意思なのだから」と取り乱すのを懸命に堪える深い信仰心に泣けてしまった一方で助かったメリーを見て神に感謝するブラッキーの姿が薄っぺらいとまでは言わないまでもご都合主義的で白けてしまった。クラーク・ゲイブルはジャイアンのようなキャラを生き生きと演じていた一方でスペンサー・トレイシーは今一つインパクトに欠けていて残念であると共にオスカーノミネートはどう考えてもおかしいでしょう。恐ろしさ溢れる地震シーンは特筆ものの素晴らしさでありました。[DVD(字幕)] 7点(2018-04-10 01:48:38) 1831. ヒストリー・オブ・バイオレンス 《ネタバレ》 殺されたり傷つけられたりした者たちの「お前だけ幸せに暮らせると思うなよ」という怨念が形になったような物語。相手が無法者とはいえ次から次へとゴキブリを踏み潰すように殺しておいて罰を受ける事無く妻子と暮らしていこうとするムシのよさにドン引きします。息子が後ろからためらいなくエド・ハリスを撃ち殺したのには救いの無さを感じます。この子もこの先物事を暴力で解決するのでしょう。卑しい顔つきのジョーイを表現するヴィゴ・モーテンセンの演技にプラス4点。[DVD(字幕)] 5点(2018-04-08 21:49:25) 1832. Vフォー・ヴェンデッタ 《ネタバレ》 お目当てジョン・ハートの死に様は鬼畜独裁者の情けなさを見事に表す名人芸でありました。理念は死なないと立ち向かうのも独裁者を生み出すのも個人の意思なのだと思わされます。スティーブン・レイ演ずる警視がもう少し体を張って欲しかったところです。Vの無表情の仮面が表す喜怒哀楽が印象深く一度も取らなかった演出は正解でしょう。議事堂爆破は復讐を超えたテロにしか見えません。実際に起きた火薬陰謀事件の元を辿ればヘンリー8世の離婚問題に行き着くのに驚きで、トーマス・モアのあの映画をまたぞろ観たくなりました。[DVD(字幕)] 7点(2018-04-08 00:42:07) 1833. ギャング・オブ・UK 《ネタバレ》 邦題からヒリヒリする物語の中でのジョン・ハートの最期に寄せた期待が悪ふざけスレスレのコメディ調に萎んでいきましたが、二転三転四転五転の展開に父娘の物語が盛り込まれていて結構見応えがありました。若作りに無理を感じたもののほろ苦さを醸し出すジョン・ハートはいぶし銀の味わいがありました。[DVD(字幕)] 7点(2018-04-07 19:07:46) 1834. バイオレント・サタデー クセがすごい面々の中でジョン・ハートの存在感が突出しています。 始終微笑みを浮かべて画面を傍観している(だけ、アクションは担当外)彼が本性を表していく様子に怨念の深さを感じさせられます。 私怨が晴らせたのかどうか分からない等、脚本がお粗末だったのが残念なところです。[DVD(字幕)] 6点(2018-04-06 16:36:36)《改行有》 1835. ジキル博士とハイド氏(1941) 1931年版に続いての鑑賞。ストーリーはほぼほぼ同じ。スペンサー・トレイシーのハイド氏は面影を留めており、瞳に宿る狂気に痺れました。イングリッド・バーグマンは自意識過剰と言うか哀れさを感じられなくミスキャストでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2018-04-05 14:58:55) 1836. ジキル博士とハイド氏(1931) 《ネタバレ》 神の領域を侵した科学者の好奇心が生んだ悲劇。ジキル博士のフレデリック・マーチは私的米国男優ナンバーワンのオトコマエでウットリさせられ通し。悪役好きの身にハイド氏への変身過程に身悶えし期待がパンパンに膨れ上がったのですが、変身終了のエテ公ヅラに唖然茫然! スペンサー・トレイシーとは異なり原型を留めておらず、別の俳優が演じていると納得させ鑑賞続行。下流階級の女性に対する残忍な言動(ミリアム・ホプキンスの泣き笑いの表情が何とも憐れ)が赴くままの本能と言うのところの悪役ぶりにも惹かれない。あのエテ公もフレデリック・マーチだという事で何回も観直してみたけれど面影が何一つ見いだせなかった。だからこそのオスカー受賞なのでしょう(怪奇役では60年後の「レクター博士」まで唯一だとか)がションボリです。[DVD(字幕)] 7点(2018-04-05 14:48:02) 1837. コブラ・ヴェルデ 緑の蛇 共に枯れた感を醸し出す最凶タッグを観ていて侘しくなり、ラストショットのクラウス・キンスキーの姿に寂しさがこみ上げました。[DVD(字幕)] 5点(2018-04-04 14:24:53) 1838. エイリアン 《ネタバレ》 このジャンルは苦手なのですが、ジョン・ハート目当てで初めての鑑賞。あんなのが顔に貼り付いたら顔が見えないよ(怒)ご愁傷様と思ったら取れていて普通に食事している。やれやれと思ったら・・・ 「う、う、う、うわ~っ!!! 何じゃお前は~」 キャリア50年超で40回死んだ(デビュー作で破滅に追いやった聖人の呪いなのか?)中でも屈指の死に様を見せて早々のご退場に放心状態。 その後はお決まりの展開と結末でしたが、本作がその「お決まり」の元祖という事を考えると映画史に名を残す逸品と言えるでしょう。エイリアン以上に度肝を抜かれたのがアッシュで、アカデミー視覚効果賞受賞も当然の仕事ぶりでした。 あの猫がエイリアンとなってお尻にかぶりつくのかと思いきや・・・不要なキャラに減点です。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-04-02 15:31:53)《改行有》 1839. 太陽の中の対決 《ネタバレ》 「白人は助け合うのよ」と言いいながら先住民は虐げてきた。ペラペラ喋る女性に対するポール・ニューマンの淡々とした言動の端々に窺える憤りに寒々しさを感じる。hombreとしての最期も寒々しかった。フレデリック・マーチとの絡みが物足りないのがとても残念。[DVD(字幕)] 6点(2018-03-31 20:56:44) 1840. ロンゲスト・ヤード(1974) 《ネタバレ》 アルドリッチ節全開の名作。 クルー:「所長を殴って後悔した事は?」 老トレーナー:「無い」 所長の言いなりになって後悔するより意志を通して後悔する事を選んだ本作一番の名シーンに胸を熱くさせられる。 刑務所モノの所長のなかではダントツの憎たらしさでクルーを引き立てたエディ・アルバートの変わらぬ名脇役ぶりに喝采。[DVD(字幕)] 8点(2018-03-28 14:51:37)《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS