みんなのシネマレビュー
鱗歌さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194

1841.  サンクタム こういうのを実話だと言い張るのは、川口浩探検隊くらいのもんでしょう。    それはともかく、途中まではどうも違和感というか、事件や対立がとってつけたように起こる妙なオハナシだと思って観てたのですが、要らない登場人物(?)が退場していくと、ちゃんと父と息子の物語に収束していったではないですか。実は何となくいいオハナシだったりします。 というか、オハナシがどうこう言うより、洞窟の洞窟らしさ、壁面の艶めかしい色気がよく出ておりました。一歩間違えば大怪我や死に繋がる危険と隣り合わせの色気。怪我したら痛そうだなあ、という感じ。そしてそこからの脱出劇、それはまるで、胎児がこの世に生まれ出るかのような。 明かりの乏しい洞窟内の描写を、あまり暗くし過ぎないように、それなりに見やすいようにしてくれている親切設計、もうちょっと光と影を効果的に演出してくれたら、とも思いますが・・・。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-04-18 21:21:09)《改行有》

1842.  人斬り 司馬遼太郎の「人斬り以蔵」に基づくとは言っても、あくまで「参考文献」としてクレジットされており、確かに基となっている短編小説に対して、エピソードが大きく膨らまされております。岡田以蔵と田中新兵衛との関係など、なかなか巧みな描かれ方でして、この田中新兵衛を三島由紀夫が演じているというのが、見てて多少疲れるところではあるのですが(改めて、プロの役者って凄いんだなあ、と思っちゃう)、演技のぎこちなさが、ちょっとした不気味さにもつながっていて、同じ「人斬り著名人」でありながら、以蔵を演じる勝新の人間臭さと好対照になっております。さらに、切腹を演じた本人が後に実生活でも切腹しちゃったってのが、何だか因縁めいてもいるのですが。 その人間臭い以蔵も、冒頭の吉田東洋殺害場面では相当に変態的。土砂降りの雨音が執拗に続く中、これまた執拗に人が殺されていく場面が描かれて、それを見ながら以蔵の顔は恍惚としていく。アブナイアブナイ。 という訳で、刀を振り回すシーン、人を斬るシーン、ノリノリでイッちゃってて、迫力あります。一方、粗暴なれどあくまで人間臭い以蔵に対し、幕末という時代の方がさらにイッちゃってて、結局はその運命に振り回される。坂本竜馬が石原裕次郎で、いかにも都会人っぽいのがどうなのよ、という気もする一方で、この狂ったような時代における一服の清涼剤のような存在にもなってたりします。 走る勝新、斬る勝新、彼の躍動感が、作品の魅力です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-04-17 10:30:13)《改行有》

1843.  アーロと少年 《ネタバレ》 この映画の作者はもしかして、人間がペットを飼うことに反対なんだろうか、と何だか心配になってくるんです。人間の役をよりによって恐竜にさせ、ペットの役をよりによって人間に置き換える。「人間とペットの友情」なら「フン」と思う人だって、人間っぽいヤツ(恐竜アーロ)と人間そのもの(少年スポット)との関係なら、誰しもこれを飼う飼われるの関係ではなく友情として捉えられるでしょう、ということでしょうかね。しかもいくら友情があるにせよ、その「人間」を、仲間のもとに帰してやるのが、自然であろう、という結末・・・。そりゃまあ私も、子供が何か生き物を捕まえて来たら、「逃がしてあげたら?」とかよく言いますけれども(笑)。 しかしこの最後の別れ、やむをえない別れというよりもむしろ、アーロが自ら選んだ別れであるところが、ミソなんでしょうね。地面に描いた輪も、だからこそ生きてくるし、独り立ちできるようになったアーロの成長の証でもある訳で。 中盤の冒険を通じてアーロが成長する、というのはお約束というか定番、しかし、荒唐無稽な設定の割に物語はあまり波乱万丈という感じではなく、やや大人しいオハナシかな、という印象もありますが。 CGとも実写ともほとんど判別不可能な自然の描写、これは見どころのひとつと言ってよいでしょう。[映画館(吹替)] 7点(2016-04-10 21:03:08)《改行有》

1844.  女番長ブルース 牝蜂の逆襲 アテネ団なる不良少女のグループのリーダー・レイコが主人公。このアテネ団にはアテネ憲法なる鉄の掟があって、要するに、男って何さ!ってな感じなんですけれども、一方でレイコは、ホクシン会なる不良グループのリーダー・次郎と、いささか微妙な男女関係にあるんですな。さらにこのホクシン会の上部には、アキモト組という暴力団がある。またさらに、アテネ団にいらぬチョッカイをかけてきた単車軍団の連中も絡んできて。その四者の関係に、さらにアテネ軍団の内部のリーダー争いを発端としたキャットファイトがあったり、アキモト組に帰ってきた天地茂アニキのエピソードがあったり(天地茂の眉間のシワがスゴイ)、もう、内容はかなりグチャグチャですね。 ただでも錯綜した内容なのに、スキさえあれば、物語に関係あったり無かったりりするエロシーンがヤミクモに挿入される(エッチしながらのバイクレース、もうワケがわかりません)。だからますますグチャグチャなんですが。 なのに、最後まで観たら、エピソードが互いにちゃんと連関を持ってて、見事にまとまっていってます。グチャグチャはグチャグチャなんですけどね。でも何だかまとまってる。まさに魔法のような。 結局、エロと暴力とバカバカしさで彩られた、「みなさんが観たいものを羅列してみました」という作品なんですが、それでも物語は(やや込み入り過ぎているほど)構成の妙を見せている。しかもラストには(とってつけたように)虚無感を伴った余韻をも残すのだから、オソロシイ。 ただ、強い女性を描くと見せかけて、実は女性の弱さを描いているところがあるのは、いささか男性目線の作品と言えるのかも知れませんが。[DVD(邦画)] 7点(2016-04-06 21:21:19)《改行有》

1845.  カオス(2005) 《ネタバレ》 深夜放送をほとんど手違いで録画してしまったのを、一応は観とこうか、と観てみたらこれが面白かったりするから、映画は怖い。 結構、丁寧に伏線を散りばめながらオハナシが作られているもんで、かえって、ジェイソン・ステイサムが爆死したあたりで真相がほぼ予想できちゃったりもするのですが(そうなると、予想が当たって欲しい気持ちと外れて欲しい気持ちが、ざっと6対4くらい)、だからって作品がつまらなくなるワケじゃない。よくできたミステリは再読に耐える、とも言われる通り、やっぱり、「それをどう描くか」に作品の魅力がかかってる。意外な真相に驚かされたミステリに対して感じるのは、心地よい敗北感。しかし、真相が予想できてなお、その心地よい敗北感を感じることだって、あるんです。 伏線はうまく張られているし(真相への手がかりという意味に限らず)、それに、登場人物が主役も脇役もいい顔してます。ジェイソン・ステイサムの意志が強そうでいてどこか影のある顔、ウェズリー・スナイプスのふてぶてしい存在感のある顔。ライアン・フィリップは修羅場を潜り抜け顔に傷を作ってだんだんいい顔になっていき、後半、作品の中心に収まっていく。その他の警察の人々も、イイ感じにストーリーに絡んで。ただ、女性刑事を演じてたジャスティン・ワデルという女優さん、とてもカッコよくて綺麗な方なのですが、それだけに何となく、このヒトだけこの物語の中で収まりが悪い気もするのですが。 それにしてもカオス理論って、そんなんだっけか?[地上波(吹替)] 7点(2016-04-03 12:17:39)(良:2票) 《改行有》

1846.  マクベイン かつてベトナム戦争での勇者であったオッサンたちが(とは言え冒頭のベトナム戦争のシーンからすでにオッサンなのですが)、今度はコロンビアにおける革命のために集結し立ち上がる。さすがは巨匠グリッケンハウス、などと我々を感心させることなど全く無いこのテキトーさが、まさにグリッケンハウスらしさ。さすがです(笑)。 いやホントに適当で、今となってはまるでフツーのオッサンたちが集まったかと思うと、唐突にヤクの売人を襲撃し始め(革命に参加するための資金集めらしい)、と思ったら唐突に出発準備が整って、コロンビアへと出発している。実に無駄のない展開。無駄以外にもいろいろ欠落しているような気もしますが。 派手だけど安そうなアクションが満載。どのように派手でどのように安そうなのかは観てのお楽しみ。ですが、いずれにしてもこの緊張感の無さ、これだけ緊張感無く戦えるのだから、このオッサンたち、最強だな、とは思います。 安そうなアクションとは言え、要所要所では、落下シーンなどでアクロバットなスタントが光る。やっぱり、さすがはグリッケンハウス、なのでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-03-30 20:58:13)《改行有》

1847.  きっと、うまくいく 大学時代の同級生が10年後に再会する、が、その相手は? という、O・ヘンリの「二十年後」とか松竹新喜劇の「人生双六」みたいな発端(要するに、ハズレなしの鉄板ネタ、というヤツですかね)。学生時代と現在とを全く無理なく演じ分けた役者さんたちが、まずもって見事。というよりむしろ、たった10年後の設定にしては歳食い過ぎてるやろ、というヒトもいるくらいで(笑)、とにかく学生時代のシーンにおけるこの若々しさが、作品を成功に導いております。 作中に散りばめられたエピソードやセリフが、意外な形で伏線になっていき、ここまでうまく伏線回収されると、ちょっと人工的でイヤミな感じがしないでもないですが、ミステリ作品を楽しむような気持ちで観れば(実際、物語にそういう要素も若干あるし)、気持ちよく楽しめるのではないかと。もちろん、それらのエピソードが、回収するためにのみ伏線として存在するのではなく、ちゃんと物語の起伏に繋がっているからこそ、楽しめるワケでして。「誰だって間違うことはあるんだ」という学長の言葉が、結構、感動的だったりします。 ただ、こういう感動を、もう少し巧みに作中に入れ込んでくれれば、なお良かったんだけどな、という側面もありまして。何かと言えば登場人物に涙を浮かべさせて見せる演出、ややマンネリ感もあります。 ところで本作の中に、テストの答案を出すのが遅れて教官に受取りを拒否されるエピソードが出てきますが、コレ、本作のオリジナルではなくって、以前からある有名なもののようですね(早坂隆「世界の日本人ジョーク集」にも載ってます)。[CS・衛星(吹替)] 7点(2016-03-13 08:17:12)《改行有》

1848.  オーガストウォーズ 冒頭でいきなりぬる~いCG全開、「この映画、大丈夫なの~?」とハラハラしてしまいますが、映画が進むに従い、ちゃんと物語でハラハラさせてくれます。幼いひとり息子を前の夫の実家に預けたママさんが、息子の滞在先付近で紛争が発生したと聞き、必死に息子のもとへ駆けつけようとするオハナシ。乗っているバスが何者かの攻撃を受ける場面や、逃げ込んだ建物が攻撃を受ける場面なんかで、崩壊の過程が結構緻密に描かれていて、こういう描写にやっぱり手に汗握るんですね。凄惨な描写は比較的抑制されていて、でもそれを補うように、登場する数々の戦車が戦場らしい雰囲気をちゃんと作り出していたり。残酷描写に走らず、逆に、少年の夢想を利用してファンタジーを絡めてきたのが、(どの程度、成功していると言えるかはともかく)味付けとしては非常にユニークで、物語のご都合主義的な部分、希望めいた部分も、イヤミを感じさせることなくソレっぽく収めてしまう。 何よりも、この主人公のママさんの奮闘ぶりが、いいんですね。最初は場違いなミニスカート姿だったのが、ヘルメットを被って戦場を切り抜け、最後はたった一人、チョコチョコと走っていく姿、何ともけなげで、いとおしくって。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-27 17:16:02)(良:1票) 《改行有》

1849.  アルバレス・ケリー 《ネタバレ》 南北戦争下、北軍へ牛の群れを届ける男が、アルバレス・ケリー。冒頭の「あ~るばれ~すけ~り~」という陽気な主題歌が耳から離れず困ってしまいます。で、北軍相手の商売がうまくいってるのかと言えば、人の足元をみたように無茶な注文をつけられて、何だか面白くない。そうこう言ってるうちに、ケリーは今度は南軍にとっつかまって、コチラに協力しろと脅される。 南軍側の大佐がR・ウィドマーク。コワモテの顔に眼帯をつけて凄みを利かせ、ケリーの指を撃ち落とすなどの非道をはたらくのですが、映画自体は別に南軍が悪で北軍が善というスタンスでも何でもなく、それは、中盤に登場する、北軍に協力的でない黒人の冷ややかな態度にも表れています。それはケリーとて同じこと、彼はあくまでカウボーイとしての自分に忠実であり、その仕事に意地を持っている。 しかしその主人公を演じてるのがW・ホールデン。どうも特徴が無いといいますか、優等生的であまり頑固者の感じがしない。もうちょっとアクの強い俳優さんの方が良かったかも??? 途中、南軍から逃げようとするエピソードが、中途半端な感じもする一方で、ある意味この優等生顔に似合っているような気もします。 で、クライマックスは、「食い物の恨みは恐ろしい」ならぬ「食い物が暴れたら恐ろしい」という、牛の群れを暴走させて北軍を蹴散らすダイナミックなアクション。ここで主人公の意地もピークに達し、南軍、北軍にも肩を並べる第3の勢力とも言うべき立ち位置に。そして主人公と南軍大佐との関係もピークへと達して、何かと盛り上がるのでありました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-21 08:27:46)《改行有》

1850.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 まさに「スクリーン所狭し」と繰り広げられる、タイファイターとXウィングのドッグファイト。かつてアクション映画のショットは一体どこまで細切れになっていくのか?なんて思ったこともあるけれど、最近は落ち着きを取り戻してきて、時にはやや長めのショットを織り交ぜつつ、それをうまくCGで彩ったり。 と、迫力の映像に、畳みかけるストーリー、とりあえずは我々をたっぷり楽しませてはくれるのですが・・・。 それにしても、この「旧3部作」に対する、リスペクトというよりはむしろ、過度の気遣い。なんだかなあ。 旧3部作を否定しかねないような要素は微塵も含むまい。なにせあれらの作品は不可侵の殿堂入り。敵も味方も、概ね似たような設定で、デススターそっくりの敵の基地へ、レッド中隊ブルー中隊が攻撃を仕掛ける。特撮技術は当然のことながらはるかに進んでいるけれど、40年近く前の作品のローテクをそのまま本作に取り入れた部分も残してみたり。今回から登場する若い面々は、さすがに元気なところを見せ、いかにもリニューアルされた感じを出す一方で、お馴染みのソロやレイアもたっぷり幅を利かせて、さあ旧作ファンも満足してください、と。 特に、今回は新しい物語の序章に相当するためなのかも知れませんが、敵役がイマイチ貫録無いというか、魅力に乏しくって。いかにも「ダースベイダーほどすごくはありません。やっぱりダースベイダーはすごかった」という感じ。 エピソード1~3は、4~6に縛られることなくルーカスが想像を膨らませていって(例えばエピソード2での都会の描写なんて、本シリーズの中で新鮮でした)、それが行き過ぎて正直、我々がついていけなくなった面があり、またこれらの映画はいささかその空想を「設定」として語り過ぎたキライもあると思うのですが・・・それに比べると、本作、冒険することなく、「ファンの皆さま、ディズニー版ですが違和感なくご覧いただけるように作ってみました」とばかり、ちゃっかりと小さくまとめちゃったようにも感じられて。 本作、確かに面白い。けれどその分、ちょっと、ルーカスが、気の毒にも思えてきたのでした。[映画館(吹替)] 7点(2016-02-18 20:43:29)(良:2票) 《改行有》

1851.  決斗!一対三 西部のならず者ウェス・ハーディン自身の自叙伝に基づき、ホントはそんな悪い人じゃなかったんだよ、という、「真説」というか「異聞」というか、そういう体裁。その自叙伝が渡される場面に始まり、自叙伝からハミ出て映画が終わるというメタな構成が、ミソですね。自叙伝の内容には主観によるバイアスがかかっているかも知れないけれど、そんなことはどうでもよくって、自叙伝を書いたことまでを含めた「ある男」の姿を描いた、あくまでそういう作品。 とは言っても、観る限り、作品のメインを占める過去のパートも、(どこまで実際に無法行為に手を染めたかはともかく)特にこの主人公を美化した内容でも無さそうでして、まあ、十分にロクでも無いヤツですね。その主人公を、ロック・ハドソンが演じていると、何だか“ふてぶてしい新入社員”みたい(笑)。 邦題の「決斗!一対三」ですが、中盤で「あわや一対三の決闘になりかけた」というだけです、ハイ。敵のヤラレ役は、ああこのトンガッた顔、リー・ヴァン・クリーフ。『真昼の決闘』に続くヤラレ役。そういやこの「決斗!一対三」という邦題も、『真昼の決闘』を意識してつけられたものなんでしょう、きっと。 という訳で、尺の短い作品ですが、B級な決闘モノではなく、意外に大河なオハナシ。過去における主人公と父親の確執、現在における主人公と息子の関係、といったあたりをしっかり押さえていて、コレだったらもうちょっと長い作品に仕上げてしっかり楽しめたらよかったかな、とも思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-14 08:49:40)《改行有》

1852.  サン★ロレンツォの夜 戦争は、のどかな田舎の村にも陰を落とす。というより、そののどかな日常の中に、戦争による破壊や死が容赦なく入り込んでくる理不尽さが、本作では描かれています。だから、死は多く描かれようとも、必ずしもその凄惨さを強調するような描かれ方はなされていません。しかし、のどかな畑で隣人のような人々同士が殺し合わねばならない光景、大勢の隣人たちがバタバタと倒れていく光景、もうこれだけで十分過ぎる息苦しさを感じさせます。 しかし、生き残った者がいる限り、日常はまた必ず戻ってくる。どんなにつらい過去があったって、その過去に何がしらの美しさが含まれているならば、決して過去そのものを否定したりはしない、あのジイさんが取り戻した恋心のように。 そして、つらい過去が本当に洗い流せるものかどうかはわからないけれど、一時的にせよ何にせよ、降ってきた雨がつらさを洗い流してくれる。映画では時々「晴天なのに(ホースで降らせた)大雨」ってなシーンがありますが(笑)、本作のこのシーンは間違いなく、「明るい光」と「雨」の両方が必要なシーンでしょう。 ラストの眠っている子供。今の平和がこのまま続いて欲しいという希望と、周りを包む闇の、幽かな不安。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-14 08:03:09)《改行有》

1853.  ジョニーは戦場へ行った 《ネタバレ》 一体何なんでしょうね、全編にあふれる、このインディー魂みたいなもの(笑)。笑っちゃあいけませんが。 この作品の設定、どうしても江戸川乱歩の「芋虫」を連想させて(一応、先に書かれたのは「芋虫」ですね、トランボは知ったこっちゃないでしょうが)、しかも「芋虫」の恐怖小説としてのインパクトってのは並々ならぬものがありますからね。その恐怖ってのは、手足を失い自らのコミュニケーション手段を持たない男、なされるがままの、受動的立場の究極のような男の、内面が見えないこと、内面の恐怖を我々に想像させること、そしてその内面の恐怖を最後に我々に垣間見せること。 一方の本作、この「芋虫」以上に外部から閉ざされた男の、内面そのものを描いて、受ける印象はかなり異なりますが、それにしても、触覚のみによって知りうる「現在」を、映画なもんで映像として我々に見せ、そこにいちいち独白をシンクロさせる描写は、やや野暮ったい気もいたします。「現在」をモノクロ、「過去」や「幻想」をカラー、という色分けも、ちと図式的。 それにしたって、本作のコワい点、目を引くのが、前半の「現実」パートにおける、暗闇の中に灯る白熱球。希望ですらない冷たい光。 それが、中盤から部屋に外光が取り入れられ、作品にもやや穏やかな空気が感じられてくる。そして子どもの頃電信で遊んだ記憶から、ついに外部とのコミュニケーション手段を思いつき実行に移すクライマックス、しかしそれは結局、最後の希望を閉ざす結果をもたらすだけ。外光が閉ざされた上、白熱球すらも灯されていないラストシーンの虚しさに、戦争での死者数、負傷者数のテロップが重ねられ、たまらん気持ちにさせられたまま映画は幕を閉じます。 主人公個人が抱え込んでいた恐怖が、普遍化される瞬間でもあります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-01-30 07:16:32)《改行有》

1854.  アイアン・フィスト2 ん~。前作よりもちょいとお安い感じになってますかね。でもそれがかえって、前作よりもさらにカンフー映画「らしさ」にもつながっています。要するにこの、何とも田舎臭い感じ、そして懐かしい感じ、ですね。いつの時代とも知れぬ中国の、どことも知れぬ村で、横暴な「組長」に人々が虐げられており、そこにやってくるのが、鉄の拳を持つRZA様。前作と異なり、これといってスターが起用されていない本作、さらには肝腎の鉄拳RZA様の出番も控えめで、ますます地味になっちゃうのだけど、いやいやカンフー映画ってこんなもんでしょ~という気もしてきます。基本的には圧政に耐える、耐えてこそついに立ち上がった際のカタルシスも大きくなろうというもの。そうなりゃ後は血しぶき飛び散る残酷描写も花開き、さらには・・・おっとこれは言えない、バカバカしくも意外な展開も待っていて、乞うご期待。あまり期待せずに、ご期待ください。 ちょっと全体的に地味な印象を受ける理由の一つに、「ちょっとアクションにスピード感が無いんじゃないの~」というのがあるのですが、まあこれは、RZA様の動ける速度に合わせたのかも知れない(笑)、むしろここでは、“見得を切る”ような決めポーズのカッチョよさが見どころで。こんな感じで第3作も作ってほしいような、もう要らないような。 それにしても、あの採掘を行っていた洞窟、もしやホンモノの鍾乳洞で撮影して、まさかホンモノの鍾乳石をメチャクチャにしてたりは、しないでしょうね??[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-01-19 22:55:37)《改行有》

1855.  ザ・レイド 最初に隊長さんらしき人が、映画の設定をペラペラとセリフで説明してしまい、あ~あ、そういうのは少しずつ出し惜しみして見せてくれればいいのに、と一瞬思うんですけど、まあ、別に構わないかな、とも。何せ、百聞は一見にしかず、そんなセリフでの説明をはるかに超える過酷なバトルが、早々に繰り広げられます。しかも、単に主人公がひたすら敵と戦い続けるのではなく(いや、ひたすら戦いますが)、その後の展開には、思わぬ人物同士の関係、思わぬ裏切りがあり、設定に広がりをちゃんと持たせてくれています。本作の売りであるところの、終わりを知らぬかのような果てしなき格闘アクション、スピード感満点でありながら、戦いの過程をキチンととらえていて(昨今の「細切れカットで何やってるかわからん」大作アクション映画は見習って欲しいもんです)、見応えあります。刃物等を用いた戦いによる残酷描写なんかも、あくまで瞬間的な描写であるために、一種のスパイスとして嫌味の無い効果を上げていますし、実際、一連の描写はアイデアの宝庫とも言えるのではないでしょうか。[DVD(字幕)] 7点(2016-01-13 23:03:51)(良:1票)

1856.  黒い十人の女 《ネタバレ》 「好きな男性のタイプは、優しい人!」とか女性が言ってたとしても、別に、例えばお年寄りに席を譲るような男性が好きなわけじゃなくって、「この私に対して」優しい人、という意味なんでしょう。 さてこの映画。「名うてのプレイボーイに弄ばれた女たちが、一致協力して男に復讐するオハナシ」という体裁ながら、なかなかそうスムーズに事が運ばないところがミソ。復讐されるべき男ってのは、なるべく卑怯で狡猾で、できればマッチョな方が、復讐され甲斐もあろうかというもの、それが本作では船越英二なもんで、どうにも頼りない。この自分が殺されなきゃならないほど悪いことをしたか、と本人が思うのもごもっとも、こんな敵役には向かないフニャフニャ男を殺すオハナシなんて、まさにオハナシになりません。という訳で、事態は迷走を始めて。迷走すればするだけ、映画が「女優の演技合戦」みたいになっちゃうのが、チト重くもあるんですが。 何にせよ、現実では、殺されるなんていうのは悲劇中の悲劇、だけど映画なら、殺されて映えるキャラってのもある訳で、結局、「殺される価値のない男」は殺されることもなく葬られてしまう。 この「誰のためにもなってない」感って、何なんでしょうね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-01-07 22:52:18)《改行有》

1857.  ラン・オールナイト これも「子供のケンカに親が出る」系アクション映画でしょうかね。ちょっと違うか。 ジャウマ・コレット=セラ監督、リーアム・ニーソン主演とくれば、どうにも期待が高まってしまい、期待が高かった分「ありゃ?」と思ってしまうところもある本作。それでも十分に面白い。ラン・オールナイトと言うだけあって、夜の雰囲気がいい。でもリーアム・ニーソンはあんまし「走れる」ヒトじゃないなあ、と思ったのが『96時間』。この映画も、一晩中アクセク逃げ回る物語には、ならないですね。ダメ親父が、息子との距離をはかりつつ、敵から息子一家を守ろうとする。最初の方のゴチャゴチャした流れがあるポイントに収束して物語が動き出す、その時の快感というのが、一つの魅力なんですけれども、その後も、ゴチャゴチャ感が抜けきらないのは、ちょっと内容を欲張り過ぎたか。ラスト近くになり冒頭シーンに繋がってなお、もうひとつスッキリしないところがあります。・・・とかケチをつけるのも、欲張り過ぎですかね。 この監督&主演コンビで、これだけ毎回、趣向を変えてきて、いずれの映画でも楽しませてくれる。これは、さすがです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-01-04 07:37:35)(良:1票) 《改行有》

1858.  スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション ウチの子供たちはこのシリーズが大好きで、作品によってはレンタル屋で何度も借りさせられて困ってるのですが、そういうウケの良さでは、この第4作、これまでの作品に一歩譲る感じ。え~、結構、楽しんで観てたやんか、お父さんはこの第4作も楽しかったのになあ。 まあ確かに、前3作からは製作時期が離れていて、主人公たるスパイキッズの子役も代わり、何かと雰囲気の変わるところもあるのだけど(同じところもあるのだけど)。で、前3作ってのは、子役が子役であり得る短期間にまとめて製作され、特に第3作は「とにかくみんな集まれ!」という3部作総決算(ノリとしてはあまりそう感じられないけど)のようなラストだった、それがある意味この第4作にも投影されていて、時を経て「子役でなくなった子役」が、ここに呼び出されて新しい子役と対面させられるんですね。大人になってしまえばもう子供には戻れない、でも(だからこそ、というべきか)本作のテーマは、その失われた時を取り戻そうとするオハナシ。バカバカしい荒唐無稽さを楽しみつつ、結構キツイものも感じちゃったりするのよね・・・[DVD(吹替)] 7点(2015-12-26 17:13:03)《改行有》

1859.  刑事物語 《ネタバレ》 シリーズ第1作、ハンガーヌンチャク誕生秘話(という程でもないけど)が描かれてます。そう、この武器はたまたま敵の商売道具としてそこにあったもの。これがもし、敵の商売がほかのもの、例えば・・・すみません、面白いコト何も思いつきませんでした。 それはともかく、ユーモアあり、アクションあり、涙ありの、娯楽作品、にしては少々モッチャリしたところもありますが。それでもこの作品、物事の「微妙な境界」という事に関しては、よく押さえています。例えば、“個室付き特殊浴場”を取り上げることで、性的な要素を描いておりますけれども、不幸にも風俗産業に身売りされ不本意に働かされているヒロインを描く一方で、必ずしも不幸一点張りでもない(むしろある種の自信すら感じさせる)ヒメコさんという風俗嬢も登場させてみたり。片山刑事が女子高生に説教とも懇願ともつかぬ語りかけを行うのも、倫理というべきなのか、それとも単なる願望というべきなのか。ヒロインに喫茶店の仕事を進める際、片山は、(風俗店と違って)キチンとした真面目な仕事、と言うのだけど、風俗が不真面目であるかのような言い方の一方で、風俗に救いを求める片山の姿もあったり。しかし、必要悪として風俗産業を全面的に認めてしまえば、その先にはやっぱり様々な不幸が生まれるだろう、ってのが今回の事件でもある訳ですね。 世の中、そういう線引きの難しさってのがあり、ときにはその境界において矛盾とも向き合わねばならないこと。本作では、もうひとつ大きな問題が取り上げられていて、障がい者であるヒロインと、彼女を思いやる片山刑事とが、描かれるのですが、相手を思いやる気持ち、支えてあげたい気持ちというものが、どこまで相手を尊重することでありえるのか。これについては、ラストの片山の、一抹の悲しみを湛えた祝福と反省の言葉によって、作品のもうひとつのテーマであったことに気づかされます。いい映画です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-26 16:13:41)《改行有》

1860.  炎のごとく(1981) 主人公の会津小鉄を演じる菅原文太、関西弁のイントネーションがおかしいんですけれども(かつて宮城米のCMにも出てたように、宮城出身)、それがかえって、武骨なバイタリティを感じさせちゃったりもするのです。その主人公のエネルギッシュな生き様を軸に、平和だった京の街が無法地帯のようになっていく激動の幕末が描かれます。脇を固める俳優陣が豪華なのも楽しいところですが、中でも、なんとなんと、あの松竹新喜劇の藤山寛美と、あの吉本新喜劇の岡八郎とが、カラミこそ無いとは言え、ひとつの作品に登場するという、まさに豪華さもここに極まれりと言えましょう(なんのこっちゃ)。 それにしても、2時間半と長めの尺ながら、エピソードを密度高く描きこんで、お腹いっぱいになっちゃうのですが、それなりに大団円を迎えるラストで、すべてを覆すような不穏な空気が漂っていきなり作品が終わっちゃう点。これが一番の驚きでした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-26 13:22:33)《改行有》

030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.88%
41614.15%
53619.31%
663316.32%
7122431.56%
888822.90%
93749.64%
101012.60%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS