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1861. CUBE ZERO<OV> 《ネタバレ》 『CUBE』の特色は、世界の説明を全て省略したこと。その結果、極限の人間描写と脱出の謎解きのみの“オイシイところ取り”が出来ました。おまけに説明の無い部分を観客に想像させることで、実態以上の“得体の知れない雰囲気”を生みだすことに成功しました。本作は『1』で省略した部分を補完した作品。『ZERO』と『1』を足して、『CUBE』の世界が判明するという仕組みのようです。でも先に述べたように、『1』が“オイシイところ取り”ならば、『ZERO』は出涸らしのようなもの。旨味は『1』で出し切ってしまっているように感じました。ちなみに『2』はスルーして本作を鑑賞したので、『2』を観るとまた違う感想を抱くかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 3点(2007-04-21 18:54:33) 1862. ユーズド・カー 《ネタバレ》 粗悪品を騙して売るつける店VS真っ当な中古車販売店。面白いのは、悪どい店の方が主役なところ。こんな店、消費者としては許せません。でも自己責任を問うお国柄ゆえか、意外と腹は立ちません。この程度の騙しは許容範囲。そういう意味での懐の深さをアメリカには感じます。主役が悪である以上、敵役には更なる悪になってもらわないと困る。というわけで、ライバル店は人殺し(!)までしちゃいます。これは酷い。極悪です。ただ流石にやり過ぎ。かなりひきました。その後もやり過ぎエピソードばかりで、笑っていいのか微妙な感じが続きました。ただ終盤にきて盛り返します。中古車250台の大移動。土煙を上げて荒野をひた走るオンボロカー。このバカっぷりは好きです。終わり良ければ全て良しってな感じで、結果的にはアリな作品。ただ、上手く倫理観のスイッチを切らないと、楽しめないかも。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-04-20 18:22:01) 1863. トレマーズ 《ネタバレ》 クリーチャー系パニック映画のお手本のような作品。救援を期待できない陸の孤島。相手は得体の知れない化け物。でも生物だからちゃんと殺せる。弱点があるから戦える。でも狡猾で、まともにいったら勝ち目は薄い。設定の加減が絶妙です。相手が強大すぎると戦う意欲は失せますし、逆に弱いと物足りない。相手に分(ぶ)がある中で、如何に工夫して戦うか。冒険心を実にくすぐります。それに人間描写も的確。とくにガンマニア夫婦。自慢の銃のコレクション。チャンスがあるなら何としても撃ちたいし、有事のために備えた水や食べ物だから、こんな時にこそ使いたい。おまけに窮地に陥った原因を他人のせいにしちゃう。とことん人間の本質を突いています。本来ならサスペンス・ホラー寄りになっておかしくないお話を、コメディタッチに清々しく仕上げた手腕はお見事。敵の能力判明後、死者がほとんど出なかったのも上品です。まさに愛すべき作品。カテゴリ的にはB級もB級ですが、これは一級品です。[DVD(字幕)] 8点(2007-04-19 18:01:01)(良:2票) 1864. 間宮兄弟 《ネタバレ》 間宮兄弟からは、すごく“童貞”臭を感じます。おそらく2人ともそうではないでしょう(もちろん物語の設定的にね)。でも童貞気質は経験のあるなしじゃない。持って生まれた性質。何人の女と寝ようとも童貞っぽい男もいれば、幼稚園児でも、“コイツ絶対将来女に不自由しないな”という子供もいる。(これ某ラジオDJの受け売りです。自分も同意。そして自分、童貞気質バリバリッス。)生きるスタンスの問題。そこで“もてる”ということについて考えてみました。多分この言葉の前には、“多くの女から”という注釈が付くのだと思います(ノーマルなら)。“もてる”とはそういうこと。本作のもて男は、佐藤隆太とフランスに行った彼。2人に共通するのは、彼女が人生の優先順位において1位ではないこと。最優先ではないから、適度に付き合える。仮に別れても致命傷は負わない。だから複数の女性とお付き合いが出来ちゃう。う、うらやましー。(沢尻嬢や北川嬢を振るなんて考えられないと思った人は、きっとお仲間です。)間宮兄弟はもてない。多分ずっともてない。でも愛されないわけじゃない。たった1人に自分の良さを気づいてもらえればいい。多分間宮兄弟は気づいてもらえるんじゃないかと思う。そうする努力を放棄していないから。間宮兄弟みたいな生き方も悪くないなと思いました。少なくとも自立しているし。ただ物語としては、ちょっと食い足りないです。現状の肯定だけでなく、その一歩先が見たかった。なお常盤貴子の2度にわたるお色気交渉術には笑いました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-04-18 19:34:08) 1865. トランスポーター2 《ネタバレ》 これはちょっと凄い。前作よりも数段アクションがパワーアップしています。皆さんご指摘のように、車の底に張り付いた爆弾の剥がし方凄すぎ!それまでも相当ぶっ飛んだカーアクションを披露していましたが、このシーンで一気に常職の針が振り切れました。あとはどんな展開になってもOK。そういう作品だから。物語はシリアス。でもアクションはどこまでもおバカ。そう“おバカー”アクション。とことんエンターテイメントにこだわった姿勢は、清々しいです。こんな何でもアリな作品をしっかりと引き締めているのが主人公。ダンディズムの中に垣間見られるオチャメさがステキです。(あと声が最高)。惜しむらくは、前作でふんだんに見られた足技が少なくなってしまったこと。でも十分満足しました。続編を期待します。本当に意味のないセクシーサービスにまんまとはまって+1点です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-04-17 18:39:00) 1866. アンジェラ(2005) 《ネタバレ》 主人公は、自分がダメな人間だと知っています。短所についてはよく分かっている。でも長所については気付いていません。いや“気付かないように”していると言ったほうが正しいのかも。窮地に追い込まれたのは、“自分がダメだから”。一見自己責任を認めているよう。でも違います。ダメが故に失敗した。つまり失敗しか在り得ないのなら、もはや自分に責任はありません。必然だから。これは自虐的だけど、本当は凄く“楽な心のあり方”なんだと思います。でも決して心は満たされません。彼はアンジェラによって、本当の自分と向き合います。アンジェラは彼自身だという。彼のあるがままを映し出す鏡。短所も長所も含めて自分を認めることから、自分らしい生き方がはじまる。それが本作のテーマだと思います。そしてもう一つ大切なこと。それはアンジェラが地上に残った意味です。アンジェラが天に戻ってしまったら、彼女の存在は無かったことになってしまう。主人公が束の間見た夢。でも彼女は間違い無く存在しました。これが重要だと思います。大切なことに気付いただけでなく、2人で行動したことに意味がある。今在る自分は、生きてきた(行動してきた)結果の積み重ね。笑ったり、悩んだり、泣いたりしてきた自分の選択だから、信じなきゃならない。それが自分を偽らないこと。そして自分らしく生きること。「自分は何処から来たのか分からない」と泣くアンジェラ。ずっと誰かの鏡であり続けてきた彼女。常に主体ではありません。積み重ねてきたものが無いから不安なのです。彼女はこれから積み重ねていけばいい。物語は起伏に乏しく、問題の解決の仕方には無理があります。気取った演出も鼻につく。でも大目に見ようと思います。主人公は、自分自身だから。(あんなに純粋じゃないですけど。)恥も外聞もなくアンジェラにしがみついたアンドレ。カッコ悪いけどカッコイイ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-04-16 18:02:43)(良:2票) 1867. 恋は五・七・五! 《ネタバレ》 学園が舞台の大人気フォーマットを利用した作品。ですからある程度の面白さというのは保障されているようなもの。この系列が好きならば、大ハズレはありません。あとはキャラクターと題材でどれだけ独自の色を出せるか。俳句というチョイスはGOOD。イマジネーションを刺激されます。(俳句のイメージを変に映像で見せようとしなかったのが正解。)事実、いい句が多く爽やかな気持ちになれました。ただ画的には地味だし、「俳句甲子園」のルールがちょっと好きになれませんでした。(でも現実に存在する大会なんですよね。)キャラクターについては可もなく不可もなくといったところ。それでも関めぐみの正統派美人ぶりには驚きました。『笑う大天使』では、さほど印象に残らなかったのですが、要チェックですね。ただ、大ハズレが無いということは、大アタリも無いということ。こじんまりとしたところが良くもあり、つまらなくもあり。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-04-15 00:57:51)(良:1票) 1868. スパイキッズ 最初から最後まで、これは映画ですよ、フィクションですよと言われているよう。少なくとも登場人物たちには必死(本気)になって欲しいと思う。そうでないと、観ているこっちがバカみたいです。こういうお話ですから、ミラクル連発でも予定調和でも全然構いません。でも目的を達成するための努力の過程なくしてカタルシスは生まれません。続編が出来たくらいだから、本作は好評だったのでしょう。スパイアイテムは確かに魅力的だし、アバンギャルドなキャラクターたちも目を惹く。でもそれは表層の満足感。子供たちには、コレで満足して欲しくないと思います。“胸が躍る”っていう感覚は物語に潜らないと味わえない。[地上波(吹替)] 4点(2007-04-14 17:52:49)(良:1票) 1869. 最後の海底巨獣 《ネタバレ》 自分は公開当時のVFXの標準的なレベルというものを知りません。『ゴジラ』も未見です。当時の特撮作品で観ているのは『アルゴ探検隊』くらい。なので本作のVFXがショボイのか頑張っているのかの判断がつきません。ですからこの部分には言及しませんが、それでもB級感バリバリの作品であるのは間違いないようです。本作はパニック映画。その元凶は蘇った恐竜です。でも扱いは恐竜というよりも怪獣に近い。みんな怯えすぎ。さらに面白いのが、恐竜と一緒に蘇った石器人。いろんな意味で在り得ない存在なのですが、彼が本作のキーパーソン。主役以上に目立っていましたし、意外とナイスガイでした。全体的な完成度は低調だと思いますが、こういう作品はなぜか憎めません。GJ連発の石器人(ケイブマン)に+1点です。[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-04-11 18:13:07)(良:1票) 1870. B型の彼氏 《ネタバレ》 タイトルから想像できる、そのまんまの内容。気ままなB型の彼氏に振り回されるA型の彼女のお話。この手のラブコメは、いかに主人公に共感できるか、2人を応援できるかがポイント。でも正直どうでもよかったです。当人同士がそれで良ければイイんじゃないの?って感じでした。主役2人のキャラクターに魅力を感じず、ずっと他人事でした。韓国映画ならではの濃いエピソードもなく、2人の成長という部分もイマイチ。結論的には、”恋愛に血液型なんか関係ないわ”。あと”対等な立場でないと続かないの”て事を言いたかったみたいです(当たり前だけど)。「猟奇的な彼女」の男版を期待したのですが外れでした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-04-10 18:00:38) 1871. サウンド・オブ・サンダー 《ネタバレ》 架空の設定にツッコむのは野暮だし、そもそも面白ければそれで良い。タイムトラベルは、そういうジャンル。それが分かっていても言いたくなります。「ありえねえ」と。それくらい本作のロジックはぶっ飛んでいます。”時の波”に”スリングショット”。マジでヤバイ。物語は「風が吹けば桶屋が儲かる」のスケールでかいバージョン。見所は今とは違う進化を遂げた生き物たち。それなりに面白いのですが、もっと種類を見たかったし、どうせならその進化の過程を見せて欲しかった。CGのショボさも手伝ってB級感は相当強いです。ただ、B級の楽しみ方が分かっているならば、結構楽しめると思います。[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-04-09 18:30:39) 1872. アイランド(2005) 《ネタバレ》 一言でいえば大味。それを強く印象づけるのはアクションシーン。つまり企業側のトラブル対応の悪さに起因するものです。秘密裡に処理しなければならない案件なのに、ドンパチやるのは不自然です。映像の煩わしさも個人的にマイナス。でも、設定、物語のディテールは決して粗くはありません。人の部品を採るための製品。製品にも人生を与えなくては、品質は良くならない。製品にはオリジナルの記憶がある。記憶の保存場所は脳だけではないということ。これらから読み取れるメッセージは何か。ミラクル連発。“九死に一生”の行き過ぎた展開。これは「君たちは神に愛されている」という台詞を言わせたいがため。神に愛されている彼らは何者か。「それが命の値段なら安いものだ。」「人は生きるためになら何でもする。」印象的な台詞も多いです。(「どんな世界でも女にカードは持たせるな」が一番ですけど。)クローン、脳死、臓器移植。本作のファクターは“人の”生の根元に関わる問題ばかり。軽々しく扱えるものではありません。でも考えなければならないこと。本作がこれらの問題提起を目的としているとは思えません。でも、そのきっかけに“してはいけない”ということはない。少なくとも自分はこの問題について考えました。それだけでも本作には価値があるかと。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-07 21:57:28)(良:2票) 1873. スチュアート・リトル2 《ネタバレ》 前作は、ギリギリ現実の世界観の中でのお話だったと思います。それは現実のルール(人と動物は喋れない)の例外ケースがネズミだけに限定されていたから。しかし本作ではその例外が鳥にまで拡大されます。例外が増えると、もはや例外ではありません。この調子だと、いつ花が喋りだしてもおかしくない。ハッキリとファンタジーです。むしろその方が割り切って楽しめました。スチュアートの小さな恋とでっかい冒険の物語。ただ、前作から共通しているテーマ“家族愛”については本作も浅いと感じました。あれだけ無茶をした子供に対して、親はどんな気持ちになるのか。それをきちんと描いて欲しいと思いました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-04-06 20:05:16) 1874. スチュアート・リトル 《ネタバレ》 本来人間の子供が演じる役回りをネズミに置き換える。この力技を違和感なく観客に納得させているのは、ネズミというチョイスが絶妙だからだと思います。ネコやイヌではこうは行かない。世界観をファンタジーに逃げるのではなく、あくまで現実世界の中でコレをやっている。結構スゴイと思いました。(注:あらゆる動物が人間と会話するのであれば、完全なファンタジー。でも本作は、ネズミのみに例外を認めている。ですから本作の世界観は“現実”と考えます。)主人公をネズミにしたことでコメディの要素を生み、楽しい作品に仕上げています。その手際はお見事。ただ設定とは裏腹に描かれる物語はどこまでも現実感を欠きます。家族愛。偏見を失くすこと。美しいテーマは垣間見えます。しかし心を捉えません。実の子を亡くしたとき、ネコを亡くしたとき、スチュアートを亡くしたとき。あの一家は同じように泣くのだろうか。偏見を失くそうというメッセージもそう。偏見とは、壁の無いところに壁を立てるようなもの。本作では逆に、在るはずの壁を無いものとして扱っています。両方とも結局は同じこと。“違い”を誤魔化すのは偏見と同じくらい危ういことです。ただサラリと表面だけを楽しむには最適な作品だとは思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-04-05 19:57:36)(良:2票) 1875. 名探偵再登場 数多くの名(?)探偵が登場した前作には、華やかさの点で本作は及びません。しかし会話の楽しさは堪能できました。この部分は前作よりも優れていると思います。主人公をはじめ登場人物の口から出る言葉に、まともな受け答えはありません。流れるように相手の問いかけを受け流す。ジョークによるかわし合い。まるで会話でダンスをしているようです。ただ、“ウィットに富んでいる”というよりは、“下世話な冗談”に近い。でも不思議と下品とは思いませんでした。“大人の会話”というやつ。もし日本で本作をリメイクするなら、「オヤジギャグ」の応酬になるのかな。自分は「オヤジギャグ」肯定派ですが、観てみたいような、観たくないような。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-04-04 20:30:56) 1876. トランスポーター 《ネタバレ》 結論から言うと“アリ”なのですが、予想以上におバカ映画だったのに驚きました。主人公はルールに厳しいプロの運び屋。それに寡黙な男。口を開けば渋い声。スタイルも抜群。文句なくカッコイイのですが、自ら決めたルールを破ったあたりから様子が怪しくなります。予約の無い仕事を請け負ったり、誘われるままに素性の分からない女と寝てしまったり。意外とうっかり屋さんです。当然の如くトラブルに巻き込まれていく主人公。終盤に至っては、プロでもなければ運び屋でもありません。でもダサくならないから素敵。足技にこだわったアクションもめずらしく、観ていて楽しいです。(基本的に“殺さない”姿勢も良い。)言うならば、カッコおバカ作品。こんなのも結構スキです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-04-02 21:20:22) 1877. グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 モンスター系パニック映画の常道を覆し、のっけからその姿を露にするグエムル。この登場シーンが秀逸です。橋桁にぶら下がる謎の物体。姿を見せることと正体を現すことは別。「何だアレ?」という疑問と同時に、生き物としての勘が自分に訴えかけます。何かヤバイものだ!序盤からのハイスパートでつかみはOK。娘の遺影を前にして泣き叫ぶ家族。涙を誘うシーンなのに笑えてしまう。シリアスにならざるを得ないお話なのに、あくまでも“娯楽作品”。クライマックスの決闘はもちろん、グエムルの巣から脱出を図るヒョンソなど、力が入る見せ場は多いです。それに多少強引な展開でも納得させられます。何故なら娯楽作品だから。でもラストには驚きました。本作の流れを考えれば、ヒョンソは助かって然るべき。だのに、こんなに悲しい結末にするなんて…。彼女の死は無駄ではなかった。それがせめてもの救いなのでしょう。でもやっぱり子供が死ぬのは切な過ぎる。こんなときに奇跡が起きなくてどうするの!それがフィクションの特権なのに!いや、後日談でナムジュが食卓にいないのは、長期入院しているヒョンソの付き添いをしているから、と考えることにしよう。物語の解釈は観客それぞれに委ねられている。それは観客に与えられた特権です。[DVD(字幕)] 8点(2007-04-01 20:02:19)(良:2票) 1878. 妖怪大戦争(2005) 《ネタバレ》 荒木飛呂彦のマンガから抜け出たようなルックスと身のこなしの栗山。『シムソンズ』の時より数段カワイク見える高橋(隣にローサがいないから?)。有名人も数多く出演しており、それなりに楽しめます。(ただギャグは好みではありません。)本作で描きたかったのは妖怪が大挙して押し寄せる場面。宮迫が叫んだ「妖怪大戦争だ!」という言葉に全てが集約されていると思います。だからでしょうか、ストーリーはあって無いようなもの。オチの付け方なんかとくにヒドイ。子供の観客を意識しているとは思えない、やりたい放題ぶりです。というよりも、子供の観客にも本作の主人公と同じく成長を促しているとみるべきか。大人になることは、自分の無力さを知るということ。今まで見えなかったものが見えるようになり、代わりに見えていたものが見えなくなるということ。それは正しいと思いますが、それを本作から読み取れる子供がどれだけいるのか疑問です。少なくとも自分が神木くんくらいの時は、もっと小さな価値観に縛られていましたね。少年の成長、消費社会に対する警鐘、反戦。意外なほど多くのメッセージを内包する本作。でも少々詰め込みすぎの印象。潔くおバカ映画に徹したほうが観やすかったと思います。[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-03-31 00:06:33) 1879. 回転 《ネタバレ》 女幽霊が出現する場面は、ほとんど引きの画のみ。彼女がどんな顔なのか最後まで分かりません。クライマックスで、どーんとおどろおどろしい顔のアップ!そんなホラーに慣れた身としては、逆に新鮮でした。この例に限らず、“目を背けたくなる”描写は一切なし。でも常に不穏な空気を醸し出す演出はお見事でした。言葉はオブラートに包まれているので、直接的な生々しさはありません。でもよく考えると結構ハード。濃い内容を上品に仕上げてあったと思います。ただラストについては不満(疑問)が残ります。何故主人公は、子供たちに霊の存在を意識させることで、問題を解決しようとしたのでしょう。子供たちが、妄想に捕らわれているだけなら有効な方法かもしれません。でも彼女は霊の存在を確信していたはず。その選択が理解できませんでした。それに結末も唐突。後味の悪さよりも、オチの付け方としてしっくりきません。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-03-30 22:26:35) 1880. 少林寺木人拳 小学生くらいの時、よくテレビで観ました。勿論吹替え版を。大好きでした。懐かしくなって20年(以上!)ぶりにDVD鑑賞をすることに。吹替え版が入っていたのに石丸博也さんじゃありませんでした。激しく残念。各場面、ああなって、こうなってと克明に記憶していたのには、我ながら驚き。ただ、演出音楽がほとんど無いのにまたビックリ。記憶の中ではドラマチックな音楽が流れていたのに…。おそらく他作品と混同しているのでしょう。ジャッキーのカンフーアクションは練られた型の魅力。木人のギミックは漫画的。でもそれがたまりません。凝ったストーリーは要りません。ジャッキーのカンフーアクションが楽しめればもう満足なんです。[DVD(吹替)] 8点(2007-03-29 19:15:05)
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