みんなのシネマレビュー |
|
1881. エリザベス:ゴールデン・エイジ 前作の「エリザベス」と比べたら数段落ちるのではなかろうか。前作は歴史ドラマとして見ることができたが、これはもう歴史ドラマではない。歴史に沿っているのは、メアリー女王を処刑したことと無敵艦隊を破ったことくらい。エリザベス1世の内面を捕らえたものかもしれないが、英国万歳だけを叫んでいるようにすら思える。ケイト・ブランシェットの健闘には悪いが・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2011-07-27 15:49:41)《改行有》 1882. エリザベス 何と言っても主演のケイト・ブランシェットがすばらしい。「ゴールデン・エイジ」を見るためには、まず前作をと思って見たのが正解だった。 エリザベスがさまざまな困難と障害を乗り越えて、女王の道を歩んでいくのがよくわかる。「ゴールデン・エイジ」でも思ったが、ブランシェットなしでは成り立たなかった映画という気がする。 この映画は音楽もまたすばらしい。エルガーやモーツァルトの音楽やもっと古い時代の曲を使って、見事に雰囲気作りをしている。 この映画以降、中世の英国を中心にした欧州の歴史に興味を覚え、これに関連する映画もたくさん見るようになった。それでもまだわからないところがたくさんあり、もっと理解できるようになると私自身のこの映画に対する点数も1~2点アップすると思う。[DVD(字幕)] 7点(2011-07-27 13:06:40)《改行有》 1883. シザーハンズ 《ネタバレ》 人は相手を心から愛するようになった時や、相手と喜びを分かち合いたくなった時、自然と抱き合いたくなるものではなかろうか。しかしハサミの手を持つエドワードはそれができなかった。 キムから愛を打ち明けられた時、彼は自分を作ってくれた博士のことを思い出す。博士は彼の一足早いクリスマスプレゼントに、「手」を用意してくれた。これさえあればエドワードは完全な人間になることができる。博士と抱き合って喜びたかったろう。しかしその瞬間博士は、顔をゆがめ倒れ込んだ。そしてエドワードのハサミには血が付いていた。 手がハサミというのは、大変便利な時もある。人は巧みにそれを利用した。しかし、愛する人を抱けないということは何と悲しいことだろうか。 映画の最初の方はエドワードの顔がとても気味悪く思えて、好きになれなかったが、純粋な心に触れているうちにだんだん気にならなくなっていった。[DVD(字幕)] 9点(2011-07-26 21:22:14)(良:1票) 《改行有》 1884. バーバレラ 昔々若かりし頃、悪友からジェーン・フォンダの○○○が拝めるというので一緒に見た映画。友人はとてもはしゃいでいたが、私はがっかりだった。よくまたくだらない映画ができたものと感心した。[映画館(字幕)] 3点(2011-07-26 15:36:18) 1885. 秀子の車掌さん 何という社長だ。運転手と車掌が会社を何とかして発展させようと懸命に頑張っているというのに。あのラストには腹が立ってしまった。プンプン! 若い高峰さんを、ほんとにほんとに偶然に見てしまった。こういった映画は、貴重だと思う。他にもこういう昔の隠れた名画があれば、どんどんDVDにしてほしい。 もう一言、この映画の1941年は太平洋戦争突入の年、それをまったく感じさせないこののどかさは何なのだ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-26 13:22:49)(良:1票) 《改行有》 1886. 続・エマニエル夫人 性をタブー視する傾向は今でもあるが昔はことさらひどかった。下品なもの、猥褻なものと考えられ、3本立て成人映画と同レベルに扱われたこともあった。この「エマニエル夫人」のシリーズはまさにそういう意識の変革と性の解放(特に女性向けの)だったと思う。 この続編は、前作のあの有名なポスター写真を撮ったフランシス・ジャコベッティによるもので、エマニエルは磨きがかかっていっそう美しくなっている。場面の変わりが早くうっかりすると筋を見失ってしまいそうになるが、センセーショナルだった前作に比べ落ち着いて見ることができる。 [映画館(字幕)] 5点(2011-07-26 10:07:01)《改行有》 1887. エマニエル夫人 自由奔放なSEXを描いているということで、当時大変な話題になった映画。しかし私を初め興味本位で見た多くの人は、満足できなかっただろうと思う。 ストーリー自体もバラバラでまとまりがない上に、映画が何を言いたいのかもわかりづらかった。おそらくは「性の解放」をめざしたものと思われるが、もっとわかりやすく描くべきではなかったろうか。主演のシルビア・クリステルも洗練されてなく、引きつける魅力に欠けていたと思う。[映画館(字幕)] 5点(2011-07-25 19:04:33)《改行有》 1888. チャタレイ夫人の恋人(1982) 英国で問題となり日本でも裁判沙汰になった「チャタレイ夫人の恋人」しかし取りざたされたのは原作の小説であり、日本語の訳文である。日本ではすでに英国で解禁になっていた小説が、猥褻だということでカットされ訳者は有罪となった。今では到底考えられないが・・・。 映画の方はというと、主演のシルヴィア・クリステルらがすでに「エマニエル夫人」などの映画に出演し、70年代さかんに上映されていたので問題はなかったと思う。 ただしその頃は問題の箇所には、ぼかしが入っていた。今DVDで見るとぼかしも入っていない。昔と今とではヘアーが解禁になったりするなど、ずいぶん違うものだ。 ストーリーはどうかというと、純文学らしくはっきりしていると思う。 この映画はエロティック云々というより、身分や階級に縛られた慣習を打破することの方が意味があるように思う。女性を子どもを産む機械のように考える人は、最近の日本の政治家の中にもいたようだがとんでもないことだと思う。[映画館(字幕)] 6点(2011-07-25 17:36:54)《改行有》 1889. 北北西に進路を取れ ちょっぴり「シャレード」に似ていて(似ているのはケーリー・グラントだけか)、それよりも断然おもしろい。ヒッチコック映画の最高峰と言ってもよいだろう。 実は最初見た時は、ロジャー・ソーンヒルがなぜ間違えられたのか見落としていた。だから何か訳がわからないうちに話が進んでいったのだが、それでもおもしろかった。 DVDで改めて見てみると、間違えられた訳だけでなく、ほかの部分でも見落としや感違いがあったことに気づき、改めてこの映画が良くできていることに感心した。 随所にユーモアが見られ、サスペンスの緊張感とバランスが取れていると思う。一番笑ったのは、競売シーン、おおまじめなとこらが何とも言えない。[映画館(字幕)] 8点(2011-07-25 14:16:10)《改行有》 1890. 酔いどれ天使 飲んべえであっても、かわいそうな人たちに尽くす医者の物語かと思って見たが、つまらないヤクザ映画だった。こういう自分を大切にせず、強がる男は大嫌いである。 台詞も早口で怒鳴っているだけか、ぶつぶつと喋るかで聞き取りにくい。唯一救いだったのは、笠置シヅ子のブギを歌う姿が見れたこと。[DVD(邦画)] 3点(2011-07-25 05:29:48)《改行有》 1891. 清作の妻(1965) 若尾文子主演増村映画の「妻は告白する」と並ぶ名作。女性の愛する男への想いは、こちらの方が更に強烈、強烈であるが為に思わぬ行動を取ってしまう。 そして、目を潰されて初めて今まで見えてなかったものが見えてくる。忠臣愛国の模範軍人よりも、もっと大切なものが・・・。[DVD(邦画)] 8点(2011-07-24 20:41:43)《改行有》 1892. 妻は告白する 《ネタバレ》 若尾文子主演増村映画の代表作だけあって、さすがに文句の付けようがない。不幸な結婚をした女性が、自分に優しくしてくれる男性を好きになったとして、どうして責められよう。必要以上におもしろおかしくかき立てるマスコミや非難の目で見る周囲の者たち、そうした裁判の中で「緊急避難」が適用され無罪となるがこれは当然の判決であろう。被告の差し迫った状況は第三者ではわからない。検察側の言うように、その瞬間殺意が芽生えたとしても、証明のしようがない。 しかしこの映画の真価は、その後からである。川口浩演じる恋人から何度となく真相を追求された時、本心を告白してしまう。人を殺してしまう人が人を愛せるのかという川口浩に対して、それほどまであなたを助けたかった、本当に愛していたのはあなただった。女の情念を見事に演じきった若尾さんは大変すばらしい。 しかし納得がいかないのは、なぜベテランの登山家でもある夫が、なぜ何のために危険な登山に二人を誘ったかである。[DVD(邦画)] 7点(2011-07-24 09:36:51)《改行有》 1893. 若者の旗 《ネタバレ》 シリーズの最後を飾るのにふさわしい。今まで目立った活躍がなかった末男が、大学受験失敗後、モーレツ社員に変身し社長の姪に恋する。 例によって会話が多く、それが激論になり、ちゃぶ台を引っ返したり物を投げたりの喧嘩に発展するが、本音と本音がぶつかり合うところにこの映画の魅力がある。 若者たちが自分自身の生き方を求めて歩み続ける姿が、シリーズを通じての主題曲「空にまた陽が昇るとき」によって綴られ、心にしみ渡る。[DVD(邦画)] 7点(2011-07-23 08:51:15)《改行有》 1894. 若者はゆく -続若者たち- 《ネタバレ》 「若者たち」の続編があることを最近知りDVDで鑑賞したが、内容も登場人物も前作を引き継いでいてまさに続編である。 高度経済成長の中にあって生産第一に邁進する大企業、人権無視に苦しみ翻弄される労働者。社会の矛盾と戦いながら、主役の兄弟たちはお互いの想いをぶつけながら成長していく。考えさせられる場面が多々あるが、強く生き抜くことが主題なのだろう。 今では考えられないことだが、三郎の就職試験の場で己の思想信条が問われている。上手に繕う者が合格し、正直な者が不合格になる。腹立たしくもあったが、それが大企業なのか。その面接試験の中で、最近亡くなられた原田芳雄さんが端役で出演されていた。合掌。 [DVD(邦画)] 7点(2011-07-22 23:38:50)《改行有》 1895. クレオパトラ(1963) 世紀の美女を世紀の女優が演ずるということもあって、大変な話題になった映画である。しかし映画が壮大な歴史スペクタクルであるにも関わらず、評判は必ずしも良くなかった。それは撮影期間が長引いたのと、巨額の費用を要したからであろう。 映画会社の経営を危機に貶めたこの映画は、費用に見合う興行成績を伴わなかったために失敗作とまで言われたが、私はそれは当てはまってないと思う。十戒やベン・ハー、天地創造と並ぶ歴史劇の名作だと思う。 戦前のデミル監督の「クレオパトラ」は、非常にまとまったコンパクトな映画であったが、マンキウィッツの「クレオパトラ」はどこまでも、壮大であり華やかである。しかもクレオパトラを美女としてだけでなく、深い愛情の持ち主として表現していると思う。それだけに見終わった後の感動が大きい。 またマンキウィッツは本来「シーザーとクレオパトラ」「アントニーとクレオパトラ」の2本の約6時間にも及ぶ長大な映画を考えていたらしい。しかし、それは観客が長すぎて敬遠してしまうということで、4時間の1本の映画に改変され、さらに上映時には3時間あまりにカットされてしまった。 私が最初見たのはこの3時間にカットされた短縮版であったが、DVDになって元の4時間版を見ることができた。どこがどう短縮されていたのかは今となってはわからないが、クレオパトラのスフィンクス像に乗ったローマ入場シーンをもしカットしたとしても話は繫がるが、それでは大変味気ないものになってしまうだろう。映画とはそういったものだ。 [映画館(字幕)] 7点(2011-07-22 12:06:00)《改行有》 1896. クレオパトラ(1934) 後のエリザベス・テイラーの「クレオパトラ」と比べるとコンパクトであり、よくまとまっていると思う。(1930年代前半にはカラー映画は存在せず、上映時間も2時間以内がほとんどであった) 史実にどれだけ忠実であるかはよくわからないが、クレオパトラとシーザー、アントニーの関係を実に良く描いていると思うし、映画の流れもスムーズでわかりやすい。 またカラー映画には及ばないが、モノクロとしては最大限に華やかさも出していると思う。[DVD(字幕)] 7点(2011-07-21 07:59:12)《改行有》 1897. マイ・フェア・レディ 《ネタバレ》 映画「マイ・フェア・レディ」の誕生までには、少しばかりの歴史がある。元々はギリシャ神話の「ピグマリオン」それを劇作家バーナード・ショーが舞台劇にし、映画化も行った。バーナード・ショーの死後、ミュージカル「マイフェア・レディ」が誕生し、映画化されたのがこの映画である。 私は、ミュージカルも見て、原作の「ピグマリオン」も見たが、筋書きはどれもほぼ同じである。戯曲「ピグマリオン」がどれほどのものだったか知るよしもないが、映画「ピグマリオン」はアカデミー賞の候補にもなった。しかし、モノクロだからかもしれないが大変地味である。 それに比べるとミュージカルは当時のロングラン記録を作るほどの好評であったし、映画「マイ・フェア・レディ」は満を持して登場しただけに、歴史に残る名作となった。 何と言ってもエキストラの数が多く、1シーンしか出ない登場人物まで豪華な衣装である。華やかさこの上ない。主役のヘプバーンに至っては目が覚めるほどの美しさである。このヘプバーンの出で立ちだけでも、絵になる。 音楽や歌もミュージカルも映画も全く同じで、大変なじみ深い。「踊り明かそう」「スペインの雨」を初め、口ずさみたくなるほどである。 DVD特典の中にあるヘプバーン自身の歌も聴いたが、なかなか味があってすばらしい。おそらく全曲吹き替えなしでも可能だったと思われるが、この頃のミュージカルは「王様と私」も「ウェストサイド・ストーリー」もすべて吹き替え本職のマニー・ニクソンが歌っている。吹き替えなしで歌ったのは、この「マイ・フェア・レディ」のミュージカルで歌っていたジュリー・アンドリュースくらいなもの。「サウンド・オブ・ミュージック」「メリー・ポピンス」など。 なおヒギンズ教授のレックス・ハリソンやイライザの父親のスタンリー・ホロウェイはミュージカルで同じ役をやっていただけに、表情豊かでさすがに上手い。上手すぎる。[映画館(字幕)] 8点(2011-07-20 18:48:51)《改行有》 1898. ピグマリオン 《ネタバレ》 見るとすぐわかるが、何から何まで「マイ・フェア・レディ」と同じ筋書きであり、登場人物も同じである。そして例の「the rain in spain stays mainly in the plain」も出てくる。 違うのは、配役とカラーがないこと、ミュージカルでないことだろう。(アスコットもない) 「マイ・フェア・レディ」と比べたら見劣りするのは仕方がない。華やかな衣装も素晴らしい歌もないし、主役が何と言ってもヘプバーンのように魅力的でないからだ。 したがってこの映画はミュージカルが嫌いな人と原作を追求する人のみの推薦である。[DVD(字幕)] 5点(2011-07-20 17:38:23)《改行有》 1899. 大地震(1974) 《ネタバレ》 70年代のパニック映画は音響とか特撮など、技術面がどんどん進んでいったが、反面中身の薄い映画が作られるようになった。この映画もパニックの慌てふためいた点だけで、観客に訴えるものはほとんどなかった。 強いて言えば、地震そのものはもちろん怖いが、もっと怖いのはそれによって引き起こされる2次的な災害だということ、この映画でもダム崩壊が地震よりも遙かに大きい被害を出したことだろう。 それと軍隊が出動されたが、救助活動をするのかと思いきや、略奪行為などを防ぐ治安維持のためだとか、いかにも米国らしい。そしてまた容赦なく発砲する、大変醜い。[映画館(字幕)] 6点(2011-07-19 22:00:58)《改行有》 1900. タワーリング・インフェルノ 《ネタバレ》 ワーナー・ブラザースと20世紀フォックスという2大メジャー映画会社が手を結び、史上初めての共同制作した記念すべき映画。これにはそれぞれが、ビル火災という同じテーマを持つ2扁の小説「ガラスの地獄」と「ザ・タワー」の映画化権を買い取ったことから起こった。すなわち同時期に同テーマの映画を別々に制作するより、2つの会社が力を合わせ、より大きな映画を制作した方が得策と判断したためだ。 したがって映画は、史上まれに見る豪華でスケールの大きいスリリングな映画となった。スティーヴ・マックィーンとポール・ニューマンという2大トップスターを主役に配したほか、脇役陣の豪華さも見事である。そして何よりも特撮技術を多用し火災現場をリアルなまでに再現できたのである。 映画を初めて見た時はハラハラどきどき、大変興奮しおもしろかった記憶がある。しかし、今思うと「大空港」や「ポセイドン・アドベンチャー」のような人間ドラマが少ないのが物足りない。入念に設計したはずのビルが、安全性不備から大火災に至るまでの過程をもっと入念に描いても良かったのではと思う。[映画館(字幕)] 7点(2011-07-18 21:56:21)《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS