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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ムーンプリンセス 秘密の館とまぼろしの白馬 《ネタバレ》 単に少女が館でいろいろ冒険するファミリー系アドベンチャーかと思っていたら、予想以上にヘヴィな内容でした。いろいろ不気味な事象が発生していく序盤の過程はなかなかミステリアスですし、そこに古の発端の伝説も絡んできます。いい人なのかそうでないのかよく分からない叔父さんも印象的です。その辺の盛り上げ方に比べると、収束はあっさりというよりむしろ雑然とした感じで、せっかくの種々のキャラの登場がもったいないのですが、まあ、あまりシリアスに振るべき作品でもないということでしょう。[DVD(字幕)] 5点(2024-11-25 23:07:22) 2. ほえる犬は噛まない 《ネタバレ》 もしかしたら凄く優れているかもしれない素材を、味付けもダシもなしで鍋に放り込んだだけのような、そんな感じ。切り込みの独自性の割には登場人物設定などは未整理なのだが、しかし、センスが光る場面もいくつもある。男が地下室ロッカーに隠れているシーンでの、どうでもいい怪談がもたらすスリル。ペ・ドゥナが赤ジャンパーを追いかけるときの、建物を遠景で捉えることでの距離感の表し方。そしてペ・ドゥナが犬を救出する際の、ぎりぎりの描写。しかしそれも、あまり着地しないまま終わってしまうので、その素材を半煮えのままで食べさせられたような、そんな気になるのです。[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-10-28 00:47:24) 3. サーチャーズ 2.0 《ネタバレ》 オッサン2人組が、少年時代の件の復讐のために旅立つというコメディです。全体としてはオフビート系を目指しているっぽいし、またウエスタン系のネタもあれこれ放り込まれるのですが、どうも、作為的な域を出ない。つまり、脚本も芝居も頭で考えているだけなので、話が弾まないのです。アクセントとして片割れの娘を絡ませているのですが、これも今ひとつ機能していない。最後の「三角形構図」のクイズ合戦(!)も、本来ならここぞとばかりに笑わせてくれるはずなのですが、何か燃え上がらないままに終わってしまいました。[DVD(字幕)] 4点(2024-10-26 18:18:16) 4. 不完全なふたり 中年の夫婦がああだこうだ語り合う数日間。というコンセプトのようなのですが、中心の2人は本当にただ喋っているだけです。どうもこれ、完成した脚本はなくて、その場でいろいろ作ったみたいなのですけど、それであればその手法はまったく成功していませんし、制作側の自己満足だけになっています。カメラのほとんどが固定で、しかも長回しがやたら多いのも、そうしてみたかったからそうした、という以上の意味が見いだせません。役者の即興性を重視しました、とかいえば聞こえはよいのかもしれませんが、これはただ単に創作の大部分を怠っているだけなのでは?[DVD(字幕)] 2点(2024-10-05 23:55:11) 5. 草原の女 《ネタバレ》 平原で牧畜をしながら暮らす母子の下に、何か過去のありそうな男が現れて、母子と一緒に暮らす。となればこれは内モンゴル版「遙かなる~」かと思いますが、まあそのとおりです。ただしこちらは、あれこれひねることなくシンプルに平原生活を追っていきます。ここでは、徹底して描かれる内モンゴルの広大な風景が見事です。また途中からヒロインの夫が現れて、そこでもあれこれがありますが、凜とした立ち位置を保つヒロインの美しさも見逃せません。ただ、そこからの話の広がりは今ひとつで、男の過去というのもそんなにひねりはありませんし、第一、あっさり喋ってしまってみんな認識が共通してしまう、というのも、心理の綾を削いでもったいない。結果、何か妙に落ち着いた感じで収縮してしまっていますが、それでも心に残る水準にはなっています。[DVD(字幕)] 5点(2024-10-01 22:53:47) 6. HIRAKATA 高校のステージに、同校出身のジャンヌダルク(実在のバンドのアレ)が登場する、という悪くないネタなのですが・・・とにかく、ライブ映像とドキュメント映像と創作部分がごちゃごちゃになっていて、当然ながら視点も定まらない(というかそういう概念がない)し、どこで何がしたいのかも分からない。作っている側が自己満足しているだけです。また、ホームビデオ以下かと思うくらいの安っぽい映像もかなりのものでした。誰か内容をチェックする人はいなかったんだろうか・・・。[DVD(邦画)] 1点(2024-09-24 22:18:58) 7. 烈風 ACTION !? 2000年代に突入してなお、堂々と「カンフー映画」を撮ろうとした度胸は買いたいのですが、そこまででした。中身はただ単に「カンフーアクションを撮っているだけ」であり、前後の脈絡もつながりも何もありません。輪をかけて、素人のホームムービーかと思うような安っぽい映像、芝居を付けた形跡のない登場者の棒読みの羅列などが、脱力感を増幅させます。これ、関わった人の誰にとっても黒歴史なのではないかな…。[DVD(邦画)] 1点(2024-09-18 18:37:23) 8. ミッドナイトムービー 70年代に編み出された「深夜上映」というフォーマットから生み出されたカルト作品群6作について、背景とか影響を追ったドキュメンタリーです。とにかく、登場する監督や製作者がいずれも自信満々で、心底自分たちが映画史に残る名作を残したと思ってそうなところがいいです。カルト映画たるものはこうあるべきです。ただ、この中の何作かは私も見ていますが、それがそのまま面白かったかというと、そうでもなかったという根本的な問題があったりするのですが・・・。まあ、そんなこととは別に、一つの時代的な文化を追求して形に残そうというこの作品自体の姿勢は嫌いではないです。[DVD(字幕)] 4点(2024-08-26 02:08:36) 9. 親分はイエス様 《ネタバレ》 ゴリゴリのヤクザだった主人公が、キリスト教に目覚めて伝道に邁進するという内容。それならばこの二者がどうつながるのかという点が注目されるが、その部分は上手く話をつないでいると思う。いきなり大きなことをやり出すのではなく、「十字架を背負って歩く」という、1人でもやろうと思えばすぐできるはずのところに特化しているのが良いし、また説得力がある。ただし、「自分がやってきたこと(罪や悪事)をみんなに話す」というのがスタートだったと思うのだが、そのシーンはもっと欲しかった。●脇役はあまり使いこなされてない印象で、特にヤクザの親族関係の人たちは、ただあたふたしているだけのように見えた。それとは別に、夏樹陽子さんをせっかく出したのなら、出番がもっと欲しかったのですが・・・。[DVD(邦画)] 5点(2024-08-17 00:52:21) 10. リリイ・シュシュのすべて 《ネタバレ》 何かもう、すべてが、観念的、作為的、露悪的なのです。みんながみんな、その演技を「させられてる感」が満載です。いくら音楽を被せようが、もっともらしいネット入力風景を差し込もうが、カメラをあれこれ動かそうが、本質は変わりません。見どころは稲森いずみの登場シーンくらいでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 3点(2024-08-16 01:11:32) 11. 故郷の香り 《ネタバレ》 10年前の追憶の甘くほろ苦いほのかな想いと、そして10年後の現実。特段突飛な展開は何もないのに、一つ一つのシーンで登場人物の心理を丁寧に積み上げている。過去と現在の並行描写という進行をフルに使い切っている。その中で、単なる再会譚と見せかけておいて、実は3人それぞれが「自分のせい」だと思っていたという裏側も、それもはっきりとは言わない形で示されています。また、設定上台詞なしという制約の下で、感情の揺れを着実に表現した香川照之の貢献が絶大です(最後のシーンなんて、念のために子供の「通訳」が入りますけど、それがなくても何を言っているのかが分かるのが凄い)。[DVD(字幕)] 7点(2024-08-14 01:41:48) 12. パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ ニューヨーク・パンクの生ける伝説、パティ・スミスのドキュメンタリーです。全体の構成は、11年間にわたって撮影された各映像が並べられているというもので、特に体系立てられてはいません。また、ライブ映像は少なめで、ちょっとした身の回りの風景が多くを占めています。しかし、いろいろ整理されたり刈り込まれたりしているよりも、こういったランダムな散りばめ方の方が、この人の場合は適しているという気もします。また、そこに被さってくるのが自作と思しき詩の朗読で、ミュージシャンであると同時に詩人でもあるこの人ならではの作り方になっています。[DVD(字幕)] 6点(2024-08-03 21:19:09) 13. ハッシュ! すべてが作為的です。特にヒロインの造形と描写にそれが顕著です。いかにもはみ出しキャラを作り出そうとして、かえって型にはまりかけています。撮り方としても、長回しが何か所にもわたって登場しますが、それほど機能しておらず、むしろ作品自体の停滞感を醸し出しています。唯一の見どころは、兄嫁役の堅実な存在感と演技だったのですが、誰だろうと思っていたら、秋野暢子ですか![CS・衛星(邦画)] 3点(2024-07-12 00:51:50) 14. 恋するベーカリー 《ネタバレ》 この監督の場合、どの作品のどの登場人物も「全員が」同じような感じなんですよね。判で押したような笑顔で、根っこはいい人で、でもちょっと悩んで見せたりして。しかも、世代も何も問わず、です。そんなわけであまり期待もしていなかったのですが、本作に関しては、とにかくストリープとボールドウィンを遠慮なく使い倒しまくったのが奇跡的にうまく働いて、それなりに見られる内容になっています。まあ、この2人におんぶに抱っことも言いますが。●一方で、横から出てくる男がスティーブ・マーティンって、こんな朴訥で実直で奥手な男性をこの人にやらせるのは、そりゃ無理ってもんでしょ。大体、彼が真剣におずおずと喋っているだけで、逆に笑いが止まりません。ハッパのくだりなんかは、この設定を生かしていよいよマーティン節炸裂か?と期待してしまいましたが、そんなことはありませんでした。匂いをごまかすあの一言(サービスで入れたのかな?)だけが救いでした。●ただ結局、進行はどこまでもヒロインに都合のいい展開ばかりで、途中からは、あれこれ悩んでいるというよりも、「2人の男から迫られるワタシって罪なオンナ♪」と自分に酔っているようにしか見えず、この辺がナンシー・マイヤーズの限界ですね。ああそれと、主人公の友人らしき3人組は、「こんなにシモの話まで明け透けにできるワタシ達って、やっぱり大親友♪」とそれぞれ自分上げをしているようにしか見えず、実に不快でした。早々に姿を消してくれたので、まだマシでしたが。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-07-09 00:52:34) 15. 一輪明月 ~弘一大師の生涯~ 各方面の芸術にも才能を発揮し、またその後には出家して仏門にも帰依したという弘一大師(李叔同)の伝記作品です。ですが、伝記もののまずいパターンにもろに陥っています。その功績を追いかけて画面上再現するだけで手一杯だった感が満載で、どのシーンも、ぶつ切りで次から次へと落ち着かずに先に行っています。よって、彼が何を考えていたかとかどう優れていたかなど、伝わりようがありません。中国では著名な人物のようなので、作る側が萎縮しちゃったのかな。そんな中でも、画面にふらっと登場するだけで人目を引くビビアン・スーの天性の吸引力は、際立っています。[DVD(字幕)] 4点(2024-07-07 02:00:56) 16. 胡同愛歌 《ネタバレ》 高校生の息子と二人で生活するオッサンが、息子との関係に悩み、また結婚も決まった女性との関係でも悩む・・・というお話。特に後者については、実は離婚していなかった女性の夫が出所してきて、その男とのあれこれに悩まされる。中盤までは各エピソードが散発的に平坦に並んでいきますが、それらが収斂する終盤の迫力はなかなかです。特に、じっと耐えていた主人公が、たった1個のケーキをきっかけに覚醒するドラマの動かし方が強力です。明確に割り切らない面会のシーンも余韻を残しています。●ところでこの邦題、「胡同の街並みに生きる地道な人々を描く」みたいな意味でつけられたっぽいんですけど、別に胡同とかその街並みが強調されているわけではないですよね。それよりも、原題(「駐車場係の7月」)や英題(そのものずばり「駐車場係」)の方が本質を表しています。[DVD(字幕)] 5点(2024-07-02 00:22:02) 17. 空中庭園 《ネタバレ》 そもそも、「隠し事を作らない」などという「ルール」がある時点で、そんな人工的な息苦しい家族は崩壊して当たり前なのだから、実際にあれこれ破綻が起こったとしても、別にドラマになっているわけではない。●ただそんな中でも、大楠道代の存在感はやはり偉大であって、ラブホテルに乗り込んでくる一幕だけで、それまでの作為的な進行を一気に塗り替えている。誕生会のくだりに至っては、一人で全員の芝居を支えている。この誕生会の部分、家庭教師が単に泥酔して退場したり、セフレからの携帯着信の件を何事もなく処理したりと、かなりもったいなかったなあ。もっと続けてもよかったと思うけど。[CS・衛星(邦画)] 4点(2024-06-30 00:17:32) 18. 甘い罠 初期設定からすればスリリングな展開が期待できるし、また映像の雰囲気も落ち着いている。しかし、役者の芝居が騒がしくないのは良いとしても、逆に跳ねてないというか、何が起こっても淡々と処理しているだけのように見えてしまう。そうすると、そもそも何か危機が起こっているのか、という気になるわけです。終盤のシークエンスで、何がしたかったのかは何となく分かりましたが、それに至るまでが平坦でした。[DVD(字幕)] 4点(2024-06-15 23:24:29) 19. メゾン・ド・ヒミコ せっかく何人もの人物が同じハウスに集められているのに、それぞれの個性が全然ない時点でダメ。また、ハウス自体の作り物っぽさ、生活感のなさがさらにダメ。その上でこの尺の長さも問題ですが、これだけ使っておいて奥行きも掘り下げもないのも驚きです。何より、結局この主人公、何もしてないよね。[CS・衛星(邦画)] 3点(2024-06-12 23:53:06) 20. 妖怪大戦争(2005) 妖怪の着ぐるみとCGを考えつく限り作ったら、そこで目的を達してしまって、あとはもうどうでもよくなったというのがミエミエでした。まったく芝居の指導をしてもらえなかったとしか思えない隆之介君は不憫ですが、こんなひどい扱いをされても役者の道を辞めなかったのには感心します。とにかく制作側の志の低さに吐き気がします。動く宮部みゆき(しかも一応演技までしている)に1点。[CS・衛星(邦画)] 1点(2024-06-07 01:48:26)
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