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1. 猫の恩返し 《ネタバレ》 どこぞのレッサーパンダが仁王立ちしただけで日本中で大騒ぎだったのに、猫が直立して喋るも殆ど動じない主人公・ハル。あまりにもヌルイ人物描写は一喝したい所。主人公はハルですが、結局物語の主役はバロンでした。…なのに、肝心のバロンについては殆どが客観描写で、“猫の事務所”の登場も脈略がない分不明瞭な印象。大体、これがTVスペシャルでなくて映画と云う所が頂けない。全体的な構成は大雑把で荒く仕上がりが悪い。ストーリーの展開も場当たり的で運良く回避して行くだけなので、こう…どこかやっつけ観が漂う。“猫の恩返し”が二重に掛かっている所は面白いなァ…とは思いましたが、如何せん上映時間が短くて肝心な所がみな省略されています。「耳をすませば」で際立ったバロンはキライじゃないので、もう少し時間を掛け個々のキャラクターに焦点を当てて、じっくり描いて欲しかった気はする。早く“脱・宮崎駿(氏)”を掲げて次世代ジブリ作品を確立しないと、この先が心配なスタジオ・ジブリ…(大丈夫か?)。ちなみに、「猫の国」に行った事がありますが、檻で囲まれたヘンな所に数匹の猫がうずくまっている辺鄙な場所でした。[地上波(字幕)] 2点(2005-08-27 12:51:13) 2. Mr.インクレディブル この作品を契機に新境地開拓となったピクサーの話題作に加え、レビューの高評価に過剰に期待し過ぎた自分が悪かった。ファンタジーがウリであった一連の作品からよりリアリティのある心理描写へと変わった設定なり構成は、近年に見られる日本アニメよりも余程濃い内容だが、個人的には人間を主軸に描いたCG作品と言うものに、あまり魅力を感じなかった。逆に実写版で観てみたいと思う作品。そもそも、アメリカのヒーロー像と言うものは“井の中の蛙”の様なものが根底からあって、背景にある愛国心が見えると嫌悪を覚えるが、この作品は家族愛がテーマなだけにアメリカの作品制作も昔に比べると随分変化した印象は有る。…ただ、これが“家族版009”に見えてしまうと見方が変わる事はどうにも否めない。[DVD(吹替)] 6点(2005-08-24 19:23:14) 3. ニルスのふしぎな旅 劇場版 《ネタバレ》 劇場版でありながら未公開となった作品。原作はセルマ・ラーゲルリョーブで、元はスウェーデンの地理を子供達に教える為に作った話で、主人公・ニルスの道徳的なエピソードや成長記は後付けである。テレビシリーズ全52話という、あれだけ長い冒険も僅か97分と1本で全て観れるのは良いが、それよりもテレビシリーズからの再編集やダイジェストというカタチではなく、新たに描き下ろした力作なだけに幻の映画となったのは実に惜しい。グラフィック面は古い作品でありながらも仕上がりが良く、ガンの群れなど、海外取材を敢行しただけあって動物の動作も細部にわたって丁寧に描かれているので評価したい。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-24 18:23:03) 4. 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! “レイボーブリッジを封鎖する”…と言う、あたかもハリウッド並のダイナミック感溢れる副題で客を引き付けておいて、この陳腐な内容は一体なんなんですか…? 出だしは良かった…と言うか、出だしだけ。後は惰性で進むようなストーリーには辟易する…(苦)。観れば観る程あまりにも酷な内容はまるで拷問の様で、描きたい事は元からある「踊る」の構成のまんま基本は変わらず…と言った印象。無駄に長く、無駄につまらない。これならば余程ドラマSPの方が幾分かマシな気がする。“舞台に金を懸けただけ”が、如実に浮き彫りになった低レベルな作品。[地上波(字幕)] 2点(2005-08-24 12:20:34) 5. ドラえもん のび太のワンニャン時空伝 《ネタバレ》 ボールを銜えて来るイチの姿にグッと来てしまい、果ては夢中になって行くアホな自分。ただし。唯一許せない事があるとしたら、それはイチをタイムマシンで捨てに行ってしまった事。猫は家に付き、犬は人に付くと言われている動物。都合が悪くなった時「後はキミ達で生きていくんだよ」と言う言葉は人間のエゴイズムを地で行くような展開で、いくら子供向きとは言え許せぬ表現だ。前作で圧倒的にリアリティに欠けたストーリーよりも、プロットがキチンと構成されていたせいか…、多少強引なフシはあるのだが最近のドラえもんシリーズにしてはそれなりに面白かった。本作で主要キャラの類事項はある意味お試し企画か? 新規声優陣に採用されたのはダク役の関智一のスネ夫のみ(ブルタローの江川央生も良かったと思う)。往年のベテラン声優陣が勇退と言う事で、この映画シリーズもついに最後となる。そういう意味では考え深気な作品になってしまった。[地上波(字幕)] 6点(2005-08-24 12:15:17) 6. 案山子男(OV) 《ネタバレ》 色々な意味で面白い作品でした。あ…あの、案山子男に心臓を引っこ抜かれた青年が呼吸をしていたのには思わず驚愕!! 「すっげぇ―ッ! 心臓が無いのに息してるよ―ッ!!」…などと、ゲラゲラと笑ってしまいました。しかも、絶対に動いてはいけない畑の案山子男が微妙に動くから、折角驚かせようとする次のシーンが台無しではありませんか(笑)。これを観ると、明らかにテープの残量の経費節約なのか…、平気でNGシーンを使っちゃう所がスゴイです。所々、デシタルムービーで撮影したであろう画像の荒いシーンが挿入されていて、演出? それともテープを節約しているのか(?)…いや案外エコロジーな作品です。意外にもストーリーは決して悪く無く、指摘されているホラーの演出を工夫して、このヘンチクリンな編集をもっと叩き直せば意外にも伸びる作品なのでは…と。そう思うと逆に惜しい作品の様な気はしました。…いやしかし、自分はホラー映画は好んで鑑賞しない為、良く分からないのですが…、“真っ昼間のホラー”と言うのは有りなのでしょうか…???[ビデオ(字幕)] 4点(2005-08-24 12:12:46) 7. あずみ 《ネタバレ》 冷徹で感情を押し殺しそして人を斬る…それが“刺客”。故に、冷徹さをもって私情を挟むべからず…を描く点では、これが本当の刺客魂(?)なのか。個々の人間の心情を深く描かない分、キャラが無いに等しく…、存在意義はどうなのだろう。いやしかし、本当の刺客ならば“仲間を斬る”事よりも、“仲間と手を組む”方が使命を果たしやすいと思うのだが…? 悪く言えば“生きざま”では無く、“死にざま”を中心に描く人間模様の極端な対比…とも言うべきか。主人公の“生”と周りにある“死”を、これ見よがしに明暗をもって描く手法を取る…この作品の意図は分からない訳では無いのだが、あまりにも話が極端すぎて血腥い内容がなんとも言えない…。「必要以上の事をしてはならない」と劇中で言っている割に、必要以上の殺戮シーンはそれこそ不要にとも思える。個々のキャラが結構良い味を出しているから…と言うのもあるが、使い捨ての様に無駄死に終わらせる演出は評価しがたい。ちなみに、ラスト200人斬りのうち、半分ぐらいはあずみが殺った訳ではなく、味方同士の斬り合いで没…(その前に200人もいたか? いや、いないだろ)。[地上波(字幕)] 4点(2005-08-24 11:57:32) 8. ポカホンタス 「見てまわりを! こうなったのは憎しみのせいでしょ…!?」 現在の社会情勢と本作は全く関係の無いが、某国の情勢を照らし合わせると、なんともアイロニーに聞こえてしまうセリフが…いやにもの悲しく感じるのはどうしてでしょう。この映画の内容も設定も勿論違いますが、伝えたい事なりそのメッセージ性は、所詮米国映画のキレイ事でしかないのです。要は、作品のメッセージ性に全く説得力が無い…と言う事。大人の恋愛ストーリーも表面に見えれば良いかもしれないが、個人的にはイヤになってしまう作品でした。唯一、ポカホンタスの神の靡靡く描写は良かったですね。完全に大人向きでしょうか。“女版ターザン”だと思えれば、評価が下がるのも否めません。3点(2004-11-14 20:59:18)《改行有》 9. シュレック キャラクターはお世辞にも見た目が良いとは言えず…、ディズニーのコンポジションを真っ向から崩すような毒のある構成は一見弱いとも見えますが、私にはこれでもディズニーへの最大のアイロニーのように見えて、個人的には結構面白く感じてしまいました。…ただ、序盤は良くとも中盤から意外にも話は伸び悩み、単調で荒く非常にザツなエンディングは勿体無い印象。ディズニーとしての善的なイメージも、決してそれがキレイ事ではない事が若干でも垣間見られた事に対しては、ある一定の評価はしたい。6点(2004-11-14 20:29:07) 10. 2999年異性への旅 《ネタバレ》 あまりにもくだらい内容も、途中まで真剣にシリアスだと思い込み鑑賞すれば意外に面白い。「ウィィィィィィィ―ン」と言う装着している下半身からの激しい機械音。お相手の女性の「何…? この蜂鳥が羽ばたくような音は…!?」と言うセリフには微妙にウケました。一見ベタベタなギャグも、セックス・コメディだとなんとなく許せてしまうのは、意外に設定が良かったからでしょうか。地球への飛来は飛行機を利用して…と言う所もヘンに説得力が有ります。後半から、子供が出来ないどこにでもある家庭事情のように脱線した後半のダルさを除けば、まずまずな作品。5点(2004-11-14 20:28:05) 11. スター・ウォーズ リアルタイムな年代でもあるし、子供の頃に何度も観た本作だから…と思いがあるにも関わらず、悲しいかなこの映画に対する執着が、今となっては無いに等しい。オマージュだと知って感じた、これだけのものを創らせた日本映画はスゴイな…と言う思いが先に立ってしまい、本作品の真の部分が意外にも見えなかった事に気付かされる。ただ、圧倒的に強いインパクト大の登場人物が、今でも通用してしまう貢献度は高いかもしれない。6点(2004-10-10 22:20:46) 12. たそがれ清兵衛 何故、過去形にしてしまったのだろう…という印象で、終始、娘・以登(岸恵子)による“良き父の思い出”として語らせる演出は余計。現在進行形で進む映画のストーリーも、“語り”という手法で過去形によって話を進めれば進ませる程違和感を覚える。大体、娘の知らない所で父が何をしているか…だなんて、実際に見もしないで語っている時点でリアリティに欠け、虚構のストーリーだと浮き彫りにしているだけで興味が薄れる。ただ、日本の良き情景を背景にたった1人の侍の様を淡々と描く演出なり、独特な味わいがこの映画の特徴で良いと思う。6点(2004-10-10 15:24:25)(良:1票) 13. 丹下左膳(2004)<TVM> 《ネタバレ》 恥かしながら「丹下左膳シリーズ」を全く観た事が無い為、半ば強引にTVM版の方を鑑賞。シリーズの中で最高作品だと謳われる“百万両の壺”の話だと聞いて鑑賞したものの…、噂される程そう面白く感じなかったのは、TVM版だからなのか分からず…。さすが歌舞伎役者だけあって、序盤からの丹下左膳役の中村獅童の殺陣はTVMでは見応えがあって良かったとは思う。…ただ、相手役にともさかりえと言うのは、演技力があったとてそう魅力を感じないのが実の所。更に子役がクソ生意気でちっともかわいくない。それもこれも、オリジナルと比較すれば明確な違いが分かるかもしれませんね。ちなみに、エンディングロールで何故か浅草・花やしきの娯楽施設で楽しむシーンが極端に浮いており、折角の時代劇も締めが悪い観有り。6点(2004-10-10 01:28:25) 14. ジャッカー 《ネタバレ》 終始緊張感の漂うシナリオが実に絶妙で、誘拐された少年を子供らしく扱う事の無いシビアな演出やセリフは、子供の目を通して観る者に圧迫を与え最後まで引き付ける。子供に対して決して情の一線を超える事の無かったコーエン(ロイ・シャイダー)が、最後に少年を誉めるシーンは印象深い。類似作品「パーフェクト・ワールド」との関係は定かでは無いが、あちらのように愛情一本で描くよりも、シビアに描かれているこちらの作品の方がリアリティがあり映画として上等な観有り。唯一、マフィアに少年を無傷で連れて行く…と言う設定は、理由が明白にされておらずストーリー上の都合が目立って浮く所。8点(2004-10-10 00:52:10) 15. ジャンヌ・ダルク(1999) 《ネタバレ》 ただの伝記映画だと思って観たのですが、どちらかと言えばジャンヌの精神性に焦点を当てた作品だったので、思い描いていたジャンヌ像とは異なる印象。神の啓示を受けたと云われるジャンヌも、それは神の言葉ではなく自身の心の声であった…と新説したかったのか、はたまた彼女の考えなり行動の矛盾を突きたかったのか…、ちょっとイマイチ不明瞭。これを観ると、なんかジャンヌ・ダルクがただイッちゃてるアブナイ人の様も見えなくはないのですが…、実際ジャンヌ(ジャネット)の少女期特有の精神不安でヒステリックに陥っていた…と言う説もあるので、後半の回想シーンからジャンヌの行動・思考を探究するかの様に、真っ向から否定していくラストの火刑までの流れは実に興味深い所。…ただ、本当に自我の葛藤があったのかは定かではない為、ジャンヌ自身が自分の世界に入り込み過ぎる後半の演出に、どうも着いて行けませんでした。あまりにも有名な“ジャンヌの悲劇”なだけに、これからどうなるのか…と言う興味が無いに等しい為、彼女についてまだ知らない部分を中心に描いて欲しかった気はする。6点(2004-09-25 00:26:39) 16. es[エス](2001) 《ネタバレ》 良くこの題材を選んだな…と言う感じですね。製作国や時代設定が置き換えている事で若干の脚色が施されていますが、実話が元なだけにリアルで恐怖を誘う映画でした。実験の過程が淡々と描かれ、人間の持つ心理状況が刻々と変化する様子は思わず息を呑みます。…ただ、恋人を登場させるのは架空人物だと浮き彫りになってしまい、リアリティに欠けるので不要。それに、囚人役の暴動と反乱で終わるラストは完全に設定が独立して、それまでのリアルな状況とかけ離れて醒める。実験を行う場所に拳銃はあり得ません。これを見ると、実際はどうだったのか…と言う方に興味を持ってしまう。実際では被験者(学生)には実験だと言う事を隠し単なるシュミレートと模して行ったそうで、映画のように実験だと分かった上で行われるものと、そうでないのとでは被験者の意識の違いが微妙に異なるでしょうから、映画は映画でそれなりに良かったとは思う。もしも同じような実験を日本で行ったとしても同じような結果になったのかは分からず…、これを引っ括めて全てに当てはまるかは疑問。(そういう意味で→)イラク人捕虜に対する虐待問題などを見る限り、“人間”と言うよりもアメリカ人がバカなんだ…とヘンに納得。あれだけ知られているこの監獄実験を映画化したと言うだけでレーゾンデートルを評価したい作品。7点(2004-09-24 00:28:55) 17. チアーズ! 《ネタバレ》 アメリカ人ならば一度は憧れるであろう魅力的な“チアリーディング”。肉体的表現にも“創作性”と言うものがある事に初めて気付きました。自分の努力で築いた独自の創作を、他人に盗(と)られる事の悔しさと、自分達の努力で創る事の大切さをキチンと描いている点がとても良かった。敢えて自己批判して描くストーリーは、人種的な表現を合わせると自ずと本作メッセージ性は読み取れる。ありがちな学園青春モノも、チアリーディングの選曲とBGMの兼ね合いが非常に上手でカット割り・セリフともリズムとそのバランスが良く、気が付けば観ているこちらも思わず身体が動いてしまう演出は見事。…ただ、やや上品さに欠けるセリフは、チア・スピリットの良さが消されてしまい勿体無い。盗作問題でトロスが全国大会に出らない?…と一転、全国大会に出場。そしてクローヴァーズの資金不足で出場見送り?…の辺りがやや曖昧に描かれているので、ちょっと分かりにくい観有り。あれで優勝してしまったら白人の至上主義で終わってしまってしまうから(笑)。盗作で優勝するよりも自分の努力で得た2位の大切さ。見終わった後の心地良さが残る…個人的には好みな映画でした。8点(2004-09-22 14:54:54) 18. 彼女のアリバイ 《ネタバレ》 劇場未公開作品なのが非常に勿体無い映画。世間のこの映画に対する位置付けは悪くも、なかなか面白い作品でした。ストーリーも分かりやすく、ちょっとしたサスペンス風味のコメディ…と言う感じで無難に楽しめます。しかしながら、ポーリーナ・ポリスコワのこの美しさは思わずため息が出てしまう。いくらなんでも、ラジー賞のワースト主演女優賞にノミネートは失礼きわまりないと思うのだが。彼女との生活をなんとか小説に活かそうとイメージを膨らませつつ、得体の知れない彼女に不審感を抱くまで段々と自分の書く作品と現実とのギャップが生じ、最後まで引き付けるサスペンス的な展開は良い。ちなみに、弓矢の練習で誤ってお尻に矢を当てちゃって…、と言うシーンが可笑しくて笑えました。この取って付けたような笑いもやや微妙なものがあるのだが、個人的にはこういう笑いは結構好きでした。全体的にも上手にまとまっている作品。6点(2004-09-06 13:53:21) 19. パーフェクト・ワールド 「ジャッカー(88)」に非常に良く酷似していますね。あまりにそっくり過ぎて最初はリメイクかと思ってしまいました。印象は「ジャッカー」にクリント・イーストウッドを加えた…と言う感じ。あとは主人公の子供に対する感情を強く描いている所でしょうか。いかにもパクリっぽい内容ではありますが、子供への愛情を描いている部分ではこちらの方が上手にまとまっているかもしれません。ラストはああなると分かっていても思わず泣けてしまう。…ただ、「ジャッカー」を先に観ると評価が下がるのは否めませんね…。6点(2004-09-06 01:54:12) 20. バイオハザード(2001) 《ネタバレ》 ビルの非常階段を見れば上がりたくなり…、設置されている消化器を見れば取りたくなる。そこら辺に生えている雑草もハーブに見えてしまう程、バイオシリーズにのめり込んだ…ゲーム経験者の自分には、まずまず観れた作品。ゲーム開始と同時に、この主人公のようにポ―ンとバイオハザードの世界に投げ出される感覚を、やや分かりにくい観もありますが一時的な記憶喪失という設定で上手く表現しています。慣れてくればスイスイと進めるゲーム攻略のような記憶回復とともに進行する独自のストーリーは悪くない。ゲームと言う複雑したストーリーも、ゲーム未プレイ者にも楽しめるように作ってあるのは感心。何よりバイオハザードの世界観に溶け込んでしまうミラ・ジョヴォヴィッチが、実に適役に加え好演でした。…ただ、雰囲気は悪く無くとも、ゲームの世界観があまり活きていませんね。ゲームではゾンビで溢れたラクーンシティと、(のちのちに分かる→)アンブレラの悪行を隠すために街ごと爆破するという設定で、生き残った主人公らが逃れるために、封鎖された街から脱出する…と言うようなストーリーも、劇中では全く逆で序盤からネタバレ。プレイするとともに、アンブレラの全貌が除々に明らかになるワクワク感とは程遠い。更に、ゲームとは無関係なレーザー攻撃は残虐過ぎて引く。これは“恐さ”であって“怖さ”ではないんですよ。こうした“怖さ”と“恐さ”を取り違えた演出が多いのは、ホラーアクションと謳われる作品にしてはいただけません。独自のキャラクターと、ゲームとは逆に進行するオリジナルストーリーが確立出来るのは、あくまでもゲームの設定とシナリオが優れているからの話。個人的な感想としては、あれだけ素晴らしいゲームシナリオと設定をもってしても、こんなヤワな話になってしまうのか…と外国人のアレンジの下手さにはガッカリしました。大体、あれだけしつこいゾンビを女性のパンチ(しかも素手)とキックでブッ倒すのは、あり得ないの一言(ゾンビ犬なんて蹴り飛ばして済めば楽で良いなァ)。ゾンビの怖さがあまり伝わりませんね…。あの“リッカー”のショボイ映像処理もなんとかしていただきたいもの。ちなみに、ドラえもんもビックリな四次元・アイテムボックスは、さすがに映像化はされませんね(笑)。5点(2004-09-05 00:26:37)(良:1票)
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