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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ノスタルジア 《ネタバレ》 まさに映像芸術である。タルコフスキーの感性で捉える映像表現は圧巻である。この映画の主題は第一に故郷への郷愁であるが、それはやはり、タルコフスキー映画全般のテーマである「時間」からくるものである。主人公が苛まれるロシアへの郷愁が、現実と過去、夢や回想の中で美しく描かれている。特に圧巻なのはホテルのベットで眠る主人公が夢へと移行していくシーンを捉えたショットである。ここでは、非常に高いレベルで、雨や、現実と過去の媒介者を表す犬、固定画面からゆっくりとしたズームを用いることによって、すんなりと現実から夢への移行が表現されており、実に素晴らく、神懸かりと言えよう。もう一つの主題は贖罪であるが、このテーマはドメニコとアンドレイの精神的血縁関係を通して直感的に描かれている。ドメニコは世界の崩壊から家族だけを守ろうとしたことに罪の意識を感じている一種の狂人であるが、精神的血縁関係を見出したアンドレイに蝋燭をもって温泉を渡ることで世界を救済してほしいと願う。そして、了承したアンドレイが蝋燭をもって温泉を渡るのだが、このショットがタルコフスキー映画の中でも1,2を争うほど、時間のリズムをうまく表現した映像といえるのではないか。このシーンの前のドメニコの嘲笑的な自殺のシーンと打って変わって、長回しの効果もあり、時間の緊張が極限まで伝わってくるシーンであると同時に、火のイメージがまた素晴らしい。ここでの火は強くもあり弱くもあるものという火の特性が完璧に視覚化されている点がすごい。そして、この儀式に成功したアンドレイに起こるイタリアとロシアという現在と過去の奇跡の融合、これはまさにタルコフスキーの魂の叫びである。時間というものがある限り、絶対的に故郷を求める気持ちを埋めることができないというタルコフスキーの心の絶望を表現したシーンであろう。映画ではノスタルジーは満たされるが現実で決してノスタルジーは満たされないものだということを強く感じさせられた映画であった。10点(2003-10-25 00:01:45)(良:2票) 2. サクリファイス タルコフスキーの映画は過去、現在、未来という三つの次元のうち、とりわけ過去の次元の表現に焦点が置かれているのはいうまでもないが、「サクリファイス」においては、未来の次元を強く志向しているといえる。この映画において「水」という視覚的主題はついに未来の次元に流れ込み、タルコフスキーの時間の映画は完成されるのだ。郷愁の象徴としてや、時のリズムを表すために用いられてきた「水」は、「サクリファイス」では、水溜まりのシーンや家の前の湿地のシーンなどで、死を表す視覚的主題として使われているところが他のタルコフスキー映画と一線を画していると思われる。しかし、驚くべきことに、最後の海のシーンで奇跡が起きる。オープンニングでは死の水であった海が青さを放ち、波が振動し、時のリズムが奏でられるのだ。ここで観る物は確かな未来を感じずにはいられないのである。また、「サクリファイス」における空中浮揚はまさに圧巻である。世界の破滅からの救済という主題が最高の形で視覚的に表現されているのではないか。まさに恐怖からの解放である。アンドレイ・タルコフスキーの放つ映像芸術、もっと見たかった。この映画で最後とはなんとも残念である。9点(2004-02-02 22:23:57)(良:1票) 3. シテール島への船出 まさに郷愁を描いた作品である。時間の厳しさが生み出すノスタルジー、しかし、空間的なノスタルジーは満たせても精神的なノスタルジーは時間の非可逆性が存在する限り永遠に満たされないものだ。この映画にはむなしさ、せつなさといったやるせなさが充満している。私の大好きなアンドレイ・タルコフスキーの映画に近い映画のような気がした。 亡命先から帰郷した老人が見たあまりにも変わり果てた故郷、老人の絶望が胸に突き刺さる9点(2004-01-26 01:06:12) 4. ジンジャーとフレッド フェリーニの後期の作品。全盛期に比べれば落ちていると思うがそれでもフェリーニを感じさせてくれる作品。ジュリエッタ・マシーナとマルチェロ・マストロヤンニの共演だけでも充分です。堕落したテレビ社会に対するアンチテーゼはみてとれるし奇妙な出演陣はいかにもという感じです。8点(2004-01-28 22:54:41) 5. スタンド・バイ・ミー やはりノスタルジーを強く感じさせられる映画です。ちっちゃい頃の思い出は特別なもんだと再認識させられた気がします。田舎に帰れば空間的なノスタルジーは満たされるけど、精神的なノスタルジーは永遠に満たされないんだよなーって思います。8点(2003-11-23 22:19:06) 6. インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 ワクワク ドキドキで観たのを覚えている。インディがかっこよすぎるよ。学者の粋を超えとるわ8点(2003-11-23 22:06:28) 7. となりのトトロ 私が小さいころ観た映画のハイライトである。今観るとそのころのノスタルジーが呼び起こされてしまいます。母と一緒に見た記憶 大切にしています。8点(2003-11-16 22:40:21) 8. エル・スール タルコフスキーのノスタルジアに少し似ているだろうか?南を捨てた親父に対する娘の想いが監督独特の詩的な映像で綺麗に描かれている。昔の女を忘れられずスペイン内戦の暗い過去のなかで苦悩する親父 その親父を子供独自の視点と成長した視点から見る娘の描き方がうまい。8点(2003-11-07 20:00:29) 9. サンタ・サングレ/聖なる血 エル・トポやホーリーマウンテンに比べたらホドロフスキーらしさが半減するがいい意味では見やすいかなー。親父が妻の両腕ぶった切るシーン危なくてはかなり笑えたぜ。しかし、ホドロフスキーの教育観って一体何でしょうか、実の子供使ってるし、かなり問題あるな。8点(2003-11-05 23:00:48) 10. エレファント・マン イレイザーヘッドなんかより映画としては100倍はいい。しかし、大衆受けしてしまう分、マニアック度が失われてしまった。8点(2003-10-30 22:30:23) 11. ヤングガン 超豪華なキャストに加えて心高鳴るストーリー もうこれ以上のもんはねーよ。個人のキャラも際立っていて感情移入できたぜ。チャーリーが個人的には大好きだ!ビリー撃ちすぎだよ。 8点(2003-10-25 00:21:43) 12. バック・トゥ・ザ・フューチャー テレビでやりまくっていたので吹き替えでしか観たことねー。声優によって面白さがかわるんだよなー。しかし、デロリアンかっこいいんだよなー。8点(2003-10-25 00:11:12) 13. ブレードランナー 素晴らしい映像とストーリーにやられた、レプリカントの苦悩がよく描かれているぜ。8点(2003-10-21 23:42:26) 14. インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 究極のアドベンチャー、ハラハラドキドキ、たまらんねー。胸が高鳴るよ。8点(2003-10-19 22:29:55) 15. スター・ウォーズ/ジェダイの復讐 最後のデススター破壊するために内部はいっていくとこがかっこよすぎて鳥肌が立った。宇宙での戦闘はたまらんなー。しかし、レイアほんと、ババアだな。8点(2003-10-19 22:00:55) 16. ツィゴイネルワイゼン かなり妖しい映画、きてます。おれはこういうの好き、原田芳雄など個性派キャストも効いている8点(2003-10-17 00:52:01) 17. エイリアン2 面白い、単純にそう思える傑作でしょう。リプリーがたくましすぎる、そして、あの世界観、エイリアンのリアルさがたまらん!8点(2003-10-17 00:46:04) 18. その男、凶暴につき たけしがただ歩いてるシーンとか非常に独特なセンスが感じられる。ドライな雰囲気、むなしさが淡々と伝わってくる。8点(2003-10-17 00:19:02) 19. パリ、テキサス こういう不器用でダメ男すきだ。愛に溢れているな8点(2003-10-13 21:49:29) 20. 家族ゲーム 当時の家庭環境をうまく表している映画なのではないか。息子と親父の微妙な関係、ギクシャクした家族、あんな家庭ねーよと思うけど、意外やあれに近いもんはざらにある。監督の視点と松田優作がが光ります8点(2003-10-13 21:40:37)
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