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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 父の祈りを 《ネタバレ》 ハッピーエンドなどありえない・・・。 先日公開された『華氏911』に、アメリカ軍に連行される青年と「息子は何もしていない」と泣き叫ぶ家族の映像があった。この映画に重なる部分が多い。その規模を問わず、暴行、虐待による自白強要での冤罪事件は数えきれないほど起きているのだろう。容疑者は弱者で、権力は密室で、保証されている権利を確かめるには壁が厚すぎる。日本でだって冤罪事件は起きているのだから。 印象に残るのは、二つの法廷での聴衆の反応。1回目で人々は野次り、物を投げつけていた。しかし15年後にはイギリス中でデモを起こし、法廷では被告を大喝采で迎えている。これに感じる強いおそれ。イギリス中でテロが発生し、人々は恐怖に震える。そんな中、警察が容疑者を逮捕する。大衆にとっての窓は新聞の文字、テレビのブラウン管、メディアだけ。いわば真実は情報の中。そんな中で、彼らの無実を信じることなど不可能に近かっただろう。きっと自分だって、並んだ容疑者たちを殺したいくらい憎んだだろう。大衆への恐怖と、自分が大衆であるということへの恐怖。真実を知ることは難しいだろうが、常に知ろうとすることだけは忘れてはならない、と強く感じた。 警察も憎いが、人を殺すことによって解決しようとするテロは最低だ。冤罪、父子の絆、そして新教徒と旧教徒という、宗教が国を分断し憎しみ合うアイルランドの悲劇を映画は見せつけてくる。 これほど主人公に感情移入し、怒り、泣き、喜んだ映画は稀だ。ラストシーンに爽快感はあるが、たった一度しかない貴重な人生を奪われたことを考えると怒りは決して晴れない。この映画にハッピーエンドなどはありえない。8点(2004-09-15 04:26:48)(良:1票) 《改行有》 2. 愛を乞うひと 本当の主役は時間の流れ。5点(2004-09-08 16:16:49) 3. アイアン・ジャイアント 中学の時に英会話でこれを観たっていったら、アメリカ人の先生に「オォ~、グゥッドッ!」って肩叩かれた。異文化コミュニケーションです。6点(2004-09-08 16:11:59) 4. Mr.Children in FILM【es】 この映画はMr.Childrenが1995年に行なった、ツアー・アトミックハートとツアー・イノセントワールドを追ったドキュメンタリーである。一つのバンドの映画が造られる、これだけで当時の”ミスチル現象”の凄まじさを感じる事が出来る。 桜井さんはとても素直な人間だ。喜び、つらさ、不信感、Mr.Childrenの曲には彼が感じているものがリアルにつまっている。だから昔の曲から最新の曲までを続けて聴くと、桜井和寿という男の人生をそのまま追う事が出来る。 当時は正にMr.Childrenがセールスや規模の頂点に立っていた時代である。この飽和状態が彼らに虚無感を与え、結果としてその後『深海』というへヴィーな傑作アルバムをリリースさせることになる。言うなれば暗いトンネルの入り口だろうか。 こうして見て驚いたのは、観客の歓声が全て「キャー」なことである。ほぼ全員が女性ファンで、大量のおっかけがついてまわり、まるでアイドルである。こんな状況を見ると、桜井さんが陥っていった暗黒というのが分からなくも無い。 とはいえ、デビューから10年以上たった現在でも日本のトップに君臨するバンドだけあり、Mr.Childrenの曲はどれも素晴らしい。「Dance Dance Dance」や「everybody goes」のエネルギー、「雨のち晴れ」は面白い演出、「innocent world」の大合唱は何回も聴いた曲だけど感動してしまう。 ”音楽は想い出のしおり”という名言があるが、当時の自分を思い出しながら浸る事が出来る。 余談だが、それにしてもMr.ChildrenとU2の共通点は多い。この映画自体はU2の『魂の叫び』だし、ツアー・アトミックハートの大画面を設置したステージはZOO TV TOURを思わせる。アルバム『DISCOVERY』のジャケットが『Joshua Tree』にそっくりだったりと、まぁどっちも大好きな自分には嬉しい事なのだが。7点(2004-07-30 19:38:08)《改行有》 5. 天使が隣で眠る夜 最近、毎日のように「ハードボイルドに生きたい」と考える。朝起きてベッドから立ち上がる瞬間から、常に頭にあるのは「いかにハードボイルドであるか」。一人でいる時も、誰かといる時も、食事をするときも、映画を観る時も、あくびをするときも、全身と精神をハードボイルドに研ぎすませている。 そしてこの映画こそ、邦題からして既にハードボイルドである。ヨーロッパ映画ならではの等身大な息づかい、色遣い。そして語られるのは奇妙で不思議な、友情とも愛情ともとれる物語。嫉妬し合うカップルのようなやり取りが可笑しい、いうなれば天使争奪戦である。何だかんだでハードボイルドな男たちも寂しがりやなんだな、と優しい後味が残る。もう少し男を磨いて、もう一度じっくりと再鑑賞したい映画。5点(2004-07-09 20:46:17)《改行有》 6. ホワイト・バレンタイン 《ネタバレ》 チョン・ジヒョンのデビュー作が、遂に日本上陸である。 『イルマーレ』のスタイリッシュな美しさ、『猟奇的な彼女』のパワフルな美しさ、『4人の食卓』のダークな美しさ。 そんな彼女の原点となる『ホワイト・バレンタイン』は、韓国映画お得意のピュアな純愛物語である。 オレンジ色の紐をつけたハトが、少し懐かしい街並の空を羽ばたいていく。 それを追いかけるチョン・ジヒョン。オレンジの紐が彼女を導いていく先は、秘められた初恋の想い出である。 このシーンを撮る為にこの映画が造られたのか、と思うほど素晴らしいシーンだ。 映画が終わり、場内が明るくなると、後ろに座っていた客が言っていた。「90分が3時間半に感じた」と。 そりゃ良いことじゃないか! 17歳のチョン・ジヒョンを3時間半も見れた気になったのなら。 冒頭、中学生時代の彼女。こんな娘がクラスにいたら毎日楽しいだろうな。 長くてダルくて退屈な物語ではあるが、この緩やかさがチョン・ジヒョンの初々しい魅力を感じるのに丁度いいのである。7点(2004-06-21 00:24:40)(良:1票) 《改行有》 7. エル・マリアッチ ロドリゲス監督はこの映画の制作資金を得るため、怪しい新薬テストの実験に参加し、1ヶ月間隔離されている間に脚本を書き上げたという。機材もタダ同然で借り、友人や知人に出演を頼み込み、監督、脚本、撮影、編集、その他やれることはすべて自分でこなし完成された映画である。 良い映画とは何なのか。 これは完全に持論だが、大作でも自主制作でも、制作費が安くとも、ヒットしなくとも、賞に無縁でも、いや、たとえつまらなくとも、誰からも評価されなくとも、平均点が1点でも、そんなことが映画の価値を決めるわけではないんじゃないのか。 むしろ映画の価値に差などはない。 面白い映画とつまらない映画はあるが、良い映画と悪い映画は無い。 映画に正解など無いのだから、最終的には作り手が表現したかった事、語りたかった事、見せたかった事、それをどれだけやり抜けたか、だれも判ってくれなくとも胸を張って自分の映画を愛していられるか、それこそが映画が存在する意味なのだと今は思う。 この「エル・マリアッチ」からはロドリゲス監督の、映画への情熱がムシムシと伝わってくる。自分の作品への愛がギラギラと反射してくる。カメラも、フィルムも、こういう男に使われる事を心底喜んでいる気さえしてくる。 こういう人間がいる限り、面白い映画が尽きる事は無いんだろうな。 そして、映画を観ているうちに、自分でもやってみたくなるから面白い。 これが錯覚なのかどうかは知らないが、恐らくみんなちょっとはそう思うんじゃないか。 取り敢えず次の休み辺りに友達に電話して、「ハリウッドに行かねぇか」と口説いてみることにした。6点(2004-06-17 21:12:27)(良:3票) 《改行有》 8. フォー・ルームス 《ネタバレ》 むかしスチュワーデスやってた人が言ってたんだけど、アメリカの空港で日本行きの飛行機に乗ろうとしたら警察がやってきて、そしたら「昨日あなたが泊まった部屋のベッドの下から死体が見つかった」って言われたそうです。 結構あるらしい。ホントに。7点(2004-06-17 17:50:03)《改行有》 9. ナチュラル・ボーン・キラーズ 殺人を犯した小学生をネット上でアイドルとして祭り上げる。 日本の今の現実として、この映画を笑えない状況が間違いなく存在する。 「人が人を殺してはいけない」なんていうのは肉食の人間が勝手に作り出したルールだけど、俺らは人が死ぬ痛みを知っているわけで、牛や鳥の死体をガッツいて喰いながらも人が死ねば涙する。 けどその痛みの感覚を失った、あるいは麻痺した、もしかしたら生まれた時から持っていなかった人間にとっては、ムカつく人を殺すなんてのはナンテコト無いのかもしれない。 やっぱり幸せな家庭をつくって、そこで育つべきなんだよ。そしたら家族を失うことの、人を失うことの痛みが分かるだろうから。 人殺しは映画の中だけで充分。これ、薄っぺらく聞こえるかもしんないけど、俺は大マジなんで。6点(2004-06-16 21:52:13)《改行有》 10. トゥルー・ロマンス 《ネタバレ》 俺たちに明日はあるっ!!7点(2004-06-13 22:18:52)(良:1票) 11. ロスト・チルドレン 小さい頃、熱が出るとこんな風な夢を見ていた。もの凄くうなされて、目が覚めると汗をビッショリとかいて。5点(2004-05-23 17:23:18) 12. PiCNiC(1994) こうやって見ると、この国は塀ばかりだな。何がそんなに怖いんだろう?6点(2004-05-20 17:47:51) 13. FRIED DRAGON FISH THOMAS EARWING'S AROWANA<TVM> 数秒感、映像と音楽にグッと心を掴まれる感覚。その瞬間、もはや時間を忘れる。岩井俊二監督の映画に必ず存在するその数秒感、それはこの作品の頃から一緒。部屋の中心に寝転がり、魚たちが見守る中、クラシック音楽を聴く2人。それだけでいいんだ。だから岩井監督の映画が好きだ。7点(2004-05-19 23:08:40) 14. フル・ブラッド 香港映画のヤミ鍋。ゲームボーイを入れたのは誰だ?7点(2004-04-14 20:51:53) 15. 処刑人 これがクールなら、タモリだってクールだ。5点(2004-04-14 20:50:25)(笑:2票) 16. ニキータ チェッキー・カリョがアンタッチャブルのボケに見えた。6点(2004-04-03 23:13:23) 17. レオン/完全版 他に類を見ないぐらい、「レオン」のベッドシーンは素晴らしい。8点(2004-03-27 21:31:47) 18. ラン・ローラ・ラン たった1秒のズレで大きく変わる人生。この宇宙には無限の未来があり、その中のたった一つを通って我々は生きている。何気ない日々の幸せが、とてつもない可能性の上に成り立つ。そう考えると、毎日がさらに愛おしく思えてくるじゃないかっ! 何十億年に及ぶ地球の歴史の中、自分がここに生きていること自体まさに奇跡。この世に生を受けた幸福を噛み締めて、一秒先の未来へ走り出すぞ!!7点(2004-03-25 15:54:15) 19. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア ヒトを含め、この地球上に存在する全ての生命は海からやってきた。人生の不条理、絶望、それらも全て飲み込んでしまう大海原。死ぬのは嫌だが、いつかは必ずやってくる。だったらこんな風に・・・。7点(2004-03-24 22:48:01) 20. ビューティフル・ガールズ 側にいてくれる人の大切さ、というのは出会ってから時間が経つにつれて忘れがち。最初は「流れ星を見たように」夢中になっても、次第に側にいることが当たり前になって、その幸せになかなか気づくことができなくなっていってしまう。どんなに恋で傷ついてもまた誰かを好きになる、不思議な生き物であるヒト。愛することの喜びがあふれている映画、いいなぁ、と思ってちょっと寂しくなる。7点(2004-03-19 07:40:15)
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