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1. 飛べ!ダコタ
久々にレビュー投稿したいと思わせる作品に出会いました!
実話をもとにしており、予定調和的なところは否めないですが
それでも戦争に対する悲しみを抱え、葛藤し、もがきながらも
それを乗り越えていこうとする人々の姿は希望を抱かせ、目頭が熱くなりました。
一言に戦争と言っても、そこから生ずる個々の悲しみ・葛藤は個別のもので
また悲しみ・葛藤の原因は戦争に限ったことではありません。ただ戦争(日本人にとっては特に敗戦ですね)は原因として
分かり易く映画の題材にし易いのは事実で、そのため戦争関連の映画は結構な数あります。
本作はその中でも良作で、戦争の悲劇的部分を感じさせる一方で、葛藤しながら乗り越えていく姿勢にスポットをあてており
やや抑え気味の演出・演技が効果的で、その描き方が秀逸だと感じる作品でした。
惜しまれるのは、英国軍人側の戦争に対するトラウマの描きが浅かった点でしょうか、それが描かれていれば
一層深みのある映画だったのですが・・・それは望みすぎ?それで減点1です。[DVD(邦画)] 9点(2019-05-06 01:26:54)《改行有》
2. 柘榴坂の仇討
《ネタバレ》 雰囲気・音楽ともに良く、昨今の邦画には少なくなった重厚な仕上がりになっています。ミサンガに関しては散々ツッコまれているようなので割愛するとしてどうにもラストが残念でなりません。この映画の肝は仇討の旅の果てに見つけ出した仇討の相手を切らない、それは何故か??ここにあると思いますが、その場面の描き方イマイチで残念でなりません。
十兵衛が新時代に適応してこの世の春を謳歌していたら金吾はどうしただろう?おそらく斬り捨てた後に
切腹して武士の矜持を貫くという流れになったでしょう、よくある時代劇でもあります。しかし、現れた仇討相手は自分と同じく13年の間時間が止まっているような人物だった。斬らなかったのは、主君直弼の言葉ではなく、相手も自分と同じような苦しい13年間を過ごしており、それが分かったため、仇討する必要がなくなっただけではないだろうか?
金吾にとって、切腹する、仇討をする、仇討相手を許す、どれも桜田門で主君直弼を守れなかった自分という人間をどう正当化するかの方法の違いではないかと。切腹は責任を取ることで、仇討は苦しみを相手に与えることで、許すのは、すでに相手が同じだけの苦しみを受けたと分かったからではと思うのです。直弼の言葉や考え方は、後付でしかないのではと。
金吾という人物が桜田門の事件から、そして自分というものから、正面から向かい合っていないような印象を与え、それが不完全燃焼な感情を呼び起こさせてしまうので、ラストは、私にとってはどうしてもイマイチでした。[DVD(邦画)] 6点(2015-08-24 01:54:45)(良:1票) 《改行有》
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