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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 砂の器 わたしは男性の俳優さんが、台詞の無い役でここまで人を泣かせてくれた映画を他にたった1本しか知らないんですけど、この映画で加藤嘉が見せてくれたこの芝居を超えられる人が何人いるか、ああ日本の演劇界って馬鹿にしたものじゃないんだなという気が本当にしました。後半出ずっぱりですがほとんど台詞ないんですよね。74年というとハリウッドは大作ブームで、日本映画はダメだダメだと言われていて、黒澤だけが大作を撮ってたみたいなイメージがありますが、決して天才肌とは言えない野村芳太郎だからこそ、松本清張の言っても言っても言い足りない部分が汲み取れてしまうというのか、このキャストにこのスタッフでなければ出来ない日本人ならではの粘り強い映画になったと思います。泣いて泣いて、加藤嘉という俳優が日本映画に残してくれたものに感謝しましょう。こんな凄い俳優の、こんな凄い演技が見られる映画はたぶん一生のうち何本も無いです。「ショーシャンクの空に」なんかで泣いてる場合ではないと思います。なんかどさくさにまぎれて、森田健作と並べて見て改めて丹波哲郎の凄さもわかりました。そういう意味では、森田健作の起用も無駄ではなかったかも知れません。[DVD(字幕)] 10点(2006-12-28 03:46:52) 2. 候補者ビル・マッケイ あのー。すごく言いにくいんですけど、これ大統領選じゃありませんよね。誰が言い始めたんだか知りませんけど、わたしもどこかで大統領選の話だと書かれているのを見てうっかりこの時期に手に取ったんですけど^^; 内容的にはいかにもアメリカン・ニューシネマという感じでこの時代のこの手の映画が好きな人には最後まで納得の出来栄えだと思います。系列としては『ネットワーク』とか『カンバセーション ・・・盗聴・・・』あたりに似たテンションだと思いますが、選挙戦という明確な一本柱を背負っていますのでニューシネマ独特の淡々とした運びが苦手な方でも比較的受け入れやすいストーリーなのではないでしょうか。ロバート・レッドフォードが正統派の美男子でありながら個性を重視したこの時代のアメリカ映画で一時代を画したことの理由には適切な役選びと、単なる二枚目に期待される以上の演技力があったと思います。この作品でもただのド素人であった彼が選挙戦を戦い続ける中である種のトランス状態に入り込み、圧倒的な高揚感の中で自分自身にすら手の届かない存在になって行ってしまう様子を表情ひとつで演じ切ってしまった。この力量は評価されて然るべきだと思います。それにしてもわたしより少し上の世代の人がブラピを見ては口を揃えて「レッドフォードにそっくり」と言う理由がこの作品を観て初めて理解できました。若い頃のレッドフォード作品は一通り観て来たつもりですが、この作品の彼が一番よく似てますね。いろいろな意味でレッドフォード無しには成立し得ない作品ですが、こういうのが一つの流行りであったとはいえ今なお残り続けているだけの価値は充分にある作品だと思います。こちらを先に観ていたら『ボブ・ロバーツ』をあれほど面白いとは思わなかったかも知れません。8点(2004-10-31 15:27:07) 3. サンゲリア ジャケについていた「ゾンビ映画の最高傑作」の謳い文句に釣られて鑑賞。謳い文句ってあくまでも自己申告の世界だってことをすっかり忘れていた。ロメロのゾンビにはすっかりメロメロなわたしだが、これはちょっと真剣になりすぎていてシャレになってない。遊びがない。ちゃんと恐いがゾンビに期待するものからは微妙にズレている。この緊張感、大真面目なホラーぶり、タイトな恐さというのは実はある種のホラー映画には絶対不可欠なものなのだけど、モノがゾンビだけにどうしてもどこかにほんわか和めるムードを期待してしまう。よって期待負け。普通にホラー映画として考えればちゃんとそれなりに恐いんだけど、だったら一応孤島モノなんだから「ドクター・モローの島」や「ザ・チャイルド」あたりのギリギリの絶望感まで持って行ってもらいたかった。伏線の張り方からオチまでの持って行き方は上手い。頑張っているけどやっぱりみんな英語がものすごく訛っている。ひょっとしたらここがケチのつき始めなのかも。5点(2004-09-23 01:42:39) 4. デアボリカ 極めつけのB、という感じですがわたしはけっこう好きです。こういう臆面もないB品って、かえって開き直ってて可愛い気がします。なんというか、半端にAマイナスを狙ったコケBよりは、確信犯のBが好き。って、これは単に好みの問題なんですけど。まあ見てからン十年経ってますし、コケBだったかも知れないですね。ちょっと自信なし。でも記憶の中での印象は不思議なほど良いです。ミドリも嫌だけどクロも嫌~(謎)7点(2004-08-12 01:31:08) 5. ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版 やっぱり歴史に残る作品ってそれなりに凄いモノがあるんですよね。小さい頃にTVで吹替え版を見たっきりで、3部作のどれがどれかもよくわからなくなってたんですが、「ドーン・オブ・ザ・デッド」を機会に見直しました。背景に横たわる絶妙なテンションと、遊びを遊びとしてとことん遊び倒した作り手の姿勢は率直に言って素敵だと思います。こういう絵が撮りたい、こういうシーンが撮りたい、こんなストーリーがいい、ただ怖いだけじゃなくて世の中を俯瞰で見下ろすシュールな視線で撮りたい、「こんなに撮りたいんだから、お客さんも喜んでくれるに違いない」という突き抜けた熱意を感じる作品だと思います。この時代のホラーが私は大変好きですが、ホラーが最もホラーのためのホラーだったし、作り手がホラーをナメてない。お客もシビアに、真剣にホラーを楽しめた時代でした。回顧趣味的になってしまいますが、何につけても度を超した真剣さと、真剣すぎる遊び心というのは爽快さを生み出すものです。死者と生者を分かつもの、その深遠なテーマをとことん遊びながら、最後に呼びかけて来るものは、たとえどれだけ絶望的な状況にあろうとも決して「生」を諦めない人間たちの逞しさです。実はそれこそが、生きていることの証でもあるわけですが。ホラー映画はやっぱり、真剣に見なければわかりません。 (ああ悔しい。100番踏みそこないました。)10点(2004-08-04 01:02:33) 6. ローズ やはりこれはジャニス・ジョプリン本人とは切り離して、あくまでもその人物像にヒントを得た創作と捉えるのが筋だと思う。ジャニス本人と近しかった人々からより真実に近いジャニス像が語られ始めたのはもっとずっと後のことで、本作の作られた79年当時、ジャニスはまだ死後数年。ショックの癒えぬ関係者たち、利害関係のしがらみも消えやらぬ中、ベット・ミドラーという不世出の白人女性ヴォーカリストを主人公に話題性としてのジャニスを引き合いに出しつつ独立したロック映画を作ったと考えれば、この作品が一個の作品として非常に丁寧に作り込まれた質の高い音楽映画だということが見えて来る。もちろんジャニスは「When A Man Loves A Woman」をカバーなどしなかったし、舞台の上で倒れて死ぬこともなかった。だからこれはあくまでもファンタジー、でもこのために書かれた楽曲のクオリティの高さ、演じたベット・ミドラーの類稀なる存在感、既に当時から評価の高かったヴォーカリストとしての彼女の才能、これらを包括してなお、人々がロックスターに求める孤独と絶望の実生活を映画の中に投影することで人々のロックスター幻想を二重に描き切ったセンスは偉大。人々はロックスターに夢を求め、さらにその私生活には荒廃した無限の孤独を求める。その一方的な要求こそが「スター」ジャニス・ジョプリンを死にまで追いやったことを、まるであざ笑ってでもいるかのように。美化された孤独、美化された生涯、この映画をジャニスが観ることがあったらきっと手を叩いて笑っただろう。この映画を楽しみましょう。その瞬間、私たちは自分がジャニスに求めたものの愚かしさに気づくに違いないから。9点(2004-02-26 23:13:52) 7. 哀しみのトリスターナ 女と不幸と足に執着するルイス・ブニュエルの作風の中でも、カトリーヌ・ドヌーブの美貌が異常なまでに輝きを見せる最高傑作。男性の従属物として養われることでしか生きて行けない古い時代の圧倒的な価値観の中で、あくまでも尊厳を保ち続ける一人の孤児の生涯。受動的でありながら精神的に隷属せず、自嘲的になりながらも自棄にはならない、孤高の美女トリスターナの姿に人は究極の女性の強さとしたたかさを見る。誇り高き貴族として社会から尊敬を集める紳士ロペは、養女トリスターナに対しても理想的な養父でありながら同時に彼女の美貌に翻弄される弱さをあわせ持ち、その老醜を嫌悪して一度は若き画家と駆け落ちしながらも片足を失うという無残な姿で戻って来た彼女に対し、地にひれ伏してその愛を乞うのである。権威の失墜、愛の呪縛に翻弄される老人、美醜と相反して力関係の逆転する支配者対被支配者の関係の中に、人間の感情の持つ様々な矛盾、執着が人間に負わせる従属の悲しさ、ひいては人間という存在そのものの惨めさを、美と富の密室で展開される男と女の「生活」というミニマムな環境に凝縮させて描き切り、なおかつ彼らに象徴される背後にあるものの存在の大きさを様々な比喩や余韻で雄弁に語らせることにも成功している。「女の一生」的な興味本位での見方でも充分楽しめる仕立てになっており、映像としての美しさ、ドヌーブの美貌の鑑賞的価値の高さも幅広い層に満足の行くものであると思われ、1から10まで幅広い尺度から楽しめる作品として、この時代のヨーロッパ映画の中では個人的に特に好きな作品でもある。10点(2004-01-24 11:58:50)(良:1票) 8. ナイル殺人事件(1978) もちろん「オリエント急行殺人事件」はちょっと別格ですが、当時流行ったアガサ・クリスティの映画化作品の中ではこれが一番楽しかったかなあ、と思います。原作がミステリとしてはもう一つマイナーだったので未読だったのが良かったんでしょうか。ミア・ファロー、ジェーン・バーキン、オリビア・ハッセー、マギー・スミス等など、キャストも今ではちょっと考えられないくらい豪華ですよね。ミステリとしてもきちんとマジメに作ってあるし、ナイル川観光に出かけて来たヨーロッパのお金持ちの豪華なバカンスを観光気分で味わえるのはこのシリーズの醍醐味。でも別にナイル情緒が味わえるわけではないのですが。やっぱり気楽に楽しむのが正解ですね。7点(2003-12-21 14:43:26) 9. ドクター・モローの島 子供心にかなり衝撃的な映画でした。半獣人のメイクとか、今思えば笑っちゃうようなシロモノなんですが、日本はまだ仮面ライダーとかの時代でしたし。なんと言ってもバーバラ・カレラの怪しげな雰囲気が良かったですね。時間が経って陳腐化するのはもう絶対避けられないタイプの映画ですが、個人的にはもう大好きな作品です。この時代のチャチな「特殊メイク」を、キッチュと思える人ならそれなりに楽しめるんではないでしょうか。「ゾンビ」のメイクが安っぽくて笑っちゃう、という世代にはちょっとキツいかも知れないですね。でもストーリーがシンプルで、けっこうイヤなオチもついてて面白いですよ。7点(2003-12-21 14:25:49) 10. チャイナ・シンドローム InVincibleさんのコメントにもあるように、特にウォーターゲート事件からの数年間は、権力に対する牽制力としてのメディアの存在意義が問われる内容の映画が多かったですね。やはり「大統領の陰謀」で描かれたように、一介の新聞記者が国家の犯罪を暴いたというインパクトが大きかったというか。大衆が権力を監視するためにはメディアを利用する以外に方法はないわけですから、正義が正義として機能するためにメディアは不可欠な存在でもあります。この映画はたまたま巨悪が原発であるわけですが、単に「原発=危ないからやめろ」というヒステリックな反応ではなく、公正な報道による本当の意味での市民の安全確保を訴えたという意味では、原発に限らず他の一連のメディア主義作品に並べて良いと思います。ただし個人的には、この作品を境に社会派路線を強調して来たジェーン・フォンダの「お色気だけじゃない私を見て」オーラが少々暑苦しく感じたのと、この映画に便乗して日本の反原発運動が著しく盛り上がってしまったのが同じく暑苦しかったためこの作品に対する印象がとても低いものになってしまったのは残念です。何につけてもヒステリックなのはあんまり好きじゃないので。この後すぐにスリーマイル島の事故が起きて、「ほらみろ」的に原発反対ムードが盛り上がってしまった。もちろん私も原発大賛成というワケではないが、現実的にエネルギー問題を解決するための代替案が出せるわけではないので静かにしている。エネルギー問題に限らず、何かに反対することに血道をあげる人々には、とりあえず代替案を出してみてよ、と思う立場から、こういう映画に便乗して大騒ぎする人々の存在はちょっぴり暑苦しい。重ねて言うけどそういう映画じゃないと思うんです私。やるならやるで、しっかり公明正大にやってよね、っていう映画じゃないんでしょうか。6点(2003-12-21 03:54:15)(良:1票) 11. さらば冬のかもめ 「佳作」という言葉がまさにマッチする作品。人生の楽しみを何も知らないまま、つまらない罪で貴重な年齢を刑務所で過ごさなければならなくなってしまった若者を、護送する2人の水兵が、命令違反と知りながらこっそり人生の楽しみをほんの少しだけ教えてあげようとする物語。寒々しい風景と、人情味あふれる2人の水兵の優しさが対照的と言えるのかも知れない。やるせない話の中にも観る人の心にかけがえのない何かを残す、ニューシネマの傑作の1つと言えるだろう。護送される若者役を演じたランディ・クエイドは、数年後「ミッドナイト・エクスプレス」でも服役中のアメリカ人役を演じていて、どうも私の中では永遠の囚人みたいなイメージがある。実際「ショーシャンクの空に」が映画化されると聞いて真っ先にレッド役として思い浮かべたのはこの人。ジャック・ニコルソンはこの作品でニューシネマのアンチ・ヒーローから人情溢れる頼れる兄貴への第一歩を踏み出した。脚本ロバート・タウン、主演ジャック・ニコルソンのこの組み合わせは翌年「チャイナタウン」を生み出すことになる。比較的地味な扱いを受けているこの作品だが、ニコルソンのキャリアの中では非常に重要な作品と言えるはず。9点(2003-12-21 03:29:28) 12. フューリー(1978) なんとなく雰囲気にノセられて観ちゃったけど、ほとんど内容は忘れてしまった。覚えているのは、とにかく血の出る映画だったということと、海水浴のシーンでカーク・ダグラスのたぷたぷユルんだお腹が醜かったことくらい。エイミー・アービングは「キャリー」からの持ち上がり組。最近になって「トラフィック」で久しぶりに見かけましたが、すっかりフツーのおばちゃんになってて驚きました。まあ当時からフツーっぽいですけど。カーリーヘアが印象的で、ちょっと雰囲気のある女優さんでしたよね。5点(2003-12-21 02:39:29) 13. 復讐するは我にあり 緒方拳って、「私は、捨てない。スモーキン・クリーン」なんてニコニコ微笑んで人情おやじみたいになってちゃいけない人なんですよね。全盛期の彼って、本当にスクリーンの向こうからでも、ビリビリ来るような異様な迫力があった。決して暑苦しくない、ギラギラした感じがね。この頃の彼は凄かったですね。対する三國連太郎も、その前の世代のそういう存在でしたから、この組み合わせはクールでしたね。賠償美津子も強烈な存在感で、決して悪女とか濃いキャラではないんですが、何しろあのおっぱいでしょう。子供心に、なんて凄い女優さんなんだと思いました。ラストシーンでは涙が止まらなかったですね。決して泣かせるシーンではないはずなんですけど。この頃の日本映画って、角川映画ばっかりだと思われてるところあるんですけど、こういう作品がけっこうあなどれなかったりするんですよね。最近観てないけど、そろそろ観直してみたい頃かな。8点(2003-12-21 02:20:14) 14. そして誰もいなくなった(1974) もう誰も知らない人がいないくらい有名なミステリを映画化しようと思ったところに既に無理がありましたよね。私も原作はクリスティの作品としてはかなり上位に挙げたい方ですが、この映画はちょっと・・・観たことを忘れたい・・・というかこちらのサイトで「映画大辞典」を眺めていて久しぶりに思い出しました。キャストは豪華ですが「ナイル殺人事件」とあまりにも近すぎて、なんか続編でも見せられているような気がします。あとは景色がステキとか、衣装がステキとか、ステキな要素はいっぱいあるんですが、どうしてもこれがミステリじゃなきゃいけないような理由が強く感じられませんでした。観光映画として雰囲気だけ楽しむという方法はあるかも。4点(2003-12-20 15:22:05) 15. 続・激突!/カージャック 実は私、スピルバーグの作品の中ではこれが一番好きです。脱獄犯とその妻が繰り広げる明るい泥沼騒ぎ。大した話ではないと思うのですが、独特のスピード感で最後まで突っ走っちゃうところは上手いです。ゴールディ・ホーンのひたむきな目が最後まで印象的な映画でした。続編でも何でもないのに「続・激突!」にされてしまったところがこの作品の最大の不幸だったと思います。単品で余計な先入観ナシに見ればちゃんとそれなりに完成度の高い作品だと思うのですが、「激突!」の意外性と「ジョーズ」の衝撃性に挟まれた感じで観てしまうと、なんかフツーの他愛もない作品、というイメージに落ち着いてしまっても仕方がないかなあ、と。でもどう考えても絶望的な二人の逃避行に、ストーリー運びのスピード感だけで引っ張られてしまう演出の手腕はやっぱり凄かったと思います。個人的には非常に好きな作品です。9点(2003-12-20 15:18:04)(良:1票) 16. 戦国自衛隊 当時とっても資金力があった角川映画のはずなんだけど、タイムスリップのシーンのSFXには邦画の限界を見せつけられる思いがしますね。それだけがとても残念ですが、千葉真一を始めとする自衛隊員たちの活躍は素直に応援したくなる熱さが感じられました。もともと私は大仕掛けの戦争映画が大好きなので、この作品でも関が原の戦いのシーンで大いにワクワクしました。上杉謙信を演じた夏木勲に当時かなりメロメロになったのを覚えています。こういう発想って今ではさほど珍しくもなくなって来てしまったので、時代と共に陳腐化して行くのは避けられないと思いますが、当時としては非常に画期的なアイデアでしたし、子供心に「すげーっ」と感動してしまいました。たぶん最近の若い人がご覧になっても感想は「・・・・」なんじゃないかと思います。ノスタルジーと言われてしまえばそれまでなんですけど、ニッポン人にはサムライ魂があるぜ!と熱い気持ちにさせられる映画の一つとして未だに忘れられない一作です。8点(2003-12-20 15:07:18) 17. 007/ダイヤモンドは永遠に 特に007シリーズの熱狂的なファンでもなく、シリーズ全部を観ているわけでもない、たまたま気になるとためしに観てみる程度のお気楽な立場から見れば、愛してやまないというほどではないにしろクソタレーな映画とも思えず、ショーン・コネリーの端正なルックスは観ていて心地よいものがある。この時代にとってのスタイリッシュというのはこういうのを言うんだろうなあ、という英国ならではの品の良さも見られるし、すごい、必見!とまでは思わないけど観ていて辛い映画ではなかったです。文字通りダイヤモンドは永遠に、なラストは素直にカッコいいなあ、と思いました。それほどたくさん007を観ているわけではないので無責任な意見かとも思いますが、少なくとも私が見たことのある007の中では比較的印象に残っている方です。6点(2003-12-20 14:57:37) 18. セルピコ 今どきコレを観て「うぉー正義っていいゼ」と思う若者がどれだけいるのかちょっと自信はないのだが、やっぱりシドニー・ルメットとアル・パチーノだけのことはある。けっこう長い映画だったような気がするが、ビデオだとすぐに気が散ってしまう私がちゃんと最後まで真剣に観ることができたというだけでも、一見の価値はある映画。見返り抜きで真実を貫く男の姿というのは、結局どんな社会にあっても一つの憧れであって現実にはなかなか実行できないものなんだろうけど、それをやってしまう主人公のカッコ良さに、小市民たちは夢を託してしまうのだろう。いわゆるオトコの美学というやつですよね。「セブン」で熱血野郎の新米刑事に妻がセルピコと呼びかけるシーンがあるが、そういう真実一路なオトコの代名詞になるくらいの存在になるだけのことはある。アル・パチーノって決して器用な役者ではないと思うんだけど、持って生まれた物があまりにも大きかった。こういう存在感って、やっぱりこの時代のアメリカ映画には絶対必要なものだったと思います。7点(2003-12-20 14:52:18) 19. 世界が燃えつきる日 ジャン・マイケル・ビンセントのセクスィーな笑顔と、スネたティーンエイジャー役しか人々の記憶に残さなかったジャッキー・アール・ヘイリーの近未来SF。この組み合わせだけでも充分楽しめるのだが、行く先々で出会う廃墟と化した町の姿に、近未来SFに期待するものは普通に詰め込まれていると思うのでそれなりに楽しい映画だったように思う。巨大ゴキブリの群れに追いかけられるシーンは何度観てもおっそろしい。タネも仕掛けもないベタベタな近未来SFではあるが、このぐらいベタだと却って素直に楽しめてしまうような気がする。今となってはこれも一つのノスタルジーかも。個人的に、ジャッキー・アール・ヘイリーにはマット・ディロンと同じくらい熱狂したので、その後彼の消息が聞かれないことが今だに残念でなりません。美少年マニアの方、是非一度いかがですか。8点(2003-12-20 14:41:24) 20. ファンタズム(1979) 決して面白い映画ではないんだけど・・・70年代ホラーはさんざん観たけど、中でも強烈にコワかったのはコレ。ストーリーをほとんど覚えていないということから考えても、たぶん大した話ではなかったんだろう。覚えているのはもう、とにかくコワかったこと。スプラッターが流行り始める前のあの手この手の中でも最後のオカルト映画という感じだったが、悪魔を持って来なかったところに創意工夫が感じられる。関係ないけどこの映画、同じドン・コスカレリ監督、マイケル・ボールドウィン主演だからと言って「ボーイズ・ボーイズ」との2本立てはいくらなんでも無理がありすぎたと思う。おかげで当時10歳だった弟は不眠症に苦しみ、連れてった私は両親からこっぴどく叱られる羽目になった。10歳にもなって、ホラー映画ごときで眠れなくなる弟も弟だったと思うのだが。 7点(2003-12-20 04:16:33)
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