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プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  バックマン家の人々 ハリウッドに小津を褒めちぎる映画人は多いが、ここまで本質的な意味で小津の精神を正しく踏襲した作品も珍しいのではないだろうか。いかにもアメリカ的なシチュエーション・コメディのスタイルを取りながら、人の親であることが宿命的に彼らに背負わせる身を抉るような苦悩の数々、人生の最大の喜びでありながら同時に全ての苦しみの源でもある我が子という存在、その絆の持つ痛みを多彩な顔ぶれで描いたこの作品は、あくまでもポジティブに、しかし辛辣に人生というものの核心をさらりと突いてみせる。特殊学級入りを勧められた自閉症気味の息子に惜しみない愛情を注ぐ夫婦、思春期を迎えた長男と反抗的な長女に手を焼くシングルマザー、突然黒人の「息子」を連れて帰って来る放蕩息子と彼を見限れない老父。それぞれがさりげなくアメリカの「現代」を象徴するようなバックマン家の人々は、異端者としての互いを認め合うことでアメリカの理想とする家族像を築き上げ、幾多の苦労と数え切れない悲しみに満ちた膨大な日々の積み重ねの中でごくたまにほんの一瞬だけ訪れるささやかな幸せこそ「人生」なのだと言い切る。ダイアン・ウィーストにハズレ無し。お約束の草野球も、ロン・ハワードの手にかかるとこれぞ重要アイテムとイヤミなく受け取れるから不思議だ。しかしこれは数あるハワード作品の中でも最も辛辣な部類に属するのではないか。白塗りでないトム・ハルスが見られる数少ない貴重な作品の一つでもある。この人なんでぱっとしないんだろうなあ、いい役者なのに。10点(2004-10-09 02:41:01)

2.  ヒッチャー(1985) 公開当時、周りの友達が全員口を揃えて面白いと言っていた。ビデオが発売になった時も、たしか回り中がこぞって面白かったと言っていた。主演がC.トーマス・ハウエルだと聞いて、彼が凶悪ヒッチハイカーとして暴れ回る映画なのだと思い込み、そんなものが恐いワケないと思ってスルーしていた。たぶん誰もルトガー・ハウアーとか、ジェニファー・ジェイソン・リーとか言い出さなかったんだろうと思うけど、最近になってこの2人も出ていることを知り、うっかり20年も経ってしまったが勇気を出して手にしてみたらやっぱりみんなが口を揃えて褒めるだけのことはあった。亜流が出尽くしてしまった今頃になってもまだ面白いんだから、20年前にこれを見た人はびっくりしただろうなあ。一般的なシナリオ作法をかなり無視した無謀な組み立てになっているが、無視したことにきちんと計算が感じられる極めて美しい作りになっている。ナッシュがどう絡んで来るのか、読めない展開はヒッチコックですね。「激突!」のオマージュかな、とも思えるけど、ショートスケールのロードムービーとしては非常に良く出来た秀作と言えるのではないでしょうか。前半のいかにもな泥沼感は、C.トーマス・ハウエルの微妙な年齢も加わって大変痛々しく、観ていて辛いものがありました。8点(2004-10-03 04:37:19)

3.  デモンズ ゾンビもののバリエとしてはちょっと詰めが甘い感じ。もちろん最初にこっちを出されていればそれなりに利はあったはずなんだけど、どうしても二番煎じ、三番煎じというか煎じ尽くされて出がらしっぽいイメージは払拭できない。突然目の前で起こった超常現象に対して動揺しながらも人々が一瞬にして「デモンズ」という固有名詞を用いたり、きわめて冷静に原因を特定したり展開的に無理な場面が非常に多かったという印象を受ける。特殊メイクについてはある意味円熟期に入っており、それなりに堪能できる仕掛けは多い。もうちょっとストーリーがちゃんとしていればなあ、と個人的にはやや残念な感じ。でもヒロイン役の女の子はめっちゃ可愛い。やっぱりイタリアン・ホラーにはこれがお約束よね。上手いなあ、惜しいなあ、と思う場面は随所にあるが、あともう一つ突き抜けた感じがないというか決め手に欠ける感じ。ホラーを舐めたらあかん。5点(2004-09-27 18:28:09)

4.  死霊のえじき ずっと昔に見たような気もするんだけど「死霊のナントカ」が多すぎて20年も経つとどれがどれだかさっぱりわからなくなる。これは確か劇場で見たはずなんだけど、オチまで忘れていたところを見ると当時の感想もやっぱりそれなりだったんだろう。当時ホラーは半分コメディ化が進んでましたしね。前作で非常に斬新だったギリギリのおとぼけ感が悪い方向にエスカレートした感がある。良く言えば余裕、悪く言えば馴れ合い、それが「味」だった前作と比べるのはいささか酷な気もするがどうしても観客は新しい物に飢えている。博士のニックネームがフランケンシュタインなのは純粋にオマージュなんだろうが、ちょっとオマージュのボリューム感多すぎ。体を張って助けたミゲルのその後を誰も心配してなかったり、シナリオの完成度も「ゾンビ」とは比べ物になりません。残虐シーンも規制のせいか意外に控えめだし、技術面である程度完成度を極めてしまった現在から見れば陳腐、過去の傑作に比べれば手ぬるい。よってこの映画をお勧めできるのはシリーズにある程度の思い入れのある方のみ、というシリーズ物にはお約束の出来。まあ「ゾンビ」のエンドロールで「お代わり~!」と言った人にはそれなりの懐古趣味的魅力はある。アメフトゾンビとかブライドゾンビ、バレリーナゾンビなどお馴染みゾンビ達のコスプレも見物。ショック度は高めだがその分俗っぽくなりました。まあこれで打ち止めにして正解だったかも。6点(2004-08-29 03:23:53)

5.  ハンバーガー・ヒル 好きなタイプの映画でした。やはり同時期の傑作として「プラトーン」と比べてしまうのは仕方のないことなんだけど、あちらが「動」ならこちらは「静」と言えるのかも知れません。ドラマチックな仕掛けもなく、ただ淡々と10日間、小隊が少しずつ疲労困憊して行く姿だけを残酷なまでに描き切ってしまった。そこには両手を差し伸べて天を仰ぎながら倒れるエリアス軍曹のような姿はなく、ただボロボロに傷ついて行く若者の姿しかない。その部分が、むしろ「プラトーン」を絵空事にしてしまう部分がある。結局最後は「死者ン百名」として片づけられてしまうはずの名もない若者たちの姿をあまりにもミもフタもなく描いた結果、より生々しく戦争の無意味さを強烈に印象づけることに成功している。スター不在、見どころ不在、あるのはただ絶望感ばかりという実にマス受けしない作品だが、どことなくキレイごとになってしまいがちな「プライベート・ライアン」みたいなスター映画よりは正しいだろう。戦争って虚しいよね、というありがちなメッセージではあるが、どうせ描くならとことんやって正解だろう。「プラトーン」のドラマ性はもちろんあれはあれで必要なのだが、こういう地味なところをきっちり攻めた戦争映画も別の意味でアリだと思う。この戦争がどれだけ無駄だったか、誰もがその答えを知っている今だからこそ価値ある作品と言えるのかも知れない。私は好きですね。8点(2004-08-24 01:31:43)

6.  48時間 もっとハチャメチャな内容かと思ってましたがしっかりハードボイルドになってますね。ある程度評価の固まっている作品ですので私が付け加えることは特にないのですが(笑)ニック・ノルティは映画に進出してかなり早い時期から、役柄を一本調子に絞らなかったところに非常にマーケティングセンスの良さを感じます。エディ・マーフィもこれ一本で映画界に打って出ただけのことはありますね。キツい言葉の応酬が一つの笑いのツボでもあると思うのですが、これもかなり字幕で本来の味が失われているケースだと感じました。どうしてこれが日本でウケたのかは、個人的には非常にナゾです。9点(2004-07-19 01:40:16)

7.  U・ボート 無類の戦争映画好きとして言わせてもらえばもっと面白い戦争映画はいっぱいある。限られた予算の中で工夫を凝らした派手さは評価できるし、潜水艦という独特な空間ならではの閉塞感や演技陣の堅実さは高水準。リアリズムに走り過ぎて個々のドラマが希薄になった感があり、無いに等しいストーリーと戦争の不毛さ、ナチス・ドイツへの反感を打ち出してしまったところがベタベタ。ドイツ人ならではのストイシズムが裏目に出た印象が否めない。戦争を題材にする以上、強烈に人間性を掘り下げるか、過剰にドラマチックなストーリーを用意することは最低限必要。記録映画に終わっているという意味で、残念ながら大した戦争映画とは言えない。ウォルフガング・ペーターゼンはこの作品で認められてハリウッドに招聘されたようだが、その後の仕事ぶりを見ても大した才能の持ち主ではないことは明白。一定の水準はクリアしていると思うが、繰り返して言うがもっと面白い戦争映画はいっぱいある。というか戦争映画って、もっと面白くあるべきだ。5点(2004-07-03 16:39:25)(良:2票)

8.  乙女座殺人事件 このズレ加減をちょっと面白いなーと思ってしまった私もやっぱりちょっとズレている。コロコロかわるテンション、どう見てもギャグにしか見えないアクションシーン、ミステリーとしてはあまりにもお粗末なプロット、なのにケビン・クラインがひたすらクセ者だったためにむやみに振り回されてしまいついつい最後まで観てしまった。基本的にスーザン・サランドンにハズレ無しと信じていたが、まあ長いキャリアの中にはこういうコトもあるだろう。だいたいこれだけの豪華キャストで、これほど話題にならないってことはナニか理由があるのである。世の中意外とうまくデキている。決してわざわざ観るほどの映画ではないが、ピントをはずしたヘンな映画が観たい気分の時にはほどほどに脱力できるだろう。やっぱりケビン・クラインって上手いと思います。NYを舞台にしたオフビート感覚ノライト・コメディと捉えれば・・・ちょっと苦しいか。でも嫌いじゃないです。あんまりお勧めはしません。5点(2004-05-09 04:10:29)

9.  ブラッド・シンプル これはいいですね。原点だからこそのシンプルさと、ストレートさがその後のコーエン兄弟の作風を端的に集約していると思います。たまたま運悪く、3つ重なってしまった偶然。夫の元を離れた妻は、愛人が夫を殺したと思い込み、愛人は彼女の仕業だと思い込む。たったこれだけのストーリーが、ちゃんとサスペンスになっていることに驚きます。整理されたシナリオ、個性豊かというにはクセの強すぎる登場人物たち、計算の行き届いた画面構成。夫が殺されるまでの成り行きを丁寧に描く前半と、勘違いからお互いに猜疑心をつのらせて行く後半のそれぞれが独自のサスペンスを持っていて、ほとんどスキらしいスキもないのは見事。斬新なように見えて、映画学校で基本中の基本として教えるセオリーを徹底的に踏襲し、手堅く真剣に作られた誠意溢れる作品だと思います。基本だって、やっぱり無視しちゃいけないのよ。教科書通りにきちんと作ったって、新しいものはできるのよ。という基本的すぎてもはや誰も振り向こうとしない根本的な2つの事実に、この作品はふと思いをよぎらせてくれます。傑作だと思います。9点(2004-04-18 03:12:20)

10.  アトランティック・シティ 《ネタバレ》 どうしようもない人生。夫を妹に寝取られて、たった一人で人生の建て直しをはかる女と、かつての仲間の未亡人に召使としてアゴで使われる男。惨めさを絵に描いたような二人の人生が、カジノ・シティとして再生を図るアトランティック・シティで交錯する。ハートウォーミングに逃げず、ありきたりの幸運話にとどまらない、ルイ・マルならではの感性に彩られた醜く、悲しい男と女の欲望の物語。絵空事めいた救いはない。悲惨な人生が、これを境にほんの少し上向いて行くかもしれない期待感だけを残して、最後まで人生の賭けに勝とうとする人々の姿に人はほんの少しだけ安堵する。彼女は賭けに勝ったのか?彼女の勝ちは、失った物を本当に全て補うことができたのか?小銭を掴んで肩を寄せあう老人たちは、満ち足りた心でこの世を去ることができるのか?ルイ・マルの見たアメリカが、この一作に凝縮されている。「生きろ」というプリミティブなメッセージを、さりげなくしかしドラマティックに、見事に描き上げた名編である。 ルイ・マルは「プリティ・ベビー」に続いてスーザン・サランドンと仕事してますね。そういえばジャンヌ・モローの面影があると言えないこともない。9点(2004-04-07 01:28:59)

11.  ハンガー(1983) たまに間違えてホラーのコーナーに置かれているのを見かけることがあるけど、これは違いますよね。テーマはデカダンだよね。ボウイが美しいのなんか冒頭のほんの数分で、あとは見るも無残に老いぼれていくヨボヨボのヨロヨロ。何年生きてるんだか誰にもわからないカトリーヌ・ドヌーブがこんなに妖しく美しいぞ、というのが主題なんじゃないのかなぁと思いますが、対するスーザン・サランドンの微妙な生々しさ等、配役にはちゃんと意図が感じられると思います。ミステリアスにオカルティックに展開するわりにはジャンルがミステリーでもオカルトでもないので、肩すかしを食らう人が多いのではないかと思いますが、「移ろわない美ってこんなに悲しいぞ」という比較的語り尽くされたテーマを当時のドヌーブを主役にして描きたかったという趣向にはかなり納得の行くものがあります。この作品でわずか2カット、台詞1個で出演したウィレム・デフォーは後にデビッド・ボウイと「最後の誘惑」「バスキア」で、スーザン・サランドンとは「ライト・スリーパー」で競演することになります。ファンなら当然、チェックしておいて損はない作品でもあります。8点(2004-02-16 17:41:16)

12.  女優フランシス 神は死んだ、と作文に書いて良識ある父兄たちを仰天させた少女時代から、華々しくデビューを飾りながらも精神障害を理由にハリウッドから追放される女優フランシス・ファーマーの数奇な生涯をジェシカ・ラングが狂演。ラングの奮闘ぶりは若干暑苦しくもあるが、「キングコング」でモデルから女優へ転進のチャンスを掴んだラングが演技派への道を突き進むためには必要な挑戦であったかも知れない。ラングは同じ82年、「トッツィー」でアカデミー賞を受賞しているが、本人の思惑からすればむしろこちらの方が本命であったような気もする。とにかくこの頃のラングには、「私はもうキングコングのオモチャじゃないのよ」的オーラがぷんぷん漂っていたし、この役はオスカーへの最短コースを思わせる実録モノ、悲劇モノ、精神障害モノ。まあこの時代の流行りだったのね、と思わないこともないが、陰謀渦巻くハリウッドの楽屋裏モノとしても見ごたえは充分。実在のフランシス・ファーマーがロボトミー手術を受けながら芸能界に復帰し、6年間に渡って自身のTVショーを勤めたというのもちょっと驚嘆に値する話ではある。8点(2004-01-25 03:04:05)(良:1票)

13.  パリ、テキサス 人生って何だろうね。取り戻せない過去って何だろうね。若さ故の過ちって、家族っていったい何だろうね。様々な余韻を漂わせながら、答えも出せなければ正しい結末もないのが人生なんだよね、とさりげなく過ちを肯定してくれるこの映画に救われることはあったかも知れない。不幸な結婚とそこから始まる男女の手さぐりの人生。深い絶望と放浪の旅から帰った男を迎えてくれる家族。不幸な過去をお仕着せの目隠しで覆うことより、真実を見つめようと決意する男と、いずれは誰かに語ることでしか再生への手がかりを見つけられない女。過去は決してリセットの効くものではなく、人は誰でも記憶と共存して生きて行く方法を見つけなければならない。ここに描かれた物語は、決して美しくも輝かしくもなく、誰もが憧れるようなものではないが、類を見ないほど美しいラストシーンには、言葉だけでは決して語ることのできない人間への暖かい眼差しが溢れている。人間ってちっぽけだ。人生にはやり直しが効かない。取るに足らない一人一人が、それぞれのちっぽけな物語をそれでも、どうにか必死で生きている。10点(2004-01-25 02:47:21)

14.  スクープ・悪意の不在 個人的にはシドニー・ポラックって要するに昼メロの人でしょ、というのが本音。ポール・ニューマン、サリー・フィールドという組み合わせと、メディアを中心に据えた一見硬派な題材から社会派のカタい話を思い浮かべてしまうのだが、これは火曜サスペンス劇場でしょう。達者な二人だからこそなんとなく誤魔化されてしまわなくもないのだが、ここに至るまでの70年代中・後盤に社会派の傑作がひしめき合っているだけに、ついつい比べてしまうのはやむを得ない。時代と内容、テーマから同じポール・ニューマンの「評決」がどうしても連想されてしまうのだが、あちらで展開された互いに惹かれながらも現実の前に憎しみ合わざるを得ない二人の感情が凍った川の下を流れる冷水のような重みを持って横たわっていたのに対し、こちらのそれはややベタついたメロドラマ調。サリー・フィールドがいかに頑張っても、演出がそうなのだからどうしようもない。ああ、こういうのが流行っていたのね、という程度の感想しか持てないのは非常に残念なカップリングなのだが。もったいなかったですね。6点(2004-01-25 02:32:54)

15.  遠雷(1981) 私は都会育ちなので、実際に田舎の若者像というものを想像したことすらなかったんですよ。そういう意味で、この作品にはちょっと頭をぶん殴られたような衝撃を受けましたね。とにかく娯楽が何にもないから、若い二人が見合いをしてやることといったらセックスしかない。実際に地方出身の友達に聞くと、そんなものよと口を揃えて言いますが、都会だと普通もっと手順がややこしいじゃないですか。細かいストーリーとかあんまりよく覚えてないんですが、二人が最後に調子っぱずれで歌うのが桜田淳子の「青い鳥」というのも衝撃的でした。だって当時ですら既に懐メロでしたし、若い子が人前で歌ったりする歌じゃなかったですから。都会こそ素晴らしい所だ、都会じゃなきゃ駄目なんだという当時の圧倒的な価値観の中に、地方に根を張って生きて行くことのしたたかさ、たくましさを正面からはっきり言ってのけた、そういう「出て行かない選択」をした若者たちの強さに、これは勝てないと悟った一瞬でした。8点(2004-01-20 23:04:24)(良:3票)

16.  トラック29 ニコラス・ローグにしてはちょっとキレ味悪いかも?という声も聞こえて来そうなところだが、このぐらいの弾け具合が実は一般視聴者とのギリギリの接点かも知れない。母親を探して旅する青年、生き別れたわが子を記憶の底に封印したまま、年の離れた夫との距離感に悩む妻。決して明かされることのない二人の間の密かな絆に、人は愛する者を見つけるのではなく求めるのだというさりげないメッセージが込められている。いつになくシリアスなクリストファー・ロイドの怪演といい、まだ頬のふっくらとしたゲイリー・オールドマンの初々しさといい、ちょっと珍しいモノが観られるという点でも一見の価値はある作品。含みも多く、受け止めようによっては多様な見方のできるストーリーは、噛めば噛むほど味が出る。際限なく繰り返しの鑑賞に耐える作品である。10点(2004-01-20 22:30:40)

17.  薔薇の名前 意味深なタイトルや重厚な映像に気分的にはかなり盛り上がれたのだが、原作を読まずに観たためかミステリとしてはもう一つ決めてに欠ける気がした。謎解きの面白さより、雰囲気を味わう作品かな、という印象がある。今世紀最大の謎、みたいなフレコミだったせいかどうしても空振り感は否めなかった。ただし中世の修道院といういかにもミステリアスな雰囲気や、全体の運びは決して退屈しなかったので、あくまでもコスプレとしては楽しめたと思う。この映画で初めてクリスチャン・スレイターを観た時に瞬間的に感じたのは、こんなにクセの強い、他では絶対に使い物にならない子供を引っ張り出して来て若者の人生を台無しにする、というハリウッドへの激しい怒りであった。ところがどっこい、ちゃんと生き延びたばかりでなくキレた主人公から背景と見分けのつかない脇役まで幅広く演じ始めた時には己の見る目の無さをはっきり自覚したものである。この頃の彼は頬がコケていて可愛かったデスネー。8点(2004-01-17 23:30:09)(良:1票)

18.  ユーズド・カー 私にとってはゼメキスって、実はこれぐらいのスケール感で最も手腕を発揮する人です。最近の暴走ぶりは気恥ずかしいくらい。こういう予算とスケールの作品ほど、プロットと演出で勝負するしかなかったりするので、「おもしろかった」と言わせるのがすごく難しい線なんですよね。最近見直してないので少し古びたかも知れないですが、初めて見た時には率直に「すげ~」と思いましたよ。どうもこの辺を観てしまっていると、いつまでもカート・ラッセルが大物に見えないのが困りモノですが。ラストで中古車並べてガーッと走るあの爽快感はなかなかのものです。優秀なコメディだったと思います。8点(2004-01-17 14:51:01)

19.  サイゴン 「プラトーン」で一躍世界の脚光を浴びたウィレム・デフォーのオスカーノミネ後第一作と考えれば、再びベトナムで活躍する正義と苦悩のデフォーが見たいぞ、という世の中の期待は充分に満たした作品と言える。純然たるB級サスペンス+異国情緒の香りづけは当時の一つの流行りでもあり、「プラトーン」で憤死したエリアス軍曹のもう一つの活躍という以外ほとんど見るべきものもないのだが、あ~エリアス軍曹元気でやってるじゃん。という妙な救いが感じられてファンにはけっこう嬉しい作品。やはり85年の「ホワイト・ナイツ」でプチブレイクしたグレゴリー・ハインズとのカップリングというのも、いかにも季節モノ企画モノという開き直りが感じられてむしろ清々しくさえ思える。終戦直後のサイゴンで起きる軍幹部絡みの殺人事件を探る捜査官と、現地でボランティア活動に励む美しすぎるヨーロッパ人尼僧との恋、安っぽい仕掛け満載の究極のB級サスペンス。ヘタな重厚感や大作フレーバーをまぶさなかったという点で、個人的には非常に高く評価したい。7点(2004-01-17 11:43:10)

20.  花園の迷宮 これねえ、バカつまんないんだけど私はけっこう好きでしたね。耽美主義と言い張るには美しさに欠けるし、ミステリーとしては破綻しまくり、あるのはもうただひたすらノスタルジーのみ、という内容なんですけど。たぶん内田裕也の背中に弱いんだナ。内田裕也ってある種の女性にはどうしようもなく魅力的だったりするのですが残念ながら不特定多数にウケるタイプではないと思うので、裕也さん好きっ!っていうアホ以外はこれ見ても苦痛以外の何物でもないと思います。私は裕也さん好きっ!派なのでこの映画は嫌いなんだけど妙に好きです。つまんなさが芸になってるし。映像的にも日本映画にありがちな一人よがりの思い込み系、大物がやったら「スタイリッシュ」と言われかねないアレです。でもこういう突き抜けたこだわりを感じる映像って最近ではなかなか観られないので私はけっこう好きです。5点(2004-01-11 13:23:41)

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