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プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  セブン 《ネタバレ》 さながら残虐行為のショウケースだ。映像的にグロいというより想像するだに痛そうな、精神的にきつい手口ばかりを並べたててみせる歪んだ想像力には、ある意味感心させられた。事前にネタがわかっているとそう衝撃的でもないが、後半の筋書きの秀逸さは確かで、自分だったらこんな脚本は逆立ちしても考えつかないだろうと思う。 ただ、ケヴィン・スペイシーの演じる殺人犯ジョン・ドゥにはあまり凄みを感じられなかった。ハンニバル・レクターよろしくカルト宗教の教祖的な性格を持った連続殺人犯だが、レクター博士の場合は徐々にこちらの精神を侵食してくるような底の知れない恐怖があったのに比べると、ジョン・ドゥは単なる誇大妄想狂としか感じられない。会話の通じないアホといってしまえばそれまでのような気がする(こんなやつにミルズ刑事のような一般人が操られてしまうからこそ怖いのかもしれないが)。 この手の殺人者が怖いのは、単純に危険だからというだけではなく、ノーマルな側であるはずの人々が、知らず知らずのうちにその異常性に惹きつけられている部分があるからだと思う。純粋な脅威としての殺人者を恐れているのではなく、殺人者のなかに自分自身を見てしまうからこそ怖いのだ。その点、ジョン・ドゥは完全に理解の範疇外にあり、怖いというか鬱陶しい。結局お前はなにがしたかったんだよ、と言ってやりたくなった。あるいはキリスト教圏の人であればまた受け取り方が違ったのかもしれないが。 ここでの高評価につられて再見してみたものの、自分としては繰り返し鑑賞したいと思えるほどではなかった。二人の刑事が胸毛を剃りながら「乳首を切り落としたら労災が下りるのか?」なんて話をする何気ないくだりのほうが、クライマックスよりかはむしろ楽しめた。ブラッド・ピットのかっこよさを再確認できたのが、最大の収穫だろうか。[DVD(字幕)] 7点(2009-12-25 15:34:06)《改行有》

2.  恋人までの距離(ディスタンス) 《ネタバレ》 友人と深夜までお酒を飲んでいたりすると話題が妙に哲学チックになったりするものだ。異国で出会った二人の会話も日常生活とは違ったテンションで進み、自然と親密な空気に包まれていく。教会や墓地を巡りながら思い出話をするうちに、やがて生と死について語り合うようになる(この辺の何気ない展開が上手い!)。話題が生真面目になったと思ったら男がふざけ、ふざけすぎると女が引き戻す、まるで古い友達同士のように息が合っている。二人が打ち明ける悩みごとがまた真実味があって、とくに(自分の性別のためか)男性の吐露する心情には頷ける部分が多かった。相手が誰でもそうだが、会話が深くなるのは決まって夜明け前の、一日でもっとも静かな時間帯なのだ。 ここに描かれている出会いが永く続き得る真実の愛なのか、というと大いに怪しい。しかしまったくの偽物で、浮かれ気分に生じた勘違いでしかないと判断するのも寂しいし、フェアではないと思う。むしろ性格の異なる二人が非日常で会ったことで、本来なら成立するはずもなかった共感が生まれたのだとしたら、それはそれで素晴らしいことじゃないだろうか。「もし魔法があるとしたら、それは人が人を理解しようとする力のこと」という台詞があった。ロマンティック過ぎる言葉だけれど、自分は素直に感動してしまった。 二人が旅先ですれ違ったなんてことのない人たちが見せる、不自然ではない程度の優しさがまた良い(ただしあのエセ詩人は、自分が客の立場になったら「は?」ってなるかも)。素人俳優に占い師に詩人にダンサー、と冷静に考えると癖の強い人ばっかりだ。忘れてはならないのは初対面の旅人にツケでワインを出してくれるあのバーテン。旅先でああいう人が一人でもいると、思い出のつやがぐんと増すんだよね。 久々にいい恋愛映画を観た。それに実は、恋愛だけがテーマではないだろう。これは何よりも会話を楽しむ映画であり、言葉を交わすことの価値について、人と人のつながりについての映画だ。たとえ短い時間のことであっても、心が通い合ったことが嘘になるわけではないのだと、この作品は優しく教えてくれている。[DVD(字幕)] 8点(2009-09-06 01:30:22)(良:2票) 《改行有》

3.  カリートの道 《ネタバレ》 裏社会から足を洗おうとしているギャングが、時代遅れの仁義を通したがために破滅へ至る――そのまま日本の任侠ものに移し変えても通用しそうなお話。従来のマフィア映画に比べるとスケールはやや劣るものの、完成度は非常に高い。 監督が「アル・パチーノはとても美しい」、とメイキングで語っていて、普通なら笑ってしまうところなのだが、実際そう形容するほかない、尋常ではない雰囲気があった。ダンディとかセクシーとかいった表現では遠く及ばない、独自の空気を放っている。パチーノの他の出演作ももちろん良いが、この映画ほどその存在感が強烈に印象付けられたことはなかった。反対にショーン・ペンは髪型のせいもあって、アップでじっくり見ないとペンだということが納得できない(笑)。別人と見紛うほどのゲスぶりは、違う意味でお見事。 デ・パルマ節全開の駅の銃撃戦も面白かった。さして大掛かりなアクションがあるわけでもないのにサスペンスフルで、監督のキャリアの中でも最良の仕事ではないかと思う。『アンタッチャブル』でも同じく駅の階段を舞台にしたアクションがあるが、比べ物にならない出来だ。もう一つのクライマックス、パチーノがドアを破って恋人を抱くまでの下りも素晴らしい。 ただし深い感動までは至らず、7点に留めた。その理由の一つは、カリートの通そうとする義理が美学というにはあまりにも浅はか過ぎた点。つまらない意地を張ったとしか思えず、いまいち肩入れできない。もう一つは、物語そのものがあまりにも素朴に感じられたこと。わかりやすい単純な筋書きを、いかにも感傷的に描いている。お涙ちょうだいの演出は、悪い意味でも「任侠もの」的だ。だから悲劇であるにも関わらず、痛みが尾を引かない。切実さがない。 隙のない作りではある。だが自分の中では忘れ難い作品、とまでは言えない。[DVD(字幕)] 7点(2009-09-01 13:04:48)《改行有》

4.  ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ! 《ネタバレ》 よくできている。ただし可愛いと感じるツボと微妙にずれていたのと、クレイアニメにさして思い入れもなかったのもあってか、めちゃくちゃ面白いとまではいかなかった。他のレビュワーさんがおっしゃっているようにシリーズの初めから追っていれば、もっと楽しめたのかもしれない。憎めない悪党ペンギンを動物園に閉じ込めておしまい、という結末は大変微笑ましい。 それにしても英米の漫画やアニメの主人公って、クライマックスが近づくとかなりの確率で敵の策略にはまって孤立しますね、ひどいときは無実の罪を着せられたりして。あとで盛り返すとわかっていても可哀そうで、この手のパターンはちょっぴり苦手です。[DVD(字幕)] 6点(2009-08-17 20:08:23)《改行有》

5.  ユンカース・カム・ヒア よくできてはいるけれど、飛び抜けたところがない。可もなく不可もなく、というのは言い過ぎかもしれないが、いかにも文部省選定といった感じの無難な内容。 もっとも、地味なお話をここまで完成度の高いアニメーションに仕上げたのは確かな実力の証だとは思う。両親の不和に悩む女の子の心情描写には説得力があって、これといった捻りや目を見張る工夫は無いのにも関わらず、それなりに感動させられた。犬も愛らしく、記憶に残る。 しかしいかんせん、物語に拡がり、奥行きがない。とくに脇役が薄っぺらく、お手伝いさんのとってつけたようなおとぼけキャラといい、人物配置の卒のなさが鼻についた。小学校の授業で観せられたいくつかのアニメーションと同じで、まずまず面白いのだけれども、お気に入りの作品にはなりえない。そうなるには、お行儀が良すぎる。 一流のコックが二流の素材を使って料理して、できあがったのがこの作品だと思う。非常に惜しい、佳作。[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-08-16 23:16:40)《改行有》

6.  ロスト・チルドレン 《ネタバレ》 すごい。大勢のサンタクロースが現れる悪夢のプロローグから一気に惹き込まれた。ちょっとやそっとの秀逸な発想がある作品は珍しくないが、本作は最初から最後まで、散りばめられた小さなアイディアのひとつひとつが光っている。 おそらく作り手は、長い年月をかけてコレクションしてきた心のなかのおもちゃ箱をひっくり返して、「ほらほら面白いでしょ」と自慢してみせたかったんじゃないだろうか。それは独りよがりなマニアの自慢に近いものだが、そのコレクションがほんとうにユニークで素晴らしいものだったなら、自慢された側としても文句のつけようがない。 最大のピンチを幸運で乗り切るくだりには笑わされた。普通の作品なら怒るところだけど、ここまで確信犯だともはや突っ込みようがない。イメージを優先して内容を充実させることははなから放棄した、おとぎ話のようなでたらめさ。こんな片寄った方法論で充分以上に楽しませてくれるのだから、逆にすごい。これほど個性的な才能は稀有だろう(なので、趣味が会わない人はとことん合わないはず)。それでいてストーリーはテンポがよく、アート志向が強すぎて退屈ということもない。役者は最大限に個性を発揮しているし、ラストシーンは洒落が効いていて鮮やかだ。 とりわけ個人的に感銘を受けたのは、ミエットが夢の世界で敵の親玉と対決し、急速に老いていく容赦の無い映像。ミエットをあれだけ魅力的に描写しておいてのあれだ。居心地がいいだけのファンタジーに終わらず、美しさと隣り合わせの残酷さ、絶望を垣間見せる。けっして後味の悪い話ではないが、物語の舞台となる世界には犯罪が横行し、映像は常に暗みを帯びている。ディズニーのような真っ当な明るさとはまた違う、陰鬱な美しさのある作品といえるだろう。[DVD(字幕)] 9点(2009-08-08 16:59:56)(良:1票) 《改行有》

7.  父の祈りを 《ネタバレ》 重厚なトーンと俳優の演技力で惹き込むが、全体として焦点を絞りきれていない印象を受けた。材料はいいのに調和していない、というか……。刑務所の窓から灯火を落とす映像は、まとめるために無理に挿入された感じで、感動のクライマックスとしてはちょっぴりぎこちない。D・デイ=ルイス目的で観たからそれなりに満足はした。だが他の映画でもそうだったように、彼の演技に頼りすぎて脚本がバランスを失している。 ところで完全に余談ですが、最近起訴が取り下げられた足利事件、唖然としましたね。この映画は結構前の、しかもIRAに関わる事件であるのに対し、九十年代の日本における政治性のまったくない事件で、拷問のような取調べで自白を引き出していたという……。DNA判定があったとはいえ、暴力による強制的な自白が冤罪を生むのは過去の事例でわかりきっているのに、あまりに前時代的過ぎる。 この映画は七十年代の事件を「英国司法史の汚点」と評していますが、似たような失敗を二十年経っても繰り返しているこの国の司法って、なんなんでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2009-06-17 22:24:33)《改行有》

8.  ファウスト(1994) 微妙。クレイアニメを期待していたら人形劇が中心で、肩透かしを食らった。ところどころに独特の発想があるのは確かだけれど、全体としては退屈だった。短篇集ならまだしも、このシュールな展開で九十分以上もたせるのは無理がある。 とくに人形劇やアニメーションではない場面の映像は非常に安っぽく、よく言えば味わいがあるのかもしれないが、普通の古い海外ドラマの映像と変わらないレベル。男が鞭を振るって呪文を唱える場面には正直、失笑してしまった。 湿り気のある不気味さはシュヴァンクマイエル独自の持ち味だが、さして刺激的でもなく、完成度が高いわけでもない。感性に任せて作られた意味不明な作品もあってもいいと思うが、それなら相応のクオリティとテンションを保ってほしいと思う。[ビデオ(字幕)] 4点(2009-01-14 13:29:17)《改行有》

9.  レザボア・ドッグス 《ネタバレ》 初めて観たときは相当感動したものだけれど、観返すとそんなには――という感じだった。洒落た会話というのがそんなにピンとこなくて、とくにオレンジの回想パートなんか、なにが面白いのか全然わからない。冒頭や、コードネームを決めるときに大の男が「ピンクは嫌だ!」と本気で騒ぐところは面白かったけれど。逆に、大男同士でじゃれあう場面は今観て初めて良さがわかった気がする。ブルー登場以降の息詰まる展開はやはり圧巻。 公開からそれなりの年月が経った今でもタランティーノの個性は際立っていて、ろくなエピゴーネンすら生まれていない(生まれようがない?)。強い感銘は受けなかったけれど、タラの才能の得難さをつくづく再認識した。 ていうかあの目立たないおじさん、犯罪小説家(で、元常習犯罪者)のエドワード・バンカーだったのか。代表作の『ドック・イート・ドック』に似た感触のお話だなとは思っていたが、やっぱり影響は強かったんだなーと納得した。[DVD(字幕)] 8点(2008-08-16 02:34:33)《改行有》

10.  トレインスポッティング レディオヘッドの某曲みたいな印象的なモノローグから始まり、イメージを連鎖させるような疾走感あふれる流れで物語が展開していく。物語そのものは単純極まりない。なんというか、詩的だと思う。 しかし当時はお洒落映画だったのだろうが、今見ると色褪せた感は否めない。美しい映像というのもどこのことだかわからないし、音楽の使い方もタランティーノなどに比べると格段に下手で、ちょっぴり浮いているようにすら感じる(タラが上手すぎるのか?)。 ユアン・マクレガーやロバート・カーライルの演技は素晴らしく、あきらかにしょうもないダメ人間だし鬱陶しいんだけれども、なんでかちょっと可愛らしい(?)、ほっとけない感が巧みに醸し出されている。インパクトがあるのは便所に潜るところ。えぐさ、汚さにかけては時代を経てもなかなか、強烈だった。[DVD(字幕)] 7点(2008-08-06 16:16:14)《改行有》

11.  イル・ポスティーノ 《ネタバレ》 唐突な結末に引いてしまったけれども、この映画に漂う空気は好きです。陽光きらめく海沿いを自転車で走る姿にあの音楽――ほんの少し、ジブリっぽいなと感じました。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-16 18:06:07)

12.  ブロードウェイと銃弾 めちゃくちゃ面白かった。おすすめ。 ウディ・アレンとしては珍しく、一般受けしやすいバランスのとれた作品となっている。すべてのキャラが立っていて、コメディとしてとてもよくできていた(ただし相変わらず笑うところでもわかりやすい演出なしにさらっとすませているので、わからない人にはわからないかもしれない)。それでいてテーマ性も深く、芸術家とはどんな人種なのかを的確に言い当てている。 仮初めの芸術家としての自己顕示欲やナルシシズムに囚われた連中ばかりいるなかで、人知れず至高を求める真の芸術家の純粋さが、恐ろしく、また哀しい。凡人は特別な才能のある人物を見ると安易に羨ましがったりするけど、天才からすると気楽で幸福そうな凡人が羨ましく見えるのかもしれない。 ウディ・アレンとは波長が合わないと思っていたけど、本作で見直した。濡れそぼった子ヤギみたいな顔してるくせして、やるじゃないかアレン。本人が出演しなかったことも、この作品の水準を上げた一因じゃないかと思う(ひどい 笑)。本人が出なかったこと、そして恋愛を主題としなかったことで、過剰な自意識やコンプレックスが作品の均衡を崩すのを防げたんじゃないだろうか。[ビデオ(字幕)] 9点(2007-12-16 18:26:14)(良:1票) 《改行有》

13.  スターシップ・トゥルーパーズ 正直、おバカ映画でも戦争映画でもどっちでもいいやって感じ。だって普通につまんないし。[ビデオ(字幕)] 6点(2007-01-16 12:38:14)

14.  機動警察パトレイバー2 the Movie 作画のこだわり方が変わっている。東京の風景、機械や小物への描き込みは半端じゃないのに、動きの滑らかさを出そうという努力はほとんど感じられず、それどころか会話中の人の口すらも見せないようにして作画の労力を最小限に省いている。 脚本にしても後藤、南雲中心ではあるものの普通の意味での「主役」ではなく、視点が固定されていない。むしろ奇妙な人工美に満ちた東京と、硬直した政治機構が主役であって、ひとりひとりの人間たちはそのなかで翻弄される存在でしかない。 変なアニメーションだ。ひたすら小難しい台詞が続く紙芝居のような表現には辟易したし、脚本だって完璧だとは思わない。だが、それでも面白かった。これだけ派手なアクションシーンを盛り込みながら死人がほとんど出ていないという点にも、安手のハリウッド映画にはない渋味を感じる。硬質で骨太な世界観と、それを裏打ちする思想があるからだろう。あんまり男臭いので気軽におすすめはできないけど、福井晴敏なんかが好きな人はきっと楽しめるだろうと思う。 それにしても竹中直人、なんでもやってるんですね…。[DVD(邦画)] 7点(2006-12-28 22:50:30)《改行有》

15.  天使の涙 好きなようにやりたいように撮っていたらなんだかよくわからないツギハギができて、それが案外かっこいい模様だった、という感じの変な映画。面白くなくはないけれど、どうにも波長が合わなくて辛かった。前半の二人はどこへ? 放り出されたままになったのでちょっとびっくり。フェイ・ウォンは魅力的だけど、でも役柄はやっぱり理解不能。監督の感性を楽しむべき映画なのだろうが、そんなにカッコいいか? とも思う。製作から十年以上経っているからなあ。時代が流れたせいなのか、音楽もややダサめに感じるのも気になった。[DVD(字幕)] 6点(2006-06-29 15:09:51)

16.  ペパーミント・キャンディー 時系列をだんだん過去に遡っていくという『メメント』的構成で描かれる(こっちのが先ですが)、骨太の人間ドラマ。T・H・クックの小説を思わせる素晴らしい出来ばえ。独特の長回しは脚本で上手く消化された自然な仕上がりとなっているし、暗鬱だが不思議と美しさを感じさせる映像も悪くない。終盤で明らかになる主人公の過去がほぼ予想通りだったので一時冷めかけたが、そこはソル・ギョングの熱演に救われた。本当に素晴らしい役者さんで、彼がいなければこの映画の魅力は半減していただろうと思う。あの懐中電灯の場面はすごい![ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-29 14:14:33)

17.  さらば、わが愛/覇王別姫 《ネタバレ》 いやあ、素晴らしかった。 何よりもまず、普通に面白い。カンヌでパルムドールだとかいうとやや難解なイメージがあるが、これは娯楽性と芸術性を見事に両立させている。172分という大尺を感じさせないだけの牽引力を持った物語で、しかも映像や美術を楽しむといった観方もできる贅沢な作品だ。  二人の役者の波乱の生涯とそこに秘められた愛が、中国の近代史に重ねて壮大かつ豪華絢爛に描かれる。大抵こういった歴史もので描かれるのは偉人や英雄の姿だが、蝶衣と小婁は才人ではあるものの、偉人には程遠い不完全で無様な人間だ。ときにはかっこ悪く、惨めで、卑怯としか言いようのない器の小ささを見せる。それなのに、なぜか憎めない。  その要因は物語が蝶衣の視点で語られていることにあるのかもしれない。蝶衣は確かに京劇に一生を捧げた演劇狂いではあるのだが、その裏には『覇王別姫』という演劇の中でしか愛する男と結ばれない、という切な過ぎる想いがある。舞台の上では蝶衣は誰よりも小婁と深い絆を繋ぐことができるのに、現実の世界では決して重いが通じることはない。蝶衣の人生のひずみのほとんどはそこから生じたもので、だからこそ観客は彼を憎むことができない。蝶衣の視点から、愛情というフィルターを通して見た小婁も同様に。  「運命は自分で切り拓くもの」とはよく言うが、こういった作品に触れるとその言い回しが実に軽々しく感じられる。歴史の奔流に弄ばれた二人は最後まで運命の呪縛に囚われ、抜け出せることなく消えていったように見える。  救いなのは、哀しい結末が必ずしも不幸とは断じられないことだろう。二人はどこまでいっても覇王と虞姫であり、ある意味では誰よりも近い存在であるに違いなかった。蝶衣は最後の舞台で、微笑んだ。彼は幸福と絶望の両方を噛みしめながら喉を突いたのだと思う。その運命は残酷だが、本人にとっては確かに価値のある生涯だったのではないだろうか。[DVD(字幕)] 9点(2006-06-29 14:08:17)《改行有》

18.  レオン/完全版 《ネタバレ》 荒んだ生活によって無理やり大人になることを強いられた少女と、悲劇ゆえに心の奥に無垢な部分を隠し持ったまま大人になった男。少女は男の強さに憧れ、男は少女の温かさに憧れる。マチルダがレオンに読み書きを教える場面で思ったんですが、レオンとマチルダの関係は『ターミネーター2』のシュワルツネッガーとエドワード・ファーロングの関係に似ていますよね。お互いに欠けたものを補完しあう以上に強い絆はない。親友であり、親子であり、恋人である。殺し屋が少女を守っているようでいて、少女もまた殺し屋を救っている。 冷静に観るとむちゃくちゃだけど、よくできた物語だと思う。序盤でレオンはドアを開いてマチルダを明るい場所に救い出す。しかし最期、自分自身は光の差し込むドアにたどり着けないまま、暗闇の中に倒れてしまう。マチルダとの平和な生活に戻るには、レオンはあまりにも人を殺めすぎてしまっていたのでしょう。結局は暴力を持ってしか愛する人を救うことはできない、というレオンの宿命が切なかった。  ただ、マチルダがあからさまにセックスに誘う場面にはさすがに嫌悪感を覚えた。まあ小さい女の子が「将来はお父さんと結婚する」と言うようなもんかな、と好意的に解釈したいけど。あと他の方も言及なさっていたけど、あの観葉植物、枯れるよね。不用意に植え替えたらいかんと思う。通常版のほうが好きです。[DVD(字幕)] 8点(2006-03-31 16:54:55)《改行有》

19.  蜘蛛女(1993) 生ぬるい。レナ・オリン演ずるモナ・デマルコフについては、確かに強烈ではあるけど、もっとずる賢くもっと邪悪にできただろうにと思ってしまった。主人公が破滅する過程だってもう少し壮絶なものを期待していた。強引な脚本は練り込みが足りていないし、映像的な見所もほとんどない。全体的に物足りなく、不完全燃焼に終わってしまった。どうせなら中途半端にではなく徹底的にむちゃくちゃやってほしかった。――って、他のコメント見るとそう感じたのはどうやら自分だけらしい。馳星周だの新堂冬樹だのの読みすぎで感覚が麻痺しているんだろうか。すいません、きっとまともな感覚の持ち主なら楽しめるのだと思います…[ビデオ(字幕)] 6点(2006-03-25 22:10:11)

20.  DEAD OR ALIVE 犯罪者 人知を超えている。[ビデオ(字幕)] 5点(2006-03-23 01:10:15)

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