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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ウォール街 《ネタバレ》 人間の野心、金の魔力・重力、師弟関係、親子の絆、恋愛関係、企業に対する愛着など、様々な要素が描かれている良作といえる。 労働者層と富裕層を分ける大きな壁、その壁を乗り越えるために、超えてはならない一線を超えて、戻ることができなくなった男たちの生き様が描かれている。 ゲッコーは、ブルースターの資産に目をつけていたが、バドを騙す気はそれほどなかったのではないかと思う。ゲッコー流の思考から考えると、再建させるよりも資産整理した方が、楽に金が儲かるというジャッジを下しただけのように思える。その思考にはもちろんバドの気持ちや組合や従業員のことなどは含まれてはいないことは確かだろう。 ゲッコーはブルースターを整理することで、自分はもちろんのこと、バドもバドの父親も多少儲けることができるから問題ないと踏んだのだと思うが、金では買えない長年積み重ねてきた時間が企業には蓄積している。金を儲けるという“欲”の対抗軸として、本作にはフォックス家の家族の絆や恋愛感情、企業に対する愛着や連帯感のようなものを盛り込んでいる。これらについては、ゲッコーが持ち合わせていない事柄であり、持ち合わせていないからこそ、彼が計算できなかった事柄だろう。 ゲッコーももちろん家族持ちだが、その気になれば母親をも売り飛ばすと罵られたように、金>家族という考えに間違いはなさそうだ。『友達が欲しかったら、犬を飼え』というゲッコーのセリフも良い。 ただ、ゲッコーも機械ではなく人間であるためか、感情があるようだ。野心のために限界を超えるバドにのめりこみ過ぎたような気がする。ゲッコーは自分に似ているところがあるバドに、自分を投影してしまったのだろう。問題は、彼はバドであり、ゲッコーではなかったということだろう。 バドとダリアンの二人の関係の危うさも面白いところだ。金と恋愛感情というものを天秤にかけた時、ストーン監督は単純に恋愛感情の方が勝るという描き方をせずに、貧乏時代には戻りたくないと破局させていることは面白い。愛があれば金がなくても大丈夫とキレイごとで片付けに、やっぱり金の魔力の大きさ、金の重力という重さが見え隠れしている。父親はその日に生きる金があればよいと言えるが、贅沢を知った女性にはそれは無理ということのようだ。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-02-28 00:11:40)(良:1票) 《改行有》

2.  トロン 《ネタバレ》 独創的な世界観が繰り広げられており、確かに衝撃を受けることはできる。 1982年にこれを創る事は相当なイマジネーション力と技術に関する苦労を強いられたであろうことは容易に想像できるが、この世界観はやや付いていきにくいように思われる。 インターネットや仮想空間が常識でもある現代においてさえ付いていきにくいのだから、当時の人々はもっと付いていきにくかったのではないか。 また、観終わった後に何も残らない作品でもある。 仮想現実内において訳の分からないボスキャラを倒し、乗っ取られた自分の著作権を確保したということはもちろん分かるが、「それがどうしたの?」とも感じられる。 感動もなければ、爽快感もなく、興奮もない。 技術がいくら素晴らしくても、それだけではダメだということだろう。[DVD(字幕)] 4点(2011-01-04 22:58:26)《改行有》

3.  タイタンの戦い(1981) 《ネタバレ》 ハリーハウゼン作品を大人になってきちんと観ることは初めてだった。 『30年前のファンタジー作品なんて見るに耐えないだろう』と鑑賞前に思っていたが、その考えは大きな誤りだったようだ。 ショボさがほとんど感じられず、むしろCGよりも興奮することができる。 大切なものは“技術”や“テクノロジー”ではなくて、“情熱”や“イマジネーション力の大切さ”ということを学ぶことができる最高の作品。 現在のCG作品よりも、こちらの方が迫力があり、優れているというのは、一体どういうことなのだろうか。 合成にも関わらず、違和感なく仕上げられている努力の賜物には頭が下がる。 映像だけではなくて、影や音声なども駆使して、総合的に盛り上げている。 神話の世界が見事に繰り広げられており、冒険心を掻き立てられた。 次から次へと登場する見たことのない創造物には興奮せざるを得ない。 メデューサ戦で、メデューサが姿を現す前にいきなり矢が吹っ飛んでくるという辺りもなかなか計算されたものとなっている。 二つの頭がある犬との戦いでは、きちんと血しぶきが上がっているところなどが見事だ(ただのヘビに邪魔されているペルセウスが残念だが)。 機械仕掛けのフクロウが出てくるという発想がなかったため、あの変化球も見事といえる。 緊張感のある作品だが、あのフクロウのおかげでその緊張を和らぐことができるので、映画にとっていい効果を与えている。 キャスティングもなかなかイメージとマッチしている。 ゼウス、ヘラ、テティスといった神々たちもよいが、ペルセウス、アンドロメダ、アモン役もよい。 特に、アンドロメダ役がマッチしており、ストーリーに説得力を与えている。 神々の姿もどこかユーモラスだ。 自分の息子を優遇し、自分の息子ではない者を冷遇し、争いが起きるというのは人間らしいところがある。 より人間らしく描いて、身近なものに感じて欲しいという趣旨でも込められているのだろうか。[DVD(字幕)] 8点(2010-05-04 14:32:47)(良:2票) 《改行有》

4.  ニア・ダーク/月夜の出来事 《ネタバレ》 評価はやや低いが、個性的な映画に仕上がっており、嫌いではない作品。 「ヴァンパイアがひ弱すぎる」「輸血ってなんやそれ」という設定もあるが、なかなかデキの良いヴァンパイアモノとなっている。 逆に、こういったユニークな設定が本作の長所となっているところもあるかもしれない。 また、ヴァイオレンスアクション的な要素だけではなくて、ヒューマンドラマ、ラブストーリー、西部劇・犯罪モノ映画などの要素を付加しており、見応えも意外と十分な仕上がりとなっている。 ヒューマンドラマ、ラブストーリーに関しては、やや中途半端なところもあるが、あまり突き詰めると、本旨とズレてきそうなので、この辺りがちょうどいいバランスともいえる。 ホラー度やスプラッターテイストがいいバランスで抑えられている。 主演の二人もなかなか良い雰囲気を醸し出しており、女性監督らしくそういった魅力を引き出している。 ヴァンパイアになっても人間を殺さないような優しさ、家族に対する愛情を持つ男だからこそ、彼女は彼に惹かれたのかもしれない。 一方で、妖しく、物憂げな魅力をもち、人間を殺せない彼を最後まで見捨てないような彼女に彼は惚れたのではないか。 女性監督らしく、そういった微妙な感覚も描かれているように思われた。[DVD(字幕)] 6点(2010-03-28 13:47:12)《改行有》

5.  死霊のはらわた(1981) 《ネタバレ》 面白いと感じる気持ちはなくはないが、自分には合わないタイプの作品。 『(意味などはもともとないだろうが)意味が分からん』『いったい何と戦っているんだ』という感想しか出てこなかった。 作品の良し悪しというよりも、合うか合わないかという世界だろうか。 ホラー映画の傑作という評判だが、この手のホラーよりも猟奇的な殺人タイプのホラーの方がまだ自分の好みのようだ。 ただ、他では見られないタイプのホラー作品なので、ファンが多いのだろう。 怖い(個人的には怖さは感じないが)けれども、ちょっとおかしいというバランス感覚を理解できれば、ハマれたかもしれない。 怖さを感じるのは死霊が具象化されるまでで、いざモノが出てきてしまうと後はそれほど怖いとは思えなかった。 グロさなどにも自分には多少の耐性があるので、特に問題はなかった。 見る人によって異なるとは思うが、“追い込まれ感”や“本当の地獄”というレベルには達していないような気がする。 逆にもっとできるだろうという思いさえ感じたが、“時代”や“技術の水準”を考えると、この程度が最高レベルだったのだろう。 冒頭の池のようなところから、「どうやってカメラを動かしているのか」「どういう仕掛けをしているのか」という技術的なことが気になる作品でもある。 映画監督志望の者が見るには良い教材となりそうだ。 最近は全てCGで処理できるようになってしまったため、本作を見るとイマジネーション力を駆使してアイディアを捻りだすということが少なくなってしまったようにも感じられる。 技術の進歩は歓迎すべきだが、それによって製作サイドの知恵が足りなくなってしまっては困ってしまう。[DVD(字幕)] 3点(2009-12-01 23:38:28)《改行有》

6.  天城越え(1983) 《ネタバレ》 分かるようでイマイチ分からないところもある映画。 本作の少年にそれほど感情移入できなかったので、個人的には高くは評価しにくい。 田中裕子に惹かれるかどうかでも感想が異なりそうだ。 少年(印刷会社社長)の犯行であることは一目瞭然なので、なぜ彼が人間を殺さざるを得なかったのかという犯行の動機がポイントなるが、それが明瞭になっても、それほど深くは感じ入れなかった。 犯行の動機は、“男”としての性や優劣競争のようなものだろうか。 「俺はこんな奴に負けたわけじゃない」「オマエのせいで俺の・・・」という思いや憤りが爆発したのだろうか。 自分の母親も叔父さんに取られたようなことになっており、“男”として敗北感や“子ども”という無力感が既に根付いていたのかもしれない。 少年も若いなりに“男”が爆発したが、本作の監督も“男”として爆発し、田中裕子をそういった視点から上手く撮っている。 それにきちんと応えている田中裕子を褒めるべきかもしれないが。 ただ、天城のシーンはよく撮れているが、現代のシーンは評価できるものでもない(最後の意味不明なところもあるカットも興ざめ)。 コントメイクの老刑事とのやり取りも何かを感じ取れるものはない。 結局、ハナも無罪となったものの、病気で死んだというのもやや引っ掛かるところだ。 ハナが無罪となっては、彼が犯した“罪”の重さも変わってくる。 時効によって罪は消えるかもしれないが、罪の意識は消えることはないはず、ましてや他人(好きな女性ならばなおさら)に罪を押し付けるということはどれだけ心に深く刻まれるかということをもうちょっとアピールして欲しいところ。 そのためにも、無罪や病死というのはいかがなものか。 そもそも彼女が無罪となったら、少年にも嫌疑が掛かるものではないか。 彼女が罪を被れば、少年が罰せられなかった理由は分かる。 しかし、彼女の言動に何か引っ掛かるところがあり、引退した刑事が最後に犯人と向き合うという形にした方がよいかもしれない。 刑事自身も自分が犯した“罪”と向き合ってもよい。 彼も“男”として初めて向き合った殺人事件を解決したい、“男”として“女”になめられたくないという思いがあったのかもしれない。[DVD(邦画)] 6点(2009-11-21 22:34:05)《改行有》

7.  わるいやつら 《ネタバレ》 原作未読、ドラマ未見。 さすがに松本清張原作作品だけのことはあり、見応えが十分だった。 終盤の豪華出演陣も驚かされるばかりだ。 当時としては最先端なのかもしれないが、今観るとかなり違和感のある映像も逆に新鮮でなかなか面白いと感じた。 また、主演の院長が軽薄でどうしようもなく雑魚っぽいところも個人的にはツボ。 現在の映画においては、こういうキャラが主演になることは少ないだろう。 男と女の様々な欲望が絡み合っているが、あまり計算しているように思えず、本能のおもむくままという状態もどこか生々しいところがある。 それぞれがスマートな知能の持ち主ではなく、間の抜けたところがあるため、より人間らしくみえる。 そして、男と女の“性格”が要所要所で上手く描かれているように思われる。 特に、個人的には“殺し方”に特徴が現れていたと感じられる。 男は首絞めやナイフといった暴力的かつ直接的な手段を選ぶものの、女は薬といった間接的ともいえる手段を選んでいる。 男は感情で行動し、女は冷めた目で行動するということだろうか。 現代の男女の在り方を考えると、逆のようにも感じるが、当時としてはそういうものだったのかもしれない。 いずれにせよ、男性よりも女性の方が、肝が据わっているのは事実だろう。 徹底的に利用する女と、徹底的に利用される男という構図も面白い。 もし、院長が婦長を女性のように徹底的に利用することができれば、恐らく身の破滅を防ぐことができただろう。 それができないのが男の性というものか。 院長もわるいやつだが、院長や下見沢を手玉に取る槙村の“わる”が映像上見えてこない点が面白いところでもあり、物足りないところでもある。 完全な“わる”を見せることもないが、もうちょっと彼女なりの“恐ろしさ”を醸し出してもよかったか。 自分の“弱さ”を見せたり、簡単には落ちないような“強さ”を見せたりと、様々な顔は見せているものの、“恐ろしさ”はストレートには感じられない。 刺殺されるという結果を踏まえると、彼女の“恐ろしさ”は相当なものなのだろうが。[DVD(邦画)] 6点(2009-11-21 22:17:39)《改行有》

8.  スター・トレック2/カーンの逆襲 《ネタバレ》 タイトルを見れば分かることだが、前作のような哲学的なテーマには挑戦せず、今度こそは普通の対戦型SFになっているだろうと思っていた。 そのため、80年代という時代背景を考えれば、今のSF作品を見慣れている自分にとっては恐らく見るに耐えないレベルの低いものになるのではないかとタカをくくっていた。 しかし、予想に反して、意外に面白いと感じられて、この世界観に引きずり込まされた。 80年代において、このクオリティ、壮大なスペクタクル感、人間模様、激しいバトルを描くことができるというのは、流石は人気シリーズだけのことはある。 日本においては、他のSFの陰に隠れてしまったことが、もったいない。 このシリーズは過去に一度も観たことはなかったが、シリーズを全部観てもいいかなと思わせるほどに、楽しむことができた。 カーンとカークの過去の関係についてはテレビ版で深く描かれているようであり、本作ではあまり語られていないので完全には理解できないことは残念だが、この程度ならば「過去に何かあった」ということだけを感じ取れれば、問題ないだろう。 “規則”とそれだけに囚われない“直感的な行動力”の重要性についても本作のテーマになっている。 “直感的な行動力”がカークの勝因であり、またカーンの敗因だろうか。 常識に囚われない発想こそが、冒険の“基本”であることが描かれているのと同時に、規則に則って、会話を“暗号化”していることも見逃せない。 “規則”ももちろん必要なことだろう。 要するに“臨機応変な行動”こそが冒険にとって重要ということのようだ。 残念なことは、「スポックが死ぬ」ということを、本作を観る前から知っていたことだ。 当然「スポックが復活する」ということも観たこともないのに知っているが、それを知らないで見たら、果たしてどう感じただろうか。 “感動”はもっと大きかったように思われる。 バルカン人らしく、感情では行動せずに、すべて論理的に考えた末での行動ではあるが、やはり“友情” “エンタープライズ号に対する愛着”という非論理的な感情を思わずにはいられない。[DVD(字幕)] 7点(2009-06-14 03:09:46)《改行有》

9.  インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 《ネタバレ》 過去のシリーズのような派手さはないが、作り込みは悪くない。 インディ・ジョーンズシリーズ特有のユーモア感を残しつつ、「レイダース」以上に硬派な宝探しアドベンチャーに仕上がっている。 父親ヘンリーがユーモアのある、いい味のキャラクターに仕上がっており、インディとのバランスが取れているのも好感がもてる。 宿命のライバルであるナチスとの宝探し合戦、親子の確執、親子愛、学者の宿命など盛り込まれており、全体的にもバランスが良い。 なんといっても、ラストのやり取りも素晴らしい。 溝に落ちた聖杯を取ろうとするエルザと諌めておきながら、インディ自身が同じ境遇に陥った際には、同じようなことをしてしまうのは考古学者の性でもあろう。 そのような息子に対して、息子の名前(実名でないところが素晴らしい)を言うだけで諦めさせることができたのも父親として、学者として威厳があるからなのだろう。 優しくて、重みのある雰囲気がまさに父親らしいものであり、素晴らしい演技だった。 本当は学者ヘンリーこそ誰よりも聖杯を望んでいたはずであり、そんな父の姿を見て育ち、学者としての先輩の姿を見てきたからこそ、彼の言葉に重みを感じられただろう。 大事なのは“物”そのものではなく、“真実”ということなのではないか。 捜し求めていたものが存在したということが重要であり、“宝物”そのものに価値を求めることは大して重要ではないということを伝えているような気がする。 この辺りの考古学的なロマンにも惹かれるようになっている。 ただ、過去のシリーズには超有名なシーンがあるが、本作にはそういったシーンがないので印象が薄くなっているのが残念だ。[DVD(字幕)] 7点(2008-06-15 02:47:55)(良:1票) 《改行有》

10.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 《ネタバレ》 大人が見ても楽しめるようにはなっているが、完全な子供向け仕様の映画になっている。 演出は「びっくり箱」のような子供だまし的な手法が多く、子どもを救うという展開や魔術的な仕掛けも甘々すぎる。 「レイダース」のような硬派な宝探しアドベンチャーというよりも、能天気アクションの方に寄りすぎてしまっているのが問題だ。 能天気アクションに寄りすぎているため、万人向けとなり、誰でも楽しめる内容にはなっているが、そのためリアリティ度が薄まり、何もかも現実離れしてしまい、「なんでもあり」という展開になってしまった。 そのため、高い評価をすることはできにくい。 ただ、トロッコのチェイス以降のハイテンション展開はさすがに文句なく面白い。 終盤のキレのある演出は、さすがはスピルバーグらしく素晴らしい。 [DVD(字幕)] 5点(2008-06-15 02:46:56)(良:2票) 《改行有》

11.  レイダース/失われたアーク《聖櫃》 《ネタバレ》 製作から20年以上経っても、何度観ても、まったく色あせる事がない傑作アクション。 ただ、傑作ではあるものの、自分の判断基準では7~8点が妥当なところだ。 SFX技術のレベル云々ではなく、ストーリーや登場人物の内面を深く掘り下げていない点が減点材料だろう。 インディ・ジョーンズというキャラクターは魅力的に描けているが、もう少し内面に踏み込んでもよかった。 アークの爆破を躊躇ったような考古学者の内面をもっと描いて欲しかった。 ナチスよりも早くアークを見つけるという任務は遂行する必要があるが、考古学者として歴史の真実を知りたい葛藤にさいなまれてもよかった。 ジョーンズの怒り・悲しみ・嘆き・楽しみといった感情があまり膨らんでいないのが気になるところだ。 ただ、深い映画ではないが、万人が何も考えずに楽しめるという軽さこそ本作の長所だ。 今観ても何度観ても楽しめる理由の一つが、その点にある。 エンターテイメントアクションという製作趣旨やバランスを考えるとやむを得ない部分に落ち着いているのではないか。 アクション映画としては、素晴らしい作品に仕上がっている。 本作の素晴らしさは、なんといってもスピルバーグの確信犯的ともいえる演出だろう。 現実的な描き方ではないが、「もう絶対間に合わないぞ」という展開をあえて描き、それを何度も何度も繰り返すことで、ハラハラ感を最大限に増加させている。 常識的な描き方ではなく、リアルな描き方でもないのに“わざとらしさ”や“いやらしさ”を感じさせない演出的な上手さもある。 そのように感じさせない理由としては、特有の“ユーモア”が本作にあるのも要因ではないか。 「そんなことあるはずないじゃないか」という批判を上手くユーモアでかわしているような気がする。[DVD(字幕)] 7点(2008-06-15 02:45:59)(良:1票) 《改行有》

12.  ランボー3/怒りのアフガン 《ネタバレ》 「Ⅰ」の良さはほぼ皆無となったシリーズ。 ただ、ソ連によるアフガン侵攻に対して、「大国であっても武力で小国を制覇できない。アメリカもベトナムで経験したことだ」といった趣旨のセリフがなかなかよい。 ソ連のアフガン侵攻をベトナム戦争になぞらえている点や、少年兵の扱いなど、意外と悪くないところも突いており、反戦の気持ちはゼロではない。 深みは全くないが、アクション映画としてはそれほど悪くはなく、バカバカしいと罵るほど酷い仕上がりの作品ではない。 医術の心得があるランボーが腹の傷を治すシーンや、ラストのヘリコプターVS戦車の一騎打ちなども見応えは十分ある。[DVD(字幕)] 5点(2008-06-03 23:38:21)(良:1票) 《改行有》

13.  ランボー/怒りの脱出 《ネタバレ》 007シリーズかと思うような作風となっており、Ⅰ~Ⅲの中では一番の駄作。 突然の蛇の登場、スカイダイビングの失敗など、どうでもいいアクシデント満載にうんざりとする。 作戦の指示に一切従わずに暴走するランボーのメチャクチャぶりやラブストーリーによって、共感を得ることを随分妨げているような気がする。 肝心のベトナム帰還兵の悲哀という要素もそれほど強く感じられなくなっている。 [DVD(字幕)] 4点(2008-06-03 23:37:31)《改行有》

14.  ランボー 《ネタバレ》 ⅠからⅢをみると、Ⅰの良さは際立っている。 アクション映画としても楽しめるが、ベトナム帰還兵の悲哀も強く感じられる点が評価できるポイントだ。 戦場に駆り出された戦士にとっては、戦争の悪夢は消えることはない。 戦争自体は終わっているはずだが、戦士にとっての戦争はいつまでも終わることはないと感じさせる。 国家のために戦ったのに、国家から爪弾きにされるという矛盾・自分の国なのに居場所がない孤独が訴えられている。[DVD(字幕)] 7点(2008-06-03 23:36:51)《改行有》

15.  普通の人々 《ネタバレ》 身内の死を経験した家族の悲しみ・苦しみと再生というテーマに真摯に向き合い、ほぼ完全な形で描かれている。 過去のアカデミー賞作品賞受賞作の中では極めて地味な作品だが、これこそ本物の傑作といえる。 他人の「笑う」という日常的な行為にさえ、苛立ちを覚えてしまうほど極めて繊細な仕上がりとなっている。 水泳部の仲間が(冗談半分に)せっかく声を掛けてくれたのに、コンラッドがぶん殴らざるを得なかった理由が痛いほど伝わってくる。 闇に落ち続けるような苦しみを抱えているのに、平気で笑っていられる奴らが許せなかったのだろう。 普通に平気で笑っている奴らと一緒に居ることすら苦痛や苛立ちを感じざるを得ない苦しみが見事に演出されている。 理不尽な怒りなのはもっともだが、本当に苦しい人の痛みとはこういうところにもあるのかもしれない。 悲しみを克服する家族の対応は三者三様だ。 母親は事故のことを忘れて“普通”でいたかったのかもしれない。 息子は事故のことを忘れることができず“普通”でいることができなかった。 父親はその中間の部分で苦悩している。 悲しみを簡単に克服する方法には、答えはなく、難解なものだ。 三者の対応が別れるというのも、見事なものであり、普通の映画らしい単純さは感じられず、奥深い作品に仕上がっている。 苦しみから逃げ続けることは何の解決にはならず、家族や友人と向き合い「苦しみ」を分かち合うことこそ解決の糸口なのだろうか。 結果的には、息子同様に父親もやはり“普通”でいることができなかった。 シャツの色を気にするような母親の冷静さには我慢できなくなったのだろう。 通常ならば、コンラッドが母親を抱き締めたところで、母親が折れてハッピーエンドになるのかもしれない。 しかし、母親は抱きしめ返すことはなく、家を飛び出すというラストはさらに考えさせられる展開であった。 “傷”は癒すことはできるかもしれないが、“傷痕”自体はどうしても消えない。 壊れたものは、完全には元には戻せないことをきちんと描かれている。 偽りの甘い世界よりも、より現実的な世界を描こうとしたことの結果だと思う。 この点においても評価したい。 しかし、コンラッドや父親も苦悩したが、母親も彼女なりの苦痛を感じていたのだと思う。人間はそれほど単純なものではない。頭では理解できても、心では理解できない部分を人間はそれぞれ抱えている。[DVD(字幕)] 9点(2008-04-20 22:52:41)《改行有》

16.  ブラック・レイン 《ネタバレ》 雰囲気はとても好きな映画である。 昭和の影が残る大阪の街(「ブレードランナー」風にだいぶアレンジされているが)が貴重であり、高倉健が英語を喋ったり、彼が歌うのも新鮮だ。松田優作や若山富三郎の迫力ある演技にも驚かされる。 しかし、本質的な部分は同意できないところがある。 「ラストサムライ」には日本の“根”を感じることができるため同意できるが、「ブラック・レイン」の本質はやはりハリウッド風な誤解が溶け込まれている。 アメリカ人が異国の日本の文化に戸惑いながら、“日本流”に慣れていく構図はとても似ている。マイケル・ダグラスと高倉健の関係は、トム・クルーズと渡辺謙の関係に置き換えることもできそうだ。 しかし、変わってしまったのは、マイケル・ダグラスではなくて、高倉健の方だというのは、いかにもアメリカ的である。 “個人”を重んじるアメリカと、“組織”を重んじる日本の差が上手く活かされておらず、“個人”を重んじるアメリカ流の暴走に高倉健が付き合うというオチは必ずしも好ましいものではない。 そもそも「ブラック・レイン」とは、第二次世界大戦時の日本への爆撃の影響によって、雨が黒くなることだというセリフがあった。 敗戦によって、日本的な仁義が失われて、佐藤のような仁義も忠義もないマネー第一のアメリカ的な男が生まれてしまったことを嘆く代名詞が「ブラック・レイン」ではないか。アメリカ的なものを否定しておきながら、アメリカ的なオチの付け方では本末転倒だ。 もちろん、マイケル・ダグラスが何も変わらなかったわけではない。 殺された相棒チャーリーの復讐のために佐藤を殺すこともできたはずだ。 100ドルの原版をアメリカに持ち帰り、大金持ちになることもできたはずだ。 それを放棄したのは、もちろん“日本流”や“恥”や“自己や仲間を汚す”という概念をマイケル・ダグラスが感じ取ることができたからだろう。 このマイケル・ダグラスの変化がいいオチとして活きてはおらず、むしろ後付け的な感覚を覚える。ダグラスが高倉健に空港で原版を返すというのは、そもそも持ち帰る気満々だったということではないか。 “日本流”に相容れないアメリカ人が相棒を失い、本当の意味で孤独となり、“日本流”に迎合していく。異種の文化と交わることで“日本流”の悪しき部分も少々影響を受けるという流れが理想的といえる流れだ。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-11 02:04:44)《改行有》

17.  コックと泥棒、その妻と愛人 ピーター・グリーナウェイ監督作品は初見。恥ずかしながら、今まで名前すら聞いたことがなかった。この度「レンブラント」の生涯を描いた新作が公開されると聞いて、監督のことを知り、監督の代表作である本作を見ることにした。本作については何の情報も持ち得てなく、タイトルからコメディ的な軽いものを想像していたが、見事に裏切られることとなった。 確かに、この才能は凄いと思う。 同じようなものを作れと言われても誰も真似できないだろうし、独特の世界観を構築できる能力は賞賛されるべきだ。 リアルの世界でもなければ、虚構の作り物のような世界でもない、白でも黒でもないグレイともいえる別次元の世界が存在している。 また、部屋のイメージの印象を濃くする「黒に近い青」「赤」「白」の色彩感覚に優れており、横に流れていく撮影方法も特殊であり、その撮影方法を取ることで色彩効果をより高めている。 現在「エルメス」のデザイナーでもあるジャン=ポール・ゴルチエが手掛ける衣装も素晴らしく、本作の世界観を深めている。 彼が手掛けた「フィフス・エレメント」よりもゴルチエらしさが発揮されているのではないか。 しかし、「面白いか」と問われた場合、「イエス」とは言いがたい作品だ。 エロ・グロには自分には一応耐性があるので、まったく苦には感じなかったが、“何か”を感じ取ることができなかった。 監督が想いを込めたと思われる人間の本能である“食”に対する美醜を上手く感じ取れなかった。醜さの中に潜む“美しさ”、美しさの中に潜む“醜さ”が自分にはピンとこない。 映画の“良し悪し”という判断というよりも、監督の感性に共感できるか、できないかの差なのではないか。 ピカソの絵を見て、素晴らしいと評価できる者がいる一方、子どもが描いたような絵だと酷評する者がいるようなものだ。 面白さは理解できず、この世界にどっぷりとハマり込むことができなかったものの、監督の才能を理解し、美しくも醜い世界観を構築したことを評価して、5点としたい。 本来ならば、0点か、10点かという作品なのかもしれないが。 マイケル・ガンボン、ヘレン・ミレンの演技に圧倒されたことも低評価できない理由だ。この二人の役柄を彼らほど上手く演じられる者はそうそうおるまい。 特にガンボンが凄い。彼のイヤラシイ演技がなければ、本作の評価は高まることはなかっただろう。[DVD(字幕)] 5点(2008-01-12 00:51:33)《改行有》

18.   《ネタバレ》 鬼も逃げ出すという「羅生門」で“人間の愚かさ”を描いたように、本作もシェイクスピアの悲劇「リア王」をベースに神や仏も泣き出すという“人間の愚かさ”を描き切っている。 しかし、ここには「羅生門」のような“希望”はない。あるのは残酷なまでの“醜さ”だけだ。 舞台は架空の戦国時代であるが、現代にも通じる“乱”れた世界に対する“嘆き”が込められた作品であり、製作者の黒澤のメッセージや深い想いが感じられる作品だ。 また、「影武者」でも描かれていたが“破滅”に対する美意識も高い。 長く暗く陰惨な映画ゆえに一般的に好まれない映画ではあるが、個人的には、評価の高い「羅生門」よりも、評価がそれほど芳しくない本作の方を好む。 仏の絵が地面に置き去りにされて、悲しげにこちらを見つめており、盲目の青年が崖の上に取り残されているというラストのカットも秀逸だ。 ここで終われば完璧だと思った瞬間に、きちんと幕を閉じたのはさすがだ。 「果たして仏は我々を見守っているのだろうか」「この“乱”れた世で生きるということは、盲目状態で崖の上を歩くようなものなのではないか」と黒澤は言いたかったのかもしれない。 素晴らしい作品であると感じるが、何点かは不満な点もある。 ①「三の城襲撃について」 襲撃に至るまでの展開がやや早すぎるように思われる。 次郎が秀虎を体よく追い返すまでは理解できたが、肝心の襲撃に至るまでをもう少し分かりやすく構築した方がよかった気がする。 あれでは、単なる「謀反」のようにしか感じられなかった。 ただ、演出は素晴らしい。 呆然とする秀虎の背後をびゅんびゅんと火矢が飛び交うような現実離れしたリアリティのない演出ではあるが、あそこまで思い切った演出をするのは難しいものだ。 ②「ピーター演じる狂阿彌について」 彼なりに健闘していたように思えるが、本作の裏の主役でもある大切な存在こそが「狂阿彌」である。本作の成否が彼に掛かっているといっても過言ではない。 この世の“表裏”を見聞した彼の言動こそが、本作のキーとなるはずだ。 道化である彼が一見狂っているようにみえるが、“乱”れた世で一番まともだったのが、彼だったというオチに持っていきたかったところだ。 少々感情を表に出しすぎているところがある。ストレートではない悲哀を感じさせるキャラクターに仕上げることができれば、より傑作に近づいた気がする。[DVD(字幕)] 7点(2008-01-05 17:15:21)(良:2票) 《改行有》

19.  影武者 《ネタバレ》 長すぎるシーンが多数あり、つまらない映画とジャッジされても仕方のない映画ではあるが、見事な作品でもある。 死んでいるはずの“武田信玄”という男をきちんと描き込めていると思う。 “武田信玄”という男は死んでおり、実際には描かれていないのに関わらず、本作によって“武田信玄”という男がどういう人間かを知ることができる。 描いていないのに描き込まれている、これを凄いと言わず、なんと言おうか。 「死せる孔明 生ける仲達を走らす」という三国志の有名な言葉があるが、まさにそれを描いている。 また、“影武者”の悲哀も見事に描きこまれている点も素晴らしい。 光を失った影の生き様、決して光にはなれない影の生き様が見事に光を放っている。 実際の息子勝頼よりも、赤の他人の影武者がより“武田信玄”という男を分かっていたのではないか。 勝頼自身はある意味で父“武田信玄”を理解しており、あえて父親という亡霊から逃れるために、父親とは真逆の戦法・生き方を選んだのかもしれないが…。 影武者が偽者だと分かるシークエンスがやや物足りないという欠点や、金と労力の無駄遣いとしか思えない長篠の戦い(迫力はさすがにもの凄いけど)が蛇足といえば蛇足であり、また史実と異なるらしいものではあるが、そういった欠点を補って余りある作品だ。[DVD(字幕)] 8点(2008-01-05 16:43:29)《改行有》

20.  未知との遭遇/特別編 《ネタバレ》 スピが描いたこの夢のあるファーストコンタクトは、「こうであって欲しい」という強い願望が込められており、とても共感できるものとなっている。 偽の毒ガス騒動や催涙弾での追撃なども描かれているが、基本的な視点はとても優しい感じがする。 そして、優しさとともに純粋さもポイントになっていると思う。ロイのような無垢で一途な子どもっぽい純粋さは確かに現代人が忘れてしまった感情なのかもしれない。「あなたがうらやましい」という言葉も胸に突き刺さる。 なんとなく、このロイという人物とスピが重なってもみえる。ロイが追い求めた真実に対する情熱と、この映画に掛けるスピの情熱は同じのようにも思えた。 ただ、時折みせる「おもちゃ箱をひっくり返した」ような稚拙な演出によって、せっかくの良作もちょっと台無しになってしまっている気がした。[DVD(字幕)] 6点(2006-12-31 00:23:40)《改行有》

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