みんなのシネマレビュー |
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1. ザ・ベビーシッター(2017) 《ネタバレ》 サマラさんがあまりに魅力的なのでそれだけで満点にしたくなる作品。と言ってもそれじゃあまりに主観的過ぎてしまうので自粛しますが。(汗) あまり予備知識なしで観賞したのでゲームの最中に思いっきり突然行われる凶行にはビックリ。ただし、ビックリはビックリでもびっくり過ぎて笑ってしまいました。ビーの夜の秘密の行為…というのでこの線で行くのだろうという予感はしていたものの剛速球ストレートがいきなり来るとは…。その後のスリリングでスピーディな展開は文句なし。大いに楽しめました。 と同時に、話は前後しますがそこに至るまでのコールとビーのまるで恋人同士のようなハジケたシーンの連続がまた良かったです。イケメン少年と滅茶苦茶キュートかつセクシーな年上の彼女みたくて、観ているオジサンとしては微笑ましいやら羨ましいやら。 続編は今のところ未見ですが、これは絶対観ます。いや~面白かった。(満点じゃないのは元々はスプラッター苦手なので) ちなみに、今の今までベビーシッターは「乳幼児の子守り」だと思っていたのですが、調べてみたらローティーンのお世話も含むのですね。勉強になりました。[インターネット(字幕)] 9点(2025-03-15 12:58:07) 2. パンダザウルス 《ネタバレ》 サメ映画の巨匠?マーク・ポロニア監督のサメじゃない映画。なんと今回も邦題は原題のまま。そしてキメ台詞は「パンダこりゃ?!」(汗) いきなりのティラノ風恐竜登場と主人公喰われシーン。そこに続くパンダザウルスと恐竜の死闘。無敵のパンダザウルス。なんとオープニングからフルスロットル?!かと思いきや、なんと夢??いきなりの夢落ち? そして、いつもはさり気なく(でもないか)登場する監督がインタビュアー的に登場するモキュメンタリータッチの構成。果たしてこれは夢か現実か! まぁパンダザウルスの作り込みはいつものサメと同様のトンデモなさですし、DVDのジャケットに至ってはオリジナルと国内版が全く別物(ちなみにオリジナルは全然本編と関係ないじゃん!)ですし、出演者はほぼレギュラーだし等々、ある意味期待を裏切らない出来映え。 ただし、よくよく考えてみるとストーリーや構成はいつになくヒネリがあったりして、監督には申し訳ないところですが、予算かけて別スタッフが別キャスティングでリメイクしたら結構イケるんじゃないかと。実現はしそうもないように思えますが…。 何はともあれトンデモZ級作品であることは誰の目にも明らかでしょう。本作ではサメは一瞬登場するだけ。監督がサメに飽きたのではないことを祈りつつ3点献上します。[インターネット(字幕)] 3点(2025-03-15 09:45:19) 3. 終わらない週末 《ネタバレ》 明るく楽し気な雰囲気を包む不穏な重低音。視覚と聴覚の不協和音が印象的でした。何が何だか明かされないままに描かれていくデストピア感からは、最近で言うとアリ・アスター監督とかM・ナイト・シャマラン監督あたりの作品を思い起こさせられるような作風(あくまでも個人的に抱いているイメージですが)を感じました。 そして、まるで共感出来ずイラつくばかりの登場人物のキャラ、発言、行為に只管に鬱々とした気分にさせられてしまう。ところが、物語が進むにつれて少しずつ誤解が溶けて行くと言うか次第次第と登場人物たちの本来の姿・人間性が明かされて行き、やがては感情移入さえしてしまう。作品世界に見事に取り込まれてしまいました。 作品全体としては、現代の国際社会を覆う不穏な空気、とりわけ米国の立ち位置の危うさを皮肉交じりに描きつつ、豊かな世界に生きる人々が意識するしないに関わらず常に晒されている危機的状況への警鐘を鳴らしているといったところでしょうか?SFデストピアものでは定番的な、核戦争や天変地異、或いはAI等の先端技術の暴走や原因不明の疫病の蔓延といった要因ではなく、より現実的で今すぐにでも起きてしまいそうな世界の崩壊のシナリオ。これは恐いです。 奇しくも行動を共にすることになった二組の家族。その一人ひとりの身勝手な思考・言動とそれによる歪な関係は物語が進むうちに次第に収斂していくものの、幼い少女のみがある意味平静を保ったままにラストシーンを迎える。それは不穏な物語が辿り着く唐突なハッピーエンドとも思えるものの、あくまでも個人的で一時的なものであって次の瞬間には悲劇に見舞われてしまうのかも知れない脆い幸福。作り手からの問題提起なのか、単に観る者に丸投げされた結末なのか。 近未来SFという体裁によって描かれる不条理劇。好みの作品に8点献上します。[インターネット(字幕)] 8点(2025-03-14 23:59:02) 4. JOLT ジョルト 《ネタバレ》 美しくキュートなヒロイン。痛快なアクション。スピーディな展開と適度な尺。程良いコメディ感。いいですね、肩の凝らないエンタメ系作品として申し分ありません。強いて言わせていただくならば、少々ストーリーが薄いと言うか意外性に欠けると言うか、類似の他作とはココが違う!という魅力があったらいいなとは思います。(電気ショックで自制しているヒロインというだけでも十分かも知れませんが) ヒロインの強さの秘密や今まで一体どんな訓練を積んで特別な存在になったのか?等々、いろいろと明かされなかった気になる背景があったりして、これからTVシリーズものが始まるのかな?というパイロット版的な雰囲気に満ちていますが計画はあるのでしょうか?ラストの謎の女性(CIA?)の登場でエージェントとして生きて行くことが確定?是非是非シリーズものとして楽しみたいところ。そんな期待を込めての7点献上です。[インターネット(字幕)] 7点(2025-03-13 23:13:04) 5. キラー・マネキン 《ネタバレ》 邦題からも明らかなように?これぞB級ホラーといった趣たっぷりの作品ですね。この邦題を見て一級品のホラーを期待する方はまずいらっしゃらないのではないかと。(ネタバレな原題もどうかとは思いますが) ちなみにallcinemaで「キラー」を検索するとエライ数の作品が出てきます。そのうち「キラー・○○」という邦題を数えたら85まで数えて飽きました(汗) で、そのうち原題が「KILLER ○○」なのは多分25作品ぐらい(邦題と完全一致を含む)に留まりますので、やっぱりB級ホラー配給にあたっての邦題の定番ネーミングと言っても良いような…。 で、はなっから鉄板B級ホラーという前提で観始めるとこれがなかなかの面白さ。常に同じ姿勢(きをつけ状態)のマネキンがどうやって人を襲うのか?どうやって瞬間移動するのか?だいたいからして、そもそもどういう曰く因縁があるマネキンなのか?潔いまでに全く説明なしの作品。それでも結構見入ってしまうのは、ある意味完成度が高いと言えるのかも知れません。 それにしても不気味な顔立ちのマネキン。デパートとかで売り場に立ってたら幼き少年少女は泣き出すだろうしトラウマ必至の顔相です。ニッコリ笑って人を殺める連続殺人鬼のイメージ?人に見られると動けなくなるというダルマさんが転んだ的な弱点は笑えます。そうか、本作はどのシーンでも殆ど通行人や通過するクルマが見られない。エキストラ代節約なのかと思ってましたが、目撃者がいると動けない(殺せない)からという点に整合しているのですね。でも、だったら何でクラブで大量殺戮?あぁそうか、停電してたからか。納得。ラストはミラーマジックで捕獲&ミラーマジックで逃走というアイディア。そこは結構気に入りましたが、待てよ?マネキンの視線でも動けないのならミラー使わないでも縫いぐるみでも吊るしとけばいいんじゃね?と言ったら野暮でしょうか。ま、続編製作意欲満々といったところですかね? マネキン以外にもツッコミどころ満載(いきなり死亡事故を起こした血塗れのクルマでヒロインが帰宅するとか)ながら、バカバカしくて思いのほか楽しめたので甘めの評価と致します。[インターネット(字幕)] 6点(2025-03-12 09:40:30)★《更新》★《改行有》 6. 白く濁る家 《ネタバレ》 幸せな未来が約束されている筈なのに何か暗い影が感じられるカップル。二人を出迎えるどこか不自然な表情や態度の母親。真新しく洒落た一軒家ではあるものの昼夜を問わず薄暗い雰囲気の実家。怪しげな効果音とBGM。雰囲気は決して悪くありません。寧ろ、これから起きるである不穏な出来事を予感させてくれるに十分な設定。そして、短めの尺に収められたストーリーは、とりたてて目新しいとか奇抜とかいうことはないものの、しっかりと纏められていて破綻することなく一気に魅せてくれます。 でも、何か物足りない。無難に過ぎるのかも。ラストシーンにしてもお約束どおりと言うか、結局秘法に則った儀式による母親の祈りは通じ、亡き次男の魂は長男に転移したわけですね。そして、良典の様子から異変を察した香苗は甘んじてそれを受け入れてしまう。予定調和的と言うかストレート勝負なエンディング。 登場人物が少なくても、まるで舞台劇のような限られた空間のみでの展開であっても、もう少しだけヒネリがあれば一気に魅力的なホラーに化けるのでは?と思えてしまう少々残念な1本でした。 ところで母親はどうなったのでしょう?[インターネット(邦画)] 4点(2025-03-12 00:13:56) 7. シターラ: 夢を抱け、少女たち 《ネタバレ》 ラストのナレーションまで一切の台詞なし。BGMのみのサイレント作品です。しかし、台詞はなくとも登場するキャラクターの表情や動作が雄弁に語りかけて来ます。 日本で生活している限り、日常の中でまず生じたり実感したりすることはないであろう「児童婚」の問題。世界の中ではまだまだ残っているのでしょうね。本作の中では父親が悪役の如く位置付けられていますが、その表情からは「解かっているが仕方ないこと」といった感情が滲み出ているように思えます。個人では抗えない社会問題。文化や伝統では説明しきれない問題。回避するにはその社会から離脱するしかない。けれども貧困にあえぐ生活からはありえない選択。 シンプルに「児童婚が少女の夢を奪っている」ことについての問題提起には留まらないテーマですね。それがまかり通る社会の根本的問題について問うている作品なのだと思います。社会にとっては小さな一歩に過ぎないとしても、妹が今後生きるであろう夢に満ちた将来に救われました。短い尺にギッシリと中身が詰まった佳作ですね。[インターネット(字幕)] 8点(2025-03-11 14:43:33) 8. バッドガール 最狂の女子高生 《ネタバレ》 前作は未見です。前作を観ていないと「あれ?そんなシーンあったっけ?」みたいになる場面が少しあったものの、概ね独立した作品として観賞可能な作品です。 てか前作のエピソードは別にどうでもいいような感じに誰一人として感情移入出来ないままに物語は展開していきます。そして結構派手に繰り広げられるゴア描写。感情移入出来ないし登場人物たちの行動に全く共感も出来ないので、若い男女が惨殺され続けても特に何も感じることなく物語は進みます。 結局、悪は滅びる訳ですが特に印象には残らないというか、そもそもよくよく考えてみればヒロインがどうにも魅力的でないことが一番のネックかも知れません。単に個人的な好みとは違い過ぎるからかな?などと考えてみたものの、いや待てよ、客観的に考えても彼女がヒロインって?? アニメを合成したスタイリッシュな学園スプラッターホラーを目指したのでしょうけれど、空回りに終わってしまったようです。前作を観ることはないでしょう。 ちなみに邦題。「最狂」?ヒロインが?どの辺が?予告編を観る限りではそんな感じがしないでもありませんが…。(邦題ありきの予告編?)[インターネット(字幕)] 3点(2025-03-11 14:15:06) 9. デビルズ・メタル 《ネタバレ》 「ヘヴィ・トリップ」を観賞したことを契機にヘビメタ繋がりで観賞しました。いや~、相変わらずと言うか期待に違わぬと言うか、グロさ爆発のニュージーランド製ダークコメディ。北欧作品に負けず劣らずのグロ・ダークコメディをお腹一杯楽しめました。 物語的には、田舎町で全く受け入れられないヘビメタ少年が偶然にも悪魔を呼び出す楽曲の譜面を入手し、訳も解らず演奏したら悪魔が登場して町中で大殺戮。メロディを逆向きに演奏すると悪魔は消え去ることは判ったもののそう簡単には実行出来ない。一方では、譜面を手に入れ悪魔のパワーを身に付けようと画策する悪党が登場、少年たちは絶体絶命!という内容。 逆向き演奏以外にはヒネリというヒネリも特にはなく、純粋にヘビメタとニュージーランド的ゴア描写を一粒で二度美味しい的に楽しめる作品です。ヒネリがないどころか主人公と可愛らしいヒロイン以外は全滅という、よくよく考えたらとんでもない悲劇。にも関わらずラストは死んだ友人の魂も混じえてのハッピーエンドというアッケらかんさが潔いです。 ダークコメディ大好き、グロイの大丈夫、ハードな音楽大好き、という方にはお勧めしたい作品でした。[インターネット(字幕)] 7点(2025-03-11 13:31:13) 10. ジ・エンド 終末 《ネタバレ》 面白くない!と断言するほどのこともないのですが、何とも味気ない作品です。 終末世界を背景に、原題のとおり「生き残るために」あてもなく旅をする物語。多くのゾンビ作品と共通するシチュエーションではありますが、ゾンビは登場しませんし殺人ロボットや怪獣も登場しません。ただ歩きます。(ちょっとはクルマも使います) 教会が主な舞台のひとつになりますが、宗教的な背景とか教示といったものは感じられません。シンプルにエピソードに絡んで登場するだけです。 なので、テーマ性は弱いです。強いて言えば、極限の状況における人間の本性(善と悪)について語っている作品とでも言いましょうか。でも薄味です。 特に情報は見つけられませんが、連続TVシリーズのパイロット版のように思えます。全く語られていない「なぜ世界はこうなったのか?」が段々明かされていくみたいな。そうであれば分からないこともないのですが、それにしても終末に至るまでのイメージが断片的に挿し込まれるとかがないとモヤモヤしてしまいます。なんだかダイジェスト版、しかもサブスクでたまに見かけるようなキチンと編集せずに単に本編から一部抜き出しただけという感じの予告編のロングバージョンを見せられたような作品でした。 ちなみに、邦題は「だから何なの?なんでそうなったの?それがテーマ?」といった感じ。原題の方がシンプルで良いように思えました。[インターネット(字幕)] 4点(2025-03-11 12:06:29) 11. シェラ・デ・コブレの幽霊 《ネタバレ》 劇場未公開作品なのですね。本邦でのテレビ放送は1967年の日曜洋画劇場。観たかなぁ?記憶にありません。まだ幼かったから観てたら多分相当記憶に残ってると思われる作品ですが。それ程に幽霊シーンは当時モノとしては恐ろしげなんじゃないかと思います。ただ、今観てしまえば特筆する程には恐くないです。(と言っても昨今のありきたりになってしまったCG多用の恐怖シーンよりは恐いとは思いますが) 既にレビューされている内容ですが、本作はそもそもが連続TVドラマのパイロット版。主人公と家政婦はさながら探偵と助手の関係。それぞれのキャラが立っていて心霊絡みのミステリーを紐解いていく。この展開は今や定番の一つですね。本邦の2時間TVドラマの多くも、大御所の作家さんが原作だったりするのでオリジナリティは感じられるものの、本作のシチュエーションやプロットを踏襲しているものが多いのではないかとさえ感じられます。なので、表現方法とか台詞回しとかは流石に時代を感じるし、ところどころ雑な感じがしないでもありませんが、物語の展開としては十分今の時代でも楽しめる内容ではないかと。 若かりし日の美しいダイアン・ベイカーさんを堪能できたことと、なかなかお目にかかれなかった稀少作品を観れたということで、+1の7点献上します。[インターネット(字幕)] 7点(2025-03-09 15:13:03)(良:1票) 《改行有》 12. ブリジット・ジョーンズの日記 《ネタバレ》 封切り当時に観たつもりでいたものの、改めて確認したら未見。今更ながら、とあるキッカケもあって観賞しました。 王道ですね、ラブコメの。洋画ラブコメのベスト10みたいなランキングでは間違いなく入って来る作品なので当然といったところかも。ラブコメの帝王とまで言われるヒュー・グラントさんが出演してるって点でもまさに鉄板的ラブコメ作品と言ったところでしょうか。 何気にレネー・ゼルウィガーさんがピンポイントで好みの女優さんということもあって、終始楽しんで観られました。まぁ、好みの女優さんがあられもない姿で幾度も登場したり、グラントさんにイイように扱われてる感があるのは必ずしも嬉しがってばかりはいられなかったところですが、彼女の魅力を最大限に引き出している作品という見方をすれば全部アリかなとも思えたりして。 基本、あまりラブコメ系の作品は観ないのですが(何故って感情移入してしまい過ぎるタチなので)今回改めて未見だった有名ラブコメを観賞してみて、やっぱ感情移入(今回はコリン・ファースさんに)し過ぎてしまいラストには涙ぐんでしまいました。いくつになっても単純すぎる自らを反省しつつ、高評価させていただきます。[インターネット(字幕)] 8点(2025-03-09 12:00:21)《改行有》 13. お!バカんす家族 《ネタバレ》 好きなんですよ、このくらい完璧におバカな映画。シリーズの前回の旅までは(記憶の限り)未見ですけれど、これ一発で見事にハマりました。 オープニングのスナップ写真から爆笑、兄弟喧嘩に爆笑、夫婦のやり取りに爆笑、アルバニア製のクルマに大爆笑等々、下ネタ、ゲロネタとかも大人げないと言うか子どもっぽいと言うかホントにバカバカしい。殆ど笑いっぱなしの約100分でした。 そんでもっておバカな展開なのに緻密とさえ感じてしまう見事な脚本。これでもかとばかりに能天気かと思えばシニカルな風味も効いてたりするし、不適切発言やら表現も多々ありますが聞き流してしまおっかなと思わせてくれる絶妙な匙加減。子役も含めて登場人物のなり切り具合もいいですね。この味わいは邦画では無理かな?アメリカ映画ならではの力技と言ったところでしょうか。 しっかり家族愛と夫婦愛も魅せてくれるし、エンドロールも含めて最後の最後まで楽しめる1本。少なからず見る人を選ぶでしょうけれど個人的には迷うことなく高評価です。 ちなみに、ノーマンさん、いつもカッコいい。本作ではゲスト出演か?!っていうぐらい一人だけコメディ外に陣取ってる感じ。「ウォーキングデッド」のロケ中に抜け出して来たみたいな出で立ちと台詞回し。そこんところが尚更カッコ良かったです。[インターネット(字幕)] 8点(2025-03-05 23:55:03)(良:1票) 《改行有》 14. エスター ファースト・キル 《ネタバレ》 これは無理でした。気になって仕方ない。え?再びイザベルさんがエスター役?前作製作から14年ほど経ってる訳で、20歳だったオネーちゃんが34歳のオネーさんになって20歳の役をやるってのならまだしも、12歳だったオジョーちゃんが26歳のオネーちゃんになって12歳の役をやるってのには無理があり過ぎる訳で(例えが解りにくくてゴメンなさい)、そのまんまじゃなくて様々の技術を駆使してるにしてもキビし過ぎる訳でして、そこに来て当のイザベルさんがどっちかっていうと少々実年齢以上に見えてしまうタイプじゃないかっていうのもあって、そこばっか気になってやっぱ作品世界に集中し続けるのは無理でした。 とは言え、冒頭からのエスター、てかリーナのファーストキルはいつのことだか忘却の彼方的な無敵ぶり(脱出劇はエントランスまでがコント的ですが)と、ママの豹変と兄貴のクソっぷりの露呈以降の疾走感は見応えがあり、矢鱈と批判的にはなれない娯楽作。仕掛けもいろいろあって惹き込まれることは惹き込まれる訳で、ヒロインの年齢問題で切って捨てることは到底無理とも言えるところです。 まぁあまり現実的に捉えてはいけない作品であることは間違いなさそうですし、多々ある御都合主義的展開やツッコミどころは概ね目をつぶって観るべき作品なのでしょう。強いて言えば、兄貴のバカ友達とかもっと血祭対象がゾロゾロ登場するのかと思いきや意外と少ないってところが物足りなかったかもです。 さてさて個人的には情報を聞いたことがないのですけれど更なる続編はあるのでしょうか?前日譚の前日譚によってリーナの強さの秘密が明かされるとか、実は瀕死の状態で救われていたリアルエスターにも兄貴同様凶暴ママンの血が流れていて、暗躍する偽エスターの前に現れエスターvsエスターの死闘が繰り広げられるとか。ただし、イザベルさんの再登板となると今作以上の厳しさは必至。さてどうなることやら、などと妄想しつつ甘めの6点献上です。[インターネット(字幕)] 6点(2025-03-04 22:18:07)(良:1票) 《改行有》 15. HUNT/餌 ハント・エサ 《ネタバレ》 序盤~中盤は何やら恐ろし気な雰囲気で本格的猛獣vs人間映画かと思いきや、徐々にアヤシイ方向に転じて来て終盤はライオンと言うより怪獣vs人間みたくなり、ジュラシックパークかバイオハザードかって感じのクライマックスを経て、ラストはお約束の「一匹退治して安心してるけどまだまだいるぞ~」みたいなドンデン返し。ヒットしたら続編もイケるよ、みたく終了でした。 緊張感はそこそこ感じられるし、CGライオンにしてもチープと言えないこともないながら頑張ってるし、犠牲者のグロ造形はかなりのモノだし、オフロードver.車椅子カッコいいし、とか諸々で楽しめはしたのですが、登場人物のキャラが軽過ぎるし、ヨーロッパ系の作品にありがちなギャグとか不適切発言とかチョクチョク盛り込まれるのがハッキリ言ってウザ。陰惨で犠牲者多発の作品なんだから、そこでギャグ飛ばすかよって気分も多々。邦画は勿論米国作品でも殆ど見られない子ども(幼児まで)がモロに喰われるってシーンにもドン引きしそうになりました。あと、解剖用鋸での無麻酔切断にも「ありえね~」って言うか、切った足使わなくても床に血糊付けられるぐらい出血してるだろ!って引きました。 それとライオン強過ぎ。ライフルや拳銃で撃たれまくっても元気いっぱい。毒ガスだってちょっと弱るだけ。神出鬼没で路面電車にまで乗車。獲物は殺すだけで完食しない。最早ライオン?やっぱライオンの形をした怪物?って感じです。そもそも「昔はヨーロッパにも野生のライオンがいた」「金持ちがライオンを不法に飼っていて逃げ出しても口には出せない」ってことぐらいで、ライオンがアムステルダムに現れたことの説明はあってないようなもの。これってどうなんでしょうかね?コメディに徹しているならまだしも。 と言う訳で、楽しんだ割には後から不満が爆発してしまい、てか鑑賞中に不満が鬱積してしまい、鑑賞後はすっかり萎えた作品でした。[インターネット(字幕)] 4点(2025-03-02 12:12:42)《改行有》 16. 犬ヶ島 《ネタバレ》 素晴らしいです。アンダーソン監督の多くの作品に見られるカメラアングルや人物(今回は犬ですが)のシンメトリーな配置や動き、そして派手派手しくも落ち着きのある色彩、微に入り細に入りの背景描写や小道具等々、全てが実写と変わることなくみっしりと詰め込まれていて至福の時間を過ごせました。 独特の世界観、フラットな台詞、さり気ないユーモアとシンプルなストーリーは、確かに見る者を選んでしまうかも知れません。ハマる人にはハマる、ハマらない人にはハマらない。でも個人的には映画は、否、映画に限らずアート全般はそれで良いと思うのです。(勿論ある程度のレベル以上での話ですが) 今回は監督の日本愛(人物描写、町の風景、太鼓、相撲、歌舞伎、七人の侍などなど)がこれでもかと詰め込まれた作品。日本人は、日本の社会や文化は(良くも悪い悪くも)こんな風に見えているのか、と知らされることも多々。そこに人間愛や社会問題への風刺を盛り込み、ストップモーションで表現することで必要以上に刺々しくならないように演出していますね。(TV画面では手書きアニメに転じるところとか遊び心もいろいろ) ラストはホロリとまでさせられた充実の約100分。強いて言うなら、ちょっと終盤が駆け足気味だったかなというぐらいの佳作でした。(もうちょい長尺でも良かったかも) 兎にも角にも納得満足の1本でした。[インターネット(字幕)] 9点(2025-02-28 00:43:06)《改行有》 17. ザ・ディスカバリー 《ネタバレ》 死後の世界(存在の新たな次元)と言うからスピリチュアルの線で行くのかな?と思いきやあくまでも科学だと言う。意識が肉体を離れ何処かに行く。ただし行先は分からない。行き先が何処であるかはわからなくとも電車が走り出すことは分るのと同じ。 何だか煙に巻かれてると言うか詭弁のように思える解説。 そして、信奉者が拳銃自殺するのを目の当たりにした博士は雲隠れ。秘密の施設に信奉者を集めてカルト教団の如き説法を行う。その裏で死者が死後の世界へ旅立つ際の記憶を記録しようと実験を繰り返しつつ。時として自らを仮死状態にして実験台にしてまでも。 だとしたら、これは一人の科学者が妻の死を契機にライフワークとして来た研究の方向性を見失い、家族や信奉者を巻き込んで自滅していく物語かな?と思いきやそれも違う。 それらは導入部を彩るエピソードであって、実は死後の世界というよりマルチバースの物語じゃないの?と思えて来る展開。ただし、微妙に、と言うより明確にタイムリープ的要素も絡んで来る。だから、純粋にマルチバースの物語とも言えない。 では全くの新説?と言うことでもなく、観終わって何か釈然としないものが残りました。この手の作品は難しいですね。先行する作品も多々ある中では尚更に。 ウィルが得たものとは?彼は、アイラが死なず彼女の息子も死なずにいる世界を自らの意思で選ぶことは出来ないでしょう。それは同時に存在するわけだから。無意識下から意識の元に現れる記憶は願望? 結局、博士が長年の探求の末に得たものは人の意識を映像化するという優れた技術ではあるものの、そこに映し出されるものはあくまでも願望。次なる次元への旅立ちの記録ではなく在りたかった自分の姿の投影。ウィルの意識に現れた数々のビジョンも、マルチバース的に表現されてはいるものの時系列で捉えると少なからず矛盾はあるように思え、繰り返し求め続ける彼の姿のような。 挑戦的なテーマの作品故にサンダンスでも評価されたのではないかと思えます。とは言え、観客に判断を委ね過ぎな感は否めず、エンドロール後の大ラスに挿し込まれた映像の意味するところが全く意味不明に思えたことはマイナス要因。迷いつつ甘めの6点献上です。[インターネット(字幕)] 6点(2025-02-27 21:21:10)《改行有》 18. トリプルヘッド・ジョーズ<OV> 《ネタバレ》 前作同様、本作もレビュー漏れを発見したので遅ればせながら書かせていただきます。なお、言いたいことは殆ど皆様に書き尽くしていただいているようですので、前作のレビューと同様箇条書きで失礼します。 ・前作で予想以上の収益があったのか予算アップ感がありあり。サメの造形が進化し(CGは殆ど進化なし)獲物をゴクリと飲み込むカットまで登場とか、出演者のレベルが一段二段アップとか(特にオープニングロールにダニーさんを発見した時にはビックリ)、セットもなかなか本格的とか、撮影機材とかスタッフもレベルアップしたのか絵面が全然良いとか。 ・前半かなりマジサメ映画に走ってるせいか、それとも大人の事情なのか、ビキニ美女は質量ともにレベルアップしたのにサービスカットは自粛(チラ見せのみ)してて残念。 ・サメの声に迫力が増した。てか、また吠えてるし。それと、真ん中の頭と右の頭、喧嘩しとるし。まさかのラストへの伏線? ・まさかのサメによる堅牢な海洋施設破壊。見捨てて逃げた数人以外はほぼ全滅。てか、何故陸地から海に逃げるのか意味不明。 ・まさかのヒロインと思われた美人教授に死亡フラグ。 ・海洋汚染で突然変異と言っても、まさかのサメのゴミ掃除。缶まで食うの? ・観光船に堂々と近付く巨大ザメ。船長もクルーも気付けよ!パリピだって気付けよ! ・一人助けるのに一体何人死んでんだ?てか、にも関わらず船捨てて逃げるのに何人見捨てんだ? ・斧を手に飛び込むライアン。ジェイソンより先に素手で巨大ザメと闘った男。 ・てか、どっから出て来たスタンリー。パリピにもクルーにも見えないし。 ・てか、美人教授以降の主役入れ替わり激しいし。 ・ダニーさん、何で漁船が武装?てかマチェーテに変身?つえぇ!と思いきやガブ。 ・折角切断したら更にトリプルヘッド。え?ファイブヘッド?予告編か? ・最後は共食いだけど、そこで共食いするならとっくにしてたような? などなど、他にも言い尽くせないぐらいにツッコミ入れまくって、特にダニーさん登場以降は殆ど大笑いしながら観てました。流石のアサイラムさん。決して低評価出来ずに6点献上です。[インターネット(字幕)] 6点(2025-02-25 18:46:58)(良:2票) 《改行有》 19. アメリカン・フィクション 《ネタバレ》 人種差別をテーマに社会の在り方や生きて行くことの苦しみが描かれた作品ではあるものの、決して貧困層の生活苦を前面に押し出している訳ではなく、寧ろ主人公はインテリ層で小説家兼教員、家族には複数の医者がいて昔から住み込みのメイドを雇用しているという中流以上の所得層。それでもそれぞれの人生は順調ではなく、離婚や死別が続いていたりゲイであることで生きにくかったりアルツハイマーが急速に進行したりと、少なからず問題山積。このある意味チグハグとも思えてしまう雰囲気が全編通して続きます。 そういったシチュエーションを踏まえた上で、直接的な差別的な発言であったりオブラートに包まれて当たり前の日常のように存在する差別であったり、ある時は白人から黒人に向けて、ある時は黒人から白人に向けて、またある時には黒人から黒人に向けてと、向きや温度を変えながら言葉も表現も巧みに織り込みコメディとして仕上げた脚本と演出は見事だと思います。 英語や米国内の空気への理解が不十分な自分故、理解度は相当低いとは自覚していますが、それでも、決して強烈ではないもののローブローの如くジワジワと効いて来る社会問題へのアプローチには感銘するものがありました。 答えを明らかにせずコメディタッチで締め括るラストは好みです。全編通じて最も直接的に辛辣な演出ですね。タイトルが意味するところが垣間見えるエンディングでした。[インターネット(字幕)] 8点(2025-02-25 10:46:07)《改行有》 20. チャーハン 《ネタバレ》 解らんです。これはサスペンス?ミステリー?ヒューマンドラマ? 突然ワケアリの友人が転がり込んで来て彼女も巻き込んだ不思議な生活が始まる、というのはコメディとかで決して突飛でもない設定ですが、本作はコメディではなく寧ろ恐ろしげにさえ感じる展開。我が物顔でキッチンに立ってこの人なんなの?居座る気?と思いきや、どうやら就活はしている様子。彼女に黙って受け入れる透も透だけど、二人っきりでも結構平気な沙耶も沙耶だったりして、登場人物の関係性がモヤモヤしたまま短い尺が進んで行く。 普通なら衝撃の事件みたいな転換点が待っていそうだけれど、沙耶と伸太郎の会話場面と透と伸太郎の会話場面でやや核心に迫るかなという程度。種明かし的にまではならない感じで終了。モヤモヤが残ったままなのは私の読解力不足なのか。 結局、伸太郎は別人だったのでしょうか?「通報」って?財布から現金抜かれたこと?それとも別人疑惑?語られていない事実がある?別人だったら何で昔話出来た?何故透は沙耶に打ち明けなかった?そんな不穏な状況にあってのラスト。予告電話は無言だった?無言だったからこそのドアロック?モヤモヤとしたままの終了でした。 都会の片隅で暮らす若者たち。決して根の生えたような生活ではない。そこに訪れる転機。不安定な状況から生まれる新たな関係性。しかし、その関係性は脆く儚い。何もなかったの如く明日はやって来る。そんな感じの解釈で良いのかなぁ? 展開に期待を膨らませつつ観ていたら、サッとすり抜けられてしまったような感覚が残ったという不思議な作品でした。[インターネット(邦画)] 5点(2025-02-24 11:06:22)(良:1票) 《改行有》
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