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【製作年 : 1930年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 一日だけの淑女 《ネタバレ》 ビリヤード上手すぎ(笑)。ビリヤードの伏線がああつながっていくとは思いもよりませんでした。最後まで娘たちをだまし切ってしまうのは良いのかなぁ?と思いつつ、娘の幸せを願う老婆アニーに免じて許してあげたい。どういう経緯で娘を手放さなければならなかったのか? それをあえて伏せているからこそ話に入っていける。こんなおとぎ話みたいなことは現実ではまずないことだと思う。けど、取引そっちのけのデーブをはじめ、乞食たちが一致団結して、アニーのために人肌ぬぐ。気持ちよく新年を迎えられました。[DVD(字幕)] 8点(2007-01-03 08:55:11) 2. 西部戦線異状なし(1930) 戦闘シーンのすさまじさを見せつける映画が多い中、この映画の、最前線での兵士たちの恐れは直球的で、賛辞に値する。この映画を観て、戦争を美化している映画(キムタクの『君を忘れない』とか)に嫌気を感じてしまいました。戦争の怖さ、空しさを知っているからこそ、郷里での恩師の扇動教育に激しい怒りを感じる主人公に、同感してしまいます。戦争って、首脳も悪いですが、疑問を持たずに助長する人間も同罪ですね。殺し合いよりも、食料の奪い合いのシーンが印象的でした。さすが、戦争を知ってる現役世代の人たちが撮った作品ではある。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-03 17:27:30) 3. 人情紙風船 《ネタバレ》 しょっぱな、動機不明の○○で始まる。「一体どうしたんだろう?」「お侍も色々あんだよ」と、長屋の人たち同様、我々を惹き込む。人の死すら酒の肴にする、活き活きチャキチャキとした長屋のにぎわい。現代って、近所づきあいとか難しいです。公園の草むしりに出てくる人、来ない人。来ない人に対しては、「○○さん来てないわよ、やぁねぇ」などと陰口をたたく。この映画では、いまの時代では見かけることが不可能になりつつある、裏表のない近所づきあいが、前半、正に下町の人情をほのぼのと展開していく。一方で、どこにでもいる浪人・海野、無頼・新三にスポットを当て、仕事の無心などの生活が苦しい事情を、鬱々と映し出しています。山中監督が仕掛ける陽と陰のコントラスト。そしてラストの海野家の○○。冒頭の○○がここでフッと記憶に蘇る。ぞっとします。どの家庭に不幸があろうとも、長屋(ご近所)はいつも通り、活き活きチャキチャキとにぎわうもの。監督が当時感じていたであろう世相を映画化したのに、なぜか現代に通ずるものがあり、不思議な印象でした。結局、あの二人は駆け落ちしたのかなぁ?[DVD(字幕)] 9点(2005-09-18 21:58:03) 4. 丹下左膳餘話 百萬兩の壺 《ネタバレ》 【男はいつまでたっても子供】という機微を絶妙に映し出した大傑作です。 あの最強の大剣豪が、なんと女の尻に敷かれている(´ー`)y─┛~~ 調べたら、1両の価値は2万~36万円ぐらいらしいです。この映画、【100万両は大金なのである!】がテーマのハズなのに、【こけ猿のツボ】を全く探す気がない源三郎を始めとして、小判をメンコに使う安坊など、100万両そっちのけで、お金の価値を考えずに遊び呆ける姿がとっても面白い! 子守唄をBGMに使ったり、洒落の効いたセリフなど、映画の完成度としては『七人の侍』をはるかに超えています。まさか70年も前の映画に爆笑するとは思いもしませんでした。 物語が進むほど、お金をめぐるドロドロした強欲さが(登場人物みんな、言葉では発してはいるんですが)微塵も感じられなくなっていくから不思議です。 この映画の特徴は随所に上手く散りばめられた”くり返し”にあると思います。 「絶対にいやだ!」と断固として断る左膳が、結局、お藤のピシャリの一言に頭が上がらず、七兵衛を見送ってしまう。お藤もまた安坊を叱っておいて、安坊の竹馬遊びにつきあってしまうなどの、①”あまのじゃく”のくり返し。 金魚釣りのシーン、執事と萩野がそれぞれ全く別々の衝撃の事実を知ってしまう、②望遠鏡でのくり返し(これはおなかが痛くなるくらい笑った)。 ③安坊の実家までの道順を教える、くり返し。 10数えて殺すシーンでの④安坊のセリフ「どうして唸ってるの?」のくり返し(これには背筋がゾッとしました)。 くり返しだから、”時間のムダ”であるようで、この映画では決してムダではなく、むしろ相乗効果を生んでいる。 左膳の無骨な優しさが、教育パパとなって随所に現れていて、とっても微笑ましい。 ところが、安坊が「泣いたのは、おっかあが死んだ時だ」と突然、変化球を投げてくる。さんざん笑わせといて、突然ホロリとさせる。山中貞雄監督は、稀代の天才であったと認めざるを得ません。GHQが削除した殺陣も観ましたが、やはり隻眼隻手の丹下左膳は最強の大剣豪でした。 江戸っ子なのが玉にキズ (ノ∀`) アチャー [DVD(字幕)] 10点(2005-09-15 19:58:41)(良:3票) 《改行有》 5. オペラハット 《ネタバレ》 これって、最古のバイオレンス映画ですね(笑)。終始キレっぱなしだよ、これ。大金を相続してブルジョワになっても、使い道が俗っぽくなく、人間性はいつまでも”田舎のディーズ”のままなのが良いです。それだけにベイブにネタのために近づかれたと気がつき、打ちひしがれる演技はグッときます。階段を一段飛ばしで上がっていったり、会議中に消防車のサイレンをきいて様子を見に行くなど、ゲーリー・クーパーの頑固者っぽい演技との人物設定の妙が面白いです(ホント言うと、法廷での老婆達の演技が一番面白かったです!)。テーマは、フランク・キャプラ監督が貧民層の代弁をして、当時の富裕層に対する批判をしているように思いました。[DVD(字幕)] 8点(2005-06-19 17:43:40) 6. 我が家の楽園 《ネタバレ》 フランク・キャプラが織り成す人間讃歌は素晴らしい!本当の豊かさとは何か?を教えられました。それぞれ自分のやりたいことを好きなだけやり、人生を楽しむバンダーホフ一家に、当時の古き良きアメリカの家族像を想像します。最初、ジェームズ・スチュワートが主人公かと思いましたが、ライオネル・バリモアだったのですね。この当時にこのような破天荒な脚本ですが、素晴らしいの一言に尽きます。ところで、カラスをあそこまで仕込むのはすごいことだと思いました。あと、セイウチのマスクにも大笑いしてしまいました。コメディタッチですが、今の時代にこそ観て欲しい、家族愛に溢れた作品です。[DVD(字幕)] 9点(2005-06-14 22:13:17)
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