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1. 白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々
パリで見ました。白バラの抵抗運動については本では知っていましたが、ショル兄妹がどのように捕まり、どのように裁判にかけられ、どのように死んでいったのかを初めて知りました。1943年2月といえば、ドイツの敗色が見え始めた頃とはいえ、まだドイツ本土が猛爆にさらされるという状態ではなかった、換言すれば国民の多くはまだドイツの勝利に希望をもっていた時期です。そうした時期にヒトラーとナチスを否定する運動をしたということは大変、勇気がいることだったと思います。フライスラー裁判長の恫喝に対してハンス、ゾフィーが立ち向かっていくところは感動的でした(なお、フライスラーは1944年に同種の裁判を行っている途中、空襲で死亡します。天罰というべきでしょうか)映画の中でゲシュタポの取調官や女性看守がわずかに見せる人間的な側面にやりきれない話ながら、ほんのちょっとだけ救いを感じました。ゾフィー役の女優さんはすばらしかったです。
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-09 05:51:22)《改行有》
2. ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
パリで見ました。ナルニア国物語は、遠い昔、「ライオンと魔女」だけを読みました。箪笥の後ろが別の世界に通じているというアイデアに魅了され、思わず家の箪笥の奥をさわってみたことを覚えています。記憶はおぼろげなのですが、映画を見ていろいろなことを思い出しました。ガス灯がともる雪景色の中で、ルーシーとフォーンが二人で歩いているところ、半人半獣の集団に囲まれてアスランが咆哮しているところ等、原作の雰囲気を非常によく再現していると思います。また山、草原、谷など、景色が非常に美しく、CGとよくマッチしていたとおもいます。あと、ルーシー役の女の子の演技が大変すばらしかったのが印象的でした。魔女役の女優さんも魅力的だったと思います。全体として、同じファンタジー映画でも、ロード・オブ・ザ・リングよりもこちらの方が好きです。うん10年ぶりにライオンと魔女をはじめ、ナルニア国物語の全巻を読み返してみようかな、というような気にさせてくれた映画でした。[映画館(字幕)] 8点(2006-01-19 08:51:06)
3. ヴァン・ヘルシング
《ネタバレ》 はっきりいって失望でした。CGの発達は映画を面白くした反面、つまらなくもしたなあということを痛感させられる作品です。ユニバーサルやハマーのドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男を愛好していた私としては、このような形で彼らが扱われることが不憫でなりません。この手の映画は荒唐無稽なストーリー展開を楽しめばいいという方もおられるかもしれません。しかしこの映画では空中ブランコによる注射器の受け渡しを含め、「いくら何でもそりゃないだろう」という設定が多すぎます。ジェントルメンズ・リーグと並んで2004年に見た映画の中では大はずれの一つでした。[映画館(字幕)] 3点(2005-11-03 02:35:23)
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