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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 歩け走るな! 1964年の東京オリンピックを舞台にしたコメディでケイリー・グラントの引退作。1943年の日本未公開作「The More The Merrier」のリメイク。なぜか銭湯で背中を流す女性が出てくるシーンもあるが、約40年前のハリウッド映画が描いた日本としては比較的まともな方だろう。話される日本語も少々、怪しいが全くのデタラメというわけではない。作り手が意識していたかどうかは別にして“変な日本”を描いた箇所が笑える。たまに流れる中国風の音楽はご愛敬だが、クインシー・ジョーンズというのが日本人としては少し複雑な気持ち。ケイリー・グラントが自分の出演作「シャレード」のテーマ曲を口笛で吹くシーンなど小ネタのギャグが冴えているシチュエーション・コメディの佳作。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 21:46:17)(良:1票) 2. アポロンの地獄 地理も時代も特定しにくい場所で展開され、音楽も日本の古楽をはじめアフリカの民謡らしきものまで使用されており「無国籍、無時代」を思わせる映画。ルッツォリーニの見事な撮影が荒涼とした土地を美しく見せる。まさに「妖艶」という言葉がピッタリなマンガーノの美しさも見もの。パゾリーニにしては比較的ストレートな映画だと思うが、元になったギリシャ悲劇を知らないと面白味は半減するかも。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 21:36:18) 3. あの胸にもういちど 原作はアンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの純文学風のポルノ小説。「ルパン3世」の峰不二子の容姿部分の元ネタとなった映画。何度も裏切ったりするキャラの元ネタは「黄金の七人」のロッサナ・ポデスタだろう。公開当時はアラン・ドロンのヌードが話題になったが、やはりマリアンヌ・フェイスフルの魅力で成り立っている映画。名カメラマンのジャック・カーディフが監督しているが、当時、流行していたフィルター処理したサイケ調の画面は今見ると少々辛い。ストーリーらしいストーリーがないだけに、監督の感覚が合わないと非常に退屈に思える映画。[DVD(字幕)] 4点(2005-10-31 22:23:09) 4. アッシャー家の惨劇 ロジャー・コーマンによるポー原作シリーズの記念すべき第1作。白黒映画2本を撮るように言われたコーマンが、その予算でカラー作品を1本撮らせて欲しいと頼んで作った“低予算映画の帝王”にしては珍しい映画。その甲斐もあって、コーマン作品にしてはセットも豪華で、映画の見どころのひとつにもなっている。ポーの原作の雰囲気も良く出ているし、主演のプライスの演技が素晴らしい。ホラー映画が「怪奇映画」と呼ばれていた頃の感覚を今に伝えてくれる佳品。[DVD(字幕)] 7点(2005-10-31 22:05:43)
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