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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. サイレント・ランニング 《ネタバレ》 日曜洋画劇場で初めて見たときは 試験の前日にもかかわらず見てしまった。 当時はホームビデオはまだなかった。 ダグラス・トランブルの特撮が見たかっただけなのだが なんともいえない釈然としないものが残った。 手段が目的になってしまった主人公。 彼は緑の復活が人類にとって必要だと考えているはずなのであって 宇宙空間に緑だけを残しても仕方がない。 そのことによって、人類にどのような福音をもたらすのかは、説明が一切ないので 見る側の目には主人公の身勝手にしか映らない。 この映画に恐ろしいと感じたのは 人類が自然環境の助けなしに生きていける技術ができていることだ。 しかも、それがどんな技術なのかは劇中ほとんど語られない。 自然との共生などもはや人類の興味の埒外になってしまった未来…。 そして、緑が必要な決定的な理由は語られない。 そのような状況の中で森の復活に執着し、 仲間から孤立し、 勝手に自分から追い詰められていく。 自然とは人間に奉仕するためにあるのではなく、 人間も自然の一部であると… 多分そういうことだろう。 多分、いらなくなったから捨てるというのは傲慢ではないかということだろう。 もし、自然環境などに頼らなくても幸せに生きていける方法を人類が見つけたら それでもわれわれは自然を大切にしましょうといい続けるのだろうか? 環境保護、自然保護、或いはそういったことに血道をあげる運動家に常に胡散臭さを感じてしまうのは この映画を見てしまったからだろう。 [地上波(吹替)] 7点(2008-02-10 08:59:48)(良:1票) 《改行有》 2. ハネムーン・キラーズ ジャムがパンの間から零れ落ちるシーンにやられた。 多分製作者は意図していないだろうが すべてのシーンに緊張感がみなぎっている。 バスで死ぬ場面なんてほんとに観てるこっちまで気分が悪くなった。 3人並んだ殺人場面もマルクス兄弟のコントの一場面のようで やはりそこには殺人の凄惨さがある。 カメラはぶれているし構図も不安定。 何もかも素人映画。 しかし、素人だからこそなしえた偉業がここにはある。[DVD(字幕)] 7点(2006-06-19 16:28:07)《改行有》 3. ローラーボール(1975) ちゃらら~ん鼻から牛乳~。 バッハを日本で有名にした映画。 東京ボンバーズ。 懐かしい。 シュワちゃんの『バトルランナー』を観て ちょっと似てると思った野を覚えている。 人の生き死にがかかったゲーム画娯楽になるというところが。 『デスレース2000年』が元ネタだろうけれど。[映画館(字幕)] 4点(2006-06-17 16:59:20)《改行有》 4. プリティ・ベビー この映画はもっと見たいのだが、諸般の事情で見る機会がなかなか得られない。 ブルック・シールズがきれいでかわいい。 猫とミルクを飲むシーンなどデビッド・ハミルトンの写真のようだ。 12歳でデビューは西鶴によると日本でもそうらしい。 娼館で育った少女と出会いまじめな青年写真家がだんだんと壊れていくところなんかは なかなかリアルだと思った。 ラストも切なくていい。とにかく耽美的な映像だけでも見る価値があると思う。 それから俺の女神スーザン・サランドンがまたいいのだ。 もうねなんともいえない色香がいいのです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-06-15 19:44:02)《改行有》 5. 栄光のル・マン フェラーリとポルシェの対決。 繊細で美しいフェラーリと理知的なポルシェ。 男性的なポルシェと女性的なフェラーリの対決がセクシーです。 こうなると人間ドラマは添えものでっ結構毛だらけ猫灰だらけ。 まだプロトタイプレーシングカー的な雰囲気を残しているマシンの造形がいい。 ポルシェのタービンがヒューンって回ってピットを飛び出していくところなんかいいなぁ。 フェラーリのドライバーがリアの窓を開けて一息つくところなんかもいい。 昔のレーシングカーは窓が開いたんですね。 興味のない人には退屈でつまらない映画であろうかと思います。 とにかくル・マンが頂点のレースとして機能していた時代の貴重な映画です。[DVD(字幕)] 10点(2006-06-12 19:39:30)《改行有》 6. 悪魔の性キャサリン はっきりいいます。ナスターシャ・キンスキーが目当てで借りました。 脱ぐシーンもばっちりありますが、ビデオの画質がよくない上に暗いので今ひとつでした。 それよりも尼僧姿のキンスキーのほうがエロかった。 調べてみるとこれがハマー最後のホラーだそうです。まあ、終焉を感じさせる映画ではありました。 リチャード・ウィドマークはやっぱり渋いですが、なんかお客さん感覚で演技もいまいち精彩がなくて残念。 少女を守りきれるかといったハードボイルド風味であまりホラーらしくありません。 クリストファー・リーのエロ神父が、かろうじてホラーらしさを醸し出しています。[ビデオ(字幕)] 4点(2006-05-21 09:24:11)《改行有》 7. 小さな恋のメロディ ここにいる子供たちは現実の子供たちとは何の関係も無くて、大人になってしまった元子供が理想化した子供たちなんだと思う。つまり、これは大人が起こらなかった過去を懐かしむための御伽噺だ。望んで得られなかった過去をそのせつな取り戻すことができるのだ。物語の効用。それを否定してしまったら物語は必要なくなってしまう。失ったものは人それぞれ、だからこそいろいろな物語が生まれるのだ。そして私はこの映画が好きだ。[映画館(字幕)] 10点(2006-03-14 20:28:49)(良:2票) 8. タイム・アフター・タイム タイムマシンと切り裂きジャックとH.G・ウェルズの恋。落語の三題噺のようなアイデアを聞いただけでもう面白そうと思わせる。切り裂きジャックの「俺は現代では小物だ」の台詞が好き。これをいわせたいがために切り裂きジャックとタイムマシンを組み合わせたんじゃないだろうか。ウェルズが現代に来てホームズの名を知るというのもなかなか粋なくすぐりだと思った。今回改めて鑑賞して、マシンの計器のレイアウトがデロリアンのに似ているのに気づいた。BTTF3でスティンバージェンが出演したときはぜんぜん変わってなくてうれしかった。[地上波(吹替)] 6点(2006-03-14 10:04:04) 9. ルパン三世 カリオストロの城 このころの宮崎作品は車の動きがいい。大塚康生さんが抜けられてからの宮崎作品の車の動きはあまりいいとは言えません。クラリスが運転して逃げるピンクのシトロエン2CVがクラッシュする場面のすばらしさ。またフィアットのあのコミカルでいて理にかなったリアルな動き。こういうのは今のアニメにはありません。それどころか世界的に見ても車をこれほど生き生きとリアルに動かせる技術はないと思います。今のアニメーターの皆さんにはもう少し車のことを知ってほしい。いくらリアルな絵になっても引っ張るだけではつまらないと思います。また、山田康雄さんの声がすばらしかった。クリント・イーストウッドの日本での人気もこの方の功績なしでは考えられないでしょう。無限にきざになれる声とでも申しましょうか、どんなキザな台詞も山田康雄さんにかかれば自然にすんなりと耳に心地よく入ってきます。ルパンの名台詞も山田康雄さんでなければただのキザな台詞で片付けられていたかもしれません。私に書けるのは今はこれが精一杯です。 あ、それから日本警察の車がいすゞフローリアンと言うところがまた泣かせるチョイスです。[映画館(邦画)] 10点(2006-03-06 13:54:17)(良:2票) 10. エクソシスト これは公開当時のCMが怖かった。白と黒に二値化されたリンダ・ブレアの可愛い笑顔が突然あの顔に変わってビックリさせるというものでした。親が留守の夜に見てしまったので、幼かった私には本当に怖かった。心臓が止まるかと思うほど驚きました。 今見るとたいしたことがないんですけれど。当時はあの特殊メイクはそれまでにないリアルさと恐ろしい造形でインパクトがありました。怖い顔はあまりリアルにしないお約束みたいなモノがあったように思うのですが、この映画あたりからどんどんリアルになっていったのではないでしょうか。 あの断層撮影する検査のシーンは別の意味で怖いです。無機質な検査室に響くガコンガコンという音に胸が苦しくなります。今の機械はもっとスマートで静かになっていますが、これも当時の最新技術で、日本ではまだまだ珍しい時代でした。 ハマーなどのホラー映画しか知らなかった私には衝撃的な映画でした。[地上波(吹替)] 10点(2006-03-05 22:08:27)《改行有》
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