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1. MAROKO/麿子
押井監督が売上とか世間の人気とか、そういった物を度外視し自分の趣味だけで創り上げた作品。
以後「押井に、監督と脚本を同時にやらせるな」と囁かれる様になったとか。
非現実的な存在を招き入れた家族が崩壊してゆく様を描いた悲劇的喜劇だが、押井独特の台詞回しが非常に面白い。
舞台劇を模した画面は何処までも淡々としているものの、場を盛り上げる川井憲次の音楽は場違いな程に格好良い。
個人的に数ある押井作品の中では最も好きな作品なので、無条件で10点献上したい……のだが、本作は合計三時間になるOVA「御先祖様万々歳!」を劇場向けに再編集した物で、その影響によって一部重要なシーンが省かれてしまっている。
その為、麿子や文明の正体が中途半端なまま終わってしまっているのが、何とも残念で仕方がない。
故に2点を差し引き8点とさせて頂きます。
可能で有れば、OVA版を観る事をお奨めする。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-24 11:55:38)《改行有》
2. ゼイラム2
《ネタバレ》 前作を観て「意外と面白い」と感じた方であれば、十分に楽しめる映画。
ストーリーは相変わらず大した無いので、ツッコミを入れていたらきりがなくなるし、特撮も昨今のハリウッド映画を見慣れていると、直視に耐えられないレベルだろう。
演技は何処までも特撮レベルだし、物語も前半は少々退屈だ。
しかし中盤以降、鉄平達が巻き込まれると途端に面白くなる。
特に神谷のコマンドーチックな武装出撃シーンは最高。
(前作のフォークリフトの時と言い、神谷さんはホント素晴らしい)
やっぱりこのシリーズは、巻き込まれる鉄平と神谷という凡人二人が、それなりに活躍するからこそ面白いんだなぁ。
あまりにも身近な人物っぽい二人が、喚きながらも頑張る姿は前作同様で安心して観ていられる。
ラスト後、鉄平の結婚式と神谷娘のピアノ発表会がどうなったのか? 思わず気になってしまいました。
それだけ、感情移入が出来ているって事なんだろう。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-24 11:17:35)《改行有》
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