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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. サテリコン ぐちゃぐちゃなんだけど綺麗な映画でした。[DVD(字幕)] 4点(2011-07-24 17:55:58) 2. 勇気ある追跡 《ネタバレ》 コーエン兄弟によるリメイクが上映されるということで、予習として鑑賞した。 ジョン・ウェインが本作でアカデミー賞を受賞したということを観た後知ったが、貫禄の演技はさすがながら、それはやりすぎな印象がある。僕はやっぱり「駅馬車」と後期では「リバティ・バランスを射った男」が好きだな。 さて、本作は作品としては中途半端な出来と言わざるを得ない。マティのキャラクターは強気一本で女としての魅力に欠けるし、ラ・ボーフの存在感もイマイチない。マティの女性としての一面を押し出すことは、当時の時代背景から見ても難しかったろうとは思うが。また、ルースターとマティがことあるごとに繰り出すテキサス州ネタに絡めたラ・ボーフ批判もピンと来ない(これは観客側の問題)。西部劇ファンには堪えられないと思われるジョン・ウェインの見せ場も非現実的でぐっと来なかった。それなりに飽きずに観られるが、実も蓋もない言い方をすればこれといった特色の無いノスタルジックな西部劇である。 この映画で唯一よかったのはこの着想だ。無頼の保安官と若きレンジャーが少女の復讐を手助けするという設定だけで観ようという気になる。コーエン兄弟はうまいところに目をつけた。リメイク版の鑑賞が楽しみだ。[DVD(字幕)] 5点(2011-03-23 17:54:29)《改行有》 3. アラビアのロレンス リバイバル上映で鑑賞。この映画を観るのはもう何度目か分からないが、今までで観た全ての映画の中で最も好きな作品だ。僕がこの映画を好きな理由は、まずは全てにおいてこの映画が秀でていること。脚本もキャラクターの造形も台詞回しも音楽も映像美も何から何まで素晴らしい。特にキャラクターと台詞回しは本当に凄い!ロレンスはもちろん、アリもアウダもファイサル王子もアレンビー将軍もドライデンも!本当に素晴らしい躍動感だ。実在・非実在にかかわらず、本当に血の通った人間が歩き、話し、考えている。 しかしそれだけではない。「ゴッドファーザー」も「ローマの休日」も「ガタカ」もほぼ完璧な映画だと思う。それらに加えて最も大事な点は僕がこの映画で描かれるロレンス彼自身に心底愛着を覚えるからだ。 確かに僕は彼のような英雄ではないし、砂漠どころか海外にも大して行ったことはないし、戦争を戦ったことも無い。しかし、彼の栄光と挫折に至る過程における彼の心理状態にはことごとく共感できる。マッチの炎を指で消してみたり、将軍に無造作な口を利いたり、自分の居場所はここではないと感じていたり、名声に酔ったり、そういう自分を恥じたり、理想主義だったり。 僕にとって彼は、基本的には同じ考え方をもつ人間でありながら、僕がもって生まれた能力の低さや意志の弱さや慎重さ(消極性とも言う)から実現できないことを次から次へと実現していくスーパーマンなのだ。だから彼の欠点も含め、その行動一つ一つが愛おしく、そして同時に圧倒されるのだ。これを観ると僕も彼のように「生きた」人生を送りたい!と心から感じる。面白い映画であるとともに自分の気持ちを引き締めてもくれる映画だ。人生において大事なことを、観るたびに僕に改めて問いかけてくれる唯一無二の映画だ。[映画館(字幕)] 10点(2011-01-15 22:18:31)(良:2票) 《改行有》 4. サイコ(1960) 《ネタバレ》 恐怖映画の教科書となった作品。やっぱりこの映画は凄い。翌日早いのに時間を忘れて観てしまった。 血がいっぱい出るわけでも、観客を脅かしまくるわけでもない。比較的淡々と物語は進んでいくのだが、序盤で完全にマリオンに感情移入させ、その後、一気に落す展開がまずうまい。途中に出てくる不気味な警官やその後土砂降りの中運転するマリオンの表情、焦燥感を煽る効果的な音楽によって、観客は4万ドルを持ち逃げする犯罪者であるヒロインにすっぽり感情移入してしまう。逃げなければ。でも、犯罪者になる覚悟はあるのか?迷う彼女はベイツ・モーテルにたどり着く。そこでノーマンの不気味さに触れた彼女はお金を返し、もう一度やり直す決心をする。だが、ヒッチコックは容赦しない。あっさり彼女は殺されてしまう。ここまでの淀みない一連のシーンが本当に素晴らしい。簡潔で無駄がない。 その後の謎解きもそれはそれで衝撃だが、この後散々使い古されたテーマだけに現在ではだいぶ陳腐化してしまったのが残念だ。ラストのノーマンの不気味な表情および独白は出色だが。 観客すべての「サイコ(精神)」に強烈な印象を残す。「めまい」はよく分からなかったけど、これは本当に凄いと思った。[地上波(字幕)] 9点(2010-12-21 20:24:28)《改行有》 5. ワイルドバンチ 《ネタバレ》 西部のならずものの男たちの死闘が延々と繰り広げられるだけなのだが、その爽快感、痛快感が半端ではない。彼らの生き方が次第に魅力的に見えてくるから不思議だ。飲む・打つ・買うの三拍子が揃った上に正義感にも欠ける、いわゆる古き良きカウボーイとは正反対のクソ野郎共(そもそもただの強盗)なのだが、こいつらのひり付くような生き方には嘘がない。エゴはあっても冷酷ではない。何だかんだ言いながら義理に厚い。タランティーノ監督もこういうのが好きで「レザボア・ドッグス」を撮ったんじゃないかな。 ペキンパー監督の容赦ない脚本・演出に痺れる。名シーンが多すぎるが、敢えて挙げるなら壮絶の一言に尽きるラストシーンだろうか。ラスト近くの"Why not?"はまさに名台詞だ。売春婦と支払いをめぐって揉めているゴッチ兄弟も笑える。マパッチ将軍で終わらないこいつらの覚悟も大好きだ。無駄なシーンがなく、観終わった時の満足感、充実感は何物にも替えがたい。今までの人生で観てきた映画の中でも五指に入る傑作。「戦争のはらわた」も良いが、いろんなキャラクターが活躍するこっちは更に好みだ。恋愛などの要素がなく、女性受けが悪いかもしれないが、是非もっと多くの人に見てもらいたい![DVD(字幕)] 10点(2010-11-21 17:52:01)(良:1票) 《改行有》 6. 破戒(1962) 《ネタバレ》 原作は大好きで、読むと必ず泣いてしまう感動的な話ではあるが、この作品については、それほどぐっとくるものはなかった。市川雷蔵の顔が、すこし優男に過ぎるのが気になったし、ベースが暗くて内省的なストーリーだけに少し長く感じた。もっと生徒との交流を多く描いても良かったのではと思う。告白のシーンはすごい迫力で、思わず涙したが、やはり原作のほうが数倍優れているので、原作を読んだ上でこの映画をあえて見る必要は無いだろう。[DVD(邦画)] 6点(2010-08-25 00:58:47) 7. 8 1/2 《ネタバレ》 むかしの映画は苦手であまり観ないし、メタファーがどうのと言われても何のこっちゃ分からんけど、この映画は好きな作品だ。ただし、僕が映画で一番重視する部分は脚本なので、この爆発ぶりじゃ7点以上はつけられないけど。ただし、現代から観ても、映像はマジですごい。 僕のようなフェリーニ初心者にとっては、下手に深読みせずに、まずは主人公に共感しながら楽しむのが最良の選択だろう。女性には理解し難いかもしれないが、この主人公の何ともいいかげんで調子が良くてだらしない性格(同時に深刻に悩んでもいるが)は非常に親しみが持てた。カーラ(不倫相手)が来るはずの汽車を待ちながら「来なかった!」と一安心する気持ちとか、妻に来られては困るのに余計な優しさで呼んでしまうところとか。彼のこの気持ちは映画内でも取り上げられる厳しいカトリック式禁欲教育の反動なのだろうか。でも、まあ僕が共感できるわけなので、男なら万国共通の思いなんだろう。 色々と登場人物が出てきてややこしくなる中盤はちょっとだれたが、ハーレムシーンで一気に目が覚めた。主人公みたいにモテないけど、何と言うか身につまされる。どんなにモテなくても、男はたいていああいうことを妄想してるよね?僕だけじゃないよね?「もうさー、みんな女たちが仲良く暮らせばよくね?」みたいな。「こいつ、友達の奥さんだけど、かわいいから俺のハーレムに加わればよくね?」みたいな。ひどいけど笑える。ラストの「WAになって踊ろう!」オチも良かったが、あそこで終わっても良かったと思う。 劇中の音楽も良かった。湯治場に鳴り響く徒に壮大な「ワルキューレの騎行」とか主人公の口ずさむ「セビリアの理髪師」とか。特に前者は、この映画をコメディ的な側面を持つと勝手に位置づけている僕にとってはツボだった。だって湯治場のシーンで鳴ってるんだよ?笑えるじゃない。 それにしても、この映画と「トイ・ストーリー」が自分の中で同じレベルの評価と言うのは自分でも面白い。評価を無理に一次元化するとこんなことになるんだなあ。[映画館(字幕)] 7点(2010-07-04 22:12:48)《改行有》 8. イージー・ライダー 《ネタバレ》 正直言って、ニューシネマ全般が苦手なので友人に勧められるまで観る気はなかったが、観てみると意外に面白かった。 ベトナム戦争時代の閉塞感とニューシネマの関係はよく取り上げられるが、この映画ほどそれが分かりやすいのは珍しいとも思う。完全なるヒッピーにも、当然体制側にも属することが出来ない主人公二人の根無し草のような気持ちがよく伝わってきたし、ラストの終わり方も悪くない。また、場面の切り替え時のフラッシュバックはいただけないが、LSDのシーンは素晴らしいと思った。マリア像にもたれるピーター・フォンダは絵になる。あそこで退廃的に終わってもよいと思うが、製作サイドの父親世代の田舎者への敵意のほうがそれに勝ったのだろう。 アメリカに住むことはあっても南部の田舎には住みたくないもんだと思った。[DVD(字幕)] 7点(2010-01-10 17:20:27)《改行有》 9. 砲艦サンパブロ マックィーンだけの魅力で最後まで引っ張っていくには、ちょっと無理があるという印象。確かに、ストーリーは重厚でテーマ性も強くて話としては面白いのだが、もうちょっと要点を押さえて撮れたのではないかと気になる。やはり前半がしんどい。 もっと「次」が気になる映画にしてもらえないとファミコン世代の僕には満足できないんです。[DVD(字幕)] 5点(2009-12-23 22:43:33)《改行有》 10. 草原の輝き(1961) 《ネタバレ》 とにかくナタリー・ウッドの魅力が強烈な映画だ。ウォーレン・ビーティが完全に押し負けている。モテなかった自分には無縁の話だが、思春期の恋愛の喜びや苦しみが巧みに表現されていると思う。みんな多かれ少なかれ、ディーニーとバットに共感できるのではなかろうか?この作品の中で、たいていの大人は完全に悪役だ。映画自体の視点が若者側に立っており、少し典型的に過ぎる性格描写だが、おそらくそれは確信犯なのだろう。逆に言えば、この撮り方が映画内の若者たちへの自己投影を助けているともいえる。 この映画の醍醐味は何と言ってもラストシーンのほろ苦い後味だ。「まだ愛してる?」と訊かれた際のディーニーの表情は何とも言えない。名演である。最後のワーズワースの詩句によって、僕は二度と取り戻せないあの頃の片思いを思い出して、少し泣いてしまった。[DVD(字幕)] 6点(2009-03-17 23:15:11)(良:1票) 《改行有》 11. 悪い奴ほどよく眠る 皆さん、書いていらっしゃるとおり、「天国と地獄」に比べればだいぶ落ちる。2時間半を長く感じてしまう上に、過去を説明的に語るシーンも多く、少し退屈だった。但し、導入部の結婚式のシーンは、うまい!と思った。ああいう風に大人数が一堂に会する場面を最初に持ってくると、登場人物の紹介が効果的に行える。そういえば、名作「ゴッドファーザー」もそうでしたね。また、このタイトル「悪い奴ほどよく眠る」と悪魔のごとき森雅之氏の演技は素晴らしい。まあ、もっと悪い奴は顔も見えないんですが。西の口笛や和田の葬式のシーンでの録音テープの再生など、音楽の使い方も効果的だ。実世界においては、最近でも時々渦中の人物の自殺が話題になるが、それらの背景についても妄想を逞しくしたくなる。カネ・権力・名誉。欲しいかって言われたら、欲しいもんなあ。西の執念も凄いけど、岩淵は更に凄え。最早人間じゃない。[DVD(邦画)] 6点(2008-01-12 23:16:38) 12. 穴(1960) 《ネタバレ》 地味に掘ってるだけの内容で、最後まで見せてしまう監督の力量には非凡なものを感じた。徹底的にリアリスティックな描写にこだわり、しかもそれと映画的な面白さをある程度両立させているという意味では、良作だと思う。ラストのオチも悪くない。 但し、「脱獄」という行為そのものに、多くの時間を割いている映画であるため、人物描写に回す時間がなくなってしまったという印象も受ける。5人の登場人物にはそれなりに個性があり、役割があるのだが、差別化が十分に行われていない。要はキャラが立っていない。こちらの方がリアリスティックで、「大脱走」のほうがおかしいのだと言えない事はないが、少なくともあっちのほうが面白い。ここのさじ加減、バランス感覚は純粋に好みの問題で、十人十色だと思うが、将来にわたって脱獄の予定が無い僕は、エンターテイメント性を重視してしまう。一見の価値はあったけど、また観たいとは思わない作品でした。[DVD(字幕)] 6点(2007-12-02 20:29:52)《改行有》 13. 気狂いピエロ 悔しい。何が何やら分からんかった。でもなぜか最後まで観られた。ゴダールって普段何やってたんだろ?社会生活が営めていたのかどうか。監督について調べてみたくなるほど不思議な映画。[DVD(字幕)] 4点(2007-10-17 00:24:30) 14. 未知への飛行 《ネタバレ》 大都会に住むのもリスク高いな。 こんな名作が日本未公開とは。驚きました。[DVD(字幕)] 8点(2007-09-17 23:24:18)《改行有》 15. 奇跡の人(1962) 《ネタバレ》 サリバン先生の生い立ちと目が悪いことは知らなかったので、余計感動した。これこそ教育だ!僕も子どもができたら、あれくらいきちんと教育したい。椅子に座って食べさせるシーン。両親と対立し脱力するシーン。最後のWATERのシーン。喜怒哀楽の詰まった素晴らしい映画だ。ヘレンもサリバン先生も二人とも「奇跡の人」だと思う。[DVD(字幕)] 8点(2007-09-01 23:08:51) 16. 天国と地獄 長さを全く感じさせない映画。初めて黒澤作品を観て、ほんとすごいと思った。時代劇よりこっちのほうが全然いいんじゃないか。主役2人の味のあるかっこよさはもちろん、プロットもよく練られている。少し都合の良い展開もあるが、許容範囲内と言えるだろう。なによりも、最後の絶叫シーン。あれはやばい。人外の獣の咆哮だ。今まで、断然小津派だったけど、ちゃんと黒澤作品も観なきゃだめだと心底反省した。不勉強な私をお許しください。[DVD(邦画)] 9点(2007-08-30 21:57:17) 17. 大脱走 《ネタバレ》 史実かどうかは問題じゃない。本当はこんなに美しい物語ばかりではなかったかもしれない。もっと陰惨で辛気臭い話にだってできたはずだし、捕虜はみんなこんなに勇敢じゃなかっただろうし、そっちのほうがもっとリアリティに溢れているのかもしれない。でも、この映画は間違いなく名作だし、そのように評価されるべきだと思う。 この映画の素晴らしい点は友情、思いやり、そして軍人として(あるいは人間として)どうあるべきかを観客に示してくれるというところにある。明日に賭けようという前向きな、そして不屈の精神。ラストシーンは何回観ても感動する。しかもこの映画がすごいのは、その価値観の提示を少しも押し付けがましく感じさせないという点である。群像劇というスタイルをとっているから、誰を自分のヒーローとするかも選択は自由というわけだ。ヒルツのアメリカ人らしい自由なアプローチ、バートレットの組織化された軍人としてのアプローチ、ダニーの一兵卒としてのアプローチ。この映画は、多くの人が目にしてこそ、意味のある映画だと思う。そして、公開から40年以上を経た現在も多くの人がこの映画に魅了されているという現実を、僕はうれしく思う。[DVD(字幕)] 10点(2007-07-16 16:31:21)(良:3票) 《改行有》 18. ブリット 《ネタバレ》 スティーブ・マックィーンのかっこよさは何か納得いかない。顔も普通にかっこいいんだけど、何かプラスアルファーなものが全身から発散されているというか、とここまで書いて思ったが、これこそがいわゆるオーラなんじゃないか?特に強いわけじゃないし、敵に飛行機から逃げられたりしてちょっとまぬけだし、そのくせ彼女はすっごいかわいいし、彼の演じるブリットはいわゆるヒーローじゃないけど、どこかかっこいいのである。「隣のお兄さん」的なかっこよさなのに、そのかっこよさの程度が半端じゃないのだ。この映画に関しては、極論すれば、もうあらすじとかどうでもよくて、彼のプロモーションフィルムみたいになっちゃってるところがすごいし、それを観客に許させちゃうところがもっとすごい。はっきり言って、台詞が少なすぎて一回観ただけではよく分からない部分とかあって、こういうのは通常なら致命的なはずなんだけれども、「まあ、いいか。かっこいいし」と思わせられてしまうところなど何か恐い。スティーブマジックが爆裂したスタイリッシュムービー。[DVD(字幕)] 6点(2007-07-14 17:09:51)
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