|
1. 赤ちゃん教育
《ネタバレ》 スクリューボール・コメディの傑作の一つとして代表される一作であるが当時は斬新なすぎたということとケイティがボックスオフィス・ポイズンに指名されていたことが重なって興行的には失敗してしまった一作であるが、今となってはハワード・ホークスの手腕を高く評価されるべき一作であろう。今では考えられない豹を使うという大胆なアイデアも素晴らしい。
『或る夜の出来事』のようなおしゃれコメディというわけではなく、体を張ったギャグやマシンガントークでのネタということで古典的で好き嫌いはかなり分かれるコメディとなっているが少なくとも私は大いに笑った。終盤にかけての失速、オチの弱さ、敢えてらしいがケイティの単調な台詞と不満はややあるものの半世紀以上も前の作品で、しかもコメディ、こんだけ笑わせられれば上出来であろう。
本作はグラントに感情移入してしまっては終わりだが私には彼がふりかかる災難を楽しんでいるように見え、第三者的視点で見ることができ笑いは絶えなかった。ガウンを着たシーン、また豹の鳴きまねをするおじさんは大いに笑わせてもらった。下らない笑いかもしれないが下品さはない。今だから面白い作品ではなく、今でも面白い作品である。[DVD(字幕)] 9点(2007-12-22 20:48:40)《改行有》
2. 汚れた顔の天使
《ネタバレ》 プロダクション・コード(映画製作倫理規定)が機能し始めていた中でこの作品はよく出来た作品だと感心する。ロッキーのような悪役を神格化したかのような作品は規定にひっかかるわけで子供たちとロッキーの関係をどう収めるかが見ものだったが、まさかあんな宗教的終幕で子供たちを納得させるとは。展開はコードに反しそうだが結局テーマは管理局が一番好きそうな展開に。いやはや感心してしまった。
内容の方も実に見事でスリリングな展開は観客を飽きさせず満足の内容であり、銃撃戦も迫力満点。これが戦前の作品とは思えぬほどの力を持った作品で是非多くの人に見てもらいたい一作。
またキャグニーの存在感は言うまでも無く時折見せる小憎らしい笑顔が印象深くさすがと思わせてくれた。ただ、より興味深いのはボギーがこの時点で確かエンドロールで名前が三番目に位置していたという点。この時点で彼は既に人気を博していたというのは興味深い。[DVD(字幕)] 8点(2007-10-29 20:11:45)《改行有》
|