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【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 偽りの花園 なんといっても金の為なら夫の死を待つというベティ・デイビスの悪女っぷり。しかも冷酷無比の中にも、ほんの少し良心の呵責を垣間見せる緻密な芝居。娘のアレグザンドラは母に似ず純情だが、父を鑑と仰ぎ、母を反面教師としたのだろう。かなり見応えあった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-02-11 00:44:02) 2. 一番美しく 退屈。女子工員らの言動は、美しいと云うよりも、洗脳の深刻さを痛感させる。[ビデオ(邦画)] 4点(2007-09-30 20:27:26) 3. 王将(1948) 《ネタバレ》 まず人前では泣くことはない私だが、年に数回は名画に涙する。殊に洋画ならチャップリン、邦画なら阪妻の主演映画に滅法弱い。『無法松』にしても『高田馬場』にしても、そして本作『王将』にしてもそう。阪妻の芝居に対し、観るたびに全幅の信頼感を寄せている自分が居る。この坂田三吉役も、まさに富島松五郎と並ぶ一世一代のハマリ役で、かくも映像を通して人間の体温が伝わるものかと驚嘆を禁じ得ない。 そんな阪妻に対し、堂々と伍しているのが水戸光子。戦前のアイドル的存在感も可愛らしくて好きだが、戦後は『女』や『雨月物語』、そして本作での糟糠の妻・小春の如く、全身から苦労が滲み出たような役柄で一層の輝きを放つ名女優に化けた。他にも父への愛情に充ちた批判をする玉江の三條美紀が凛々しく、滝沢修の知性漲る関根名人も秀逸。そんな充実した役者陣、厚みのあるストーリー展開に終始釘付けとなり、やがて迎える感無量のラスト。視界が溢れる涙で歪んでしまうのだが、その満足感たるや凡百の映画では到底得られるものではない。邦画史においても私個人にとっても、掛け替えのない至宝と云いきれる珠玉の一本である。 [CS・衛星(邦画)] 10点(2007-09-22 17:49:09)(良:2票) 《改行有》 4. 素晴らしき哉、人生!(1946) ラストは結構なんだけど、やっぱり天使が降りるまでが長すぎて退屈。これは天使たちに特別扱いされてまで救うべき好人物と思えなかったことも一因する。世の中にはもっと優先して救うべき不幸な人々は大勢存在するはずだが、あの天使は狭いローカル限定の担当なのだろうか。[ビデオ(字幕)] 6点(2007-08-12 23:45:45) 5. 安城家の舞踏会 《ネタバレ》 現在のドラマで描かれる上流階級とは違い、本質的な貴族の気高き精神、そして弱みが表現されている。安城家の敷地内だけの展開も無駄がなく飽きが来ない。とにかく逢初夢子と原節子の気品、木下忠司の音楽、そしてゾクっとするほど美しいラストダンス。神田隆も時代劇の悪役とは正反対の役を演じて新鮮だった。まさに邦画史上に燦然と輝く名画なり。[ビデオ(邦画)] 9点(2007-06-09 19:24:55) 6. 長屋紳士録 声を挙げて笑わせ、最後にホロリとさせる人情喜劇の大傑作。特に笠智衆の唄う「覗きからくり」の口上は大好きだ。笑いにポイントを置けば、飯田蝶子と吉川満子の会話の可笑しさに尽きる。この二人といえば 『淑女は何を忘れたか』を想い出すが、本作でもさり気ない日常会話の妙を堪能。あと、青木放屁の無表情でみすぼらしい子供も良かったし、河村黎吉はいつ観ても巧いなぁと唸らせる。そうそう、写真館のシーンも忘れられない。顔がほころんでいく「かあやん」の心情を思うと温かくも切ないシーンであった。[地上波(邦画)] 10点(2007-01-19 20:11:49)(良:1票) 7. 父ありき これほど魂の美しさを実感する映画は滅多ない。フィルムの状態が良くないので音声の聞き取りには苦労させられるが、それでも尚ラストは涙無くしては観られなかった。何気ない場面にも丁寧に盛り込まれる味わい深さ。その中でも印象深いのは、父親が仏壇へ手を合わす息子に向け暖かい眼差しを送るシーン。息子の成長を心の底から喜んでいる表情に胸打たれた。[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-01-19 20:02:05)(良:1票) 8. 幽霊列車 朗らかな主題歌で始まったので喜劇一色の作品かと思いきや、意外とサスペンス要素に富んだ佳作であった。金語楼のアクション、円谷英二の特撮も見所。それにしても伊達三郎の若い頃は、くりいむしちゅーの有田ソックリなのに驚いた。[ビデオ(邦画)] 6点(2007-01-10 19:29:12) 9. 酔いどれ天使 黒沢映画のマイベスト。すぐに物を投げる志村、黒沢作品初の三船、「ジャングル・ブギ」を歌う笠置シヅ子、余りにも可憐な久我美子、威圧的なギョロ目の山本礼三郎、妖艶な木暮実千代、全てが素晴らしかった。[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-01-02 18:25:04) 10. ジャコ万と鉄(1949) 北海道のニシン漁場で織りなす愛憎劇。役者の気合いと荒波の迫力に圧倒されっぱなしの1時間半。久我美子の可憐さも眩しい。[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-01-01 18:36:15) 11. 無法松の一生(1943) 劇中、涙を二度以上滂沱した映画は、本作が唯一。松五郎がひたむきに韋駄天走りする運動会、そして美しきラストの回想シーン。ズタズタにカットされていながら尚、この出来と云うから驚嘆する。この作品で阪妻こそ日本映画俳優の頂点だと確信し、園井恵子を原爆で失った憤りを改めて痛感する。園井さんの気品に満ち溢れた落ち着きある声音は、いつまでも忘れられない。[CS・衛星(邦画)] 10点(2006-12-25 19:34:16)(良:1票)
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