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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 羅生門(1950) 《ネタバレ》 黒澤映画の中でも通好みな作品だと思う。どうしても七人の侍のような痛快劇が好きな自分としては少し印象が薄く感じてしまった。それにラスト以外は嘘っぱちの話と言うこともあるし、どうもスッキリさせてくれない作品でした(あと、降臨させる話はちょっと強引だし)。希望を持たせる終わりは良いのだが、嘘の話を散々聞かされたあとにこれは本当なのかさえ疑いたくなるし、果たしてあの子供はどんな人生が待っているのか?とかまで考えてしまいたくなる。人間の本性を描いている所は実に面白いが、最後はどうしても無理やりな気がしてしようがない。字幕がある状態でもう一度見れたとしたら少しは印象が変わるのかもしれないが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-03-04 23:54:12) 2. 蜘蛛巣城 《ネタバレ》 仕方ないかもしれないが所々で台詞が聞き取りにくい場面があり、これだけはマイナス点でした(字幕が欲しかった)。ただ、黒澤監督のダイナミックな映像はモノクロ映像と言うことを忘れさせるような迫力で。森を駆け回る馬のシーン一つにしたって撮り方が上手く素晴らしいし、富士山に実際に組んだと言う蜘蛛巣城、無数の矢が飛んでくるラストにしたってCGでは決して出せない本物にこだわった黒澤監督ならでは。特に無数に降り注ぐ矢のシーンでは至近距離から矢を射っていたと言うし、今では決して実現しないことでしょう(それを引き受けた三船さんも凄いが)。しかし、この時代にシェークスピアの「マクベス」をアレンジするという大胆な試みをやったことも凄いが、それを見事に日本のおとぎ話のように作りかえたのも凄い。やはり時代を超えても残る映画を数多く撮っている黒澤監督ってやっぱり凄いなと改めて感じさせられる作品でした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-09-03 01:15:05) 3. 十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 ほぼ一つの部屋で展開する話にもかかわらず、絶妙な脚本に個性的な登場人物と見所が多く、どんどん話に引き込まれていくのを感じました。有罪とは思えない証拠や矛盾だらけの証言が次々と出てくる展開が良く、しかも無駄なシーンが無くて簡潔にまとまっていて見やすかったです。実際に少年が犯行を犯したかは最後まで分からないないままでスッキリしないとも言えますが、少年の情報を証言だけに抑えたことは観客が私情をはさまず陪審員になったかのように話に集中できるので良かったと思います。同じように陪審員に焦点をあてたニューオーリンズ・トライアルも個人的に好きですが、正直この作品には勝てないと感じました。あと、十二人の男が一般人となり散っていくラストはスッキリしてて良かったです(やり遂げた男って感じでカッコ良かったです)。[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-11-04 19:39:48) 4. 情婦 モノクロ映画は苦手なんですが、この映画にはやられました。主人公が口の悪い老弁護士と言う設定が以外性があっていい(頑固で人の言うことは聞かないとこが面白かった)、作りに古さを感じたものの、それが逆に新鮮で次の展開がどうなるのかと先走る自分がいた。いい映画と言うのは時代が過ぎても色あせないんですね、50年も前の作品だとは思えない出来の良さでした。ラストのどんでん返しが物足りないって言ってる人もいますが、こちらが原点なんでそのへんはわかって欲しいです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-08-22 14:09:28)
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