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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 殺人捜査線 《ネタバレ》 短めの尺の中に凝縮された濃度の高いノワールサスペンス。 タクシー運転手が瀕死の警察官から撃たれる冒頭のシーンからして尋常じゃない。 濃すぎて早すぎて二回見るとちょうど良いくらいのシーンだ。 殺し屋ダンサーが麻薬密売組織のボスとやり合うシーンが好き。 やたらに寡黙な車椅子のボスが不気味で面白い。 車椅子ごと高所から突き落とされるシーン、その撮り方も呆気に取られる物凄さ。 最終盤のカーチェイスももちろん面白い。[インターネット(字幕)] 7点(2025-01-13 12:09:12)《改行有》 2. 秘めたる情事 《ネタバレ》 それまでに堅物として生きてきた男の老いらくの恋を描いた内容。 娘の友人に恋をした初老の男。 やがて良い仲になるが、歳の差を考えそして相手の将来を思えばこそ、自らその恋から身を引いた。 最後まで堅物だった男の、人生最後の恋物語を甘く切なく描いた逸品。 確かに相手の事を思えば別れたのが正解だったかもしれないが、好きな相手と添い遂げることを選択しても良いのではないか? 最近では年の差婚とか当たり前の時代なので、年の差があるからという理由で恋に終止符を打つのはこの時代ならではの話かもしれない。 それにしてもゲイリー・クーパーの衰えぶりが激しい。 ロマンスに浸っている場合でないほど、なんだか体調が悪そうだった。[DVD(字幕)] 6点(2025-01-06 08:43:11)《改行有》 3. 明治天皇と日露大戦争 《ネタバレ》 戦争賛美の気風漂う、なかなか気色の悪い戦争映画。 男ばかりゾロゾロ出てくるし、天皇陛下万歳ばかりだし、祖国のために死ねだし、とにかくよろしくない内容。 日露戦争についての勉強にはなった。[DVD(邦画)] 4点(2025-01-02 21:51:40)《改行有》 4. 避暑地の出来事 《ネタバレ》 音楽があまりにも有名なわりに、ストーリーは今見れば陳腐ではある。 でもそれは今見ればというだけで、当時リアルタイムで見たらそれなりに楽しめたのかもね、禁断の恋って感じで。 それより個人的には女性の髪型が受け付けない。 この時代のアメリカや日本の女性の髪型はかなり苦手で、パーマを強く当て過ぎだし、髪の毛も妙に短い。 それに対し、同時代のフランスの女性の髪型はロングのストレートでとても美しい。[DVD(字幕)] 5点(2025-01-01 11:54:16)《改行有》 5. 拳銃王 《ネタバレ》 そこそこ面白い映画だったが、そこまで感激するほどでもなく。 グレゴリー・ペックは間違いなく男前だけど、ガンマン役に適しているかどうかは微妙。 子どものことを一番に思えば、両親二人で好きな場所で好きな暮らしは出来ないよね、アッサリ諦めるべき事案。[DVD(字幕)] 6点(2024-12-22 21:10:48)《改行有》 6. 街の野獣(1950) 《ネタバレ》 スリリングな展開なのに、そこに男女の愛まで入れてみせる完璧さ。 だけどわたしには少し分かりにくい部分もあった。 野望を抱く者は破滅に向かうのか? いや、自己資金がなくて他人のフンドシを借りて大勝負に臨むから破滅するんだろな。 主人公は金を借り過ぎだ。 でもそんな生き方しか出来なかったのは理解できる気がする。[インターネット(字幕)] 7点(2024-12-07 20:02:49)《改行有》 7. 暁の脱走 《ネタバレ》 李香蘭が苦手なせいかえらく長く感じた。 小沢栄太郎の完膚なきまでな悪役ぶりに拍手を送りたい。 しかし三上はなんてバカな軍人なんだろう。 いやバカなんて言ったらいけないね、帝国軍人のかがみだからね。 しかしバカだ。[インターネット(邦画)] 4点(2024-12-04 20:06:18)《改行有》 8. 白い馬(1952) 《ネタバレ》 湿地帯や干ばつした大地、地平線と水平線などロケーションが印象的。 白黒映画なので他の馬も白く見えるが、主演の白毛は髪の毛がロン毛なので見分けがつく。 この白毛は少年にしか心を許さない。 生きた馬と少年が主演なので、気味の悪い生きた赤い風船よりは本作の方が断然好み。[インターネット(字幕)] 7点(2024-11-09 15:08:20)(良:1票) 《改行有》 9. 果しなき欲望 《ネタバレ》 欲望が渦巻く中、地下に穴を掘り進めていく土方的サスペンス。 感心したのはよくもまあ、あの距離を真っ直ぐに掘り進めるなあと。 キャラの立った登場人物達に、終盤の怒涛の展開となかなか緊張感はあるものの、全員が死ぬ展開はさすがに無理があるし都合が良すぎる。 戦時中にお宝を隠しておき、その十年後にそれを探し当てて一攫千金を狙うという設定は面白いけどね。[インターネット(邦画)] 6点(2024-10-17 13:12:38)《改行有》 10. ペン偽らず 暴力の街 《ネタバレ》 地方議員が警察や暴力団と手を組み私腹を肥やす。 こんな時代があったのか。 いや、このような市民運動があり、このような映画があったからこそ、それらは昔に比べて少なくとも目には見えなくなったんだろう。 その意味でこの作品は社会的意義がある。 一方で三島雅夫の熟練された悪役の演技、これも特筆すべきだろう。 権力と金にまみれた汚い男を実に痛快に演じている。[インターネット(邦画)] 5点(2024-10-12 20:30:48)《改行有》 11. 忘れられた人々 《ネタバレ》 ハイボよりも共犯のペドロの方がよっぽど酷い目に遭っている。 ハイボは最後撃たれて終わりで済んだが、ペドロは散々ハイボに苦しまされた上に殺された。 なんだかバランスが悪い。 最初は被害者だと思われた盲目の大道芸人が実はかなりイヤらしい人間だったりとか、最初は子どもが悪いように描いておいて実はその子どもたちに愛情を与えなかった親も悪いとか、そもそも貧困が元凶だとか、何かを一方的に悪とはせず物事を多面的に描き出しているのが興味深い。[インターネット(字幕)] 6点(2024-10-11 20:53:34)《改行有》 12. 夜の深み 《ネタバレ》 久しぶりに文句なしの0点。 判然としない映像のなかで、奇妙な踊りを踊っている男女をひたすら映しただけの内容。[インターネット(字幕)] 0点(2024-09-19 22:01:51)《改行有》 13. 道化師の夜 《ネタバレ》 屈辱的なことや嫌なことがあっても生きていかなければならない。 この世は上手くいかないことも多いし生きてるのが嫌になることも多いが、それでもなお人生は続いていく。 大変な人生だけど、決して自死などは選ばず、タフに生きていけ。 イングマール・ベルイマンからのそんなメッセージを感じる作品。 言ってみれば本作は人生の応援歌そのものだ。 ハリエット・アンデルセンの弾ける健康美がモノクロの映像世界で躍動していた。 目に焼きついて離れない。[インターネット(字幕)] 7点(2024-09-06 13:41:47)《改行有》 14. 敗北者たち 《ネタバレ》 もはやまだ見ぬミケランジェロ・アントニオーニ作品を見られるだけで至福の悦びであり、内容は二の次みたいになっている今日この頃。 本作も内容にそこまでの魅力は感じない。 ただし若者の退廃的な心情とか、その場限りの実りのない男女関係とか、その辺りはミケランジェロ・アントニオーニらしさを少し感じたかな。[インターネット(字幕)] 6点(2024-08-27 21:21:14)《改行有》 15. 椿なきシニョーラ 《ネタバレ》 まだ見ぬミケランジェロ・アントニオーニの作品を見る機会に恵まれ、ただそれだけで嬉しい。 後のアントニオーニ色はあまり出ておらず大して面白くはないが、主演のルチア・ボゼーがとにかく美しいので救われた。 若くて美しい無敵な女優に忍び寄る賞味期限切れという現実。 権力や金のある男たちに良いように利用される悔しさ。 それらを容赦なく的確に描く終盤は、アントニオーニの魅力が出ていたように感じた。[インターネット(字幕)] 6点(2024-08-25 14:02:52)《改行有》 16. 日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声 《ネタバレ》 18年間レビューされておらず、わたしが投稿する前時点での平均点数が9.5点。 そんな作品にレビューするのは畏れ多いのだが、勇気を出してわたしなりの視点からレビューさせていただく。 終戦から5年しか経っていない1950年に製作された映画だけあって、生々しさが群を抜いている。 置いてきぼりをくらう負傷兵の絶望や、前線の悲惨さ泥臭さがまるで昨日の事のようにリアルに描かれている。 派手で壮大なスケールの戦争映画に比べても決して見劣りしない、嘘偽りのない迫力がある。 大隊長が終始寝そべっていて飯を独り占めしていたが、そんなに日本軍は荒んでいたのかと、驚きと悲しみの入り混じった気持ちになった。[インターネット(邦画)] 7点(2024-08-17 18:56:33)《改行有》 17. オリーヴの下に平和はない 《ネタバレ》 ストーリー的にはスピーディで面白いのだが、どうにもこうにも都合が良すぎる。 まるでアメリカ映画のようだ。 ボスが悪者と決まっていて、主人公が善玉で、善玉が最後に勝つ。 それまでボス側についていた羊飼いや警察署長が、とってつけたかのように最後は主人公の味方に… そんなことあるかい! 世の中は金のある者、権利を持った者の味方なんじゃい。 そう都合よくいくかよ。[インターネット(字幕)] 5点(2024-07-22 22:48:20)《改行有》 18. ヨーロッパ一九五一年 《ネタバレ》 思想や宗教という観点において、なかなか複雑で分かりにくさがある。 精神異常者として病院に幽閉されたことが理不尽であり、それを問題提起しているのだろうか? いまいち分からない。[インターネット(字幕)] 5点(2024-07-18 21:13:25)《改行有》 19. リラの門 《ネタバレ》 ジュジュの憎めないロクデナシキャラが最高だ。 マリアのことを好きなのに、いつの間に恋の橋渡し役をやらされる。 モテない男あるあるだけに、気持ちがよく分かる。 ラストの銃声が聞こえるシーン。 ジュジュとバルビエが取っ組み合い、どちらが物陰から生きて出てくるかと思ったら、ジュジュだった。 ジュジュが対決に勝ったのだ。 これがこの物語の救いになっている。 これがもしバルビエに殺されて終わっていたら、ただの救いのない話になってしまうからね。 それでもなお、切ない話だよね。 好きなコが騙されていて金目当てで利用されていただなんて。 ジュジュとしてはやり切れない気分だわな。 自分が好きなコとはいえ、バルビエとどこかの遠方の地で幸せになってほしいと願っていただろうはずだから。 最後にこの映画のモノクロ画像について。 1950年代後半だけあって、シャープでとても美しい。 この時代ならではの自然なモノクロ画像にはうっとりさせられた。[インターネット(字幕)] 6点(2024-06-23 17:16:59)《改行有》 20. めぐり逢い(1957) 《ネタバレ》 「歩けないこんな私じゃ、あなたの負担になるだけだから、あの日交通事故にあって待ち合わせ場所に行けなかっただなんて言えない」 いやいや、そこは本当のことを言おうよ! 彼を待たせてしまった訳を伝えた方がいいだろ! 彼は約束を破られたと思ってるんだぞ、裏切った訳ではなく行きたかったのに行けなかったと伝えてあげなきゃかわいそうじゃないか! と、ムキになっても意味がなく、これは悲劇を盛り上がるための意図的なストーリーなわけだからね。 普通に待ち合わせに間に合っていたら、話として盛り上がらないことになるのかな? だとしたら、なんかわざとらしいストーリーなんだよな。[インターネット(字幕)] 5点(2024-06-08 18:34:20)《改行有》
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