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1. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 ストーリーも非常に良い、作りも非常に丁寧で好感がもてる。しかしラストで全てが台無し。どっちとも解釈できるラストであり、完全に鑑賞者に投げっぱなし。それも悪くはないのだが、そのせいで悲劇と感じるべきか、ファンタジーと感じるべきか、夢ばかり見てんなよという教訓と感じるべきが、さっぱり分からず悶々とさせられた作品だ。でも、そのときふとタイトルを思い替えしてみた。『パンの迷宮』。そう、私自身がパンの迷宮に迷い込んでしまってることに気づいた。同時にパンのニヤリとした顔が思い浮かんだ。してやられましたね。見事鑑賞者にまで迷宮に迷い込ませるパンのマジック。製作者に脱帽です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-09-01 12:31:26)《改行有》
2. ヒマラヤ杉に降る雪
あまりに錯綜しすぎであり、あまりに幻想的すぎる編集演出をしてるので、見る人を選ぶ映画なのは間違い無いと思う。それを不快に思う人は多いだろうし、私の場合はむしろ心地良くみれたため良い映画だと感じた。表面的には太平洋戦争時の人種差別をテーマにしてるが、真の主題はより普遍的な事をテーマにしてると思う。それは愛であり、許しであり、イシュマエルの成長の物語である。彼が青少年期をトラウマを克服し、真の大人へと成長してく姿を見事なカタルシスとともに描きだしてると感じる。個人的には隠れた名作として評価したい。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-09-01 12:15:27)(良:1票) 《改行有》
3. わらの犬(1971)
この映画に不快感や嫌悪感を感じる人はむしろ正常な反応だと思う。ペキンパーは暴力のありのままの真の姿を描く。だから、その陰湿さに不快に感じるのは人として当然であろう。
とかく、バイオレンス・ファンタジー(暴力=バッピーエンド)が大手を奮ってるようなアメリカという国で、彼だけは異質な存在である。暴力の残酷さ、陰湿さ、その後の虚無感を見事にえぐりだしている。だからこそ不快感を感じる人もいるだろう。
だが、自分をそれを見事に描きだすペキンパーの才能を評価してやまない。とかく彼を暴力賛美者として誤解してる人が多いが、それは間違いだと思う。ペキンパーは暴力をリアルに描くことにより、暴力の虚無性をありのまま映し出してるだけなのである。
[DVD(字幕)] 9点(2007-12-24 14:03:14)(良:1票) 《改行有》
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