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1. わんわん物語(1955)
《ネタバレ》 個人的に低めにしました。
作品はプロの腕の結晶と思います。しかし犬を徹底して擬人化することをおし進めた結果、「人間に飼われる方が幸せ」という結論に疑問を感じてしまうのです。まるで奴隷制度を推奨しているみたい。「宇宙人に飼われるほうが幸せな人間」の物語なんてすっきりしないでしょ?[ビデオ(吹替)] 5点(2014-12-27 20:46:17)《改行有》
2. 七人の侍
《ネタバレ》 リバイバル上映時、大学の友人達と集って観に行った思い出深い映画です。
映画館ではみんな一体感があっていい雰囲気。3時間半を長いなんていう人は
一人もいませんでした。休憩時間というのを味わうのも今はめったにないはず。
いい経験でした。
黒澤さんは、白黒の美しさに惚れこみ、カラー映画が珍しくなくなった60年代も
ずっと白黒にこだわった監督です。炎上する水車小屋に菊千代が向かう際の
川面の美しさ。板の木目の感じのよさ。こんなところも観てくださいね。
そうそう、斬られる音は昭和29年版にはなかったんですよ。
[映画館(邦画)] 10点(2009-02-13 23:57:52)《改行有》
3. 蜘蛛巣城
《ネタバレ》 この映画を最初に観たときの感想は、「弓矢怖い」でした。
あの、テグスを使った弓矢の技法は、「七人の侍」で開発され、他の映画でも
よく使われるので、珍しくないのですが、これは怖い。城門前で矢が遠方からヒュンと飛ぶあたりから始まって、最期の恐怖の場面へと続くわけです。
カメラが視点を変えると、小屋や亡霊が消えるあたりのテクニックも面白かったです。
この作品は、黒澤作品の中でも音声が聴き取りにくい一本。最近「羅生門」を修復しましたが、次はこちらをお願いしたい。
原作の『マクベス』もおすすめです。[ビデオ(邦画)] 8点(2009-02-08 18:14:26)《改行有》
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