みんなのシネマレビュー |
|
1. 酔いどれ天使 《ネタバレ》 ドブ池のあちらにはやくざの仕切る街、こちら側にある診療所でやくざの三船が結核を宣告されるところから物語が始まります。あちらの世界から松永の死を予感させるギターが聞こえてきます。さみしい音色は彼の病死を暗示するのですが、途中から引き手が岡田に交代して、三船は病死ではなく、彼が仕切っていた街を取った岡田によって殺されてしまうのです。ドブ池のあちら側にはやくざの仕切る悪意に満ちた死の街、こちら側は診療所。結局あちらからこちらに生きたままわたってこれたのは、セーラー服の女学生とやくざの街にあって松永に温かく接していた飲み屋のおかみだけ。松永は骨壺に収まって戻ってきます。 松永の死にざまを、ぎらついた演出で、それでも避けられない死を伏流させつつ淡々と進む物語のように感じられました [DVD(邦画)] 7点(2013-03-02 20:48:05)《改行有》 2. 新幹線大爆破(1975) 《ネタバレ》 手に汗握る攻防、高倉健の苦みばしったしぐさ、宇津井健との緊迫したやりとり、東映の予告編であらわれる諸々はもちろん魅力的です。 でも、僕はむしろ爆破予告時間が迫り切羽詰った乗客の狂いっぷりに心引かれます。とくに事件に巻き込まれてでかい契約を逃して半狂乱になった商社マンの病みっぷりがいい。最後絶体絶命になったとき出てきたネクタイ締めての汽車ぽっぽ、スーツを着た商社マンが狂うのです。製作側のユーモアに包まれた辛辣な悪意を感じます。 時間にして数秒のシーンですけどもすごく心に残りました[DVD(邦画)] 7点(2012-06-24 01:26:04)《改行有》 3. ルパン三世 念力珍作戦 ジャケットに映るひょっとこ顔の目黒祐樹、精一杯すかした田中邦衛と愛嬌のある伊東四朗それにポピーズの安っぽいダンス。B級映画的どんちゃん騒ぎ、乱痴気模様を期待させる予告編はとてもよい。尤も本編は冗長で退屈、平板で面白みのない代物だったがあえて宣伝用につくったその3分ばかりの映像を高く評価したい。 いやむしろ予告編だけで終わったほうが幻の映画として残ったかもしれない(笑)。 うん、3点[DVD(邦画)] 3点(2012-05-25 01:23:36)《改行有》 4. 人狼 JIN-ROH 《ネタバレ》 非合法化され縮小する過激派と同じく時代遅れになりつつある首都警突機隊、 圭と伏が落ち合う殺され過去のものとされた動物たちの 剥製を陳列した博物館はもしかしたら滅びつつある両者を 比喩しているのではなかろうか。 そう考えると諦観の境地に達した二人の淡々とした様子が何となく腑に落ちます。 そして物語の底流にある滅びゆく者たちへの鎮魂歌 grace omega とても良い作品 だと思いました。 [DVD(邦画)] 8点(2011-12-25 21:21:02)《改行有》 5. ホーホケキョ となりの山田くん 《ネタバレ》 4コマ漫画を切り取りシニカルな部分をあく抜きした後ノスタルジーの蜜で煮込んだような作品。退屈で少し憂鬱な時、たとえば日曜日の夕餉時あたりになんとなしに見ると良い映画だと思いました。 [DVD(邦画)] 6点(2011-07-23 10:37:05)《改行有》 6. クリミナル 《ネタバレ》 寸借詐欺を得意げに実演してみせるリチャードの小悪党っぷり、 周囲からたかられせっつかれグズグズと不幸になっていく姿、 それでいて全体のからくりを知らず 相棒相手に自分の過去を語る彼にいじらしさを感じました。[DVD(字幕)] 7点(2011-04-26 10:02:13)《改行有》 7. スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 コーラ一本で釣られ、物乞いをするために歌を覚えさせられ、より多くの施しを受けるため目をつぶされる、こんな残酷な現実。物語の前半では悲惨な日常とそこで生きる人々がもつ生命の躍動感が画面の隅々に表現される。原色鮮やかな衣装雑貨、体臭むせかえる人ごみ、砂塵にぎらつく太陽、などなど。 前半に比べ、後半はややありきたりの話に落ち着いた感じ。作品の主題をなすであろう運命という言葉よりも、まるで現地にいるかのような錯覚を起こさせてくれる描写が心に残りました[DVD(字幕)] 6点(2011-02-12 01:27:23)《改行有》 8. ディープ・ブルー(1999) 《ネタバレ》 カリフォルニア工科大学には相対性理論を残念な形で理解した卒業生が約一名いるようです。そしてプリーチャーの自分撮影という露骨な死亡フラグに引っかかった私も残念です。 [地上波(吹替)] 7点(2010-09-24 23:15:01)《改行有》 9. ヒトリマケ 《ネタバレ》 序盤に期待させた清水ミチコの演歌の1番に4点、くだらないオチでイラついていた神経をさらに内輪ネタで逆なでしたラストで流れたとってつけたような2番に-1点、合わせて3点です[DVD(邦画)] 3点(2010-09-23 00:15:56) 10. モンティ・パイソン/人生狂騒曲 《ネタバレ》 天国のシーンが秀逸、ミュージカル調で 毎日がクリスマス、上映するいい映画がサウンドオブミュージックとジョーズ1,2,3♪って・・・ユーモアに包んだそこはかとない悪意がツボにはまりました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2010-08-08 18:43:42)《改行有》 11. スクール・オブ・ロック 《ネタバレ》 前のレビューで指摘されているように若干ご都合主義的なところはあるけど、それでもジャック・ブラックの演技のおかげか、良い意味でラストまで突っ走っていると思う。 あまりロックに詳しくなくても楽しめる作りと、ハイテンションの本編に最後ほっとするエンドロールに7点献上[DVD(字幕)] 7点(2010-07-29 16:32:17)《改行有》 12. スタンド・バイ・ミー 《ネタバレ》 致し方ないことかも知れないけど上から目線で郷愁を懐かしむいやらしさが鼻につきました。 [ビデオ(字幕)] 4点(2010-07-26 11:12:55)《改行有》 13. サイドカーに犬 《ネタバレ》 個人的にはヨーコさんとダメオヤジの関係をもう少し掘り下げて描いてほしかった。夏休みにふと現れた不思議な女性と薫の物語でまとめるならば手切れ金を換金するところで終わっても良かったかも。。。 それでもヨーコさんと薫の自然な、センス良いやり取りに6点献上。[DVD(邦画)] 6点(2010-07-25 11:03:02)《改行有》 14. PERFECT BLUE 《ネタバレ》 現実と劇中劇、夢が交錯のさせ方、つなげ方が逸品。展開が最後まで読めずにきりきり舞いさせられました。 とはいえ見返すと真犯人を明かす上での伏線などきちんと張っておりミステリーとしても良い出来かと思いました。[ビデオ(邦画)] 7点(2010-07-24 21:12:30)《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS