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【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 女相続人 純情無垢な娘に近づく男は財産目当てなのか、それとも愛情からなのか。 題材としての新鮮味はないが、父と娘、そして得体の知れない男と、三者三様の人間模様が丁寧に描かれていて面白い。 モンゴメリー・クリフトの色男ぶりと演技の安定感はもちろん、ルックスはとても若い娘には見えないけれど、ヒロインの演技の振り幅も大きな見所。 ラストはややぬるい。もうひと捻りというか、もっと強烈なオチが欲しかった。[ビデオ(字幕)] 5点(2013-09-12 01:40:46)《改行有》 2. お嬢さん乾杯 戦後まもない作品ながらも、洒落た作品を作りたいという制作者側の心意気が伝わる、コメディータッチのラブストーリー。 時代背景に合わせた主役たちの状況設定が興味をそそらせるし、主人公の描写もいいのだが、ヒロイン原節子の感情表現がとても読みづらい。 うれしいのか、愛想笑いなのか、ときどき本当に嫌そうな引き攣り笑顔を見せるので、観ていてちょっとイライラしてくる。 ヒネリやオチは目立たないストレートな恋愛モノだけど、軽快で明るいテーマ曲と古い東京の市街地が映るシーンだけは印象に残っている。[DVD(邦画)] 4点(2013-01-31 02:52:17)《改行有》 3. 三人の妻への手紙 三人のヒロインが見目麗しい、ややミステリー・タッチの作品。 物語の核となる、アディという女性がいっさい画面に登場してこないアイデアが面白い。 ヒロインたちの状況設定を、フラッシュバックで見せていく構成も当時としては斬新か。 先の読めないストーリー展開は期待感を抱かせるも、クラシック映画独特のテンポの悪さともっさり感は否めず、少々集中力に欠けてしまう感はあり。[DVD(字幕)] 5点(2012-10-11 10:59:07)《改行有》 4. 郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946) 46年度版のこちらもリメイク作品。古い映画なので、官能シーンはいっさいなし。 主役の二人は81年度版と違い、肉欲ではなく愛情で結ばれているようで、 この設定のほうがストーリーには合ってるし、ラストも丁寧に描かれてます。 お話の流れに多少のもっさり感やこじつけ感はあるけど、映画タイトルの意味も納得。 二度のリメイクがされるだけあって、内容はやはり秀逸なサスペンスだった。[DVD(字幕)] 6点(2012-09-07 06:45:34)《改行有》 5. 心の旅路 邦題「心の旅路」は、まさにピッタリといった内容のロマンス映画。 十年ほどのスパンで構成されるストーリーということもあり、どうしても多少の無理 (特に中盤あたりでのハショリが気になる)や都合のいい展開が見受けられるのだが、 アイデアや設定は鑑賞者を惹きつけるポイントをしっかり押さえている。同監督の「哀愁」同様、 本作でも小道具の使い方がとてもうまく、オーソドックスな手法ながらも、 これまたこちらの心の琴線を擽る憎い演出で、品のいいラブストーリーに仕上がってます。 主役二人の役者さんもいい。恋愛感動ものとしては、万人向けでお薦めのクラシック作品。[DVD(字幕)] 8点(2012-08-26 02:12:32)《改行有》 6. 三人の名付親 西部劇にもかかわらず、ヒューマンドラマに徹底した作りという点では異色の作品。 宗教色を付加し、ストーリーに厚みを持たせているが、人間の善を完全テーマにしているので、 設定の甘さやご都合主義はさすがに否めない。J.ウェインが主役の映画なので、仕方ないかも。 中盤はもっさり感もあるが、ストレートで良質なドラマではある。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-21 04:29:25)《改行有》 7. 野良犬(1949) 猪突猛進型の新米刑事に沈着冷静なベテラン刑事と、今ではオーソドックスな設定ながらも、 黒澤監督らしい、リアルでディテールの深い描写が緊張感を持続させてくれる。 新米刑事の苦悩を中心に描いたストーリー展開も悪くはないのだが、彼の人間臭さが、 変な人情シーンやシナリオの粗さをちょっと目立たせてしまったという印象。 それらを差し引いても、娯楽作としては十分楽しめる作品だった。[DVD(邦画)] 5点(2012-08-11 13:26:24)《改行有》 8. 誰が為に鐘は鳴る とても古い映画だが、「風と共に去りぬ」と同様にスケールが大きく、 当時としては大作だったことが窺い知れる作品。戦火の中のラブストーリーということで、 いかにも粗が目立ちそうな設定だが、ストーリーは予想以上にうまくまとまっていた。 ただ主人公は重大な任務を請け負っているので、そちらのお話にも力を入れなければならず、 多少ラブロマンスとどっちつかずの感はなきにしもあらず。バーグマンは本当にきれいだった。 主人公のゲイリー・クーパーもラストに男らしいシーンを存分に見せてくれる。 格別ドラマチックな展開はないが、映像もきれいだし、それなりに見応えはあるクラシック映画。[DVD(字幕)] 5点(2012-06-24 13:56:34)《改行有》 9. 静かなる決闘 感染症という題材とともに、一人の医師の苦悩と葛藤を描いたヒューマニズム溢れた作品。 ストーリーの内容を顧みれば、「静かなる決闘」はとてもいいタイトルだと思うし、 主人公の誠実なキャラもいいんだけど、三船はちょっと激情型のイメージが強く、 多少の違和感を覚えてしまう。それでも映像演出面において目を見張るシーンが用意され、 黒澤の真骨頂は十分伝わるのではないかと。主人公のキャラと相反する看護婦役、 千石規子の好演が光る佳作。[DVD(邦画)] 6点(2012-06-22 08:24:15)《改行有》 10. 白い恐怖(1945) ロマンスを絡めた、ちょっと変わった内容のサイコサスペンス。 グレゴリー・ペックは相変わらずカッコいいし、バーグマンも透明感があってきれい。 堅物の女医さんが恋に落ちる描写は面白いんだけど、肝心のストーリー展開が粗っぽく、 シナリオの完成度としての高さはあまり感じなかった。それでも一応ヒネリやオチがあり、 ヒッチコックらしい安定感とともに、普通に楽しめるサスペンスではないかと・・・。[DVD(字幕)] 5点(2012-06-21 04:10:23)《改行有》 11. 群衆(1941) 娯楽映画ながらも、「スミス都へ行く」にも通ずる社会派ドラマの要素も含んだ作品。 思わぬ展開を見せるシナリオの出来はもちろん、アイデアが抜群に面白い。 多少オーバーぎみなお話の流れも、テーマが非常にいいので、あまり気にはならなかった。 主人公役の男優さんもいいが、女性記者役の女優さんがとても美しく、理屈抜きで楽しめる逸品。[DVD(字幕)] 7点(2012-06-07 11:49:27)《改行有》 12. ガス燈(1944) ある新婚夫婦の妻を襲う恐怖を描いたミステリー・サスペンス。 犯人は最初からわかっており、妻が精神的に追いつめられていくスリルを楽しむ流れだが、 バーグマンの終始恐がり演技には、「いい加減気づけよ」と、ちょっとイライラした。 「恐怖に怯える美女の顔」が、本作の見せ場の一つなので仕方がないけど・・・。 定番演出なれど、ロンドン名物の霧が効果的に使われており、この年代のサスペンス物としては、 手堅くまとまっているかと思う。ラストのヒロインのセリフは印象的でよかった。[DVD(字幕)] 6点(2012-05-02 01:49:38)《改行有》 13. 晩春 小津の最高傑作。シナリオ、キャスティング、演出のバランスが良く、 特にシナリオの完成度と構成の巧みさには、ただただ溜め息をつくばかり。 難を挙げれば、原節子の演技を含めた娘のシーンが多少オーバーぎみに感じることだが、 父親の真情を中心に描いた内容なので、それほど気にはならない。コメディーパートでは、 叔母役の杉村春子が素晴らしいバイプレイヤーぶりを発揮、大いに笑わせてくれた。 余計なセリフを排したラストのカットは秀逸で、心にグッと染み入る余韻とともに、 製作者側の非凡なセンスを感ぜずにはいられない。お薦めの名画。[DVD(邦画)] 10点(2012-03-18 05:11:18)(良:1票) 《改行有》 14. 哀愁 正統派の恋愛映画で、ストーリー自体はかなりのベタ。 ヴィヴィアン・リーの存在感は抜群だが、彼女が演じるヒロインのキャラは非常に繊細で、 女々した性格。恋をすれば周りの物が見えなくなり、友達より男を優先するといった、 現在でも時々見かける困ったちゃんタイプ。悲劇のヒロイン気取りをする女は大嫌い。 反対にヒロインの友人はもの凄くいい奴で、非常に好感度が高かった。 男性側は猪突猛進型なれど、誠実な人間で描写にも問題なし。ある品を小道具として絡ませ、 ロマンチストぶりを発揮したラストのシーンには思わずジーン。 邦画タイトル通り、哀愁感をたっぷりと感じさせてくれる作品だった。[DVD(字幕)] 6点(2012-03-05 05:47:57)《改行有》 15. 父ありき 父親と息子の関係を描いた内容で、小津らしい情緒を感じさせてくれる作品に。 古い映画なので映像が悪いのは致し方ないが、セリフが聞き取りづらいのはとても残念。 それでも日本語がとてもきれいで、優しい父親とそんな父親を尊敬する息子の姿とともに、 ホッとするような安心感を与えてくれる。時代の流れや背景もしっかり描けていて、 父子のちょっとしたミニ大河ドラマといった印象の作品だった。[DVD(邦画)] 5点(2012-02-25 08:24:13)《改行有》 16. 断崖 序盤から前半にかけてはラブコメ風、中盤からはサスペンス構成のヒッチコック作品。 夫は善人なのか、悪人なのか? 疑心暗鬼に取り憑かれた妻の心理を描いたドラマだが、 夫役のケイリー・グラントが爽やか過ぎて、本作の核でもある夫の正体に妙味を感じない。 いかにもひと癖、ふた癖あるようなちょっと怪しげな容貌の俳優さんを使ったほうが、 あっさり目のラストも生きたのでは? サスペンスシーンでは、 ヒッチコックらしい緊迫感ある演出も見られるが、総体的には今一つの作品だった。[DVD(字幕)] 4点(2012-01-12 07:32:08)《改行有》 17. 第三の男 純粋なミステリー・サスペンス作品というわけではなく、 友情とロマンスを描いた青春映画という印象を抱いた映画。 どんでん返しぎみの展開や陰影を使った演出などは、当時としてはもの凄い斬新だったのかな、 ということが窺い知れる。全編に亘って流れる軽快なテンポのテーマ曲はもちろん、 ラストは映画史上に残る名シーンと言われるだけあって、さすがに印象的。 この絵を撮りたいがために、本作を作ったのではないかと思われる程。 美しいし、物悲しいし、とても渋い。名画です。[DVD(字幕)] 7点(2012-01-08 05:43:02)《改行有》 18. キャット・ピープル(1942) クラシック怪奇映画。40年代の作品ということで、 さすがに凝った変身シーンなどはないけれど、モノクロの効果をうまく使って、 こちらの恐怖心やスリルを煽ってくれるなかなかうまい演出。 ヒロインの苦悩や切ない心情もよく表現されていて、妙に物悲しい作品に仕上がってます。 古い怪奇映画の中では一番好きな映画かも。[DVD(字幕)] 6点(2011-12-30 04:43:49)《改行有》 19. レベッカ(1940) 英国より渡米したヒッチコック監督1回目の作品。前半ゴシックホラー、後半サスペンスと、 ヒッチコック独特の変わった作り。個人的にはテンポのいい後半に引き込まれたが、 それは心理的な圧迫感を与えた前半の演出もうまく作用していたのかも。難を言えば、 導入部がちょっと長かったかな。ヒロインの性格づけのための必要な前フリだったのだろうが、 すこし冗長過ぎたように思える。構成よりも演出重視という点でもヒッチコックらしい。 総体的には面白い作品に仕上がっているのではないかと。[DVD(字幕)] 6点(2011-11-18 06:36:33)《改行有》 20. 愛の調べ シューマンと、天才ピアニストと謳われたその妻クララの夫婦愛を描いた伝記ドラマ。 リスト、ブラームスと、お馴染みの人物も登場し、「トロイメライ」等の名曲も聞けるので、 クラシック音楽が好きな人なら飽きることなく鑑賞できるかと思う。 クララ役のキャサリン・ヘプバーンは相変わらず安定感のある演技力を見せ、 ストーリーもテーマの「夫婦愛」から逸れることなく、感動的なラストで締めくくる構成は、 予想外の出来映え。ただ鑑賞後にネットで調べてみたら、事実は作品の内容と少々違うようで、 思いのほか冷めてしまった。脚色はしょうがないけど、いったいどこまで信用していいのか、 実話ベースはこれが怖い。でも作品自体の出来はいいです。[DVD(字幕)] 6点(2011-11-15 05:17:43)《改行有》
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