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1. ドラゴン・タトゥーの女
《ネタバレ》 ルーニー・マーラ演じるリスベット・サランデルに感情移入できるかどうか、それが本作の評価を分ける。私は、傷つき虐げられてきた彼女がようやく「初めての友達」を見つけたラストに心を打たれた。
この映画は、リスベット・サランデルというひとりの女性の心に徐々に焦点を絞っていく。フィンチャーの前作『ソーシャル・ネットワーク』は綺麗な円環構造を成していたが、本作にそれはない。『ドラゴン・タトゥーの女』は外から内へ、大きな謎(ヴァンゲル家におけるハリエット失踪)から小さな謎(リスベットの心・・・リスベットのファーストシーンでは、彼女の心の内を観客である我々は察することができない)へドラマを収束させる。だが、『ドラゴン・タトゥーの女』と『ソーシャル・ネットワーク』は同じようにラストに登場人物の心を浮き彫りにする。どちらも恋心は成就することなく、映画は終わる。
フィンチャーは人生の意義を問う映画、あるいは新たな人生を生きようとする人物を描き続けているように思う。
『セブン』では「この世に生きる価値はあるか?」と、
『ファイト・クラブ』では「お前は本当の人生を生きているか?」と。
『ゲーム』『ゾディアック』では人生が乗っ取られていく様を、
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』は言わずもがな、だ。
スウェーデン版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』と比較するべき点は、ミステリー部分の扱いだ。
フィンチャーは、この映画はラブストーリーである、と言っている。[映画館(字幕)] 8点(2012-04-22 16:57:19)(良:1票) 《改行有》
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