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1. 禅 ZEN
《ネタバレ》 道元は恵まれたお人だ。あの時代に若くして留学させてもらえるし、
寺を焼き討ちされようとその度新しい寺が手に入る。
アンタ無欲なこと言ってるけど、それもこれも権力の後ろ盾じゃん。
藤原竜也が「豪華な寺建ててやる」とのたまった時「私は永平寺で十分でございます」とか言ってたけど、あれだってメチャ立派な寺じゃねーか。
……と言いたいところだが、この映画は言わせない。(いや言ったけど)
恵まれない側代表である遊女が、彼女なりの救いを見出すまでが丁寧に描かれているからだ。
禅とは何か。本当に救いはあるのか。所詮は綺麗事の偽善者ではないのか。自分には無理じゃないのか。
といった視聴者の持ちうる疑問が彼らの関わりを通して自然と解かれていく。この丁寧な構成。
また彼女は幼い頃、道元に命を救われたわけだが、その後の苦境を思えばむしろ助からなかった方が幸せだったのでは?
最後まで観れば、否と断言できる。
いい映画です。
途中の妙な色恋沙汰は意味ねーだろと思ったけど、最後まで観れば否と断言できる。
本当、丁寧でいい映画だ。[DVD(邦画)] 8点(2012-12-20 01:40:55)《改行有》
2. アイアンマン
《ネタバレ》 主人公がハナから金も才能も腐るほど持っていてフル活用しヒーローになる。
しかも動機は自分とこの武器で自分がエラい目にあったからだ。
これが実に良い。意外なほど展開が自然で、妙な説得力がある。
トニー社長のキャラが効いている。生還して何をするかと思えば
めっちゃ羨ましい万能AIと二人三脚でスーツ開発にウキウキだ。
カラーリングを赤にしようとか言ってるとこ、こっちもテレビの前で赤イイ!とシンクロしてしまった。
前向きでやり手で、そのくせヒョッコリしたオッサン。
このキャラ付けが「武器商人が正義に目覚める」というクサい設定でありながら幼稚も偽善も臭わせない。
といって使命なんて関係ねえとスカすわけでもなく、ちゃんと理想に燃えている。
バランスがいいのだ。私のような陰険な視聴者がいわゆる変身ヒーローに抱くウザさに対して。
そんなわけでスーツ完成までは面白かったが、戦闘がイマイチ。
アイアンマンならではのアクションが無いってのは痛いな。
[地上波(吹替)] 7点(2012-12-07 01:15:36)(良:1票) 《改行有》
3. ヴィレッジ(2004)
《ネタバレ》 灰色の森に黄と赤。色彩のインパクトに惹かれた。
奇妙な掟の全容とそれを破る結末を知りたくて視聴したわけだが
掟自体はテキトーな扱いで、何やら話がどんどん期待と違う方向に進んでいく。
せっかく面白い舞台をぶち上げたのに、力の入れ所を間違えてる感じだ。
その騙された感こそ狙いかもしれないが、それにしても
あまり映画を観ない私が読める程度の仕掛けで騙すもクソもなかろう。
せめて禁忌の森を抜ける恐怖はオチを知る前に見せるべき。
あと事件の原因やらピンチの演出やらが障害者ゆえなのも如何なものか。
余計に主旨がブレた気がする。[DVD(吹替)] 4点(2012-12-05 02:24:20)《改行有》
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