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1. ユージュアル・サスペクツ
《ネタバレ》 いやー、コーヒーカップのアップからの引きなんて面白い撮り方するなーと、ほのぼのと見ていた私は当然騙される。ただ、絶対騙される絶対見抜けないネタバレ絶対禁止などという触れ込みが出回ってから遅れて見たので、たぶん真相(オチ)はこうなんだろうと思ってはいた。それは伏線やヒントをかき集めて分析したのではなく、そこまで言うからにはこうなんだろうと、要するに勘である。だから自慢にならない。それでもラストの歩くシーンは「おおっ」と思った。刑事さん、もっと全力で追いなさい!と。
ならば高評価にしたいところではあるが、実は好きではない。要するに嘘をずっと喋って、それをご丁寧に再現VTRにして、実はほとんど嘘でしたというだけのストーリーだ。再現VTRなしで、スペイシーの喋りだけで映画にした方がよかったのでは?という感じがした。間延びしすぎか。
2回目を見れば発見があるだろうし、見るべきだとも思うが、基本的にはミステリ界で著名なあれやこれと同じ一発ネタの作品に見えてしまい、どうにも食指が動かない。いつかもう一度見ようとは思うが、あまり感想は変わらないと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2014-09-13 22:01:58)《改行有》
2. 12人の優しい日本人
《ネタバレ》 本家と比べてどうこうとは言うべきではないのだろうが、でも言ってしまうが、本筋の脚本はむしろ良く出来ていると思う。ほぼ全員無罪から出発してのひねりに次ぐひねり、この頃の三谷氏はまさに才気に溢れている。
非常に楽しく見たのにいまひとつ好きになれないのは、作品の都合上仕方ないとは言え、各人物の個性付けが強すぎるように見えるからだ。思うに、日本人ってもっと没個性的で、公の場では慎ましく、知らない人と打ち解けるには時間がかかり、基本的には紳士的で、人に遠慮し、規律を重んじて横並び主義で事なかれ主義で発言も無難で横目で人を探りながら言うもんだから盛り上がらず……それじゃ映画にならないか。でも、議論に一切参加せず寝てる奴とか、過剰に奇矯な人が多すぎて、もっと落ち着いて話し合おうよと言いたくなる。でも落ち着いて話し合っても面白くならないし。
このあたりは、もう作品と自分の波長が合う合わないの話なのであった。非常に楽しく見たし、完成度の高い作品だとは思うが、あまり入っていけなかったというだけのこと。ユーモアのセンスが乏しいのかなあと我が身を省みて、もう今更どうしようもないなと苦笑し、次のフィクションに向かうのでした。
[DVD(邦画)] 6点(2014-05-07 23:25:54)《改行有》
3. きっと忘れない
《ネタバレ》 見たのが20代前半だったので、夢も希望もまだあった頃。十分に感動し、いい作品だと思った。若者たちはやや没個性ながら、ペシの演技は流石に見せる。ラスト肩を抱き合って泣く輪に私も入りたかった。
若い頃に見ておいてよかったと思う。今見ると、若干のあざとさが目について仕方なかっただろうから。何と言うか、出来のいい加工食品を食べているような感じがする作品というべきか。こういうの作れば受けるんだよという製作側の意志が透けて見えるというか。
夢も希望も忘れ去り、すっかりひねくれてしまったようだ。私もこんなホームレスに諭されたい、が、多分真面目に話を聞こうとはしないだろう。
いずれにしろ、若い頃に見るべき作品で、それを逃したらもう見なくてもいいような気がする。[ビデオ(字幕)] 6点(2014-04-06 22:10:16)《改行有》
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