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プロフィール
コメント数 405
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 主人公の男が、人違いで謎の組織から命を狙われる羽目になりながらも、保身のために立ち回り、謎に迫っていくというサスペンスです。豪華で壮大な展開と、細かくちりばめられたユーモアが絶妙です。主役のケーリー・グラントは、ユーモアの効かせ方を非常に心得ています。ヒロインのエヴァ・マリー・セイントのしおらしさもポイントです。楽しいシーンも盛りだくさんですが、やはり、複葉機に追い立てられるシーンですかね。画面の端の方で、農薬を撒いたりしながら、背景として馴染んでおいて、タメにタメて、ドッカーンという感じですね。笑ってしまいました。娯楽映画として、非常に良くできていて、余計なことを考えずに楽しむことができました。[DVD(字幕)] 8点(2024-12-26 17:41:00)

2.  勝手にしやがれ 《ネタバレ》 主人公の自動車泥棒が、追ってきた警官を銃殺し、指名手配されながらも、ほれた女を口説いて、というような話。序盤、主人公が車に乗って悪態ついてるところは、時代と国を隔てても、なんら変わらないものだと面白く見ていたのですが、銃を撃つシーンのカット割が非常に悪くて、誰が誰を撃ったのかもわからないくらい。雑な感じ。その後は、若干ねちっこい男と女のやりとりの雰囲気を楽しめるか楽しめないかという感じ。フランスで起こったヌーヴェルヴァーグの記念碑的作品と言われていますので、発表当時は、斬新だったのだと思いますが、半世紀経った今見ると、驚きがないですね。パリの街の雰囲気は悪くなかったです。[DVD(字幕)] 5点(2024-12-04 20:06:56)

3.  二十四の瞳(1954) 《ネタバレ》 小豆島の豊かな自然と、そこに住む人々の生活風景が、時間をかけて選び抜かれたであろう美しい構図で、フィルム状態が非常に悪い中にも、精細に写し撮られていて、思わずため息がこぼれます。しかし、長い作品です。二時間半という時間が非常に長く感じられました。前半、子供たちに、子供らしさを演じさせてしまっていて、本来子供が持っている自然な生き生きとした勢いが感じられず、これが延々と続くので、参ってしまうのです。後半、教え子達も戦争の波に巻き込まれていくのですが、淡々と巻き込まれていく様子が、淡々と描写されていく感じです。個々の悲劇に対する感情移入よりも、元教師から見た若干俯瞰的で、間接的な描写で、冷静に戦争の無情さを表現しているのは、よいと思います。後でキャストを確認したときに、天本英世や清川虹子、浦辺粂子など、後の妖怪級が何気なく出演していたことに気づき、それが一番の驚きでした。まったく気づかなかったので。[DVD(字幕)] 5点(2024-12-04 20:04:55)

4.  雨月物語 《ネタバレ》 戦国時代。人が集まる町では、節度ある町民たちによって、繁栄が保たれているものの、農村は落ち武者の襲撃に会い、道中は賊が跋扈する混沌とした世界設定。時代の動乱の中、農村に暮らしながらも、野心を胸に、動かずにはいられない男たちと、平和と安定を望む女たちを描いているのですが・・・最終的に女の生き方の強さを、まざまざと感じさせる作品ですね。常に焦燥感に駆られて足掻いている男の生き方ってなんなの的な。あと、とにかく、映像がすばらしいです。農村から町に向かう道中、船で漕ぎ進む先の霧に煙る水面の幻想的風景。主人公が迷い込んでしまう、朽木屋敷での妖艶な誘惑。直接的な表現を排して、なお妖しく艶やかなところは、海外作品では、なかなか見られない日本映画の真骨頂でしょうか。シーンのつなぎでの地を這うカメラワークは印象的でした。また家屋内での、蝋燭を光源とした光と影の繊細なコントラスト。白黒映画で、これだけ幻想的魅惑的表現が可能なのかと驚きました。日本映画のスペクタクルに付き物の安っぽさが微塵も感じられないことも驚きでした。もう、日本映画は新作でも半分は白黒でいいんじゃないかと思ってしまいました。[DVD(字幕)] 8点(2024-10-10 18:23:27)

5.  めし 《ネタバレ》 サラリーマンの夫のために「めし」をつくる主婦業に嫌気がさして、実家に帰って、数日間、ごろごろして、頭が冷やされてきたところに、夫が迎えに来て、元の鞘に収まるという、まあ、言ってしまえば、たわいもない日常話です。日本でテレビ放送が始まる1953年より前のことですから、その後テレビでやるようなホームドラマの需要を映画が担っていたんでしょうね。原作ありのホームドラマという時点で、監督の作家性が出にくいのだと思いますが、質素なサラリーマン夫婦を上原謙と原節子という必ずしも役に似つかわしくない映画スターに演じさせているところも、配役が先にありきの印象を持ってしまい、監督の作家性が今ひとつ見えて来ないところですね。ただ、作家性が表に出てこない分、時代の要求に忠実につくられているように感じられ、時代の記録として、貴重なものになっているような気がします。その反面、非常に古臭さばかりが目立って、時代を超えた何かが感じられないってことでもあるんですけどね。ここからは余談です。本作は大阪が舞台になっているのですが、この時代に、すでに、くいだおれ人形があったのですね。そういうことがわかるだけでも、なかなか貴重です。[DVD(字幕)] 5点(2024-09-09 18:32:40)

6.  処刑の部屋 《ネタバレ》 石原慎太郎の原作は未読です。あらすじ。あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!不良大学生(川口浩)が、生真面目な女子大学生(若尾文子)に、睡眠薬を飲ませて犯っちまったら、何故か惚れられていた。な… 何を言ってるのか わからねーと思うが、もっとチャチなもんの片鱗がなんたらかんたら・・・このあらすじから、過激なものを想像しがちですが、エロ描写は皆無で、色気も皆無です。そちら方面では、まったく期待を裏切られます。そんなムチャでもファッション感覚で犯り遂げてしまう俺って、新しくてカッコイイ!新しい時代は、こんなカッコイイ俺たちが作って行くんだぜ!的なことが、どうも主題のようなんです。50年以上前とはいえ、それを割り引いても、ダサすぎる。というか、時代を超えたカッコワルサを見たような気がします。江戸時代に持って行こうが、平安時代に持って行こうが、はたまた未来永劫・・・時代を超えたスタンダードを確立したという面では評価できます。50年以上の時の隔たりがありながらも、見てるこちらが、こっぱすかしくなってしまうくらいなので、当時の一般人の心労、精神的苦痛を考えるとあまりに気の毒で言葉もありません。主役の川口浩ですが、後年の隊長としての凛々しいイメージしかなかったのですが、若いころはまったくイメージが違っていて、風貌としては、伊藤淳史(電車男)に原西隆幸を少し加えたような感じで、それだけならなんらおかしくはないのですが、これに石原裕次郎風味をふりかけてしまったため、滑稽さに拍車がかかっています。宮口精二が、しがない銀行員の父親役を好演しているのと対照的です。[DVD(字幕)] 1点(2024-04-22 18:44:34)

7.  ローマの休日 《ネタバレ》 戦後の作品なので、めちゃくちゃ古いというわけではないのだけれど、映画にとっての古き良き時代を思わせる作品です。ヨーロッパの王女が、公務に嫌気が差して、ローマの街に抜け出して、たまたま通りすがった新聞記者と、たった一日だけのデート&恋愛もどきをするという、今日的には、娯楽として成立させることはちょっと難しいと思うくらいにシンプルなストーリーです。当時は大衆に向けた種々の情報が、現代とは比べものにならないくらい少なかったでしょうから、異国情緒溢れる古都ローマでのロケを行ったことだけでも、見せ物的な価値が高く、娯楽となり得たのだと思われます。大衆向け情報メディアとしての映画のプレゼンスが、段違いに高かったのだと思います。アクションに迫力がないのは、当時の技術的に仕方がないと思いますが、それを補うためなのか意外とバイオレンスです。結構、これは新鮮な驚きで、笑ってしまいました。通りすがりのハゲ親父が、祝福の名の下に、いきなり口にブチューと吸い付いてきたりするのも相当ダメージの残るバイオレンスだなと感じました。一期一会の恋に、深みを求めてはいけないとは思いますが、初々しさとか、ドキドキ感みたいなものが、演出されることもなく、そもそも、あまり求められてもいないと思われるところが、ちょっと興味深いところですかね。[DVD(字幕)] 5点(2024-04-22 18:39:31)

8.  サンセット大通り 《ネタバレ》 自分が今でもスターで、ファンや映画界が復帰を待望していると思い込んでいるサイレント映画時代の元大物女優と、ひょんなことから、女優の大邸宅に住み込むことになるB-pictures(低予算映画)ライターのお話。気の利いた丁寧なディテールで、ムダのない小気味のよい展開で、主要な役者がすべてハマっていて、バランスがよくて安心して身を委ねられる感じです。[DVD(字幕)] 7点(2024-02-26 19:11:10)

9.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 冒頭、実に6分以上にもわたって、宗教壁画の一部、人物の手だけをアップにした止まった画像のまま音楽が流れ続けます。とりあえず、円盤の不良か、機械が故障したのかと思いましたよ。200分を越える大作ですが、この部分だけは時間の無駄だと思いました。本編は、とにかく映像の迫力と、緻密さ、精細さに、食い入るように見入ってしまいました。最大の山場はチャリオットレースのシーンで、臨場感にあふれ、かつ、演出過剰に陥らずに地に足の着いたリアリティが感じられるという奇跡的な仕事です。それ以外のシーンも、それぞれ、非常に丁寧に綿密に深みのある美しい映像に造り上げられています。ストーリーがわかりやすいのもいいですね。シンプルな復讐劇が物語の軸となっていて、それに、キリストの生誕、磔刑のエピソードをうまく絡めて、物語に奥行きを与えています。終わり方はちょっとどうかなと思いましたが、キリストなら仕方ないと思い直しました。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2024-02-01 17:44:54)

10.  戦場にかける橋 《ネタバレ》 舞台は二次大戦中のタイのジャングルにある日本軍の捕虜収容所。日本軍が連合国側の英国軍捕虜を動員して、タイ-ビルマ間鉄道を突貫工事しようとするも、なかなか進まず四苦八苦。英国将校が指揮を執るようになると、モチベーションも高まり着々と工事が進むその一方で、連合国の別部隊による橋の爆破作戦も進められていた・・・といったストーリーです。苛酷な労働や飢えや病気や齋藤などの理由で、捕虜が大量に死亡しているようなのですが、そこら辺の描写は湿っぽくなく、ドライな感じです。木製の橋が工事中に崩れるところで大笑いしてしまったのですが、破壊がメインの他の戦争映画と違い、文字通り建設的な雰囲気があって、緊張感があまりなく、楽しめるんですよね。日本軍人は、橋の建造技術に乏しかったり、プレゼントに釣られて便宜を図ったり、マヌケな役回りなのですが、それはそれで人間的な感じで描かれています。日本人側が英語ができる者が多く、コミュニケーションが可能というのが大きいんでしょうが。捕虜収容所の所長は、橋の建造を英国軍将校の指揮力に頼らざるを得ず、任務遂行とメンツとの板ばさみになるのですが、表向きの威厳と、裏での葛藤を、役者がよく演じてると思いました。終わり方も、ただの美談では終わらせず、戦争のむなしさを感じさせ、複雑な後味を残すもので、いい終わり方だなと思いました。[DVD(字幕)] 7点(2023-12-25 17:48:22)

11.  七人の侍 《ネタバレ》 3時間半以上の大作ですが、面白くて一気に見てしまいました。長さを感じさせません。30軒やそこらの山奥の農村集落の狭い世界の話なのですが、とてもスケールが大きく感じられるところが魅力です。三船敏郎のオーバーな演技や、農民たちがどっと笑うところなど、必ずしもリアルとは言えないところもあるのですが、映像に妥協がなく密度が濃いので、安っぽくならないのですよね。[DVD(字幕)] 8点(2023-08-22 19:08:03)

12.  楢山節考(1958) 《ネタバレ》 大自然の中に書き割りやスクリーンやライティングを持ち込んで撮影しているのかと思いきや、後にオールセットと聞いてびっくりしました。言われなければジオラマとは思えないほどリアルなのですが、そうと知らされた上で見ると、撮影に都合が良いように計算し尽くされ、つくり込まれていることに気付きます。舞台芸術としてはすばらしいし、いいもの見せてもらったとも思うのですが、姥捨て山伝説を描くのにこの手法が果たして正解だったのかは、正直よくわからないです。今村版と比較してみたいところです。婆さんと息子、脇役たちの演技も総じて悪くないのですが、婆さんの孫息子の若造を演じてる役者の演技が、どうもわざとらしく周囲から浮いてるなと思いました。浅はかで血の気の多い若造役なのでわからんでもないのですが。後で調べてみたら当時18歳の今の猿翁でした。ま、歌舞伎とは勝手が違うから。若いし。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-06-21 19:27:11)

13.  汚れなき悪戯 《ネタバレ》 修道院に置き去りにされた赤ん坊を12人の修道士が父親となって育てるというようなお話。修道士たちは、赤ん坊の本当の親がいないかどうか村中を探し、結局見つからず、両親は亡くなっているとの結論に達しますが、すでに親心が芽生え始めており、赤ん坊を育てられることを内心では喜び、子供が成長すると、母親や同年代の遊び友達が必要だと里親を探すのですが、適切な人が見つからず、もうすでに家族同然となっているので、内心では喜び、12人の父親となって子供を愛し育てるところに心が温まります。邦題の「汚れなき悪戯」は、子供が、同年代の遊び相手がいないこともあり、周囲の気を引くために他愛のない悪戯をすることからとったものだそう。原題は「Marcelino Pan Y Vino」(パンとワインのマルセリーノ)。終わり方が、宗教臭くて唐突感がありますが、全体的には楽しめました。[DVD(字幕)] 6点(2023-05-29 18:52:44)

14.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 怪獣に翻弄される人間社会のドラマが、思いのほかリアルに描写されていて、当時としては驚くべき特撮技術と対等にせめぎ合い、融合し、熱を発しているのを感じます。高揚感を煽る音楽が素晴らしい。神々しいまでの咆哮など音響も素晴らしい。ゴジラが落っことしていった三葉虫を見て、子供の頃、生きた三葉虫を飼うのが夢だったことを思い出しました。[DVD(字幕)] 8点(2023-05-29 18:41:11)

15.  赤い風船 《ネタバレ》 赤い風船が、意思を持ったかのように男の子に付いてくるという、単純で素朴で、どこか可愛く、おまけに50年代のパリの町並みを堪能できます。悪ガキ達が風船を妬んで、パチンコで攻撃してきたりのサスペンス要素あり、最後にはファンタジー要素もあり、短い中で飽きることなくほのぼのと楽しめました。[DVD(字幕)] 6点(2023-05-24 19:31:30)

16.  東京物語 《ネタバレ》 小津安二郎の作品を見るのは、5年前にみた「彼岸花」に続き2作目ですが、5分もたたずに、その世界に引き込まれて、安心して映像に身を委ねられてしまうから不思議です。映像の語り口の妙なのでしょうね。「子の親離れ」というシンプルなテーマですが、同時に奥が深い。大きなテーマを据えつつも、相変わらず、日常の何気ないおかし味をディテールとして織り込んでいく丁寧な仕事です。(メモ)ばあさん役の東山千栄子が60過ぎなのに対して、じいさん役の笠智衆は当時まだ50歳に達してないのですよね。驚きです。長女役の杉村春子と2歳しか違わないのですね。[DVD(字幕)] 8点(2023-04-12 17:54:59)

17.  夜と霧 《ネタバレ》 アウシュビッツ強制収容所の当時のモノクロ映像と、10年後、緑に覆われ廃墟となった強制収容所のカラー映像を交互に切り替え、静かな導入から始まり、徐々に惨劇が詳らかになる構成です。新緑に覆われた強制収容所跡地は、空が抜けるように青い。鉄条網がややぶっきらぼうであることを除けば、至ってのどかで静かな雰囲気が漂い、この10年前に惨劇が起きたとは想像ができません。国破れて山河在り 城春にして草木深し 廃墟と緑はノスタルジーさえ感じさせます。なぜ人の尊厳がここまで蹂躙されたのか?映像は、理由を語らず、その事実を突きつけるのみです。大量の裸の死体をブルドーザーで捏ね集めるシーン。人の形をしたものが、絡み合い、物理演算モデルCGと見紛う粘土のような挙動を示す映像が衝撃的です。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-06 19:13:42)

18.  生きる 《ネタバレ》 とある役所の寡黙な市民課長が主人公。癌で余命幾ばくもないことを悟り、これまで何も為し得ていない自分の人生を振り返り狼狽したり、無断欠勤して遊び歩いたり、心を入れ替えて市民のために仕事をしたりという話。お役所仕事(仕事のたらい回し)の風刺になっていて、時代劇が多い黒澤明の作品の中では異色の部類だと思います。しかしながら、時代を経て労働の質が大きく変化している中、さすがに今の時代では通用しないテーマだなと思ってしまいました(縦割りと責任回避はいまだにどこにでもありますが)。本来的には、喜劇的な要素をちりばめつつ、余命の限り市民のために奔走して仕事を為した男の生き様を示し、そういった仕事ができない現状(当時)に一石を投じているのだと思います。ですが、今になっては、単純化、戯画化が過ぎていて、わかりやすいのだけど、深みやリアリティがなく、なんか、すべてが喜劇に見えてしまいました。主人公以外の登場人物に苦悩がまったくなく、深く考えない大衆役を演じさせているのも、通り一辺倒でダイナミズムを感じさせません。結果、ちょっと説教臭い感じが目立ってしまいます。なぜ、主人公が人が変わったように仕事に打ち込むようになったかを、葬式の参列者が議論するくだりも、すべてが説明台詞になっていて、「癌であることを知らないはずなのに、なぜだろう?」などと延々とやってるのも、そらぞらしくて、何だかなと。映像作品としては丁寧につくられているので、昔の繁華街はこんな感じだったのねとか、飽きることなく楽しく見られました。[DVD(字幕)] 4点(2023-03-01 19:05:19)(良:1票)

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