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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 250
性別 男性
自己紹介 サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。
評価はもちろん主観です。
評価基準 各2点ずつで計10点
1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか?
2.視覚的に何かを象徴できているか?
3.プロットの構成は適切か?
4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか?
5.作品のテーマに普遍性はあるか?

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1.  キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン マーティン・スコセッシ、レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、この三人の座組もいい加減見飽きてしまい新鮮味がないですね。演技も終始顰めっ面をしているだけでワンパターンです。レオナルド・ディカプリオについては中年太りもひどいですし、いい加減ハンサムで女を魅了できる人物を演じられる年齢じゃないって気づいてほしいです。史実ではアーネスト・バークハートはモリーと結婚した時にはまだ20代みたいです、どうりで違和感があります。一方モリー役の女優リリー・グラッドストーンは落ち着いてリラックスした演技をしており良かったと思いますので、惰性ではない新機軸のキャスティングがもう少し欲しかったところです。内容は歴史劇や犯罪ドラマというより夫婦の物語が中心になっていますね。インディアン側の主要人物が女性、白人側は男性という風に分かれていることもあり人種間の対立というより家庭内の不和のような狭い領域の問題に感じてしまいます。そのため上映時間が長い割にずいぶん地味でスケールが小さいと思ってしまいました。尺が長いのは単に情報が整理できていないだけではないでしょうか。この映画で描かれた史実の面白いところって白人が常にインディアンより優位な立場にあるわけではないという視点を与えてくれることにあると思います。モリーがアーネストと最初に夕食を共にするシーン、そしてラストの二人の会話は緊張感があって良いです。この二つのシーンでは白人よりインディアンの方が優位に立っているからです。しかしアーネストとモリーが結婚していざ事件が起きていくと完全に白人側が優位になってしまい、インディアンは脅えるだけで物語も白人側にイニシアチブが移ってしまうので退屈なのです。[映画館(字幕)] 5点(2023-11-05 22:36:20)

2.  天国にちがいない 現代のチャップリンと評されるパレスチナ人監督という触れ込みで興味を持ち見てみたのですが、そんな親しみやすいものでもなくメタファーを多用するだいぶ難解な映画です。チャップリンっぽいのは主人公を監督自身が演じていることとその主人公がほとんど台詞を喋らないところぐらいです。パリの街中で戦車が走るシーン等を見る限り特にリアリズムを基調しているわけでもなく、ロイ・アンダーソンのような風刺要素の強いオフビートコメディを目指しているのでしょうか。コメディ映画は国境を越えにくいものですが、これも文化が違うと痛感させられるタイプの映画です。特にイスラエルのナザレの場面では私が不勉強なのも悪いのですが、この間は笑わせるためのものなのか、今いる場所や登場人物はどういう立場や階級なのか、特に説明もされないのでピンとこない状態でただ眺めることしかできないです。例えば主人公は隣人よと周りの人間から呼びかけられるわけですが、これがどういう距離感の人物に向けた言い方なのかよくわからないわけです。ただ舞台がパリに移って以降はなんとなく理解できる場面が増えて楽しむことはできました。水をくれと言う路上生活者のシーンや映画にパレスチナ色が薄いとプロデューサーからケチをつけられる場面の皮肉は笑えましたし、小鳥が部屋に迷い込む場面もかわいらしくて良かったです。この小鳥もキリスト教関係のメタファーな気がしますが、真剣に読み解く気になるほど作品としての力を映画全体からは感じませんでした。結局内容は海外旅行に行ってやっぱり地元が良いと自己満足するだけの話のような気もします。[インターネット(字幕)] 5点(2023-11-04 17:57:26)

3.  セリ・ノワール 映画化の過程で劇中の舞台がアメリカからフランスへと移されているのですが、まあフランス映画だからそうなったというだけで何か特別な意味はありませんね。原作は主人公の異常な心理描写が肝となる小説なので、映画化の際にはそれを映像へと移し替える必要があるわけですがそういった工夫が感じられるのは冒頭の小雨が降る荒地の場面が主人公の陰鬱で荒涼とした内面を表現しているぐらいでしょうか。撮影や美術はよくできているのですが、原作だって主人公の異常な心理描写がなければ男性に都合のいい女性観の古臭い物語なのでそのまま映像化されるだけではちょっとつらいですね。公開当時なら評価されたのかもしれませんが今更見る程の作品ではありませんでした。[インターネット(字幕)] 5点(2023-11-03 22:27:51)

4.  野獣死すべし(1980/イタリア) あのホラー映画の巨匠ルチオ・フルチが手がけたギャング映画と聞くと何かすごいゲテモノ映画が見られるんじゃないかと期待してしまうんですが、これが割と普通のギャング映画でしかなく逆にがっかりしちゃいました(笑)。冒頭のナポリの海を走るボートチェイスのシーンはいい感じで掴みはバッチリなのですが、他の映画で見られない光景はここぐらいであとはお話も主人公の復讐とギャングの抗争を描いただけのありきたりで陳腐なものです。主人公はあまり活躍しないので爽快感もないです。ゴア描写も確かに凝ってはいるんですが、今時ギャング映画ならこの程度珍しくないんじゃないかと思います。予告編のためにいくつか印象的なシーンを作ってあとは飽きない程度にテンポよく展開すればいいぐらいの軽いノリで作られた作品でしょうかね。昔のB級映画の感覚を味わう分には悪くない作品ですが、まあ今まで未公開だったのには納得です。[インターネット(字幕)] 5点(2023-11-02 23:32:39)

5.  マラソン マン なんというかドラマを描く気が全く感じられない作品ですね。冒頭のマラソンやドイツ人とユダヤ人の罵り合いからして何の意味があるのかよくわかりません。序盤はロイ・シャイダーとダスティン・ホフマンが登場する場面が並行して描かれますが、いきなりパリやウルグアイへ移ったり場面が飛び飛びで関連性がよくわからないのでストーリーが全く見えてきません。中盤になってようやくロイ・シャイダーとダスティン・ホフマンの関係が明らかになり、事件らしい事件が起きてようやく面白くなるのかなーとも思ったのですが、結局ドラマらしい展開はそこだけでその後もストーリーもテーマもよくわからないまま進んでいくのでサスペンスやアクションが展開されても心に響くものはありません。マッカーシズムやナチスに触れているのも政治的メッセージがあるというよりは見世物的興味だけでこの題材を選択しているようにしか思えません。複雑で難解なためジャンルものとして楽しむことも難しく、その割に薄っぺらい内容で作家性のある作品として評価することもできません。[インターネット(字幕)] 3点(2023-11-01 22:33:28)(良:2票)

6.  ガザの美容室 あらすじからパレスチナ版この世界の片隅にのような作品かと思っていたのですが、それともまた違うテイストですね。似たような内容の映画はあまり思いつきませんしシチュエーションが特異なので興味を惹かれるところはありますが、残念ながらそれが面白さに繋がっているかというと微妙なところですね。明確な筋書きもなく女性たちがダラダラと雑談を続けるだけの内容なので普通に面白くないです。こういう日常描写を丁寧にやるタイプの作品は同じような経験をしていないと共感することも難しいですし、監督は男性みたいですので本当にこれがパレスチナの女性のリアルを反映しているのかも疑わしいところがあります。イスラエル関係はろくにピックアップされませんので今の情勢を鑑みても見る価値があると言えるのはハマスとパレスチナはイコールではないという点がわかるというところぐらいでしょうか。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-31 23:54:48)

7.  ザ・ハント(2020) うーん、事前に社会風刺要素があるという知識を持って見たのが間違いだったのかもしれません。内容は結局下品で低俗なデスゲームものでしかないので真面目に見ようとするとがっかりするだけです。確かに人種差別や気候変動のような社会問題へのアプローチ…というよりは時事ネタに対するゴシップ的な揶揄はあるのですが、細かいところを気にしたら素直に楽しめない雑さなのに中途半端に利口ぶっている感じが逆にダサいと思っちゃいました。これじゃあまりセンスのないクエンティン・タランティーノもどきでしかないです。何かを批判するなら作り手の一貫した倫理観や立ち位置みたいなものが見えてこないと、卑怯なポジションから攻撃しているだけのようで見終わっても空しいだけなんですよね。豚が出てくる意味がよくわからないと思っていたらどうでもいいようなオチでした。古典への目配せをしたところで作品の価値が上がるわけではないです。[インターネット(字幕)] 4点(2023-10-30 22:53:20)

8.  切腹 中身や実体を見ようともせず形式やメンツだけにこだわり人間性を奪われることへの批判がテーマですが、それを結構台詞でも説明しちゃってるのがちょっとくどいとは感じますね。それよりもすべて理解しているのに他人を痛めつけるためにさも何も知らないかのように振る舞うことの悪質さの方がより本質的な問題かもしれません。様式美とリアリズムの両立、そしてその様式美のこだわりはただ美しい構図というだけでなく武家社会の空虚さを際立たせるものとして効果的です。全体として動きの少ない中、三國連太郎の持つ扇子の立てる音がリズム感を作る良い働きをしています。しかし中盤以降の回想シーンで人間らしい感情の拠り所を家族に求めているところは、家制度自体が武士にとって重要で抑圧的なものであったことを考えるとあまりに素朴で理想化された描き方です。まあこれもこの時代には珍しく主人公がシングルファーザーである特殊なシチュエーションなのでそこまであげつらうべきではないのかもしれませんが、不幸に比べると幸福についての描写は陳腐なものになりがちなのだと痛感しますね。[インターネット(邦画)] 7点(2023-10-29 23:56:22)(良:1票)

9.  聖地には蜘蛛が巣を張る 《ネタバレ》 この監督の過去作はファンタジー的題材をリアリズムをもって描くという作風だったので、こういう実際の事件を題材とした作品は向いているのかなと不安だったのですが、演出に関してはバッチリでしたね。感情を大きく揺さぶるような事件だからこそ、抑制され冷静さを保ちながら現実を見つめさせるスタイルは正解だったと思います。ただ、お話に関してはちょっとどうなのかなと気になるところがありました。主人公のジャーナリストのラヒミの物語よりも犯人のサイードの人物像を描くことに多くの時間が割かれているのはバランスが悪いのではないかと思います。これでは彼女がイラン国外の人間が感情移入するための器のようでしかなく人間味が感じられません。警察や宗教者が犯人とグルなのではという疑惑を抱かせながらストーリーは進むのですが、実際にはそんなことはなくサイードは普通にイランの司法の下で処刑されてしまいますし、ラヒミは組んでいた地元の記者といい感じになってめでたしめでたしみたいな空気になるので拍子抜けしてしまいました。基本的に大衆は殺人鬼は怖いという態度で、イスラム教徒全員が犯人に賛同しているわけでもない部分は劇中でも描かれています。それはそれで正しいのでしょうが、これがイラン社会への批判が目的なら犯人とその賛同者の異常性だけを強調しすぎている気がします。親から子への悪の継承を示唆するラストも問題を社会全体よりも血筋に押し付けているような違和感があります。映画自体の内容よりもイラン本国で撮影を拒否されバッシングを受けたこと等、製作過程や現実の事件の方が興味深いというのが正直なところですね。[DVD(字幕)] 6点(2023-10-29 00:20:57)

10.  ALWAYS 三丁目の夕日 ノスタルジーをくすぐるのが売りだけの安っぽいお涙頂戴ドラマ、そういう偏見もあって今までちゃんと見てなかったのですが、いざ見てみると意外とこれはちゃんとした構成と内容があって面白い作品ですね。ディテールこそ昭和懐古ですが本題は別のところにあります。この映画で描かれているのは人が嘘をつくことについてのお話です。人物が見栄を張ったり他人を思いやるために嘘をつく、ただしその嘘は必ずバレてしまうというのが基本作劇となっています。そして嘘によって劇中の登場人物は決して幸せにはなれないのです。それはサンタクロースのプレゼントや空の結婚指輪を付けてみせるといった優しい嘘についても同じなのです。その後彼らには気持ちのすれ違いや悲しい別れが待ち受けています。騙したり隠したりせずに正直に自分の気持ちを打ち明けた方が本当の信頼関係を築け、幸せにもなれるというのが作品のテーマですね。初めてテレビが映る場面や迷子になってからの再会場面でいかにも音楽の調子も含めて泣かせに入っているように見せつつも最後はちゃんと笑いで落とす、この辺のバランス感覚もちょうどいいですね。劇中の時間経過がちょうど四季の移り変わりに合わせてあるというのはそれほど珍しい発想でもないのですが、ベタながら長時間のドラマを見た満足感を与えてくれます。やっぱり評価されてる映画ってのは見どころがあるもんなんですね。まあそれでもやはり欠点はありまして、基本的に善人しか出てこないのはゆるゆるで心地よいところもあるにせよ刺激が少なくて物足りないのは否めません。[インターネット(邦画)] 7点(2023-10-27 22:49:37)

11.  素晴らしきかな、人生(2016) ほんとこの邦題は何を考えて付けたんでしょうね(笑)。ニューヨークの街並みのおしゃれな雰囲気とキャストが豪華なおかげでビジュアルは華やかなので最後まで見る気にはなれるんですが、そもそもこれ群像劇にする意味があったんでしょうか。ウィル・スミスの出番が少なくなりすぎて感情移入もしづらく、娘の死に対する悲しみが伝わってきません。結果的に喪失と回復という典型的な物語のためにただ情報として提示されただけのようになってしまっています。広告代理店と演劇関係者というチョイスからして製作者が知り合いから聞いたような話を適当につっこんで脚本を作ったのかと思うほど話にまとまりがないです。ドミノが喪失と回復の象徴みたいに映される演出も意図が明白すぎてちょっと冷めますね。[インターネット(字幕)] 3点(2023-10-26 23:37:59)

12.  タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら タイトルロゴを見た時点でホラー映画のパロディを志向していることはわかります。ホラーコメディというよりはコメディmeetsホラーのような内容で、主人公二人は現実に近い感性のコメディ映画の世界の住人でヒロイン以外の大学生側は完全にホラーのノリでその二つの世界が交わるような感じに面白さがあるわけですね。ただパロディにしては人が本当にグロく死んでいく容赦のなさは気になりますね。そういう部分でも笑わせようとするアメリカンな感性に乗れるか乗れないかが評価の分かれ目になりそうです。しかしこうしてジャンルを客観的に見る機会があるとナタに斧、丸鋸にチェンソー、釘打ち機といった木材加工用の器具って映画の中で殺人鬼の武器に採用されがちなことがよくわかりますね。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-25 23:33:26)

13.  [リミット] 棺の中だけじゃ絶対画面が単調になるでしょうと侮っていたのですが、なかなかこんな狭い空間の中でも色んな画が撮れるもんですね。ライターのオレンジの炎、携帯の青い画面の光、緑のケミカルライト、懐中伝統の黄色と赤の光、同じ空間でも照らす光の変化で映像の調子が変化していく工夫が成されているおかげで飽きずに見られます。棺の蓋を無視したかのように上から主人公を映すアングルでこれはもうネタ切れなのかと思ったら、そこからワンカットで棺の天井が映るところまでカメラが移動したのにはやられましたね。まあしかし傑作になるには不条理なワンアイデアだけでなくもうちょっとストーリー性が欲しかったところはありますね。イラク戦争批判も臭わせる程度で中途半端な描き方でしかありません。[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-24 23:06:20)

14.  ザ・クリエイター/創造者 邦題について最初はザ・クリエイター/創世者というタイトルで途中で創造者に変更になったという経緯があり、なんでなのかなーと気になっていたんですが実際に見てその理由が納得できました。ちなみに香港や台湾ではA.I. 創世者のタイトルで公開されているみたいですが、確かに日本ではこっちに合わせなきゃギャレス・エドワーズ監督に合わせる顔が無いですね(笑)。そんな監督には悪いのですが正直映画自体の出来は微妙でしたね。お話としてはAIを安易に敵とはみなさず米軍の軍事介入を批判する等、一応現代的なテーマを扱おうとはしているもののビジュアルに関しては新しいものが全くないのです。そもそも監督自身が80~90年代のSF映画に憧れ、ブレードランナーが舞台の黒澤映画をイメージしたと語ってる通り既存の映画のビジュアルに似せようとしかせず後ろ向きな努力を感じてしまいます。せっかくのオリジナル脚本のSF映画なのにオリジナリティがまるでないのは皮肉な話です。肝心のストーリー構成も場面が飛び飛びになり今主人公がどういう状況に置かれ何を目的にしているのかがよくわからないまま進むので感情移入ができません。海外のレビューでまるでAIが書いたみたいな脚本という評価を見かけたのですが、言い得て妙だと思ってしまいました(笑)。作中のAIに関しても人種や民族問題の暗喩のようで現実のAIとはあまり関係ないような描き方です。アジア=AIのような描き方はリスペクトしているようで安易なオリエンタリズムに陥ってはいないでしょうか。作中世界の技術レベルもよくわかりません。パソコンはあるみたいですがインターネットとかは発展してるのでしょうか。近年のAIの発展は膨大なネット上のデータの蓄積のおかげなのですが、機械学習にはまるで触れられません。その点に関してはミーガンの方が現代的なAI像を描けていたと思います。結局この監督はゴジラやスターウォーズのような既存コンテンツを最高にカッコいいビジュアルで映像化する能力はあるのですが、オリジナル作品を独力で構築する才能はないと思います。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-23 22:08:26)

15.  狩人の夜 変な映画であることは間違いないです。サイコサスペンスのようでほのぼのとした児童ファンタジーのようでもありジャンルが不明瞭である点は独特の魅力ではありますが、ちぐはぐな構成であるような印象も受けます。この時代の映画にしては映像もカメラワークも当時のハリウッドスタンダードから逸脱した凝りようでそれが成功しているかはともかく古臭さは感じません。序盤の空撮は天にいる神が地上を見守っていることを表現しているんでしょうか。でもそんなに大した内容でもなく結局ロバート・ミッチャムのエキセントリックなキャラクターを楽しむだけの映画のような気がします。超然としているようで金目当ての俗っぽい行動だったり、子供相手にムキになる姿は恐ろしいというよりなんだか滑稽で可愛らしいところもあります(笑)。聖書を揶揄するような台詞もリリアン・ギッシュもまた聖書について語る役回りである以上、社会風刺やキリスト教への批判が目的というよりはロバート・ミッチャムの悪魔的キャラクターを演出するためのフレーバーでしかないですね。ラストの民衆の暴動はフリッツ・ラングのMをやりたかったんでしょうか、それも大して意味がなく終わってしまいます。[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-22 23:06:18)(良:1票)

16.  ひまわり(1970) これぞ戦後の名作映画って感じですね。庶民は戦争で悲惨な目に合った、男と女は熱く愛し合う、ダメな男と逞しい女、三角関係やすれ違い、ほとんど音楽はなく重要なシーンを盛り上げるためにのみ流され、海外ロケの雄大なロングショットは絵はがきのようです。それらは確かに今の映画では失われたおおらかさや風格を感じさせる要素です。しかしこんな大恋愛なんて現代人とは縁遠いものでしかないですし、男の身勝手さについてもやっぱり古臭いメロドラマでしかないと感じざるを得ません。こういうタイプの作品が成立したギリギリの時期が1970年だったのでしょう。ウクライナ侵攻に関しても有名な映画にウクライナが絡んでいたというだけで歴史について何か理解が深まるわけでもありません。マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの共演作ならば1977年の特別な一日の方が現代的なテーマを扱っていると思います。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-21 23:38:29)

17.  MUD -マッド- 現代版スタンド・バイ・ミーという触れ込みで変に先入観を持って見たのが悪かったのかもしれませんが、正直全然違う映画じゃないかと思いますね。あちらが過ぎ去った過去の記憶を描いているのに対しこちらは現代のアメリカの田舎の現実を描いておりむしろ対照的な作品と言えます。似てるのって子役の髪型と顔つきくらいですかね。あんまり子供目線の物語というわけでもなく色々な年齢層の人物にスポットが当てられています。それも子供が危ない大人の世界を垣間見るというよりは、子供の存在が大人が悪ぶってカッコつけるための小道具として利用されてるだけのような違和感があります。まあ年上のお姉さんへの恋心だけは本物かもしれませんが、それはそれで今度は女性を一人の人格として尊重して描く気がないということでもあります。表面的には男らしいアウトローへの憧れを否定していながら結局は否定しきれていないのです。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-20 23:21:26)

18.  ザ・トライブ 私も手話に関する知識はろくにない人間なのであんまり知ったかぶったことを言うべきではないのですが、一口に手話と言っても一つの統一された言語があるわけではなく、日本手話、アメリカ手話という風に各国の言語に対応した手話があるためこの映画の登場人物の台詞を理解するにはおそらくウクライナの手話を習得する必要があると思われます。普通に考えればそれができる人間は現地のウクライナでも少数派でしょうし、この作品は手話を理解できない人間に向けて作られ評価されている作品と見て間違いないでしょう。それではなぜこの映画は演出として全編手話のみを使った語りを選択したのかというと、観客が手話を理解できないため登場人物に感情移入させずに距離を取ってその行動を見つめさせるというのが作り手の意図だと思われます。それは全編音楽もクローズアップもなく長回しとロングショット主体のスタイルを見ても明らかです。しかしそうして見つめさせられるものがあまりにもしょーもなさすぎです。何を描くかよりいかに語るかという点にこだわりすぎると内容に皺寄せが来ちゃうのはよくあることで、この映画の物語も不良の抗争とセックスを描いてるだけのありきたりで単純なものでしかありません。おまけにロングショットの長回しも延々と続くだけで、リズム感のようなものはなく単調でダラダラした印象しか受けません。演者は本物の聾唖者をキャスティングしているようですが、手話だけが使われるような劇中のコミュニティが実在するとも考えにくいです。犯罪が関わるならなおさらそれを食い物にしようとする外部の人間が関わってくるはずです。そのためこれが聾唖者の現実を反映した作品とは言い難く問題提起としても中途半端なものでしかないと思います。[インターネット(字幕)] 3点(2023-10-19 23:24:53)

19.  レヴェナント 蘇えりし者 本当にこの時代を舞台にした物語で伝えたいテーマやメッセージがこの監督にはあったんでしょうか、アンドレイ・タルコフスキーごっこをやりたい以上に創作の動機があったとは思えません。これを見ても当時のアメリカの先住民と入植者の関係や毛皮貿易についての理解が深まるわけでもありません。白人とインディアンに対する見方もダンス・ウィズ・ウルブズの頃からそう進歩したものでなく、既存の西部劇のイメージから逸脱するものでもありません。斬新と言えるのはあのクマのシーンぐらいでしょうか。アート系監督を気取るにはビジョンが陳腐で貧弱すぎると思いますよ。大自然の美しい映像も生々しくグロテスクな描写もそれらを撮るのにスタッフがいくら苦労したところで何らかのテーマに沿って構成しなければ空虚なだけですよ。[インターネット(字幕)] 4点(2023-10-18 23:45:18)

20.  手紙は憶えている この映画ラストは確かにすごくいいと思ったんですけど、それも結局初見のインパクトだけでしかなく1回見たら満足してそれっきりになってしまうというか、深く考えれば考える程いくら認知症とはいえそうなるか?もし認知症になってなかったらどうするつもりだったんだろう?と次々疑問が湧いてきてしまいます。不自然というわけではないにしろ伏線らしい伏線もなく、今までの積み重ねがこのラストシーンをさらに盛り上げるように機能しているとも言い難いです。どちらかというとこの作品の価値は社会派というよりは認知症の老人のような一見滑稽な言動しかできないような人物を主人公にしてシリアスなドラマを語ろうとしたことの方にあるとは思いますが、扱ってる題材が重い割には人物造形が単純すぎてコミカルで笑えるようなシーンも多く、この映画自体が荒唐無稽なコメディに見えてしまい台無しになってるとも感じます。[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-17 23:45:44)

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