みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 天国にちがいない 現代のチャップリンと評されるパレスチナ人監督という触れ込みで興味を持ち見てみたのですが、そんな親しみやすいものでもなくメタファーを多用するだいぶ難解な映画です。チャップリンっぽいのは主人公を監督自身が演じていることとその主人公がほとんど台詞を喋らないところぐらいです。パリの街中で戦車が走るシーン等を見る限り特にリアリズムを基調しているわけでもなく、ロイ・アンダーソンのような風刺要素の強いオフビートコメディを目指しているのでしょうか。コメディ映画は国境を越えにくいものですが、これも文化が違うと痛感させられるタイプの映画です。特にイスラエルのナザレの場面では私が不勉強なのも悪いのですが、この間は笑わせるためのものなのか、今いる場所や登場人物はどういう立場や階級なのか、特に説明もされないのでピンとこない状態でただ眺めることしかできないです。例えば主人公は隣人よと周りの人間から呼びかけられるわけですが、これがどういう距離感の人物に向けた言い方なのかよくわからないわけです。ただ舞台がパリに移って以降はなんとなく理解できる場面が増えて楽しむことはできました。水をくれと言う路上生活者のシーンや映画にパレスチナ色が薄いとプロデューサーからケチをつけられる場面の皮肉は笑えましたし、小鳥が部屋に迷い込む場面もかわいらしくて良かったです。この小鳥もキリスト教関係のメタファーな気がしますが、真剣に読み解く気になるほど作品としての力を映画全体からは感じませんでした。結局内容は海外旅行に行ってやっぱり地元が良いと自己満足するだけの話のような気もします。[インターネット(字幕)] 5点(2023-11-04 17:57:26) 2. ガザの美容室 あらすじからパレスチナ版この世界の片隅にのような作品かと思っていたのですが、それともまた違うテイストですね。似たような内容の映画はあまり思いつきませんしシチュエーションが特異なので興味を惹かれるところはありますが、残念ながらそれが面白さに繋がっているかというと微妙なところですね。明確な筋書きもなく女性たちがダラダラと雑談を続けるだけの内容なので普通に面白くないです。こういう日常描写を丁寧にやるタイプの作品は同じような経験をしていないと共感することも難しいですし、監督は男性みたいですので本当にこれがパレスチナの女性のリアルを反映しているのかも疑わしいところがあります。イスラエル関係はろくにピックアップされませんので今の情勢を鑑みても見る価値があると言えるのはハマスとパレスチナはイコールではないという点がわかるというところぐらいでしょうか。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-31 23:54:48) 3. 素晴らしきかな、人生(2016) ほんとこの邦題は何を考えて付けたんでしょうね(笑)。ニューヨークの街並みのおしゃれな雰囲気とキャストが豪華なおかげでビジュアルは華やかなので最後まで見る気にはなれるんですが、そもそもこれ群像劇にする意味があったんでしょうか。ウィル・スミスの出番が少なくなりすぎて感情移入もしづらく、娘の死に対する悲しみが伝わってきません。結果的に喪失と回復という典型的な物語のためにただ情報として提示されただけのようになってしまっています。広告代理店と演劇関係者というチョイスからして製作者が知り合いから聞いたような話を適当につっこんで脚本を作ったのかと思うほど話にまとまりがないです。ドミノが喪失と回復の象徴みたいに映される演出も意図が明白すぎてちょっと冷めますね。[インターネット(字幕)] 3点(2023-10-26 23:37:59) 4. タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら タイトルロゴを見た時点でホラー映画のパロディを志向していることはわかります。ホラーコメディというよりはコメディmeetsホラーのような内容で、主人公二人は現実に近い感性のコメディ映画の世界の住人でヒロイン以外の大学生側は完全にホラーのノリでその二つの世界が交わるような感じに面白さがあるわけですね。ただパロディにしては人が本当にグロく死んでいく容赦のなさは気になりますね。そういう部分でも笑わせようとするアメリカンな感性に乗れるか乗れないかが評価の分かれ目になりそうです。しかしこうしてジャンルを客観的に見る機会があるとナタに斧、丸鋸にチェンソー、釘打ち機といった木材加工用の器具って映画の中で殺人鬼の武器に採用されがちなことがよくわかりますね。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-25 23:31:56) 5. [リミット] 棺の中だけじゃ絶対画面が単調になるでしょうと侮っていたのですが、なかなかこんな狭い空間の中でも色んな画が撮れるもんですね。ライターのオレンジの炎、携帯の青い画面の光、緑のケミカルライト、懐中伝統の黄色と赤の光、同じ空間でも照らす光の変化で映像の調子が変化していく工夫が成されているおかげで飽きずに見られます。棺の蓋を無視したかのように上から主人公を映すアングルでこれはもうネタ切れなのかと思ったら、そこからワンカットで棺の天井が映るところまでカメラが移動したのにはやられましたね。まあしかし傑作になるには不条理なワンアイデアだけでなくもうちょっとストーリー性が欲しかったところはありますね。イラク戦争批判も臭わせる程度で中途半端な描き方でしかありません。[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-24 23:06:20) 6. MUD -マッド- 現代版スタンド・バイ・ミーという触れ込みで変に先入観を持って見たのが悪かったのかもしれませんが、正直全然違う映画じゃないかと思いますね。あちらが過ぎ去った過去の記憶を描いているのに対しこちらは現代のアメリカの田舎の現実を描いておりむしろ対照的な作品と言えます。似てるのって子役の髪型と顔つきくらいですかね。あんまり子供目線の物語というわけでもなく色々な年齢層の人物にスポットが当てられています。それも子供が危ない大人の世界を垣間見るというよりは、子供の存在が大人が悪ぶってカッコつけるための小道具として利用されてるだけのような違和感があります。まあ年上のお姉さんへの恋心だけは本物かもしれませんが、それはそれで今度は女性を一人の人格として尊重して描く気がないということでもあります。表面的には男らしいアウトローへの憧れを否定していながら結局は否定しきれていないのです。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-20 23:20:26) 7. ザ・トライブ 私も手話に関する知識はろくにない人間なのであんまり知ったかぶったことを言うべきではないのですが、一口に手話と言っても一つの統一された言語があるわけではなく、日本手話、アメリカ手話という風に各国の言語に対応した手話があるためこの映画の登場人物の台詞を理解するにはおそらくウクライナの手話を習得する必要があると思われます。普通に考えればそれができる人間は現地のウクライナでも少数派でしょうし、この作品は手話を理解できない人間に向けて作られ評価されている作品と見て間違いないでしょう。それではなぜこの映画は演出として全編手話のみを使った語りを選択したのかというと、観客が手話を理解できないため登場人物に感情移入させずに距離を取ってその行動を見つめさせるというのが作り手の意図だと思われます。それは全編音楽もクローズアップもなく長回しとロングショット主体のスタイルを見ても明らかです。しかしそうして見つめさせられるものがあまりにもしょーもなさすぎです。何を描くかよりいかに語るかという点にこだわりすぎると内容に皺寄せが来ちゃうのはよくあることで、この映画の物語も不良の抗争とセックスを描いてるだけのありきたりで単純なものでしかありません。おまけにロングショットの長回しも延々と続くだけで、リズム感のようなものはなく単調でダラダラした印象しか受けません。演者は本物の聾唖者をキャスティングしているようですが、手話だけが使われるような劇中のコミュニティが実在するとも考えにくいです。犯罪が関わるならなおさらそれを食い物にしようとする外部の人間が関わってくるはずです。そのためこれが聾唖者の現実を反映した作品とは言い難く問題提起としても中途半端なものでしかないと思います。[インターネット(字幕)] 3点(2023-10-19 23:24:53) 8. レヴェナント 蘇えりし者 本当にこの時代を舞台にした物語で伝えたいテーマやメッセージがこの監督にはあったんでしょうか、アンドレイ・タルコフスキーごっこをやりたい以上に創作の動機があったとは思えません。これを見ても当時のアメリカの先住民と入植者の関係や毛皮貿易についての理解が深まるわけでもありません。白人とインディアンに対する見方もダンス・ウィズ・ウルブズの頃からそう進歩したものでなく、既存の西部劇のイメージから逸脱するものでもありません。斬新と言えるのはあのクマのシーンぐらいでしょうか。アート系監督を気取るにはビジョンが陳腐で貧弱すぎると思いますよ。大自然の美しい映像も生々しくグロテスクな描写もそれらを撮るのにスタッフがいくら苦労したところで何らかのテーマに沿って構成しなければ空虚なだけですよ。[インターネット(字幕)] 4点(2023-10-18 23:45:18) 9. 手紙は憶えている この映画ラストは確かにすごくいいと思ったんですけど、それも結局初見のインパクトだけでしかなく1回見たら満足してそれっきりになってしまうというか、深く考えれば考える程いくら認知症とはいえそうなるか?もし認知症になってなかったらどうするつもりだったんだろう?と次々疑問が湧いてきてしまいます。不自然というわけではないにしろ伏線らしい伏線もなく、今までの積み重ねがこのラストシーンをさらに盛り上げるように機能しているとも言い難いです。どちらかというとこの作品の価値は社会派というよりは認知症の老人のような一見滑稽な言動しかできないような人物を主人公にしてシリアスなドラマを語ろうとしたことの方にあるとは思いますが、扱ってる題材が重い割には人物造形が単純すぎてコミカルで笑えるようなシーンも多く、この映画自体が荒唐無稽なコメディに見えてしまい台無しになってるとも感じます。[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-17 23:44:17) 10. エッセンシャル・キリング うーん、確かにジャンルがよくわからない感じは面白いかもしれません。社会派映画なのか、サバイバルアクションを見せたいのか、宗教映画なのか、はたまた実はコメディなのか、ラストは西部劇風に締めたかったのか、それも常に各ジャンルから微妙にズレているようなところがあります。どこに連れて行かれるかわからない先の読めなさが魅力ではありますが、逆に言えばどのジャンルの要素も中途半端なまま満足に味わえずに終わってしまいます。83分という短さでなければ途中で投げ出したくなるかもしれません。母乳を飲むシーンとかはさすがにウケ狙いじゃないかという気がします(笑)。設定の割に政治的要素が希薄なのですが、まあこれを見て米軍に良い印象は抱かないと思いますので一応テーマは反米なんでしょうか。台詞がないのはいいんですが主人公が何を考えているのかよくわからないのは困りますね。あのフラッシュバックは一応主人公の記憶を表しているんでしょうか。全体として無意味な空虚さを描くのが目的にしては意味を読み取れる要素が多すぎますし、逆に意味を真面目に考えるにはドラマ性や構成が緩すぎます。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-16 23:46:42) 11. 怪物はささやく CGの出来自体は良くドラマ部分から逸脱することもなく自然で、この監督がこれ以降アメリカに拠点を移して活躍していくのも納得ですが、果たしてこの内容でCGを多用する必要があったのかは疑問です。いっそ全編アニメーション映画として作るか、あるいは下手に怪物を視覚化しない方がより含蓄のある内容になった気もします。その辺は悪い意味でハリウッド的なセンスの持ち主なのかもしれません。やはり児童文学原作のためか大人が見るにはちょっと食い足りない内容かなとも思います。おとぎ話と違って現実は単純でなく複雑だなんて言われなくてもわかってますので改めて説教されても鬱陶しいだけですし、明かされる真実も別に大したことはないです。では主人公と同じぐらいの年齢の子供にはおススメかというと、暗くて難解な作りのため好んで見ることも考えにくいのが困りものですね。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-15 23:56:03) 12. 火の山のマリア 映画は少女が母親の手で着飾られる場面で始まり、豚の種付けのシーンがそれに続きます。近代文明から離れた土着的な文化が残る地域での性と死の物語、あとは米国へのコンプレックスといった内容です。日本で言えば今村昌平監督の作風に近い感じですね。動物を殺すシーンがあるのも70年代辺りの作家性の強い映画を思わせます。時代背景がよくわからないのですが、ネットで見た監督のインタビューによると一応現代の話ではあるみたいです。グアテマラにはろくな映画産業もなく人材も不足している中で監督は相当苦労して映画を作り上げたらしく低い評価するのにも心が痛まなくもないのですが、舞台となる国が目新しいだけで内容にはあまり新味がないというのが正直な感想です。はっきりと社会批判がされているわけでもなく農村の長閑なムードもあってか貧困や差別の問題も大して深刻さが感じられず印象に残りません。母なる大地と女性の出産を重ねる見方もありふれたものでしかなく、どこの国でもこういう価値観や社会問題はあるんだなあという感じです。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-13 23:33:41) 13. 神様メール うーん、アイデアや設定だけ見ると面白くなりそうと期待してたんですが、残念ながら中身は正直お寒いだけのレベルの低いコメディでした。聖書を茶化したり人の死を笑う風刺要素の強いブラックコメディなのかと思っていたら、いつのまにか一人一人の人生を語るオムニバスみたいになっていきます。それも大して魅力があるわけでもない人物ばかりなので終始見ていてどうでも良い気持ちが続きます。色んな映画の小ネタも出てきますが、ほとんど意味がないパロディでしかないです。神様がブリュッセルに住んでいるという基本設定だけで展開できる想像力がないので思い付いたネタを適当に突っ込んでるだけという感じです。これならブリュッセルに住んでいる平凡な女の子の妄想のお話にした方が面白くなりそうですね、本当に神様の家族の話にしちゃってるので感情移入もしづらいのです。[インターネット(字幕)] 3点(2023-10-12 23:12:09)(良:1票) 14. 家族を想うとき ドラマ性も情緒のかけらもなく徹底的にリアリズムを基調にした作品です。これを見れば映画のリアリティには手持ちカメラの揺れも長回しも関係ないということがよくわかります。家族以外との繋がりがなく多様な人間との交流の機会もなければ団結しての抵抗も願えない、確かにこれはイギリスに限らず日本でも同じ状況が見られる紛れもない現代社会の現実そのものであり、83歳の監督がここまで社会に対して冷静で客観的な視点を持てているのは驚異的ではあります。ただあまりにもこれは現実そのものでしかなく、それはそれで凄い映画と認めざるを得ないのですが見ていて途方に暮れてしまうだけというのが正直なところです。ところどころにクスッと笑えるような台詞もあるのですが、この作りだと笑うに笑えません。安易に救いや泣ける展開があればいいとは言いませんが、この映画にはリアリティ以外に評価できる点がないように思えます。自分の家族以外への広い視野を持てない人間が主人公とはいえ、映画で描かれる世界もまたそこから広がっていくことができないところも欠点だと感じます。[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-11 23:34:19) 15. ホテル・ムンバイ 一応オーストラリア映画みたいですが演出も構成もハリウッドのスタンダードから逸脱するところはなく、オリエンタルなインドの風景に美味しそうな料理、そこにハラハラドキドキする刺激的なテロ事件が加わるわけで、商売上手ですねえとしか思えません。インド人は礼儀正しく白人はただのテロに巻き込まれた犠牲者、ただしロシア人だけは買春を行う道徳的に退廃した人物というあからさまに悪意を感じる描き方(笑)、そしてもちろんテロリストはイスラム系、なんかめちゃくちゃ露骨に偏見剥き出しでタチの悪い作品だと思いますよ。テロリストがイスラム系なのは事実なのだから仕方ないにしても、その事実をわざわざ映画化するという選択に何らかの意図は働いてしまうのですから。結局この映画を見てもインドが今どんな社会なのかなんてろくに理解できませんし、徹頭徹尾外国の観光客のための物語でしかないのです。[インターネット(字幕)] 2点(2023-10-10 22:17:53) 16. ジョーカー 単純に主張が先行して人間が描けていない、それに尽きますよ。黒人シングルマザーとの関係なんかまるで掘り下げられず終わりますし、終盤の展開がジョーカーの妄想か現実かなんて作中の人物に興味を持てなきゃどうでもいいじゃないですか。カウンセラーの役に立たなさとか、母親以外との人間関係の希薄さとか、憧れの仕事が不釣り合いなエンターテインメント業界とか、まあ確かに社会からの落伍者についてそういう話をどこかで聞いたり自分でも見に覚えがあったりするところがあるのでよく調べてるんだろうなと思いますが、最近でもビューティフルデイとかスリービルボードとか似たような内容の映画はすぐ思い付きますのでやっぱりただ陳腐な描写ってだけじゃないですかね。本当にあんな豪勢な劇場でチャップリンとか流します?オペラでもあるまいし、カリカチュアにしても現実的には見えませんね。そもそも70〜80年代を舞台にしてる意味って何なんですか?タクシードライバーへのオマージュ?むしろそれを言い訳に現代を舞台にすることを避けた逃げじゃないでしょうか。しかし暴力描写は普通のアクション映画程度なのにレイティング指定とは過剰反応ですね、そこも話題性のための何らかの作為を感じずにはいられません。[インターネット(字幕)] 2点(2023-10-07 23:48:01) 17. ワース 命の値段 こういう社会派映画がモンスターバースの脚本家マックス・ボレンスタインの手によるものであるというのには驚くと同時に悪い意味で納得してしまうところがあります。結局この映画は補償する側から語られる話でしかなく、プロパガンダとまでは言いませんが美化して描いているのではないかという疑念が生じます。個々の被害者のエピソードには印象的なものがあります。特に同性愛パートナーの補償を受けられなかった男性のそれは今の時代に取り上げる価値のあるエピソードでしょう。しかしそれでもやはり視点は主人公マイケル・キートンから動かず個人の側から見える景色は描かれず群像劇のドラマとして構成できていません。これなら劇映画ではなくドキュメンタリーで十分な内容だと思います。[DVD(字幕)] 5点(2023-10-06 23:29:06) 18. さよなら、人類 舞台は人工的なセットにしか見えずリアリティがなく、正直テレビのコントみたいな映像ですね。明確な筋もなく話は支離滅裂にしか見えません。三部作の最終作らしいので前2作を見ていないと妥当な評価はできないのかもしれませんが、この映画を見て過去作品を見返す気にはなれませんね。この監督はヨーロッパではそれなりに評価されているみたいでこの映画も金獅子賞を取っているわけですが日本での評判は芳しくないですねえ。実際これはヨーロッパの庶民の感覚を知らないとギャグもピンと来ずクスリとも笑えないと思います。過去のスウェーデンとロシアの戦争が背景にあるようでそこも評価されてそうですが正直スウェーデンの近世とか日本じゃ歴史マニア以外にはどうでもいいですし…。近い作風のモンティ・パイソンやアキ・カウリスマキとは何が違うんでしょうか。まあかわいげが無いのが一番の問題ですかね。画面はくすんだ灰色、登場人物の顔は全員白塗りでことごとく血色が悪い(笑)。クローズアップで撮れば人生は悲劇、ロングショットで撮れば喜劇という有名な言葉がありますがずっと定点ロングショットというのはいくらなんでも芸がなさすぎます。[インターネット(字幕)] 3点(2023-10-04 23:40:08) 19. 告白(2010) 90年代以降日本で盛り上がりを見せた少年犯罪の凶悪化言説、それが反映された最末期の作品ですね。なぜか2010年代以降この手の作品が全然話題にならなくなった気がします。他に注目すべき問題が出てきて少年犯罪程度で騒ぐ時代ではなくなったのか、あるいは観客やクリエイターの世代交代が進んだおかげでしょうか。アメリカの銃乱射などは現役バリバリの題材なところを見ると実は大して現実を反映した深刻な問題でもなかったんでしょうね。松たか子が殺してやりたいというと教室が静まり返る場面は良かったですね、みんな先生の話を聞いていないように見えて実はちゃんと聞いているんですよね。法律があてにできないにしろ警察の存在を無視しなければ成り立たないような不自然な物語を構築するのはやめるべきだと思います。こんなしょーもない内容で罪と罰を持ち出すとか勘弁してください。[インターネット(邦画)] 1点(2023-09-24 18:37:05) 20. クワイエット・プレイス モンスターを描くことにもモンスター出現による世界の変化を描くことにも興味がなく、音を立ててはいけないというシチュエーションを思いついただけで映画化したようで特に伝えたいテーマもなさそうな作品ですね。このシチュエーションなら登場人物が少なく辺鄙で寂しいロケーションでも自然に見えるという金勘定の問題もありそうです。この設定ならばふだん我々がいかに音に依存した生活を送っているか気づかせるような批評性を感じさせるプロットを構築すべきでしょうが、せいぜい観客が共感しやすいように家族を主人公にする程度の目論見しか見えてきません。妊娠・出産ですらサスペンスのための小道具として利用しているようで不快感があります。[インターネット(字幕)] 3点(2023-09-22 23:59:39)
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS