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タイトル名 |
リリイ・シュシュのすべて |
レビュワー |
雨の日はさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2003-06-24 13:55:10 |
変更日時 |
2003-06-24 13:55:10 |
レビュー内容 |
今朝観たばっかりで、まだまとまらないですが、良かった。今の14歳かは分からないけど、私の中学時代はあれに近かった。大人は、子どもは毎日学校に行って普通の暮らしをしていると思っているかもしれないけど、子どもにとって学校は毎日が戦いの場で、私はそれを最近忘れてきてたんだなあと思った。私自身、その中で最低限の誇りはなんとか捨てずにやってきた。いや、捨てかけたこともあったかな。星野はきっと、その最低限の誇りを奪われてしまったんだと思った。いじめられて、彼の中で、何かが崩されてしまった。好きだったくのさんの前で、不良たちにあざ笑われるシーンはつらかった。彼の中では構図ができていたんだと思う。不良>自分。自分は、社会で一番劣った人間なんだっていう。その構図から逃げるために、彼は人をいじめるしかなかった。それが、彼が傷つけられたプライドを取り返す、唯一の手段だったのだ。今、若者たちが荒れてるのは、希望がないからだと思う。明確な価値観とか、そういうものが消えて、文化もへったくれもない地方都市の一生徒でしかない自分に、みんなが辟易しているんだと思う。だれでも特別な唯一の自分でいたいのに、そうでない現実がある。だけど、リリイは、それを慰めてくれる存在ではないと思った。絶対に。だって、いくら音楽に没頭したって、自分がその音楽を作っているわけではないし、リリイは、実は彼らの痛みを増幅させているに過ぎないからだ。リリイがウケる時代、というのは分かる。でも、リリイがウケない時代というのを、私は作りたいと思う。14歳の若者に迫ろうとした監督はすごいと思う。迫った、という点では迫真の映画だった。 |
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