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タイトル名 |
スリーパーズ |
レビュワー |
由布さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2002-11-10 01:57:34 |
変更日時 |
2002-11-10 01:57:34 |
レビュー内容 |
ブラッド・ピットにとっては傍迷惑なほど、偉大な失敗作。重いテーマを紹介する少年時代は眉を顰めるほど丹念に描かれているとして、いざ復讐という青年時代の描き方が御粗末。青年時代は復讐をテーマにしているにも関わらず、なんだかマイケル一人だけが延々と根に持っていたようにも思えるほど、他の3人があっさりし過ぎている。法廷への発端となる復讐そのものが、銃弾数発打ち込んで気が済むような恨みなら、その前に何か考えろよと言いたいほど単純バカだし、進行役のシェイクスにしてさえ、マイケルの計画に巻き込まれた結果の便乗的な感が免れない。少年時代に割いた収録時間の関係もあるのだろうが、これで、マイケルの腹立たしさ、苛立ち、緊張した疲労、隠し切れない怒り、救いすら求められない切なさを見せた、ピットの抑制の効いた演技の全てが、宙に浮いてしまった。例えば、入廷してくるファーガソンを視線で追うピット=マイケルの目の動きに宿るほどの怒りすら、他の3人に執念が感じられないのだ。おかげで、テーマであるはずの復讐すら、嘘っぽく感じられてしまう。人生には、「あんな奴死んじまえ」と思うことは、ままある。でも、「奴を殺してやる」と思い、それを実行する為の術と手段まで考える事がないのが幸福な人生というものだろうが、本作中、それだけの執念を感じさせてくれたのは、残念ながら、ピット・マイケルだけである。映像的には、鏡を上手く利用しているな、ということ。 |
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