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タイトル名 |
マトリックス リローデッド |
レビュワー |
由布さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2003-06-30 01:00:59 |
変更日時 |
2004-12-24 00:33:15 |
レビュー内容 |
これは身に覚えがあるからこそだけど、物語(特に読みきり小説や時間枠の決まっている映画等)を作るうえで絶対にやってはいけないことがある。自分の世界観の独走(押し付けとも言う)と、キャラの詰め込み過ぎ。確かに、3作の中では最も深いけど、正直なとこ、映画館で見終わった瞬間に、これは失敗だなと思った。「だから何なのよ」と、思ってしまう。何より最悪なのは、主役不在になっていること。本作は、これらを同時にやってしまったんだな。監督か製作側かは分からないけど、1作目で世界観と映像技術を賞賛されて、映画の本質を誤解してしまったらしい。脇キャラがどんなに活躍して目立とうとも、観客は結局、主役に感情移入して物語に没頭していくものなのに、本作のネオは、まるっきりアクションの添え物になってしまっている。無論、見せ場はないわけではない。ハーマン評議員との会話シーンや、オラクルとの会話等・・。でも、それらの全てが、舞台でだってあまりお目にかからないほど、殆ど立ち位置から動かない、あるいは座ったままで動きが殆どない状態を強いられていては、直後のアクションが派手なだけに印象に残らないし、もはや役者が気の毒としか言い様がない。そう思うと、やっぱり、何度見ても、カー・アクションに時間を割くくらいなら、ザイオンでのネオの孤絶感を掘り下げて欲しかった。ついでにトリン。もう少し描写のしようはなかったのかなぁ。リンクを思うジーが出てきた分、トリンって、ネオを愛してるの?それとも救世主だから愛してるだけ?って思ってしまって、この不快感はレボまで引き摺ってしまう。ネオが笑っちゃうくらいチェリー・ボーイしてるから、余計、不快だ。構成のせいか、キャリアの差か、個性のせいか。チェリー・ボーイ・ネオは、キアヌの持ち味でもある滲み出るような人恋しさの賜物だし、キアヌのアクション・シークエンスも、センチネルスを止めた危機迫る表情も、絶品だったんだけどなぁ。とにかく、よく考えさせてくれる作品だけど、作り手側のミスというか、独り善がりが目立ち過ぎ。 |
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