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タイトル名 |
シュウシュウの季節 |
レビュワー |
ぐるぐるさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2004-12-15 22:07:35 |
変更日時 |
2004-12-16 17:25:23 |
レビュー内容 |
個人的には最近観た「モンスター」以上に痛くて、痛くて、痛い作品。もう中盤以降は心臓をギュッと掴まれて、息をするのも苦しくなって、気張ってないと魂を持ってかれてしまいそうだった。文革中の中国を舞台にしているという事で政治的・社会的な要素の強い作品かと思っていたけれど、僕にはこれはいつの時代・どこの時代でもありうる(たとえば戦後まもなくの日本での街娼と傷痍軍人、という設定でも成り立つと思う)「報われない片思いの悲劇」のように思えた。無垢な少女シュウシュウがあまりにも無残な形で「女」に「成長」させられていく中、シュウシュウに密かに想いを寄せつつも、社会的な力もなく、また男性として彼女と結ばれることも叶わず、ただ見守ることしか出来ない老金のやるせなさが、痛いほど伝わる。そしてあの、溝口を思わせるような、ある種幻想的なラストシーンは息をするのも忘れそうだった。正直、こういう話は本来の好みではないのだけれど、映像・カメラの動き・役者の演技など、どれをとってもいちいち素晴らし過ぎる(音楽は少しセンチメンタルすぎる気がしたけれど、全体に比べたら大したことではない)作品。誰にでも勧められる作品ではありませんが「映画」が好きな方は是非観てください。 |
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