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タイトル名 |
ドッグヴィル |
レビュワー |
あろえりーなさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2012-10-12 11:05:55 |
変更日時 |
2012-10-12 11:08:01 |
レビュー内容 |
セットがなく、スタジオ内に線が引いてあるだけという様相に最初は面食らうかもしれませんが、だんだんとそれが気にならなくなり、最終的にはこのスタイルが功を奏しているんだということがわかる。町並みや風景といったものはこのお話にとって二次的な要素なので、いっそのこと全て省略してしまうことにより、人の内面だけにスポットを当てられる。いって見れば観客を、人間の醜く汚い内面世界に閉じ込めてしまうわけだ。その醜い監獄は実に居心地が悪いので、嫌悪感を抱く人も多いだろう。ただ個人的には大いに共感も出来たし、また面白かった。「あぁ、その気持ちかるわ~」「こういうこともあるよね~」なんて思いながら。子守りをさせてたお母さんが怒りに震え次々とグレースの陶器を割ったり、男たちがグレースを性奴隷のように扱ったり、トムがグレースを裏切る局面であったりと、リアルなエピソードが積み重ねられていく。そして観客にとっては、ある種の鬱憤も積み重なっていく。街の人たちの理不尽な態度に。だからラストはやはりカタルシスを感じてしまうのだが、だからといって全て皆殺しにする必要があったのかなという気もする。皆殺しにしなきゃ目撃者を作ることになるし、後の復讐を恐れてのことなのかもしれないけど。犬は復讐が出来ないから、情けをかけて助けられたのだろうか。まぁそんなわけで面白かった事は事実なんですが、個人的には続編の「マンダレイ」のほうが好みでした。あちらは作りとしては二番煎じだけど、内容は経営者と労働者の関係というテーマがあったので興味深く拝見出来たのに対し、本作はただただ嫌らしいだけで、深いテーマが見えづらかった気もします。 |
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