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タイトル名 |
卒業(1967) |
レビュワー |
ドラえもんさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2000-10-15 23:40:05 |
変更日時 |
2000-10-15 23:40:05 |
レビュー内容 |
自分がこれからの人生をどう生きていくべきかという事にまだ確信を掴んでいない、成功した家庭の息子が、やがて既成の権威ないし権力に異議申し立てする為、それらからの脱出を計る。アメリカ式価値観に安住して、疑う事を知らない両親との断絶は、プール・サイドでの誕生日パーティの場面で絶妙に描かれている。この作品はコメディ色が強く、ベンとロビンソン夫人の関係でも例えば、最初のキスをしている間中、夫人が目を白黒させて、終わった後それまで我慢して溜めていたタバコの煙を、ふうっと吐き出すシーンや、ベンがなんとか夫人の気を引こうとしても、ドレスの汚れを気にしてちぐはぐな生返事でしか応じないというシーン等々、M・ニコルズ監督のコメディ・センスが冴えわたる。さらにサイモン&ガーファンクルが「サウンド・オブ・サイレンス」「ミセス・ロビンソン」そして叙情的な柔らかい旋律の「スカボロウ・フェア」など、この映画の内容を旨く歌い上げている。こういった音楽の使い方や斬新な映像表現で、当時の若者を熱狂させたわけだけれど、未だにこの名作を超える青春映画は出てこない。 |
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